『小池さん!大集合』と復刻漫画本に思うこと

 先日、藤子不二雄A先生の作品集『小池さん!大集合』が、復刊ドットコムから発売になった。

 これは、今までに描かれた藤子A作品の中から、「小池さん」が主役として登場する作品を一冊にまとめたものだ。
 収録内容から見ると、現在単行本が絶版となっている「添乗さん」を完全収録版として、さらに他の小池さん登場作品を加えて一冊にした形と言える。私は文庫版の「添乗さん・さすらいくん」を持っていなかったので、「添乗さん」が完全収録なだけでも十分にありがたいし、それに加えて「オレ係長補佐」「ある暑中休暇」「ゲゲゲのゲー」が単行本に初収録されたのだから、未読作品がたっぷり詰まった宝箱のような本だ。
 特に、「ゲゲゲのゲー」などは、このような企画でもない限りは単行本に収録されることはなかっただろうと思う。それだけ、ある意味では凄まじい作品だ。これを収録しただけでも、この本を刊行した意義がある。

 この『小池さん!大集合』自体はいい本なのだが、一つだけどうしても気になる点がある。それは、本体価格2,800円という値段の高さだ。
 A5判・250ページでこの値段というのは、どうしても同じA5判の藤子・F・不二雄大全集(最高額が約800ページで本体価格1,800円)と比べてしまう。そうすると、『小池さん!大集合』は、いかにも高い。
 もちろん、大手出版社である小学館と、復刊ドットコムの本の価格を単純に比べても仕方がないことはわかっている。復刊ドットコムが刊行している他の本と比べれば、『小池さん!大集合』が、際だって高価格と言うわけではない。
 復刊ドットコムの本は、復刊希望の投票数などから想定される部数で利益を出すために、高額な価格になってしまうのだろう。そうやって少部数であっても、刊行を望むファンの期待に応えている復刊ドットコムの存在は大変ありがたいが、本来は「軽く読んで笑う」ために描かれたはずのショートギャグ漫画を中心とした作品集が、気軽には買えない値段で出るのは、どうしても違和感がある。この事だけは、ここに書き記しておきたい。それでも、結局買ってしまうのが、ファンの習性なのですが。

 この本の出た直後に、小学館クリエイティブの出した『少年サンデー版 キャプテンKen 限定版BOX』(本体価格8,400円)も買ってしまったし、4月には復刊ドットコムから『レインボー戦隊 完全版』(本体価格3,500円)も出る。
 このように書名を羅列すると、見境無く復刻本を買っているように思われるかも知れないが、これでも特に欲しい本を自分の基準で選んで買っているのだ。特に、手塚作品など毎月のようにオリジナル版の復刻が出ており、全部買っていると破産してしまう。そんな中で『キャプテンKen』は特に好きな作品だからこそ、少々無理をしてでも欲しかったのだ。

 藤子作品については、藤子・F・不二雄大全集が毎月確実に出ているので、これだけで一月5,000円前後の出費になるが、5,000円は三冊の値段であり、これよりも手塚作品の復刻版一冊の方が高いのだから、書籍に関する金銭感覚が麻痺してしまいそうだ。実際、『レインボー戦隊 完全版』の価格を見た時は「大都社版の古書価より安いな。これならいいか」と思ってしまったくらいだから、確実に毒されている。

 以上、本の値段についてぐちぐちと書いてしまったが、基本的には欲しいものを買う。それだけだ。ただし、あまり高いのは勘弁してください、と言うことに尽きる。あまり本を買いすぎると、今度は本の収納の方が問題になってくる(実際、現在進行形で既に問題になっている)が、それはまた別の話と言うことで、今日はここまでにしておきます。
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私的テレビアニメ史

 本日、サイトの新コンテンツ「私的テレビアニメ史」を公開した。

 このコーナーは、私が今まで観てきたアニメを表にしただけだなので単純なものなのだが、かなり昔から「作ろう」と思っていて、なかなか完成させられなかった。作品のデータをどこまで入れるかで悩んでいたのだ。
 以前は、自分が視聴した東海地区の放送局に加えて、東海地区の放映期間までも表に加えようとしていた。しかし、遅れ放送作品の放映期間を調べるだけでかなり時間がかかるし、表がゴチャゴチャしてしまう。そこで、思いきって東海地区の放映期間は削って作ったのが、今回公開したものになる。やはり、こっちの方がすっきりしていていい。

 それにしても、ただ作品タイトルを羅列しただけではあるが、あらためて眺めていると、それぞれの作品を観ていた時の事が思い出されて懐かしい気分だ。たとえば、1993年は1990年代で一番視聴作品数が少ないが、これはある事情でアニメを観ている余裕がほとんどなかったせいだ。あえてその理由は伏せておくが、年代で大体の想像はつくのではないかと思う。
 ちなみに、トップページにも記しているが、今回は基本的に全話観ている作品のみを記載したので、それほど作品タイトルは多くはない。途中で観るのをやめた作品とか、小さい頃に観たはずだがろくに覚えていない作品などを入れればもっと多くなるが、それをやると間違いなく収拾がつかなくなるので、やめておいた。幼児~小学生くらいまでは、朝と夕方の再放送でかなりのタイトルを観ているはずだが、一部を除いてほとんど記憶がない。こういう作品も、懐かしい事には変わりはないのだが、堂々と「観た」と言えるかどうかとなると、ちょっと疑問だ。

 さて、このコーナーの今後だが、1960-1990年代の後追い視聴作品については続けて公開できるように準備している。問題は21世紀になってからの視聴分だが、こちらは作品数が格段に多くなるので、いつ公開できるか、今のところはわからない。
 基本的に自己満足のコーナーなので、気が向いた時にしか更新しない事になると思いますが、それでよければ完成までお付き合い下さい。
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