あるばたいんさんの一周忌

 今日で、あるばたいんさんが亡くなられてから一年が過ぎた。

 あるばたいんさんの死去を最初に知ったのは、たかはたゆうさくさんのブログ「高畑★SAN 魔美的 偶然日記」の記事だった。それを最初に目にしたときは、あまりのショックに「何かの間違いであって欲しい」と思わずにはいられなかったが、本当の事だった。現実とは、時に残酷なものだ。

 その後、あるばたいんさんのご実家を訪れたのは以前にブログで書いたとおり。ご家族の方がみな快く迎えて下さったのは、悲しい中では救いだった。もちろん、一番悲しいのはご家族だったはずで、後になって、悲しみの中では明るく振る舞わずにはいられなかったのではないか、と思った。

 先日、藤子・F・不二雄大全集は第1期が完結して第2期がスタートしたばかり。かろうじて、第1期刊行開始のよろこびは一緒に味わうことが出来たが、その後毎月刊行された作品群を読むことなく亡くなってしまわれたのは、ご本人にとって心残りだったのではないか。
 それに、ファンとして作品を楽しむだけでなく、「藤子アニメだいすき!」にも新たな動きがあっただろう。本当に、あるばたいんさんの死は早すぎた。


 実は、この件についてはtwitterでつぶやいており、それだけにしておこうかとも思ったのだが、やはりどうしてもブログでも触れておきたくて、こうして書かずにはいられなかった。
 あらためて、あるばたいんさんの魂が安らかであることを祈って、この文を終わる。
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『藤子・F・不二雄大全集』第2期刊行開始

 とうとう、待ちに待った『藤子・F・不二雄大全集』第2期が、本日より刊行開始となった。

 第2期の第1回配本として発売されたのは、『ドラえもん』9巻、『オバケのQ太郎』6巻、『21エモン』1巻の三冊。『ドラえもん』と『オバQ』は第1期でも第1回配本の中に含まれており、やはりこの2作品は藤子・F・不二雄(藤子不二雄)の代表作なんだなとあらためて思った。
 詳しい感想は、しっかり読んでから書くつもりだが、ざっと見たところでは今回は3冊とも特別資料室が非常に充実していると感じた。『オバQ』の幻燈機用漫画とか、よくここまで見つけて拾いおこしたものだなと、いい意味であきれてしまう。

 この第2期刊行開始で何より嬉しいのは、これからまた毎月、まだ見ぬ藤子作品に触れられる楽しみが味わえることだ。今月は『オバQ』で単行本初収録話が25本もあるし、来月は初単行本化の『パジャママン』が予定されており、いまから待ち遠しい。
 この第2期が完結したら次は第3期、そして、もしかしたら第4期も? と、つい先のことまで考えてしまうが、まずは一年間、第2期で出る作品を毎月楽しみたい。


余談

 第2期予約特典のポストカード、7月に自宅に届いたという話も聞いており、まだ来ていないがどうなるのだろうと思っていたら、本日第2期第1回配本と一緒に書店で手渡された。と言うことは、自宅にポストカードが届いたのは、通販で直接注文した人だけなのかも知れない。
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本とのつき合い方が変わった一年

 最近、本を買う事が以前よりも減った。本を買う時に、以前より厳しく吟味するようになったからだ。

 ここ数年を振り返ってみると、2007年をピークとして、とにかくやたらと本を買っていた。と言っても、雑誌類を含めて1年で500冊程度なので、全く大したことがないと思われる方もいるだろうが、せまい部屋に住んでいる私にとってはこれでもかなりの数なのだ。おかげで、買ったまま未だに手を付けていない、いわゆる「積読」の本もなかなか消化できない。その中には、何年も探したあげく、やっと見つけた本まであるという始末だ。完全に「手段」と「目的」が主客転倒していた。
 なお、ここで言う「本」には活字の本も漫画単行本も含めているが、やはりどうしても漫画の方が読みやすいので、ハードカバー2段組1000ページなどと言う仕様の活字単行本は、ついつい後回しにしてしまう。このままでは一生手を付けられない本もありそうだな、などと思いつつさらに本を買っていた。昨年までは。

 そんな私にとって転機となったのは、昨年の「藤子・F・不二雄大全集」刊行開始だ。
 この全集はA5判で各巻220~780ページ、毎月3冊刊行なので、大ボリュームだ。そして、F全集の刊行開始前から本棚は既に一杯で、それどころか収めきれずに床に積んでいる本も多数あった。だからと言って同じようにF全集を床に積んでおく訳にもいかないと、かなり無理をしてスペースを作り、なんとか第1期全33巻は全て本棚に収めることができた。
 その過程で、蔵書のほぼ全てを見直して、どう考えても将来読み返すことはなく、また持っておく資料的な意味もないと判断した本を処分したが、これが、かなりの量になった。いずれの本も、購入時には興味を惹かれてぜひ読みたいと思って買ったはずなのだが、実際に読んでみて期待はずれだったり、長編ものでは巻が進むと付いていけなくなったりと色々な理由で「もう読まない」と判断した。
 さらに、どうせ後から本を処分するのなら、それ以前に本当に自分にとって買う意味があるのかどうか、それをしっかり見極めてから買うべきだと強く思うようになり、昨年秋頃から本の購入量を減らすようになった。昨年1月~8月までは月平均で約40冊ほど買っていたが、それが昨年9月~今年7月で見ると約30冊まで減った。
 本の購入ペースを落としたおかげで、ようやく今年に入って積んでいた本を少しずつ消化できるようになった。まだまだ全部を読破するまでには至らないが、あらためて「読みたい本」とは何か、と言うことを見つめ直すことが出来た。その点でも、「藤子・F・不二雄大全集」には感謝している。


 読んで「よかった」と思う本との出逢いは、心を豊かにしてくれる。買う時に厳しく吟味するとは言え、これからも本との出逢いは大切にしていきたい。
 明後日からは「藤子・F・不二雄大全集」第2期が刊行開始される。現在、本棚の空きはせいぜい3ヶ月分程度だ。これも何とかしなければいけない。今度は、雑誌類も処分するか。まあ、何とかなるだろう。


参考メモ
 最近買った漫画単行本:楳図かずお「洗礼」第1巻、「14歳」第1,2巻。先日行ってきた「楳恐」で興味を惹かれた。「洗礼」は初読、「14歳」は雑誌連載以来の再読。どちらも続きが非常に気になる。早く入手して読みたい。


8/24 追記
 わざわざ触れるまでもない事なので本文では書かなかったが、藤子関係の本は特別扱いなので、どうしようもないダメな本(D社刊の謎本など)も含めて、基本的に全て残している。例外的に処分したのは、ダブりの本だけ。大部分がFFランドのバラだったが、タイトルによっては古書店で割りといい値段が付いて意外だった。状態もよくないのにいくらで売るつもりなのだろう、と他人事ながら心配になってしまった。
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「楳恐」と「水木しげる・妖怪図鑑」

 例年通りなら、8月中旬は時期は東京へ出かけてコミケやオフ会に行っていたのだが、今年は事情で上京できず、お盆は関西の実家で過ごした。
 実家で何もせずダラダラと過ごすのも、これはこれで楽チンでいいのだが、本当に何もしないだけなのももったいないので、大阪・梅田で行われていた「楳図かずお恐怖マンガ展 楳恐」、神戸で開催中の「水木しげる・妖怪図鑑」と、マンガ関係の展覧会を藤子ファン仲間のK氏と一緒にハシゴしてきた。


 まずは、梅田の「楳恐」から。実のところ、私もK氏も楳図作品をそれほど読んではいない。私の場合、全編を通して読んでいるのは『おろち』『猫目小僧』『漂流教室』くらいだ。最近、藤子関係の飲み会などで楳図作品の話題が出ることが多かったせいもあって、あらためて楳図作品を読んでみようと言う気になり、小学館から刊行されている「楳図パーフェクション!」シリーズで、気になった作品を読んでいるところだ。
 どうやらK氏も私と似たり寄ったりの状況のようで、楳図作品初心者の二人だったが、少なくとも入場料の500円分は楽しめた。「楳恐」は原画の展示はなくマンガは単行本からコピーした(と思われる)ものだけだったので、残念ながら楳図絵の描き込みの凄まじさを原稿サイズで体感することは出来なかったが、作品にちなんだ展示物が色々とあって、天井裏の「赤んぼ少女」タマミや、大小多数のゴキブリ、立体になったチキン・ジョージなど、原画の代わりなのか妙な方向に気合いが入っていた。
 展示の後半では代表的な楳図作品が紹介されており、未読の作品もひとつずつ機会を作って読んでいきたいと言う気分になった。

 そして、梅田で古本屋を回ったり食事を取ったりした後、続いて神戸の兵庫県立美術館に行き、「水木しげる・妖怪図鑑」を観てきた。
 この展覧会は、とにかく「第1章 水木しげるの妖怪図鑑」が圧巻で、「里の妖怪」「山の妖怪」「水の妖怪」と棲息地ごとに分けられた88種もの妖怪原画が展示されており、非常に見応えがあった。ボリューム一杯で、ここだけでも展覧会として成立するのでは、と思ったくらいだ。絵としては色々な妖怪図鑑系の本で見慣れているものが多かったが、それだけに細かいところに新たな発見もあって楽しかった。
 「第2章 鬼太郎の秘密」では、連載当時の「週刊少年マガジン」「テレビマガジン」等の図解の原画がいくつかカラーで展示されており、これが観られたのは収穫だった。他に、原作漫画からは「鏡爺」の回の原画が全ページ展示されており、扉ページの「鏡」の字が間違っていて訂正した後があったのは何だか微笑ましくて笑ってしまった。
 「第3章 江戸時代の妖怪たち」の展示は水木絵ではなく、そのアイディアの元になったと思われる江戸時代の妖怪画の数々が紹介されたもので、どちらかというと面白味に欠けるかなと思ったのだが、途中からは妖怪を「屁」で攻撃するなど水木作品にも通じる奇想天外な絵も出てきて、ここもなかなか面白かった。
 色々と見どころがあった展覧会だったが、やはり原画を観ることが出来たのはよかった。水木作品でお馴染みの「点描」も間近で観られて、「ここはアシスタントたちが頑張ったんだろうな」などと、現在放映中の『ゲゲゲの女房』での一幕を連想してしまった。


 と、言うわけで、東京には行けなかったがそれなりに充実した夏休みだった。K氏は夏休み明けから転勤されるそうなので、関西でお会いする機会は少なくなりそうだ。それは残念だが、最後に今回ご一緒できたのはよかった。
 しかし、それはそれとして年末は今度こそコミケにも行きたい。そのためには懸案となっている事項を、早く解決しなければ。
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アニメドラの「特番リスト」を公開

 「ドラちゃんのおへや」テレビアニメのコーナーで長らく「準備中」にしていた「特番リスト」を、本日ようやく公開することが出来た。

 元々、今年3月のサイトリニューアルに間に合わせるつもりで昨年から準備をしていたのだが、その予定から半年近くも遅れてしまった。
 こんな事になったのは、ひとえに私の見通しの甘さのせいだ。まず、レイアウトを決める段階で悩みまくって今年の3月までかかってしまったし、その後も「念のため」の調査で追加すべきデータがボロボロと出てきて、それらの詳細を調べていると、どんどん時間が経ってしまった。
 さらに、1990年代末期からの特番は、それ以前と比べてイレギュラーな構成のものが多く、データ表記をなるべく統一するために録画をあらためて観返していたら、この作業にも時間がとられた。それでも、以前とは違ってVHSからMPEGデータに移していた回が多かったので、スムースに過去の番組を参照することは出来たのだが。
 こんな感じで、時間はあっと言う間に過ぎてしまったという次第だ。

 しかし、今日の公開でようやく一息付ける。とは言っても、特番データは1980年代中盤までかなり資料が少なくて、とりあえず「詳細は不明」とせざるを得なかった回が多い。これはいずれ調べなければならない。「コロコロコミック」などにある程度情報は載っているのだが、さらに突っ込んで調べようとしても、アニメ雑誌でも『ドラえもん』特番はスルーされることが多く、なかなか調査は進展しなかった。
 今後、どれだけ不明部分が埋められるか自信はないが、一度公開したのだから、出来る範囲で調査は続けていきたい。その意味で、多分このリストが「完成」する日は来ないのではないかと思う。
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