5月11日から6月14日まで、北海道の某病院に入院して、手術を受けてきた。
と言っても、別に何か厄介な病気にかかったとかではない。どちらかというと不要不急の部類に入る手術なのだが、私にとってはいつかは受けなくてはならないもので、それがたまたまこの時期になったと言う事なのだ。
入院期間は約一ヶ月、その間には色々な事があった。ツイッターでも断片的にはつぶやいていたが、それではわかりにくいし、また自分としても今回のことは文章にまとめておきたいと思ったので、このようにブログ記事にしたというわけだ。
不要不急なので、手術内容も本来は命に別状はないはずだったのだが、ここに私・病院の双方にとっての誤算があった。麻酔の影響で意識が混濁して、麻酔から覚めたら私が暴れ回り(比喩ではなく、本当にベッド上で激しく動いたらしい)、さらには肺に血栓まで出来て、このままでは命に関わるというので、強制的に手術後一週間ほど眠らされたのだ。このあたり、私は全く記憶になく、後から話として聞いたにすぎない。
その間、私の意識はどうなっていたか。全く意識が途切れていた方が楽だったのだろうが、はっきり言うと悪夢を見ていた。
よく、人の夢の話を聞いてもつまらないと言われるので、夢の内容については簡単に済ませるが、一言で言うと『ドラえもん』の「うつつまくら」の世界を再現したような夢だった。と言っても、「うつつまくら」の話をそのまま夢に見たというのではなく、世界が現実(と信じていたが、当然これも夢)と夢とで何度も入れ替わり、次第にどれが夢でどれが現実かわからなくなる(くどいようだが、実際には全て夢)というところが、「うつつまくら」の話にそっくりだったのだ。
夢の内容もあまり気分のいいものではなく、私が今回の手術のあと一週間ではなく6年間も眠っていたと言う設定で、色々なことが起こったのだった。たった6年とは思えないほど世の中は進歩していて、大いに戸惑ったものだ。いま思えば、どう考えても夢としか思えないテクノロジーばかりで、「これは夢だ」と気づかないのがおかしいのだが、そこで気づかないのが夢なんだろうな。
例を挙げると、車は完全に音声で操縦できるようになっていたし、本は触れるだけで中身の情報が頭の中に伝達されるようになっていた。こんなの、あと6年で出来るわけがない。しかし、私は夢の中で、ただただ感心していたのだ。
ちなみに、6年後には今やっている『キン肉マン』の連載は終わっていて、ちょうどゆでたまご先生が次回作の連載を始めたところだった。さらに、『キン肉マン』は初代アニメのキャストでアニメ化されていたりと、このあたりは私の願望が夢に反映されたと思われる。ちゃんとスプリングマンを田中秀幸氏が、スニゲーターを二又一成氏があてていて、感動した。なぜか『キン肉マンII世』からセイウチンもゲスト出演していました(声は当然、山崎たくみ氏。山崎氏はジェロニモ役も兼任)。仮に本当に今の『キン肉マン』がアニメ化されても、あそこまでの初代キャスト再現(故人になっている場合は当然代役だが)は、不可能だろうな。その点では、あのまま6年後の世界(夢だが)にいてもよかったかもしれない。
他にも、6年後の世界では、いったん退院が決まってからなかなか病院を出られなかったり、そうこうしているうちになぜか半モグリの医者(ライセンスはあるようだが、なぜか隠れて開業している)に再入院することになったりと色々あったのだが、結局のところは私の夢なので、この辺にしておく。今思い返すと支離滅裂な世界だが、当時の私はあれを現実だと信じていたのだ。しかも、一週間も。怖いなあ。
以上、「簡単に済ませる」と言っておきながら、夢の話が長くなってしまった。それほど、インパクトの強い夢だったのだ。
夢から覚めた私がどうなっていたかというと、集中治療室におりました。それほど危険な状態だったのだ。幸い、夢から覚めてからは三日ほどで通常の病室に戻れたが、一時は本当に命に危険があったのだ。
なお、病室に戻ってしばらく経つまで、私はまだ6年後の世界が続いていると信じ切っており、付き添いの家族との会話にずれが生じていた。『キン肉マン』は完結したと信じ込んで51巻以降のコミックスを買ってきてくれと頼むくらいだから、本気で信じていたのだ。その後、携帯を見るとまだ手術から10日しか経っておらず、来ているメールも当然10日分。ツイッターのTLをたどっても、手術前と大して違わない話題しかなくて、どうやらまだ10日しか経っていないぞと気づいた次第。気がついた時は恥ずかしかったなあ。『キン肉マン』のコミックスの件も事情を話して断らなければならなかったし。
そんなこんなで、気がついたら入院から二週間が経っていた。その後、たくさん付いていた点滴が少しずつ外れていって、栄養が点滴から通常の食事に戻ったり、二週間寝たきりだった分のリハビリを行ったりと色々とあったのだが、基本的には入院患者なので退屈な毎日だった。深夜アニメも観られないし。アニメで楽しみだったのはテレビ北海道で平日17時30分から再放送していた『ゲゲゲの鬼太郎』[第5作]くらいのものかな。新作アニメで観ていたのはドラえもんとプリキュアくらいのもんだ。『ドラゴンボール改』は新作と言うには微妙だし。
あとは、時間をつぶすには本を読むしかなかったが、最初の予定に相違して寝たきりの期間が長かったので、あまり多くは読めなかった。せいぜい、文庫本で10冊程度だ。最初のうちは10ページくらいで疲れてしまうほど体が衰弱していて、たいそうしんどかった。もっと読めると思って30冊くらい持ってきていたので、最後は宅急便で送り返す羽目になってしまった。
しかし、回復の方は病室に戻ってからは順調で、前述の通り6月14日には退院できた。思わぬ事から一ヶ月あまりが経ってしまったが、幸いなことにメインの手術に関しては首尾よく成功した。まあ、これが失敗していたら目も当てられないが。あとは、8kgほどやせたのも収穫だったかな。以前は標準体重をかなりオーバーしていたから。
そんなわけで無事に(?)社会復帰して、明日からは仕事にも復帰だ。まだフルタイムで働けるほどには回復していないので、時間を短縮して貰えるように頼んではいるのだが、どうなることやら。
これで、今回の入院の記録を終わります。世の中、本当に何が起こるかわかったものじゃない。
と言っても、別に何か厄介な病気にかかったとかではない。どちらかというと不要不急の部類に入る手術なのだが、私にとってはいつかは受けなくてはならないもので、それがたまたまこの時期になったと言う事なのだ。
入院期間は約一ヶ月、その間には色々な事があった。ツイッターでも断片的にはつぶやいていたが、それではわかりにくいし、また自分としても今回のことは文章にまとめておきたいと思ったので、このようにブログ記事にしたというわけだ。
不要不急なので、手術内容も本来は命に別状はないはずだったのだが、ここに私・病院の双方にとっての誤算があった。麻酔の影響で意識が混濁して、麻酔から覚めたら私が暴れ回り(比喩ではなく、本当にベッド上で激しく動いたらしい)、さらには肺に血栓まで出来て、このままでは命に関わるというので、強制的に手術後一週間ほど眠らされたのだ。このあたり、私は全く記憶になく、後から話として聞いたにすぎない。
その間、私の意識はどうなっていたか。全く意識が途切れていた方が楽だったのだろうが、はっきり言うと悪夢を見ていた。
よく、人の夢の話を聞いてもつまらないと言われるので、夢の内容については簡単に済ませるが、一言で言うと『ドラえもん』の「うつつまくら」の世界を再現したような夢だった。と言っても、「うつつまくら」の話をそのまま夢に見たというのではなく、世界が現実(と信じていたが、当然これも夢)と夢とで何度も入れ替わり、次第にどれが夢でどれが現実かわからなくなる(くどいようだが、実際には全て夢)というところが、「うつつまくら」の話にそっくりだったのだ。
夢の内容もあまり気分のいいものではなく、私が今回の手術のあと一週間ではなく6年間も眠っていたと言う設定で、色々なことが起こったのだった。たった6年とは思えないほど世の中は進歩していて、大いに戸惑ったものだ。いま思えば、どう考えても夢としか思えないテクノロジーばかりで、「これは夢だ」と気づかないのがおかしいのだが、そこで気づかないのが夢なんだろうな。
例を挙げると、車は完全に音声で操縦できるようになっていたし、本は触れるだけで中身の情報が頭の中に伝達されるようになっていた。こんなの、あと6年で出来るわけがない。しかし、私は夢の中で、ただただ感心していたのだ。
ちなみに、6年後には今やっている『キン肉マン』の連載は終わっていて、ちょうどゆでたまご先生が次回作の連載を始めたところだった。さらに、『キン肉マン』は初代アニメのキャストでアニメ化されていたりと、このあたりは私の願望が夢に反映されたと思われる。ちゃんとスプリングマンを田中秀幸氏が、スニゲーターを二又一成氏があてていて、感動した。なぜか『キン肉マンII世』からセイウチンもゲスト出演していました(声は当然、山崎たくみ氏。山崎氏はジェロニモ役も兼任)。仮に本当に今の『キン肉マン』がアニメ化されても、あそこまでの初代キャスト再現(故人になっている場合は当然代役だが)は、不可能だろうな。その点では、あのまま6年後の世界(夢だが)にいてもよかったかもしれない。
他にも、6年後の世界では、いったん退院が決まってからなかなか病院を出られなかったり、そうこうしているうちになぜか半モグリの医者(ライセンスはあるようだが、なぜか隠れて開業している)に再入院することになったりと色々あったのだが、結局のところは私の夢なので、この辺にしておく。今思い返すと支離滅裂な世界だが、当時の私はあれを現実だと信じていたのだ。しかも、一週間も。怖いなあ。
以上、「簡単に済ませる」と言っておきながら、夢の話が長くなってしまった。それほど、インパクトの強い夢だったのだ。
夢から覚めた私がどうなっていたかというと、集中治療室におりました。それほど危険な状態だったのだ。幸い、夢から覚めてからは三日ほどで通常の病室に戻れたが、一時は本当に命に危険があったのだ。
なお、病室に戻ってしばらく経つまで、私はまだ6年後の世界が続いていると信じ切っており、付き添いの家族との会話にずれが生じていた。『キン肉マン』は完結したと信じ込んで51巻以降のコミックスを買ってきてくれと頼むくらいだから、本気で信じていたのだ。その後、携帯を見るとまだ手術から10日しか経っておらず、来ているメールも当然10日分。ツイッターのTLをたどっても、手術前と大して違わない話題しかなくて、どうやらまだ10日しか経っていないぞと気づいた次第。気がついた時は恥ずかしかったなあ。『キン肉マン』のコミックスの件も事情を話して断らなければならなかったし。
そんなこんなで、気がついたら入院から二週間が経っていた。その後、たくさん付いていた点滴が少しずつ外れていって、栄養が点滴から通常の食事に戻ったり、二週間寝たきりだった分のリハビリを行ったりと色々とあったのだが、基本的には入院患者なので退屈な毎日だった。深夜アニメも観られないし。アニメで楽しみだったのはテレビ北海道で平日17時30分から再放送していた『ゲゲゲの鬼太郎』[第5作]くらいのものかな。新作アニメで観ていたのはドラえもんとプリキュアくらいのもんだ。『ドラゴンボール改』は新作と言うには微妙だし。
あとは、時間をつぶすには本を読むしかなかったが、最初の予定に相違して寝たきりの期間が長かったので、あまり多くは読めなかった。せいぜい、文庫本で10冊程度だ。最初のうちは10ページくらいで疲れてしまうほど体が衰弱していて、たいそうしんどかった。もっと読めると思って30冊くらい持ってきていたので、最後は宅急便で送り返す羽目になってしまった。
しかし、回復の方は病室に戻ってからは順調で、前述の通り6月14日には退院できた。思わぬ事から一ヶ月あまりが経ってしまったが、幸いなことにメインの手術に関しては首尾よく成功した。まあ、これが失敗していたら目も当てられないが。あとは、8kgほどやせたのも収穫だったかな。以前は標準体重をかなりオーバーしていたから。
そんなわけで無事に(?)社会復帰して、明日からは仕事にも復帰だ。まだフルタイムで働けるほどには回復していないので、時間を短縮して貰えるように頼んではいるのだが、どうなることやら。
これで、今回の入院の記録を終わります。世の中、本当に何が起こるかわかったものじゃない。