CD『決定盤!NHKみんなのうたより大全集』を入手

 本日、1987年版のCD『決定盤!NHKみんなのうたより大全集』全8巻(キングレコード)を、手に入れた。





 このCDは長い間探していたもので、元々は高校生時代にレンタルCDとして借りたのが聴くきっかけだった。だから、25年くらい前のことになる。
 全8巻・200曲(各巻25曲)収録という大ボリュームで、古めの曲も多く含んでおり、初めて聴く曲も多かったので、「このCDが欲しい」と強く思ったものだが、当時はパソコンも持っていなかったので、仕方が無くカセットテープにダビングして、そのテープを繰り返し聴いていた。今なら、PCでリッピングするところだ。

 さて、『みんなのうた』CDに昔からつきまとっていたのが、オリジナル・カバーの問題で、最近は「全曲オリジナル歌手」のCDも各社から発売されているが、昔は様々な事情から放送版とは別の歌手がカバーした曲も含まれていた。
 この『決定盤!NHKみんなのうたより大全集』でもその問題は避けられず、ぶっちゃけた話、放送版のオリジナル歌手の割合はそんなに高くない。しかし、実際に聴いてみると、カバーの歌手でも極力放送版に似せようとしていることが伝わってきて、印象は悪くない。アポロン版の「南の島のハメハメハ大王」なんて、自分の色を出しすぎて水森亜土の面影が全然無いが、そういうのに比べるとかなり原曲に忠実ではある。
 ちなみに、カバー歌手としては、ダントツにたいらいさおの曲が多い。その次が、芹洋子か。たいらいさお、アニメソングで仕事が無いと思ったら、こんなところで歌っていたんだなあと妙な感慨に襲われてしまう。
 もちろん、このCDでも原曲に似ていない曲もあるのだが、聴き慣れてしまったのでそれはそれで味として許容できるようになってしまった。

 オリジナル歌手の割合はそんなに高くないが、それでもオリジナルで聴ける曲もそれなりにあり、「夢を盗むギャングたち」や「ぼくは大きな石ころさ」などがオリジナルで聴けるのは、貴重だと思う。
 それに、オリジナル歌手でなくても、「えんぴつが一本」のようなレア曲が収録されているのは注目に値する。ちなみに、放送オリジナルは坂本九だが、こちらは未だにCD化されていない。

 そんな感じで、個人的に非常にお気に入りのCDだったが、とっくの昔に廃盤だったので、中古品をずっと探していたのだが、見つかるのは1987年版ではなく全10巻(各巻20曲収録)の1991年版ばかり。こちらの1991年版は、一部の収録曲が異なる上に、なぜか歌手だけ差し替えられた曲もあると言う不可解な内容であり、私としてはあくまで1987年版が欲しかったのだ。
 以前、第2巻のみ見つかったが、その後はずっと入手できないままだった。それが、先日とうとう某所で全8巻セットで売り出されているのを発見したのだ。定価よりは安いが、全8巻セットなのでそれなりのお値段ではあった。しかし、次はいつ出会えるかわからないので、思い切って購入したという次第。本日、無事に全8巻セットが届いた。

 と、言うわけで、この文章はそのCDを聴きながら書いている。
 長年の宿題を一つ、片付けることが出来た気分だ。『みんなのうた』関連では、DVD-BOX以来の大きな買い物になった。このCDは、これからも繰り返し聴くことになるだろう。

 なお、このCDの収録曲については、こちらのサイトにまとめられているので、気になる方はご参照を。
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『みんなのうた 発掘スペシャル』に感謝

 NHK『みんなのうた』放送50周年を契機にして、「みんなのうた 発掘プロジェクト」が始まったのは、昨年の正月のことだった。

 それから一年余が経って、プロジェクトの成果が『みんなのうた 発掘スペシャル』として、今月深夜に5回にわたって63曲が放映された。
 懐かしの曲から今まで知らなかった曲まで、いずれも近年は観ることが叶わなかった貴重な映像ばかりで、この録画は私にとっては永久保存版だ。せっかくの素晴らしい機会なので、各回ごとに分けて感想を書いておきたい。



・VOL.1:古すぎたせいで知らない曲ばかりだったが、いずれも味わい深い。『みんなのうた』放送初期と言うこともあってか、童謡的な曲が多いように感じた。そんな中でも特に気に入った曲を挙げると、「イナレオタ ~さかだちのうた~」「ごめんなさい」「歩いて行こう」「ラ・ゴロンドリーナ(つばめ)」など。

・VOL.2:ようやく、何らかの形で聴いた事がある曲が出てきた。「この広い野原いっぱい」は有名曲なのに、映像が失われていたのは意外だった。あるいは、有名曲であるが故に、『みんなのうた』で残す必要はないと判断されたのか。「風の子守歌」のオリジナルは岸部シローだったのか。コロムビアカバーの堀江美都子Ver.に慣れてしまったせいか、こちらの方がパチモン臭く聞こえてしまったが、よくよく聴いてみるといい味を出している。やはり、オリジナル音源を埋もれさせてはいけない。

・VOL.3:カセットテープへ録音して、曲だけをよく聴いていた歌の映像が観られて感動した。「さびしがりやさんこんにちは」は、「ひとりぼっちの歌」と同じく、歌・クニ河内&アニメ・ひこねのりおの組み合わせだったのか。「風の歌」は、少し前にラジオのみで再放送していたので、その頃にはまだ映像が見つかっていなかったのだろう。今回陽の目を見たのは実に喜ばしい。「天使のパンツ」は、長年の謎だった「人魚がパンツをはいている」図が見られたのがよかった。「川」は伊藤アキラ作詞・小林亜星作曲。「この木なんの木」のコンビだ。映像に登場する謎の女性はいったい何なのだろう。不思議な印象がある曲だ。

・VOL.4:個人的に一番嬉しいのは、「だるまさんがころんだ」が放送されたこと。これもカセットテープに歌を録って、繰り返し聴いた曲だ。レコード版音源は「山本正之大全集」でCD化されているが、こちらはテレビ版音源と違って「斉藤こず恵&ゆかり」の二人の歌になっている。斉藤こず恵単独ボーカルの放送版を綺麗な音で聴けて感激した。知らなかった曲の中では、「ホロスコープ ~あなたの星座~」が、よかった。みんなのうたで星座と言えば「星うらないキラキラ」が有名だが、「ホロスコープ」の方が洒落ていて格好いい。

・VOL.5:この年代になると、懐かしい歌が多い。今回、あらためて観返すまでは記憶があやふやだったが、やはり「走れジョリィ」は実写だったか。子供達が歌っている場面は何となく覚えていた。「紅葉」は、よく知られているお馴染みのあの歌だったのが、かえって意外だった。てっきり、みんなのうたオリジナルの同名異曲かと思っていた。この「紅葉」のアニメの、クモが出てきてハチを襲う場面は『ミクロイドS』のOPアニメを思い出してしまった。可愛いキャラで誤魔化されてるが、実は厳しい自然の掟を描いている。なぜ「紅葉」にこんな映像を付けようと思ったのか、不思議だ。「雪娘」は、やはりカセットテープでくりかえし聴いた曲。ラジオでしか再放送がないのでおかしいとは思っていたが、これも映像が失われていたのか。



 以上、もっと書こうとすればいくらでも書けるが、この辺にしておこう。
 この発掘プロジェクト、やはり色々と苦労があるようで、その一端は『みんなのうた コラム「発掘プロジェクト」』にて明かされている。これを読んで、スタッフと映像・音源提供者の方々に、あらためて感謝の気持ちで胸がいっぱいになった。

 それにしても、曲ごとに映像の状態が全然異なるのが実に興味深い。大昔の家庭用ビデオで録ったのだなと思われるものから、非常に綺麗なものまで、様々だ。「かくれんぼ」「のらねこ三度笠」などは非常に綺麗な部類に入る。これらの曲は歌詞のテロップもあらためて入れ直されており、ノンテロップの原盤が発掘されたのではないかと想像している。

 そう言った事情を抜きにしても、『みんなのうた』の一曲一曲には歴史がある。私はそんな歌の数々を聴いて、育ってきた。
 だからこそ、「発掘」という形で、今まで失われていた懐かしの曲、知らなかった曲の数々に出会えたことを、幸せに思う。映像を今まで保存されてきた提供者の方々一人一人にも、きっとそれぞれの歴史があるのだろう。
 未だ、失われたままの曲も多いが、それらの曲もいずれ発掘されて、あらたな歴史を刻む日が来ることを期待したい。
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みんなのうたの「発掘」に期待

 私が生まれて最初に聞いた「歌」。それは、おそらくNHKの「みんなのうた」だったのだろう。私がまだ赤ん坊の頃に、母がテレビ放送から録音してくれた「みんなのうた」のカセットテープが何本か残っている。自分自身には赤ん坊の頃の記憶はないが、繰り返し聞いていたようだ。

 その「みんなのうた」が誕生から50周年を迎えると言うことで、元旦にNHK総合テレビで特番「愛されて50年♪ みんなのうた 新春スペシャル!」が放送された。50年間を振り返る番組なので、おそらく有名曲中心にかかるのだろうと予想はすていたが、実際その通りだった。紹介された曲の大部分が「みんなのうた」DVD-BOXに収録されている曲だったので、このBOXを持っている者としては、正直なところあまりありがたみがなかった。また、テレビサイズをそのまま流した曲が少なかったのも不満点だ。
 とは言え、初期から近年の曲までバランスよく紹介されていたし、この手の番組に付き物のトークも長くなりすぎず、全体としてはなかなかいい番組だったと思う。実際に「みんなのうた」の曲作りに携わった方々が登場したのもよかった。
 また、私にとって、この番組で一番嬉しかったのは、「発掘」のコーナーで「シャーロックホームズとワトソン博士」「ポン太物語」の2曲が流れたことだ。両方とも1970年代後半に放送されており、私が幼少時に聞いていた馴染みの深い曲だった。歌に関しては、前述のカセットテープが残っているので、音質は悪いながら今でも聞くことが出来るのだが、アニメーションは記憶になかったので、今回は完全な形で観ることが出来て感動した。

 今回の特番で触れられていたところによると、これまでに放送された「みんなのうた」約1300曲のうち、500曲は映像や音源が失われてしまっているとのことだ。道理で、再放送で全然流れない曲があるわけだ。DVD-BOXにも、家庭用ビデオから復刻したと思しき画質の悪い曲がいくつか含まれていたが、あれは映像が残っているだけましだったという事か。
 1970年代後半の曲で、個人的に馴染み深くて映像付きで観てみたいものは、まだたくさんある。思いつくままにタイトルを挙げると、「だるまさんがころんだ」「さびしがりやさん こんにちは」「だれもいそがない村」「ヒュルルジンジンからっ風」「ぼくらは三つ子の男の子」「雪娘」「希望が愛がホラ」「あの雲にのろう」などなど。「雪娘」は近年のラジオ放送を録音しているし、フルコーラス版が収録されたチェリッシュのCD-BOXも持っているのだが、それでも映像付きの放送バージョンが観たい。「だるまさんがころんだ」は「山本正之大全集」でフルコーラスが聴けるが、テレビ放送版とは明らかに別テイクだ。こう言ったところにこだわっていくときりがない。
 さらに、1980年代の曲にも、思い出深いものは多い。この頃になると自分で積極的に放送を録音していたのだが、我が家にビデオが入ったのが1988年だったので、映像まで含めて手元に残っている曲は数えるほどしかない。もう一度映像付きで観たい曲を挙げていくと多すぎてきりがないが、名古屋在住者としては、名古屋の町の風景と発展の様子を歌った「マイ・スイート・タウン」は外せない。なぜ全国放送の「みんなのうた」で、あの当時にあえて名古屋を取り上げたのか、今でも不思議だ。

 そんなわけで、今回の特番でも紹介された「みんなのうた 発掘プロジェクト」には大いに期待している。私の手元にある音源は、ほとんどがテレビ放送をラジカセでマイク録音したものなので、生活音や家族の声が入っている曲が多くて提供できるような状態ではない。だから他力本願になってしまうのだが、たとえ家庭用ビデオであっても映像が残っている曲が一つでも多くあることを期待したい。
 それはそれとして、以前のDVD-BOXに収録された曲は現存する800曲の中の一部にすぎないのだから、まずは収録可能な曲でDVD-BOXのパート2を出して欲しいものだ。「発掘プロジェクト」との兼ね合いを考えると、現実的には新たなソフト化は当分の間はなさそうだが。とりあえず、当面は教育テレビの過去曲再放送を毎回追いかけていくしかないか。
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