関西地区テレビ受信の思い出

 広域局の地上波テレビ放送エリアとしては、東海地区と関西地区は隣同士だ。
 それぞれの電波の発信元である愛知県と大阪府は隣合っていないので、名古屋に住んでいると普段は意識する事はない。名古屋や大阪よりむしろ、三重県伊賀市や滋賀県多賀町など、両地区の境界に位置する地区の人にとって、大きな意味がある事だろう。

 ただ、広域局が両方観られたとしても、肝心のテレビ愛知・テレビ大阪は県域局のため受信が難しく、かと言って三重県・滋賀県独立U局の三重テレビやびわ湖放送は代替にはならないので、アニメファンとしては「微妙な地域」だと思う(該当地区の方、ごめんなさい)。
 とは言え、滋賀県東部からテレビ愛知を受信しようとする気合いの入った人もいるようで、本当に綺麗に映るなら非常に恵まれたテレビ環境になるだろう。


 私自身の場合、前段にも書いたように普段は関西地区のテレビ局を意識する事はない。そもそも、今住んでいるマンションがケーブルTV対応であり、本来空いているVHF偶数チャンネルにも本来UHF波の中京テレビ・テレビ愛知・三重テレビをVHF変換して再送信しているので、「たまたま偶数チャンネルをつけたら関西波が入った」と言う事は起こり得ないのだ。
 しかし、名古屋での前の住みかでは、20世紀末まではアンテナ直接受信だったので、昼間でもVHF偶数チャンネルでは砂嵐の中でうっすらと関西の放送が混じっており、かすかに名古屋まで電波が届いているのだと言う事は知っていた。と言っても「どうも関西の番組らしい」となんとか推測出来る程度のレベルであり、視聴に耐えるレベルではなかったので、小学生の頃までは、特に気にはしていなかった。

 関西波への認識が変わったのは中学生になってからだった。自分の部屋にテレビを持って、夜更かしで深夜番組を観つつチャンネルを適当に変えていたら、まともには映らないはずの8チャンネルに関西テレビの映像がはっきりと入っていたのだ。これを見つけた時は、驚いた。
 もちろん、名古屋の局に比べたら格段に落ちる状態だったが、それでも画面に色が付いて音声もはっきり入っており、昼間と違って番組内容を把握して観る事の出来るレベルだった。
 これはなぜだと考えて、また他の局はどうだろうかとチャンネルを変えているうちに、理由がわかった。隣の9チャンネルを使っているNHK教育テレビが当時は0時で放送を切り上げており、それ以降は電波の「邪魔」がなくなったため8チャンネルの関西テレビが映っていたのだ。同じ理由で、10チャンネルの読売テレビも深夜はある程度映っていたが、こちらは11チャンネルの名古屋テレビに影響されるため、関西テレビほど受信状態はよくなかった。

 そんな訳で、深夜限定ながら一応自宅で関西のテレビも観られると言う事がわかり、関西ローカルの深夜番組などを観るようになった。もっとも、名古屋の局は比較的関西の番組も多く放送しているので、それほどありがたみは大きくなかったが。
 それに、当時はアニメ関係での利点は少なかった。そもそも深夜アニメ自体がほとんど無かったので、せいぜい関西テレビで「スーパーヅガン」を観た程度だ。


 と、長くなってしまったが、ここまでは、実は前振り。
 そもそも、今回このネタでエントリを書こうと思ったのは、古いビデオテープを整理していて、数少ない「関西地区のテレビが映ったアニメ関係の利点」と言える録画が出てきたからだ。

 話は16年前、1992年にさかのぼる。アニメ「ママは小学4年生」(以下「ママ4」)の第49話が放映されるはずだった12月11日に緊急報道特番のため番組が潰れ、放映が延期になった。残り3話で最終回、まさにクライマックスで話が盛り上がっていた時だけに、早く49話を観たくて仕方がなかったが、どうやら翌週に回されるらしいとわかり、非常にじれったく思っていた。
 そんな時に思い出したのが、読売テレビの存在だった。「ママ4」は金曜17時の枠で比較的多くの局が同時ネットしており、名古屋の中京テレビもその一員だったが、読売テレビは当時から独自編成を組んでいたため、「ママ4」は火曜(月曜だったかも知れない。記憶が曖昧)早朝5時15分の枠で放映していた。
 当時は関西地区の番組表を確かめる手段がなかったが、読売テレビは報道特番と関係なく普段通り放映するのではないか、そして5時15分ならまだNHK教育が放送を始めていないので、受信可能なのではないかと考えて、駄目元で予約録画してみたのだ。

 そうしたら、見事に思惑通り、読売テレビは通常通りの編成で早朝に「ママ4」第49話を放映しており、バッチリ録画も出来ていた。もちろん画質は最低レベルだが、一応色は付いていて、音声はクリアなので話の内容は理解できた。その時の録画が未だに残っており、たまたま見つけて懐かしくなってしまった。それで、このエントリを書いたという次第。
 実際、どんな画面だったかというと、こんな感じ。





 毎週観るとなるとさすがに耐えられないが、この時は早く観たくて仕方なかったので、こんな状態でもありがたかった。
 NHK教育が試験放送を始めたせいでBパート途中で映らなくなってしまい、結局第49話が中京テレビで放映されるまでやきもきさせられたが、この回は視聴に苦労した分、印象に残っている。正直言って「小学4年生に妊娠出産疑惑」と言う本編の展開はやりすぎだと思っていたが、それだけにどうやって収拾を付けるのか気になって、早く続きを観たかったのだ。

 ちなみに、中京テレビでは結局12月17日(木曜日)の17時より第49話、そして翌日18日には本来の予定通り17時から第50話を放映した。当時は、第49話は全国的に17日に振り替えたのだと思っていたのだが、近年になってキー局の日本テレビでは18日の17時から1時間枠で第49話・第50話を連続放映したと知って、ちょっと驚いた。
 つまり、第49話は読売テレビが3日、中京テレビが1日、キー局より先行して放映した事になる。また、第50話も中京テレビは日本テレビより30分だけ先行している。考えてみれば、中京テレビは月~木曜日の17時枠がアニメ再放送だったので木曜日への振り替えが可能だったが、日本テレビは月~金曜日まで日替わりで番組が埋まっていたから、金曜日に1時間枠を設けるしかなかったのだろう。
 「ママ4」は、日テレ夕方枠としては放映局が比較的多い番組だったので、第49話の振り替えを他の地域ではどう扱ったのか、気になるところだ。中京テレビと同様に木曜に放送した地域もあったのかもしれない。


 最近になって知った事だが、専用のアンテナを立てれば昼間であっても愛知県内で関西広域局の受信は可能なようだ。特に関西波を意識していなかった私の前の家でもある程度入ったのだから、狙ってアンテナを向ければもっときちんと映るのだろうと言う事は想像できる。
 自前で地上波用のアンテナを立てて遠距離受信に挑戦するには、一戸建てに住んでいないと難しい。私自身は、せいぜい室内アンテナで三重テレビ受信に挑戦(ケーブルTV対応前)した程度だが、アンテナの調整がシビアでなかなかスリリングだった。私も、もし一戸建てに住んでいたら、本格的に機材を揃えて遠距離受信マニアになっていたかも知れない。
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「天才クイズ」最終回

 CBCの長寿ローカルクイズ番組「天才クイズ」が、ついに今日で最終回を迎え、37年の歴史に幕を下ろした。東海三県の出身者には、説明不要の番組だろう。完全なローカル番組だったので、他の地域の人は、まず知らないだろうが。
 そのような知らない人のために説明しておくと、視聴者参加型のクイズ番組で、出場は小学生限定。○×クイズに10問連続正解すると「天才賞」に認定され、豪華(だと思う)賞品がもらえるという内容。「小学生限定」と言う点がポイントで、問題も小学生向けに作られており、自分自身が小学生のときは、テレビを見ながら出場者同様に10問正解に挑戦しつつ、いつか自分も出場したいと夢見ていた。結局、出場する機会はなかったが。
 思えば、私自身が小学生だった頃は、土曜日は「天才クイズ」(17時30分)→「お笑いマンガ道場」(18時)→タイムボカンシリーズ(18時30分)→「まんが日本昔ばなし」(19時)と続けて観ていて、毎週非常に楽しみな時間帯の始まりが「天才クイズ」だった。「天才クイズ」の裏では名古屋テレビ・サンライズ制作の一連のロボットアニメ(「ガンダム」他)が放映されていたが、当時の私は「天才クイズ」派だった。
 その後、マンガ道場もタイムボカンシリーズも、そして日本昔ばなしさえ終わってしまったが、「天才クイズ」だけは世紀を超えて続いていた。最近はさっぱり観なくなっていたが、まさか最終回を迎える日が来ようとは、思ってもいなかった。
 今日は、最終回なので久々に観たのだが、最終回1時間スペシャルと言うことを差し引いても、結構様変わりしていて驚いた。早押し形式の問題が加わっていたし、ダブルユーの問題まで出題された。しかし、○×の帽子や、答えが丸わかりな第1問は相変わらずで、安心した。また、これまでの番組を振り返るような問題も出てきて、2代目博士(顔がリアルで怖い)や3代目司会の斉藤祐子が懐かしかった。天才博士の答え発表時の名調子も相変わらず。観ているうちに、今日で最終回とは思えなくなってしまったが、最後は天才博士からの「長い間ありがとう」のメッセージがあり、やはり終わるのだ、と改めて思わされた。
 ともかく、これで土曜日夕方から「少年の日」の名残が完全に消え去ってしまうと思うと、非常に寂しい。いつの日か、また復活してほしいものだ。ちなみに、最終回では天才賞は成らず。残念。
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