本日、「
はなバルーン倶楽部」内の「東海地方アニメデータ集」を更新して、新コンテンツ「民放4局時代のテレ東アニメ放映状況」を公開した。
最近一ヶ月ほどは、このコーナーの作成に集中していて、結局3回も図書館に通ってしまった。
内容はタイトルの通りで、テレビ愛知開局以前の東海地区でテレ東アニメがどのように放映されていたかを調べたもの。テレビ東京は1981年9月まで「東京12チャンネル」だったが、ここでは便宜上「テレ東アニメ」でひとくくりにさせていただく。最近の民放4局地域でテレ東アニメがあまり放映されないようなので、東海地区が4局だった時はどうだったのかと気になって、約10年分を調べた次第だ。
しかし、考えてみると、たとえば1980年頃と今とではテレ東アニメの放映本数自体が全く違うので、昔と現在とを単純に比較しても意味はない。実際、放映作品数は4局時代の東海地区も、現在の4局地域も大差は無い。深夜枠の作品が系列外にほとんど流れないため、4局地域でテレ東アニメが減った印象を受けたようだ。
今回の調査では、放映作品数よりも、キー局のテレビ東京より先行放映した作品が多かった点が興味深かった。
現在は、特番等で急にキー局が放映を休んだ時くらいにしか地方局が先行する事はないが、4局時代の東海地区では特別な事情はなくても、テレ東に先行して放映された作品が結構ある。
具体的に挙げると、「ドン・チャック物語 [第1期]」「超スーパーカー ガッタイガー」「森の陽気な小人たち ベルフィーとリルビット」「伝説巨神イデオン」「銀河旋風ブライガー」は全話にわたって東海地区が先行し、「宇宙大帝ゴッドシグマ」は全50話中の第42話までが先行した。
また、最初の1クールほどが先行した作品や、放映が追いついてしまい後半になってテレ東を追い越した作品もいくつかある。
現在なら、キー局より早く放映する編成自体が通常はあり得ないし、キー局が放映休止の場合は遅れて放映している局でも代替番組を入れて休止する措置が一般的だが、昔はテレ東の放映日時に配慮せず、東海地区でも改編月の第一週から開始したために、テレ東より先行する形になったようだ。
この状況は、特定のキー局が意識されていない点で、現在のU局深夜アニメに放映形態が似ている。だから、おそらく東海地区に限らず、テレ東より先行して放映した地域は他にもあったのだろう。
その後、テレビ大阪・テレビ愛知と系列局が出来て「メガTONネットワーク」を形成するようになってからは、テレ東アニメの地方先行はなくなったのではないかと思われるが、これは想像の域を出ない。いずれ、調べてみたいところだ。
参考までに、「アニメージュ」1980年2月号より当時のテレ東アニメ放映状況を見てみると、「未来ロボ ダルタニアス」が23局、「科学冒険隊 タンサー5」が19局と、十分全国ネットと言えるレベルで放映されている。
関東広域圏以外の各地域を比較すると、サンテレビ・近畿放送(現・KBS京都)が事実上の系列局となっていた京阪神地区がテレ東アニメの放映本数はトップで、次に各地の民放4局地域(北海道、宮城、静岡、愛知、広島、福岡)がほとんど差のない状態で続いており、現在の極端な地域格差が嘘のようだ。
地方におけるアニメの放映状況が、この30年ほどで大きく変わった事を、あらためて認識させられた。
今回のように昔のアニメ放映状況を調べてみると、ローカルセールス枠作品の扱いや、旧作の再放送状況など色々と興味を惹かれるところがある。今回は「テレビ愛知開局前のテレ東アニメ」に話を絞ったが、いずれ取り上げたいネタが増えてしまった。
「東海地方アニメデータ集」は、需要があるのかどうかさっぱりわからないが、個人的に興味のある事柄なので、今後も出来る限り更新したい。