藤子・F・不二雄大全集『ドラえもん』第18巻感想

 4月25日に、藤子・F・不二雄大全集の第3期第8回配本が発売になった。


 今回出た三冊の中で、私が一番楽しみにしていたのは、何と言っても『ドラえもん』第18巻だった。「分かいドライバー」と「ターザンパンツ」(F全集での題は「分解ドライバー」「ターザンパンツで大活躍!?」)が、初めて単行本に収録されたのだ。これは、興奮せずにはいられない。この2編をご存じないという方は、「分かいドライバー ターザンパンツ」で検索すれば、詳しく紹介しているサイトが見つかる(とある事情により、直リンクはしない)。

 2編とも、「てれびくん」別冊付録の「てれびくんコミックス」が初出だが、その後は「コロコロコミック」初期の号に再録されたっきりで、一度も単行本に収録される事はなかった。
 すでに藤本先生が亡くなられている以上、単行本に収録されなかった本当の理由は誰にもわからないが、個人的な見解として推測するなら、「分かいドライバー」は人体バラバラネタと狂いすぎたストーリー展開が、そして「ターザンパンツ」は人食い土人の描写が、それぞれ問題視されたのではないかと思う。
 そのような曰く付き(?)な2編が今回無事に収録されたのは、F全集が『ドラえもん』完全収録を謳っていたからこそだろう。『ドラえもん』に限らず、F全集は全話完全収録が売りだから他の作品でも収録漏れはないのだが、全話数が1300話以上に及び、個人で全話を集めるには困難の伴う『ドラえもん』だからこそ、「全話完全収録」に大きな意味がある。
 前述のように、この2編は「コロコロコミック」に再録された事があるので、今までもコロコロのバックナンバーで読む事は出来たのだが、今はともかく昔のコロコロは印刷が悪い上に裏うつりがひどくて、状態がよくなかった。しかし、2編とも無事に原稿が残っていたようで、全集刊行により鮮明で綺麗な状態で読めるようになった。「きれいな「分かいドライバー」」なんてそれ自体がギャグのようで、F全集を読んでいて笑いが止まらない。

 ちなみに、「分かいドライバー」はコロコロ再録版、「ターザンパンツ」は初出版と今回の全集版を比較してみたが、前者は改変は無く、後者は初出では二箇所「土人」の単語があったのが全集では削除されている。ただ、絵だけでしずちゃん達が「人食い土人」に捕まったのはわかるし、「人食い」は消されていないので、まだ自主規制としてはましな方だろう。もちろん、出来れば自主規制はして欲しくないのだが。
 本巻でひとつだけ残念(と言うほどでもないが)な点を挙げるとすれば、「分かいドライバー」の表記が「分解ドライバー」に改められた事だ。今まで長い間「分かいドライバー」で読んでいたので、どうしても違和感がある。
 とは言え、これで誰もが「分かいドライバー」「ターザンパンツ」を読んで楽しめるようになった。実にめでたい事だ。


 ところで、今回は「分かいドライバー」「ターザンパンツ」だけでなく、「もしもボックスで昼ふかし!?」も単行本初収録(雑誌「ぼく、ドラえもん」付録に再録あり)なのに、「分かいドライバー」「ターザンパンツ」ばかりが話題になって、「もしもボックスで昼ふかし!?」に触れている人が少ない。どちらかというと地味な話なので注目されていないのかもしれないが、昼と夜が逆転した世界での人々の行動はとぼけた味わいがあり、これはこれで面白い。未読の方には、ご一読をお薦めしたい。
 また、本巻は前半が「幼稚園」「よいこ」掲載の幼年向け作品、後半が「てれびくんコミックス」掲載作品が収録されている。前半のエピソードも多くが単行本初収録なので、カラー収録されている点を含めて、非常に豪華な内容の一冊だ。






 最後は、「てれびくんコミックス」とF全集版第18巻とで一緒に記念撮影。「てれびくんコミックス」は『ドラえもん』新作が掲載された全7冊中、まだ4冊しか持っていない。あと3冊の中で、一番入手困難なのは「分かいドライバー」掲載号だろうか。今回のF全集収録で、古書価が下がってお求めやすい価格になってくれるといいのだが。
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高岡・氷見ひとり旅(後編)

前編からのつづき)


 高岡・氷見旅行の二日目・4月15日は、高岡からJR氷見線に乗って、氷見を訪れた。

 氷見駅から少し歩くと、駅前通り商店街の「潮風通り」が、ある。今回は、まずこの通りを北上した。潮風通りには安孫子先生キャラデザインの「ブリンス」をはじめとする魚介類キャラ「サカナ紳士録」モニュメントが設置されている。さらに、前回訪れた時と違ったのは、サカナ紳士録だけでなく、『忍者ハットリくん』の登場キャラクターもあちらこちらに描かれていた事だ。Aキャラがどんどん増殖中という感じで、藤子ファンにとっては非常に楽しくて嬉しい通りだと言える。

 潮風通りを北上すると、氷見漁港へとたどり着く。漁港に隣接して「氷見フィッシャーマンズワーフ 海鮮館」と言う施設があり、ここにも安孫子先生デザインのキャラクター「ひみぼうずくん」の像が設置されている。潮風通りともども、ファンなら廻っておきたい場所の一つだ。



ひみぼうずくん


 氷見漁港近くの店で昼食をとった後は、行きとは逆に南下して、漁港と氷見駅との間の安孫子先生にまつわるスポットを訪れて廻った。

 まずは、商店街の中にある「氷見市潮風ギャラリー」で、「藤子不二雄Aまんが展」が開催されているので、これを鑑賞した。日曜日の午後にもかかわらず、私以外に誰も客がいなかったので、実に落ち着いて鑑賞する事が出来た。このまんが展は、残念ながら全て複製原画での展示となっているが、それでもカラー原稿を中心にして展示されているので、カラフルで観ていて楽しい。こういう機会でもないと「小学一年生」版『忍者ハットリくん』をじっくり眺める事もなかなかないだろう。また、堀絢子さんがハットリくんの声で案内を務めているのもポイントの一つだ。新録音のハットリくんボイスが聴けるとは思わなかった。
 ここでは、自分への土産物として「怪物くんグラス」を購入した。絵柄は怪物くん・オオカミ男・ドラキュラ・フランケン・全員集合の5種類が箱に入っており、購入しないとどれなのかはわからない。5種類セットも売っていたが、そこまでグッズ類には執着していないので一つだけ買ってみたら、ドラキュラのグラスが入っていた。当たりなのかどうか、よくわからない。個人的には、全員集合がよかったのだが。



ドラキュラのグラス


 続いて、安孫子先生の生家である「光禅寺」へと向かった。ここでは、現在は『まんが道』で有名な「手塚先生の机」なども飾られているのだが、これはいきなり行って見せてくれるものではない。そんなわけで、今回は中には入れなかったが、寺の敷地内には、以前に来た時にはなかったキャラクターの像が設置されており、初めて実物を見る事が出来たのはよかった。これは、NHKで放映された『金とく「まんが道を行け!」』でも紹介されていて、気になっていたのだ。



藤子Aキャラ4人が勢揃い


 さらに、南下するとハットリくん達の登場する「湊川カラクリ時計」がある。以前、このカラクリが故障してしまったと聞いたが、無事に修理されたようで、しっかり動いていた。どのようなストーリーが展開しているのかよくわからないのも、相変わらずだ。



これを観ている人は結構多かった


 と、このように安孫子先生絡みの場所を廻って、氷見観光はおしまい。

 氷見の駅前から漁港までを一通り廻って感じたのは、高岡と同じく商店街が「寂しい」事だった。
 高岡はともかくとして、氷見は安孫子先生のキャラを使いまくって「日本一藤子不二雄A色の強い商店街」と言ってもいいほどになっているにもかかわらず、人の往来が非常に少ない。潮風ギャラリーに客が全然いなかった事も、それを物語っている。
 「商店街にキャラクター像を造って大成功」と言えば、境港の「水木しげるロード」を連想させられる。実際、境港も氷見も、有名漫画家のキャラクター像を設置している点は同じだ。それなのに、人の賑わいの度合いでは全然違うのは残念だ。「水木しげるロード」には、鬼太郎をはじめとして全国的に有名な妖怪が揃っているのに対して、「サカナ紳士録」は、氷見のために新たに安孫子先生が描き下ろしたキャラであり、知名度が低いからなのだろうか。だとしても、『忍者ハットリくん』キャラの方は売りになりそうな気がするのだが。インドと共同制作の新作アニメが日本でも放映されれば、潮風通りがハットリロードとして注目されるかも知れないし、そうあって欲しいものだ。もっとも、富山県にはテレビ朝日系列局がないので、下手をしたら『忍者ハットリくん』新作アニメは安孫子先生の地元で観られない事態も有り得るが。
 安孫子先生の故郷が寂れているのを見ると、寂しい気持ちになる。なんとか、これから盛り上がってくれればいいのだが。


 ともかく、氷見観光を終えた後は高岡に戻って来て、昨日訪れる事が出来なかった「焼肉ハウス養順湯」と「藤本先生生家跡」を廻った。前者は、『まんが道』では銭湯として登場するが、今は焼肉ハウスになっている。名前だけが残っているのが変な感じではあるが、全くなくなるよりはいいだろう。後者は、現在では全く痕跡がなく、普通の駐車場になってしまっている。それゆえに、ここでは写真は自粛しておく。



「ようじゅんとう」の看板


 時間が微妙に余ったので、昨日に引き続いて高岡市立中央図書館で、初出版の『ドラえもん』を読みつつ一休みした後は、夕食として「富山ブラック」と呼ばれる「黒醤油ラーメン」に挑戦した。都合のいい事に、中央図書館の入っているウイング・ウイング高岡のビル内に、黒醤油ラーメンを出す店も入っているのだ。



黒醤油ラーメン


 そんなわけで初めて黒醤油ラーメンを食べてみたが、たしかにスープの色はかなり黒いものの、味には特筆すべきところはないようだった。普通よりちょっと辛いような気はしたが、それくらいだ。しかし、この黒さはなかなかのものだ。某山のジュースのようにイカスミで色を付けていたらどうしようと思ったが、そんな事はなかった。
 そして、18時17分発の特急しらさぎに乗り、高岡に別れを告げた。


 今回は、突然思いたっての旅行だったが、ひとり旅と言う事で、今までの高岡・氷見の旅とは一味違う楽しみ方が出来た。何と言っても、完全自由行動だから気楽でよかった。もちろん、大人数での旅行にも、大人数ならではの楽しみ方があり、どちらがより楽しいかは一概には言えないのだが。

 しかし、二つほど残念だった事がある。その一つ目は、「ハットリくん列車」に出会えなかった事だ。氷見行きの往復ともに普通の列車だった。また、以前に訪れたはずの「「文苑堂」ではない方の藤子先生行きつけの書店」(そう言う店があるのです)を見つけられなかったのも心残りだ。
 この二つについては「次回の課題」と言う事で、「次に高岡・氷見に行く理由が出来た」と、前向きに考える事にした。実際、これからも機会があれば高岡・氷見には何度も行ってみたい。

 ともかく、楽しい旅でした。
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高岡・氷見ひとり旅(前編)

 4月14日・15日に、藤子不二雄両先生の故郷、富山県高岡市と氷見市に行って来た。

 どうしてこの時期に行ったかと言うと、これはもう単純に「行きたくなったから」としか言いようがない。関東への旅行から戻って2,3日経った頃、唐突に「高岡・氷見に行きたい」という思いが沸いてきたのだ。強いて理由付けをするなら、先月末に発売された『愛…しりそめし頃に…』第11巻で満賀と才野が里帰りする場面があったので、それを読んで刺激を受けたのかも知れない。
 最初は、ゴールデンウィークにでも行こうかと思ったのだが、どんどん行きたい気持ちが強くなってきて、とても一ヶ月弱も待てないと言う心理状態になってしまったので、最も直近で予定の入っていない14・15日に出かける事に決めた。そんなわけで、急遽自分にとって6回目、約6年半ぶりの高岡・氷見訪問が実現した。


 まずは、4月14日。この日は高岡を訪れた。名古屋から高岡までは、鉄道なら特急列車一本で行く事が出来る。だから、愛知県民にとってそれほど遠くない土地なのだが、心理的には所要時間が3時間を超えると遠く感じてしまう。
 そんなわけで、3時間20分ほど電車に揺られて、高岡に着いた。この地におり立って、まず感じたのは「駅前の寂しさ」だった。JR高岡駅は駅ビルを取り壊しての再開発中で、立派な新ビルの完成予想図も掲げられているが、現在はまだ取り壊している最中で、半分壊れた駅ビルが丸見えになっている。それに加えて、駅前直近の商店街は営業している店が非常に少なくて、見るからに寂れている様子だ。まあ、この商店街も、かなり古ぼけているので、再開発の一端で取り壊しの予定があるのかも知れないが。
 富山県人口第二位の都市の玄関口が、こんな状態になっているは思いもよらず、軽く衝撃を受けてしまった。

 話がそれてしまったが、駅を出た後は、そのような駅前の状態を横目で見つつ、とりあえず高岡古城公園へと向かった。
 間の悪い事にこの日は天気が悪くて、雨が少し、ポツポツと降っている状況だった。数日前から天気予報でわかっていた事ではあったのだが、前後の週は予定が入っていて変えられなかったので、仕方がない。雨に降られながら訪れた古城公園だったが、それはそれで情緒が感じられて、案外悪くはなかった。いったんはここを通りぬけて、藤子両先生の出身校である高岡高校および高岡工芸高校方面へと向かった。
 上記二校の最寄り駅が、JR氷見線の越中中川駅だ。雨宿りのためにこの駅に寄ったのだが、隣接する駐輪場では藤子ファンにはお馴染み(?)の「立山くん」を発見した。警察のマスコットに藤子先生のキャラが使われるのも富山県ならではの事だが、そのがこのように生活に身近な場所で見られるのが、ファンとしては嬉しい。



駐輪場の立て看板


 高岡高校と工芸高校を見て回った後は、以前の高岡訪問時にも食べた「まじまの10段ソフト」を味わった後、古城公園へと引き返した。

 再び古城公園に着いたが、この頃はまだ雨が降っていた。『まんが道』ゆかりの場所である「ふたつ山(=卯辰山)」を訪れたが、以前からやってみたかった「激河大介ごっこ」は、やらずじまい。今回は、最初から雨とわかっていたので『新寶島』を持ってきておらず、また満賀・才野役もいないので、もし晴れていても実行は不可能だったが。また、ふたつ山に隣接している土俵は打ち直しの真っ最中だったので、ここで、残念ながら満賀・才野の真似をする事も出来なかった。
 古城公園では他に、藤子ファンとしては見逃せないスポットに「絵筆塔」がある。これは、コンビ解消後の1989年に作られたものなので、「藤子・F・不二雄」「藤子不二雄A」それぞれとしての「かっぱ絵」レリーフが存在している。絵筆塔自体は、漫画界の巨匠のレリーフがたくさん見られて素晴らしいものだが、両先生のレリーフが隣同士になっていないのは残念だ。



並べてみた


 古城公園を出た頃、ようやく雨も上がり、スッキリした。その後は、高岡大仏・文苑堂・ウイング・ウイング高岡(市立中央図書館・ドラえもんブロンズ像)などを廻った。ドラえもんたちのブロンズ像は、以前は「万陽の森」と言う所に設置されていたものだが、移設されてからは初めて訪れた。このブロンズ像については、当初は移設ではなく無くしてしまう事になっていたが、現在の場所に移った事でウイング・ウイングが図書館(「ドラえもん文庫」がある)&ブロンズ像と「ドラづくし」の場所になったので、結果オーライと言える。



高岡大仏


 色々と市内の藤子先生縁の場所を廻っていると、あっと言う間に暗くなってしまった。二つほど行けなかった場所があったのだが、それは翌日回しとした。
 と、行ったところで高岡・氷見観光の一日目は終了。夕食は海の幸を、と思って寿司店(ただし、予算の都合で廻転するやつ)に行ったが、さすがに氷見からとれたての魚を直送しているだけあって、名古屋の105円寿司とは比べものにならないほどに旨かった。機械ではなく、全て職人が握っているせいもあったのだろう。
 最近はブログで宣伝したりするとステマ呼ばわりされる恐れもあるのでここで店名は書かないが、いい店だった。

後編に続く)

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「アニメ コンテンツ エキスポ2012」の二日間

 藤子・F・不二雄ミュージアムを訪れた翌日には、幕張メッセで開催された「アニメ コンテンツ エキスポ2012」(ACE)に行ってきた。

 色々と気になった点はあったが、最初に全体の感想を書いてしまうと、正直なところステージイベント以外の展示等は印象が薄かった。二日合わせて三つのステージイベントが観られたのでそれなりに楽しめたが、もしステージイベントが一つも当たらずに展示だけを目当てに来ていたら、きっと物足りない気分で帰ったことだろうと思った。


 と、軽く苦言を呈したところで、あとは各日の感想を書いておく。

 まず、3/31の初日だが、この日は風がすごかった。いきなりACEの内容とは関係ないことを書いてしまったが、これが一番印象深かったのだから仕方がない。それだけ、この日の風(と言うか嵐)は凄まじかった。JR京葉線は半日にわたって運休していたし、会場の外に出た時には冗談抜きで吹き飛ばされると思ったくらい、凄まじい風がビュンビュン吹いていた。
 私は、昨晩から会場近辺のビジネスホテルに泊まっていたので問題なく会場入りすることが出来たが、京葉線が止まった影響で予定していた時刻に来られなかった人もいたようだ。そのせいか、入場待機列も予想していたほどには長くなく、列の最後尾に並んでから40分程で入場することが出来た。とにかく、風に翻弄された一日目だった。

 いざ入場してみると、なかなかの賑わいだったが、通路が通り抜けられないと言うほどでもなく、そこそこの混み具合だった。とりあえずは会場内を一回りして、チラシ等の無料配布物を貰ってみた。アニプレックスブースをはじめとして、企業ブースでイベントをやっているところがいくつかあったが、大部分は整理券を持った人しか観られず、板や暗幕などで外と隔離するタイプだったのは残念。整理券無しで誰でも観られたのは、スターチャイルドブースくらいか。
 会場を一回りした後、食事でエネルギーを補給しようと思ってフードコートへ行ってみたが、ここは180分待ちになっていたので、諦めてしまった。ACEについて色々と思うところはあるが、もし来年も開催するなら食事まわりはぜひ改善して欲しい。
 食事をひとまず諦めて一休みした後は、『謎の彼女X』トークショーへと向かった。このイベントは渡辺歩監督を目当てにして行ったのだが、監督の発言が少なかったのは残念だった。この手のイベントでは、どうしても声優がメインになってしまうのだろう。それでも、「自分が惚れ込んだ作品作りに関わることが出来るのは、冥利に尽きる」との発言が聞けたのはよかった。

 『謎の彼女X』ステージが終わった後は、次のステージまで3時間以上あったので、いったん会場を抜け出して海浜幕張駅前まで戻った。これが14時頃で、外は凄まじい強風が吹き荒れていた。少し雨が混じっていたので傘を差したかったが、それをすると本当に吹き飛ばされる恐れもあったので、雨に濡れながら歩くしかなかった。
 3時間あまりを駅前で潰したあと、「ACEスペシャルライブステージ」に参加するために、再び会場へと行った。さすがに、1,000人以上が入場するとなると大変なようで、入場列の形成にも時間がかかっていた。その待機列形成中に、光り物の禁止がスタッフから告げられて騒然となったが、これについては情報が錯綜した結果のようで、入場してから正式に取り消された。実際、ステージでの盛り上がりを考えると禁止は意味不明であり、撤回は当然の判断だったと思う。
 ぶっちゃけた話、このライブで演奏された曲の半分近くは知らなかったのだが、司会のよっぴーこと吉田尚記アナが上手く盛り上げていたので、知らない曲でもそれなりに楽しむことが出来た。個人的には、最初のプリキュアが現OP・EDの2曲だけだったのはちょっと残念だった。アイマスは2曲+アンコール1曲で優遇されていたが、その待遇も納得の盛り上がりだった。会場には、プロデューサーさんが相当たくさんいたようだ。
 そんなこんなで3時間近くにも及んだライブを、十分に楽しむことが出来た。あらためて、このステージチケットを譲ってくださった某さんには、感謝。ありがとうございました。


 4/1の二日目は、会場でケデラッタさんと合流して、まずは一緒にブース展示を見て廻ったりした。その後、この日は「ゆーいちのまんま2 ~竹達と花澤がデビューするわけがない~」ステージが当選していたので、これを観るために、昨日と同様に待機列へと向かった。
 この日は日曜日だったが、だからと言って特に展示が増えているわけでなく、ケデラッタさんといた時間の大半は、休憩コーナーでの雑談で潰すことになった。この日と前日との違いを挙げるなら、エイプリルフールの嘘ネタがいくつか仕込まれていたことくらいか。たとえば、アニプレックスブースではこんな感じ(↓)で、いくつかの嘘展示を見つけることが出来た。





 そして、私が「ゆーいちのまんま2」ステージを観ている間、ケデラッタさんはフードコートの列に並んで、『ひだまりスケッチ』にちなんだ「うめチャーハン」を確保してくださった。





 フードコートはこの日も2時間待ちとの事だったので、会場内での食事は諦めていたのだが、実際に並んでみると一時間ほどで買えたようだ。何はともあれ、ありがとうございました。


 と、言うわけで「うめチャーハン」を食べて一息ついたところで、私にとってのACEが終わった。
 全体の感想は最初に書いたとおりで、ステージイベントありきになってしまうのは問題だと思う。たとえば、両日のチケットを買って、ステージイベント観覧券が、いずれか一日しか当たらなかった場合、もう一日は時間の潰しようがなくて、券を無駄にせざるをえない可能性が高い。
 物販目当てであれば、もう少し色々と廻るべきブースもあったのだろうが、予算の都合で今回は物販はスルーと決めていた。今思えば、少しくらい何か買ってもよかったような気もするが。

 もし、来年もこのイベントが行われるのであれば、出展各社が展示内容について見直すか、またはチケット代をもっと安くして欲しいところだ。少なくとも、ステージ観覧抽選権のつかないチケットは、安くすべきだと思う。1,000円くらいが妥当なところか。
 ともあれ、Fミュージアム+ACE2日間と、盛りだくさんの三日間だった。さて、次の旅行も楽しいといいのだが。
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7ヶ月ぶりのFミュージアム

 先週末は関東に遠征して、藤子・F・不二雄ミュージアムと、幕張メッセで開催されたアニメ コンテンツ エキスポに行って来た。

 Fミュージアムは昨年9月3日の開館初日以来なので、約7ヶ月ぶりの訪館だった。
 前回は14時入場だったが、今回は10時入場のチケットを確保した。おかげで、前回は超満員のために入ることが出来なかったミュージアムカフェには一番乗りする事ができた。ちなみに、一番乗りするコツは、カフェに向かうエレベーターに最後に乗ること。これなら、最初に降りる事が出来るので、一番になれる。って、考えたら当たり前か。得意げに書くほどのことでもない。
 そして、ミュージアムカフェでは、「先生の朝食」を注文した。10時という時間は本格的に食事をするにはちょっと早い、微妙な時間帯なので、この「先生の朝食」のような軽食が、ちょうどいい。





 実際に出てきた「先生の朝食」は、上の写真の通り。解説カードが付けられており、先生と朝食にまつわるエピソードを読むことが出来る。このメニューは11時までの限定なので、10時入場者かつ、早くカフェに入った者だけが味わえる特典だと言える。
 この「朝食」を食べつつ、ミュージアムカフェの混み具合を見ていたが、開館から20分くらいで、ほぼ満席状態だった。早いうちにカフェの席を確保したい場合は、10時入場かつ、入場列の出来るだけ前を取るしかないようだ。
 ミュージアムの展示を一通り観終わった後に、再度ミュージアムカフェの様子を見てみたら、12時40分頃の時点で2時間待ちになっていた。繰り返すが、カフェに行きたい場合は、10時以外の入場はお薦めできない。

 カフェのあとは、エントランスに戻って「おはなしデンワ」を受け取り、展示を一通りまわった。「おはなしデンワ」の挨拶が、ちゃんと春用のものになっているあたり、なかなか芸が細かい。ただし、ちょっとフライングで「4月」と言っていたのが気になったが、そこまで細かくは用意されていないと言うことか。少なくとも、四季と天気ごとに合わせた挨拶は、用意されていそうなので、次に行く時にはどんな挨拶が聞けるのか、楽しみだ。

 展示室を一通りまわったあとは、Fシアターで映画を観たが、前回と同じ「Fキャラオールスターズ大集合 ドラえもん&パーマン危機一髪!?」だったのは、ちょっと残念。できれば、未見の「真夜中のミュージアム」を観たかった。一月ごとに入れ替えているのだとすれば、次は偶数月に行けば「真夜中のミュージアム」が観られるのだろうか。

 館内を一通りまわって、最後はミュージアムショップへと行った。前回は開館初日と言うこともあって、本当に異常としか言いようがない混み具合だったが、今回はそこそこの人のいり。これくらいが妥当なところだろう。開館から半年以上が経って、色々と新しい商品が増えており、特に映画「奇跡の島」に合わせたゴンスケグッズには目を引かれた。
 ミュージアムショップでは、気になったグッズいくつかと、発売されたばかりの「藤子・F・不二雄キャラクターズ シールブック」を購入した。一般書店ではなかなか見つからなかったが、さすがはミュージアムショップだけあって、書籍コーナーに大量に積まれていた。

 買い物を終えたあとは、「みんなの広場」に戻ってみると、非常に子供が増えてきていたので、ミュージアムを出ることにした。その気になれば、館内の展示をもう一度観ることも出来たが、本来のお客である子供の邪魔になるのも、ちょっと悪い。春休みとは言え、平日にこれだけ混雑するのは、藤子ファンとしては非常に嬉しいことだ。

 なお、前回のミュージアム訪問では行き・帰りともに駅からの徒歩だったので、今回はじめて登戸駅からミュージアム直行のシャトルバスに乗ってみた。
 噂に聞いていたように、バスの中まで藤子づくしな感じがいい。私が乗った9時30分発のバスは大変な混みようで、落ち着いて車内を見ることが出来なかったのは、ちょっと残念だった。混んでいる中での写真撮影もはばかれるので、写真を撮れたのは、下の降車ブザーくらいだ。






 今回も、Fミュージアムではたっぷりと楽しめた。前回と違って、カフェなどの情報を仕入れた上で入場時間など、キッチリ計画を立てたのがよかったのだろう。
 ただ、一つ注文を付けるとすれば、せっかく第二展示室は企画展のために用意されているのだから、そろそろ新たな内容の展示にしてもいいのではないかと思った。現在は、ミュージアムの開館を記念して「連載第1回」を集めた展示になっているわけだから、展示を変えるとしたら、開館から一周年となる9月あたりだろうか。

 と言ったところで、今回のエントリは終わり。「アニメ コンテンツ エキスポ」の感想については、また別エントリにして書きます。
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