藤子・F・不二雄大全集 第2期も完結

 本日発売の第12回配本をもって、『藤子・F・不二雄大全集』第2期全33巻が完結した。

 第1期にはどちらかというと有名な作品が多く含まれていたのに比べて、2期ではほぼ初単行本化作品ばかりの『初期少女・幼年作品』『てぶくろてっちゃん』や、単行本が絶版で古書価が高額になっていた『仙べえ』、オールカラーで初単行本化の『Uボー』などをはじめとして、マニア向けの作品が多く含まれており、いっそう毎月の刊行が楽しみだった。
 その割には、「毎月書く」と言っていた各巻の感想は、第4回配本までで挫折してしまったのは情けない。これは、色々な要因が重なったせいで、全集自体は積まずにちゃんと読んでいるので、ご容赦いただきたい。

 中でも、先月刊行された『初期少女・幼年作品』はよかった。昭和30年代のF先生ならではの丸っこいタッチで描かれているキャラクターが皆愛らしく、読んでいて優しい気持ちになれる一冊だった。特に、『まんが道』で断片的に読んでいた「バラとゆびわ」を初めてきちんと通して読めたのは嬉しかった。ベチンダがライオンと出会ったいきさつを語ったはずの場面が、セリフ欠落で結局わからなかったのはちょっと残念だが。あの場面、『まんが道』バージョンではセリフが入っていたが、あれはF先生の監修によって入ったセリフだったのだろうか。気になるところだ。
 初期作品と言えば、『てぶくろてっちゃん』の初単行本化も嬉しかった。『ドラえもん』に繋がるアイディアも多く見受けられ、F作品の源流を見た思いだった。「ディズニーランド」版はてっちゃんがA先生の絵なので違和感があったが、あれはどういったいきさつで描かれたのだろう。連載期間も短いし、これもまた謎だ。

 と、各作品について語り始めるときりがなくなってしまうので、この辺にしておこう。これだけ書くことがあるのなら、ちゃんと毎月感想を書いておくのだったが、今さら後の祭りだ。どうも、ブログで続き物の企画をやろうとしても、なかなか最後まで続けられない。私の悪いクセだ。


 そして、今年9月からは、いよいよ第3期全34巻の刊行が開始される。
 個人的に『初期SF作品』にどの作品が収録されるのか注目している。2期の『初期少女・幼年作品』と同じく、レアな作品のオンパレードになるのは容易に想像できるが、それだけにどの作品が選ばれるのか気になるところだ。『海底人間メバル』もここに入るのだろうか。
 また、『UTOPIA 最後の世界大戦/天使の玉ちゃん』の巻も、この2作品だけでは100ページほどしかないので、残りのページは合作の初期作品が入ると予想している。こちらは、『まんが道』でおなじみの『四万年漂流』や「西部のどこかで」「三人きょうだいとにんげん砲弾」あたりか。


 ともかく、9月からの刊行開始がまたまた楽しみだ。
 今回は、8月にも別巻『Fの森の大冒険』と小学館クリエイティブの『UTOPIA 最後の世界大戦』復刻版があるので支出的には休み無しだが、8月の二冊も買い逃せない。はたして「覆面団」とはどんな漫画なのだろうか。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

ジェッターマルス #11・12感想

 『ジェッターマルス』も、今週の放送分で第14話まで観終わった。この作品は全27話だから、ちょうど中間地点まで来たことになる。
 放送開始前はまだかまだかと長く待っていた気がしていたが、いったん始まってしまうとどんどん進む印象だ。今回は、第1話以来となる感想を書いておきたい。そこで今週ではなく、先週放送分の第11・12話を取り上げるあたり、我ながらちょっとテンポがずれている気がする。



・ジェッターマルス 第11話「新入生マルス」
(脚本/辻 真先、演出・作画監督/芦田豊雄)

 マルスが小学校に入学する話。担任はヒゲオヤジこと伴俊作、クラスメートにはケン一・タマ夫・四部垣と、まるっきり『鉄腕アトム』そのまんまの配置だ。
 山之上博士がいなくなるまでは、『アトム』とは一味違う話作りになっていただけに、ある意味では思い切った方向転換だと思う。第8話で山之上博士が退場したのは番組開始当初からの構想にあったのか、それとも、より『アトム』的な話を求められて急遽行ったことだったのか、裏事情が気になってしまう。

 それはともかくとして、お馴染みの手塚キャラであるだけにヒゲオヤジの登場は嬉しかった。声は、富田耕生さん。『ジェッターマルス』以降でもテレビスペシャルの『マリン・エクスプレス』『フウムーン』、テレビシリーズの『ASTRO BOY 鉄腕アトム』『ブラック・ジャック』、劇場版『ジャングル大帝』などでもヒゲオヤジを演じているが、おそらく『ジェッターマルス』が富田ヒゲオヤジとしては最初の作品だと思う。個人的に、アニメでヒゲオヤジの声を聞いたのは『マリン・エクスプレス』が最初だったので、富田さんの声が一番耳に馴染んでいる。

 この回は、初登場エピソードと言うこともあってか、ヒゲオヤジの活躍が多く描かれており、観ていて楽しいエピソードだった。悪役にも名優・メイスンが登場しており、あいかわらずキャラクターは手塚オールスターという感じで豪華だ。



・ジェッターマルス 第12話「ヒミツ諜報員 ジャムボンド」
(脚本/山本 優、演出/名輪 丈、作画監督/阿部正巳)

 ストーリー説明…『鉄腕アトム』の「人工太陽球の巻」そのまんま。以上。
 本当にそうなんだから仕方がない。もちろん、登場キャラは入れ替わっているし、人工太陽球も冷凍装置に変わっているが、ストーリーは同じ。悪役も金三角のままだ。前話でアトム的な展開になったなと思ったら、話までアトムになってしまったのには驚きだ。

 この話、当然ながらアニメ版『鉄腕アトム』でも白黒版、1980年版と2度にわたってアニメ化されているので、この「ヒミツ諜報員 ジャムボンド」を入れると3回アニメ化されていることになる。『アトム』の全エピソードの中でも一番アニメ化回数が多いのではないだろうか。
 肝心の話の方は、尺が足りなかったためかいささか駆け足気味で説明不足に感じたところもあったが、悪くはなかった。原作にないジャムボンドの「握手嫌い」の設定は効果的に使われていたと思う。マルスがジャムボンドと友達であることにこだわるのも、本作ならではのことだろう。この調子で他にも『アトム』原作から話を使っているのなら、今後もどんな話が出てくるか楽しみだ。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

【ご報告】「ドラえもん最強考察」について・続

 前回、「【要注意】「ドラえもん最強考察」について」と言うエントリを公開してから、明日で10日が経つ。
 このエントリの公開にあたって、twitterで拡散希望した効果が大きく、先月24日以降、アクセス数が跳ね上がって、twitterの効果に驚いてしまった。具体的には、以下のようになった。





 と、ここで唐突に文体が変わりますが、これだけ多くの人にアクセスしていただけたのも、twitterでリプライ・リツイートして下さった皆様のおかげです。あらためて、厚く御礼申し上げます。

 さて、前回の「その後」はどうなったかと言いますと、大きな成果は晋遊舎から抗議メールの返事が来たことです。これだけでも、このブログであえて今回のことを書いた甲斐があったというものです。
 ただ、晋遊舎とはまだメールで交渉中の段階ですので、現時点でここに書けることがありません。いずれ、全ての始末が付いたらきちんとご報告させていただくつもりですので、とりあえずはここまでと言うことでご容赦下さい。


 と言うわけで、次回のエントリからは、また普段の調子に戻ってとりとめもないことを書くことになると思いますが、よろしければお付き合い下さい。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )