「ゆうれい電車」4度目のアニメ化。この話は、第2作を除く全シリーズでアニメ化されており、それぞれで異なるアレンジがあるものの、基本的に大筋は原作通りだった。
過去3回で「ゆうれい電車」は、前半をオリジナル展開にして妖怪達の動機付けを描いた第1作、ややコミカルな印象のある第3作、そして原作寄りで徹底的に暗さと怖さを描いた第4作と、一通りやり尽くされた感があり、今回はどのようなアレンジで攻めてくるのか興味津々だったが、結果的に観終わった後の感想としては「してやられた」と、思ってしまった。
今回の話は、第5作で初めて「鬼太郎」に触れるような子供は、単に「怖い話」としてしか認識しないだろうが、原作や過去のアニメ版を知った上で観ると、あの結末には驚くしかない。
観終わってから思い返すと、今回は話の要と言うべき「同じ大きさのこぶでお返しさせてもらう」が無いし、後輩(本話では「木下」)の態度も原作とは異なっており、これでは原作通りのオチになる訳がないのだが、初見では違和感を覚えつつも、あのオチは予測できなかった。よくよく考えれば、話の発端となったアラン捜査官の霊視もきっちり伏線になっていたのだ。
そんな感じで観ていたから、吉永(先輩)への「お前の罪を思いだせ」の問いつめの下りでは、たかだか妖怪の存在を馬鹿にした事が「罪」なのか、今回の鬼太郎はやけに厳しいなと思ってしまった。そうしたら、あのオチだ。見事にだまされた。今回は「ゆうれい電車」の話を知っている人を引っかけるために作ったのではないかとさえ思ってしまった。
今回の大胆すぎるアレンジ&結末改変で、話のテーマが「妖怪を馬鹿にする人間におしおき」から、「吉永の過去の罪を暴く」に変わってしまっており、「ゆうれい電車」のアニメ版として考えると不満もある。それに、ねずみ男が全く登場しないのも寂しい。
ただ、本話に関しては「どうせまたいつもと同じ展開だろう」と思い込んでいただけに、「してやられた」感が強く、ここまで話が変わってしまえば、元の筋とのテーマの違いを気にしても意味がないような気もする。
見事に騙されて、新鮮な驚きを味わう事が出来たと言う点で、今回のアレンジは評価したい。
なお、ゆうれい電車のキモとなる「怖さ」については、描写自体はなかなかよかったと思うが、いちいち妖怪の名前がテロップで出る(ねこ娘まで)ので、ちょっと観ていて醒めてしまった。今回は、無理にあのテロップは出さなくてもよかったのではないか。
ついでに、一つ最後に言っておきたい。「骨壺」を「こつつぼ」にしてしまってはダメだろう。あれは「ほねつぼ」だからこそ味があるのだし、この点については特に変える意味が感じられなかっただけに、残念だ。
過去3回で「ゆうれい電車」は、前半をオリジナル展開にして妖怪達の動機付けを描いた第1作、ややコミカルな印象のある第3作、そして原作寄りで徹底的に暗さと怖さを描いた第4作と、一通りやり尽くされた感があり、今回はどのようなアレンジで攻めてくるのか興味津々だったが、結果的に観終わった後の感想としては「してやられた」と、思ってしまった。
今回の話は、第5作で初めて「鬼太郎」に触れるような子供は、単に「怖い話」としてしか認識しないだろうが、原作や過去のアニメ版を知った上で観ると、あの結末には驚くしかない。
観終わってから思い返すと、今回は話の要と言うべき「同じ大きさのこぶでお返しさせてもらう」が無いし、後輩(本話では「木下」)の態度も原作とは異なっており、これでは原作通りのオチになる訳がないのだが、初見では違和感を覚えつつも、あのオチは予測できなかった。よくよく考えれば、話の発端となったアラン捜査官の霊視もきっちり伏線になっていたのだ。
そんな感じで観ていたから、吉永(先輩)への「お前の罪を思いだせ」の問いつめの下りでは、たかだか妖怪の存在を馬鹿にした事が「罪」なのか、今回の鬼太郎はやけに厳しいなと思ってしまった。そうしたら、あのオチだ。見事にだまされた。今回は「ゆうれい電車」の話を知っている人を引っかけるために作ったのではないかとさえ思ってしまった。
今回の大胆すぎるアレンジ&結末改変で、話のテーマが「妖怪を馬鹿にする人間におしおき」から、「吉永の過去の罪を暴く」に変わってしまっており、「ゆうれい電車」のアニメ版として考えると不満もある。それに、ねずみ男が全く登場しないのも寂しい。
ただ、本話に関しては「どうせまたいつもと同じ展開だろう」と思い込んでいただけに、「してやられた」感が強く、ここまで話が変わってしまえば、元の筋とのテーマの違いを気にしても意味がないような気もする。
見事に騙されて、新鮮な驚きを味わう事が出来たと言う点で、今回のアレンジは評価したい。
なお、ゆうれい電車のキモとなる「怖さ」については、描写自体はなかなかよかったと思うが、いちいち妖怪の名前がテロップで出る(ねこ娘まで)ので、ちょっと観ていて醒めてしまった。今回は、無理にあのテロップは出さなくてもよかったのではないか。
ついでに、一つ最後に言っておきたい。「骨壺」を「こつつぼ」にしてしまってはダメだろう。あれは「ほねつぼ」だからこそ味があるのだし、この点については特に変える意味が感じられなかっただけに、残念だ。