続・大山版「ドラえもん」をDVD-RAMへ

 この前書いた、大山のぶ代時代の「ドラえもん」VHS録画をDVD-RAMに移す作業は、今日でようやく1996年の通常放送分が全て完了した。これで、後はクリスマスと大晦日の特番を残すのみだ。


 さて、前回トラックバックを頂いた「藤子系ブログ。―Futaride hitori」のエントリに刺激されて、「ドラえもん」の提供画面がいつからイラスト入りに変わったかを録画が残っている範囲で調べてみた。
 結果としては、最後にブルーバック提供が確認できたのが1996年5月3日放送分、イラスト入り提供の付いていた最初の回は同年7月19日放送分だったので、この間に切り替わったようだ。
 その提供画面は、以下の二つ。前提供と後提供で、絵が違う。



左・前提供、右・後提供


 既存の映像の流用で、前提供は1995年12月30日放送「冬休みだよ!ドラえもんスペシャル」のブリッジ新作アニメから。この4人がおびえているのは、年末大売り出しの抽選でジャイアンが小型カラオケセットを手に入れて、歌おうとしている場面だから。よりによって、なんでこんな暗~い絵を提供に使ったのか、実に不思議だ。
 後提供の絵は、どこから持ってきたものなのかが確認できなかった。絵柄から、1995年前後の放送分だとは思うのだが、心当たりをチェックした範囲では該当する場面が見つからなかった。

 この組み合わせによる提供絵は、1999年2月5日放送分まで2年半もの間使われていた。
 これまで、「ドラちゃんのおへや」のアニメデータには、提供絵に関する情報は一切記載していなかったが、これはデータをまとめた当時、私が提供部分を重要視していなかったせいだ。今後、ビデオテープのコピー作業に合わせて提供絵の変遷を確認し、データとして掲載したい。


 ところで、1996年と言えば、ドラ・藤子ファンには絶対に避けて通れない重要な出来事があった。言うまでもなく、藤子・F・不二雄先生が亡くなられた年だ。

 しかし、「ドラえもん」テレビアニメの放送では、訃報には触れられていない。F先生の亡くなる3日前、9月20日に秋の特番があり、その次の通常放送が10月11日と間があいたためだ。
 追悼に関しては、この間に映画「のび太の日本誕生」が放送され、番組最後には追悼メッセージも流れた。また番組内では「日本誕生」だけでなく、映画「2112年ドラえもん誕生」よりF先生自身がナレーションを務めている場面も一部放映されていた。この番組、録画していたと思って探したのだが、残念ながら見つからなかった。どこへ行ったのだろう。

 代わりと言ってはなんだが、F先生の亡くなった翌日、9月24日に放映された「モジャ公」第50話EDの追悼メッセージは確認できたので、載せておく。「つつしんでごめいふくをおいのりします」の下に、「じゃあね 元気でねまた明日」とは洒落にならないのでは、と思ってしまった。






 そう言えば、「モジャ公」も、今回DVD-RAMにコピーした大山ドラと同じ時期、1995~97年にかけて放映されていた。一応、全話録画してはいるのだが、はっきり言ってわざわざDVD-RAMに移してまで残しておく気にはなれない。少なくとも、私にとってはアニメ版「モジャ公」は、そんな作品だ。「モジャ公」の原作が好きな方には、わかっていただけるのではないだろうか。
 じゃあ、なぜ全話録画したのかと聞かれると、意地になっていたとしか答えようがない。ちなみに、1996年3月までは、テレ東系列でテレビ愛知だけ平日18時30分~19時枠がローカル編成だったため、「モジャ公」は第25話まで土曜19時から放映されていた。たまたま、その時期の番宣がビデオに残っていたので、紹介しておく。





 「7:35」と時刻表示が入っている事からわかるように、これは朝に放送されたもの。よりによってと言うべきか、「新世紀エヴァンゲリオン」の番組開始前に流れたものがたまたま録画されていたのだ。「モジャ公」をゴールデンタイムに流す一方で「エヴァ」を朝っぱらから放映していたのだから、当時のテレビ愛知は無茶な編成をしていたものだ。
 それにしても、「ドラえもん」や「モジャ公」のように毎回キッチリ録っていたテープより、色々な番組がごちゃまぜで残っているテープの方が、後から観返すと面白い。こちらの方が、番宣やCM、提供などもちゃんと残っているし。今回も、ついつい時間を忘れて見入ってしまい、このエントリを書くまでにずいぶん時間を使ってしまった。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )

「闘将!!拉麺男」シリーズ前半(#01-18) 感想

 3月から東映チャンネルで始まった「闘将!!拉麺男」も、今週で第18話まで放映されて、全35話(最後の2回は総集編)の折り返し点まで来た。週に2話のペースだと、やはり早いものだ。


 本作を1話から通して観るのはテレビ愛知の再放送以来だから約15年ぶりになるが、あらためて観てみると、原作をじっくりと読み込んだ上で丁寧に作られている事が伝わってきて、何度も観ているにも関わらず非常に楽しめる。

 とにかく、ラーメンマンが格好いい。主人公だから当たり前だと思われるかも知れないが、そもそも元はギャグマンガ時代の「キン肉マン」の読者投稿超人であり、造形も明らかにギャグキャラ顔であるにも関わらず、アニメ版「闘将!!拉麺男」でのラーメンマンは、シリアスな話でも全く違和感なく格好良く見えるのだから、やはりすごい事だ。
 性格は原作よりさらにストイックになっているが、決して単に厳しいだけではなく、強さと優しさを合わせ持った主人公として魅力的に描かれており、特に弟子のシューマイとの関係は、原作ではややラーメンマンが理不尽に思える場面もあるのだが、アニメ版では「師」として、また「父」代わりとして、時には厳しく、また優しく接するやりとりが毎回描かれていて、暖かさが伝わってくる。


 また、ゆでたまご作品にありがちな矛盾点や強引な展開を、違和感なく無理のない話にアレンジしており、スタッフが原作のよい所も悪いところもわかった上で作っているのだと言う事がよくわかる。
 例えば、第3話「破られた闘龍極意書!の巻」は、ラーメンマンと兄弟子・叉焼男(チャーシューメン)との因縁を描いたエピソードだが、原作では第1話ではいなかったはずの兄弟子が第3話でいきなりいた事になっていて、いかにも後付け設定だと無理を感じたのだが、アニメ版ではラーメンマンが陳老師に入門した時は叉焼男は修行の旅に出ており、旅から帰った後に初めてラーメンマンと対面した事になっている。
 これなら、第1話に叉焼男が出なくても問題はないし、叉焼男の立場からすれば後から入ってきた弟弟子が老師にかわいがられている事でラーメンマンを邪魔に思うようになった訳で、話の展開としても自然だ。

 他にも、話の改変は色々とあるのだが、原作との大きな違いとしては「むやみに人が死なない」点が挙げられる。
 原作では、蛾蛇虫、砲岩、犬操など後で仲間となるライバルキャラクターは、ラーメンマンとの一度目の対決で明らかに最後はとどめをさされて息絶えているにもかかわらず、そんなエピソード自体がなかったかのように涼しい顔で再登場する。
 死人の生き返りは、ゆでたまご作品では日常茶飯事なのだが、「キン肉マン」では後付けで「超人墓場で珠を四つ集めれば生き返られる」設定が登場したので何とか納得できる。だが、「闘将!!拉麺男」は、そのような設定は全くなく、それどころか「生命の石」争奪戦では「仲間を生き返らせるため」の戦いを繰り広げており、原作ではエピソードごとに命の重みが全然違うという変な状態だ。
 だからこそ、話に無理のない形で、先に挙げたライバルキャラ達を含めて、極力死人が出ないようにしているアニメ版は話の陰惨さも薄れており、観ていて気持ちがいい作品となっている。

 そして、アニメで導入された最大のオリジナル要素は、ラーメンマンと生き別れの妹・拉娘との関係だ。
 拉娘は戦い自体を嫌っているため、ラーメンマンは拉娘との再会後も「戦わずして勝つ」極意を会得するまでは兄として名乗らないと心に決めており、それが話に一抹の哀愁と緊張感を与えている。
 また、ラーメンマンと対比するように、蛾蛇虫や蛮暴狼は、妹との「兄弟の絆」が描かれる事で原作のように命を落とす事はなくラーメンマンの仲間となっており、「戦いを通していつの間にか仲間になっていました」という感じの原作よりも説得力がある。
 兄妹の物語は、下手をするとベタベタなドラマになりかねないところだが、アニメ版では重要なエピソードに絞って拉娘を登場させているので、観ていて鬱陶しいと言う事はない。

 以上のように、ストーリーは原作の肝を押さえながら、矛盾点を無くしてラーメンマンをさらに格好良く見せており、原作を知っていても知らなくても拳法アニメとして楽しめる作品になっている。
 作画・演出も良好で、戦いの場面も毎回見応えがある。技の名前が文字で画面上に出るのはちょっと格好悪いように感じたが、観ているうちに慣れてしまった。


 本作の放映開始は初代「キン肉マン」の放映終了から約1年3ヶ月後であり、両作品とも東映動画が作っているのでスタッフ・キャストはかなりかぶっている。
 脚本家は山崎晴哉・寺田憲史のコンビで「キン肉マン」とまるっきり同じだし、他にも演出の山吉康夫・川田武範・白土武や作画監督の森利夫・高橋英吉など「キン肉マン」に参加していた人が多い。にも関わらず、おちゃらけた印象の強い「キン肉マン」とは全く違うイメージのこの作品を作り上げたのだから、驚きだ。

 声優は、松島みのりが「キン肉マン」のミート役からスライドでシューマイ役を担当しているのを初めとして、郷里大輔・堀秀行・戸谷公次・銀河万丈・佐藤正治など「キン肉マン」でお馴染みの面々が登場しており、中でも郷里大輔氏は土偶人やラーメンマン・キラーなどごついキャラの役を何度もあてていて、「キン肉マン」でも色々な役を同時にこなしていた事が思い出された。
 しかし、その一方で、本作では「キン肉マン」のような無理な声優の使い回しはあまり無く、毎回登場するゲストキャラクターはきちんとイメージに合った人が呼ばれている。特に、ムンタ役の西尾徳とソドム役の大塚周夫、それにラーメンマン最大の敵である玉王役の内海賢二がはまり役だった。
 大塚氏はソドムの前に十字拳黒龍役でも出演しており、その時に「どちらかと言うとソドムの方が合うんじゃないか」と思っていたら、本当にソドム役も大塚氏だったので驚いてしまった。もっとも、何度も再放送で観た作品なので、以前に観た時の記憶が残っていたのかもしれないが。
 まだまだ話が残っているので、今後もどんな人が声をあてるのか、楽しみだ。暗器五点星の金剛以外の声優が思いだせないので、特に気になる。


 さて、明日の放送からはシリーズ後半に入る。とりあえず、当面はモンゴルタイガーとクローン拳士のエピソードが楽しみだ。記憶にないのだが、「覇王一本杭」は果たしてアニメ版でもそのまま使われているのだろうか。第20話でアニメオリジナルキャラの皇帝(少年)が登場した事は覚えているのだが。
 今後、第20話から第25話まで前後編構成のエピソードが続くが、今回の放送では全て後編が翌週に持ち越しとなってしまう。明日から三週間は、毎週次の展開にやきもきさせられる事になりそうだ。


 なお、ここまで原作とアニメを色々と比較したが、色々矛盾や無茶な点がある事を含めて、原作は原作で大好きな作品だ。ゆで作品に突っ込みどころや死人の生き返りが無いと物足りない。砲岩が何度も死ぬのも、原作ならではの味の一つだと思う。
 ただ、それをそのままアニメ化したら無茶になるのは明らかであり、アニメスタッフのアレンジも間違っていないと思う。原作もアニメも両方とも好きなのだ。本当に、アニメ版はいいスタッフに恵まれたと思う。それだけに、3クール足らずで終わってしまったのは残念だが、残り15話+総集編2回も楽しみだ。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

大山版「ドラえもん」をDVD-RAMへ

 先週から、久しぶりにビデオテープ録画のDVDへのコピーを再開した。
 以前から、気が向いた時に少しずつやってはいたのだが、何しろ相当な量になるのでどこから手を付けていいかも迷ってしまい、これまでは短めのテレビアニメを何本かDVD-RAMに移した程度だった。
 例えば、最近だと「タイムボカン2000 怪盗きらめきマン」。これは、「ヤッターマン」新作放映開始がきっかけで、「そう言えば「きらめきマン」の録画が残っているな」と思い出し、DVD化されそうな気配もなく、またDVDが出ても買わないだろうから、意を決してコピーしたのだ。


 全26話くらいなら数日あれば何とかなるのだが、1年以上のシリーズとなると、なかなか手を出す気にはならない。
 しかし、放っておくと、カビが生えたりノイズが入ったりで再生できなくなる恐れもある。だから、思い切って大山のぶ代時代の「ドラえもん」に手を出した。当然、テープの本数が最も多い作品だ。

 私が「ドラえもん」を毎回標準モードで録画し始めたのは、1995年8月25日放送分から。「ドラえもん」のサイトをやっている割に、本放送の録画はあまり古い物は持っていないのだ。
 以降、大山ドラ最末期まで、HDDレコーダー導入後もVHSテープで録画を続けていた。途中で3倍モードに切り替えたが、それでもVHSテープで50本くらいにはなる。

 大山版「ドラえもん」は、新作と再放送の組み合わせで放映を続けていたので、今後CSなどで再放送があったとしても、本放送そのままと言う事は、まず望めないだろう。現に、DVDでは再構成してOP・EDに新たにクレジットを入れている。大山ドラだけでなく、わさドラですらそうなのだ。だからこそ、手元に現存する本放送録画は可能な限り残しておきたい。
 とりあえず、標準で録った分は確実に保存したいので、この一週間で1995年8月~1996年4月までの放映分をHDDレコーダー経由でDVD-RAMにコピーした。放送から12年以上経っているが、そこそこ観られるレベルの画質は保っていた。もっと古い時期に3倍モードで録画したテープもいくつかあるが、こちらはさすがにノイズがかなり入っており、まともな状態でのダビングには手間がかかりそうだ。


 今回、久々に1995年の放送分を観返したのだが、当時の私はCMをカットして録画していたので、提供画面やCMがほとんど入っておらず、ちょっと寂しい。なぜCMカットにそんなにこだわっていたのか、昔の自分を不思議に思ってしまうほど徹底してカットしている。よく覚えていないが、おそらくCMを早送りする手間を嫌ったのだろう。今や、チャプターを指定すればCMなどボタン一つで飛ばせるのだから、便利になったものだ。
 ともかく、当時はCMカットにかなり力を入れていたようで、驚くほどキレイに飛ばされており、ほとんど1フレームも残っていない。今となっては、ムダな事に労力を使っていたと思わざるを得ないが。
 そんなわけで、当時のスポンサーなどを知る情報があまり残っていないのだが、さすがに完全に毎回在宅してCMカットをするわけには行かなかったらしく、一部の回ではCMや提供も残っていた。それを見ると、1996年2月23日放映分では、提供画面はまだブルーバックのままだ。





 「ドラえもん」以外のシンエイ藤子アニメでは、私の記憶の範囲内では「エスパー魔美」の頃にはすでにイラスト入り提供バックが使われていたはずだ。「魔美」の放映終了が1989年だから、1990年代後半までブルーバックだった「ドラえもん」は、時代の流れに取り残されていたようだ。
 ただし、当時も特番の時はイラスト入り提供バックが使われている。例えば、1996年2月16日放映の「友情一番!ドラえもんスペシャル」では、こんな感じ。





 おそらく、当時の「ドラえもん」番組担当者は、イラスト入りの提供ベースは特別なもので、通常はブルーバックで十分だと考えていたのではないだろうか。確かに、当時観ていても、提供に絵が入っているだけで何となく豪華な雰囲気は感じた。
 そう言えば、わずかに残っていたCMの中に、初代ゲームボーイ版「ポケットモンスター」発売前のCMがあって驚いた。意外な掘り出し物だ。当時CMをカットする習慣がなければ、もっと色々残っていたかも知れない。今思うと、もったいない事だった。






 私にとって、この頃の「ドラえもん」は、大人になってからでは一番熱心に観ていた時期なので、今観ても本放送当時の感想が思い出されたり、意外な発見があったりして、ちょっと観始めると、きりがない。再放送パートも長尺(12分43秒)のため色々とアレンジが多くて、むしろ原作を一通り読んだ今の方が興味深い内容だ。
 まず、当面の目標としては、1996年末までの分は今月中に全てDVD-RAMに移したい。その後は、勢いに乗って1997年以降の分も…と行きたいところだが、1997~1998年頃は我が家のテレビ受信状況が悪かった時期で、かなりゴーストがきつく、画面が汚いのであまりやる気が起きない。とりあえず、「ドラえもん」1996年分が終わったら、次は「ゲゲゲの鬼太郎」第4作にでも手を付けるか。そう言えば、これも1996年のアニメだ。

 なお、DVD-RAMだけでは心配なので、同時にPCのHDDにもコピーして、バックアップとしている。RDのネットdeダビング機能はVirtualRD導入でPCでも使えるので助かる。
 このまま、HDDの方は「ドラえもん」保管庫としてため込めば、いずれ大山版ドラ(後期9年分限定)のライブラリが出来上がる。いつでもどの話でも呼び出して再生できるのだから、想像してみると楽しみだ。いつになったら完成するか、見当も付かないが。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

2008年春のアニメ新番組雑感(2)

 前回から1ヶ月ほど間が空いてしまったが、春のアニメ雑感その2。
 とりあえず、現在視聴しているテレビアニメを、いつものように一覧で挙げておく。



(日曜日)
 ・しゅごキャラ!(テレビ愛知)※継続
 ・ゲゲゲの鬼太郎(東海テレビ)※継続
 ・絶対可憐チルドレン(テレビ愛知)
 ・コードギアス 反逆のルルーシュR2(CBC)

(月曜日)…なし
(火曜日)…なし

(水曜日)
 ・イタズラなKiss(CBC)
 ・紅(テレビ愛知)
 ・仮面のメイドガイ(名古屋テレビ)
 ・ドルアーガの塔 the Aegis of URUK(三重テレビ)

(木曜日)
 ・増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和3(三重テレビ)
 ・図書館戦争(東海テレビ)
 ・マクロスFRONTIER(CBC)
 ・狂乱家族日記(東海テレビ)

(金曜日)
 ・ドラえもん(名古屋テレビ)※継続
 ・S・A(テレビ愛知)
 ・二十面相の娘(東海テレビ)

(土曜日)
 ・かのこん(AT-X)



 以上、15本(5分番組の「ギャグマンガ日和3」を除く)。あらためてリストアップしてみると、曜日によって随分かたよりがある。と言っても、日曜のアニメは出来るだけリアルタイムで観ているので本数が多くても問題ないし、他の曜日の深夜アニメも当日に観られない分は月・火・土曜日に振り分ければいい。

 それに、昨年秋期と比べて、さらに3本ほど視聴本数が減っている。無理して新作を多く観る事はなくなった。観る事が苦痛に感じるようになったら、割と遠慮無く視聴を打ち切っている。
 例えば、前回触れた「おねがいマイメロディ きららっ☆」は、第2話まで観て新キャラの鬱陶しさと画面の違和感に耐え切れられず、3話以降は観ていない。一応、録画は続けているのだが。他にも、序盤を観て継続視聴を止めたアニメはいくつかあるが、いちいち挙げてもきりがないので止めておく。


 新番組で、特に毎週楽しみに観ているのは「コードギアス 反逆のルルーシュR2」「マクロスFRONTIER」の2本。今期のMBS作品は2本とも当たりだ。
 「コードギアス 反逆のルルーシュR2」の視聴率の低さが各所で話題になっているが、これはちょっと意外だった。視聴率の低さはともかくとして、「低い事が騒がれる」とは思っていなかったのだ。アニメファンの間で話題作ではあっても、元々10局でしか放映しなかった深夜アニメなのだから、日曜夕方に移って視聴率が上がるとは考えにくい。昨年9月以降にあわてて放映した地域などは、関心のある人は既にDVDで観ているだろうから、新規視聴者はそんなに増えるとも思えない。だから、視聴率は当然低いものだと思っていた。
 日曜17時と言う時間は個人的には微妙なところで、当日自宅にいても忘れそうになるし、日曜日は出かけている事もある。先程、日曜のアニメは出来るだけリアルタイムで観ると書いたが、「ギアスR2」はなかなかそうは行かず、今のところリアルタイムで観られたのは1・3話の2回だけだ。今日も、録画視聴だった。

 視聴率の低さで「日5」の枠存続を危ぶむ意見も見かけるが、MBSはあの枠をどのように考えているのだろう。本来は深夜アニメだからDVD等が売れれば視聴率は問題なかったはずだが、「R2」を系列フルネットにしたからには、視聴率にも期待しているのだろうか。増やした放映局18局分の放映料に見合うだけDVDの売り上げが増えるとも考えにくい。
 内容的には、残虐描写やエロ描写は深夜時代同様に遠慮無くやっており、特に夕方枠を意識しているようには思えない。夕方の放映になる事で規制が入るのではと危惧していたので、相変わらずだった事にはほっとしたが、アニメファン層以外にも目に付きやすい時間帯なだけに、変なところからクレームが付かないかは心配だ。
 ともかく、今時貴重な全国ネットアニメ枠なので、枠消滅は無い事を祈りたい。


 そう言えば、次世代DVDの規格対決に決着が付いたせいか、最近はBDでリリースされるアニメのタイトルも結構増えてきた。
 画質・音質の点でDVDには勝ち目はないのだから、そろそろ私も移行を考えておくべきかも知れない。今は「墓場鬼太郎」「おねがいマイメロディ すっきり♪」のDVDを買っているが、この2タイトルのリリースが終わったら、今後は余程特典に魅力があるか、もしくはBDで出るかどうか怪しいような作品でなければ、新作アニメのDVD購入は見送るようにしよう。
 「コードギアスR2」や「マクロスF」のようにDVD・BDが同時リリースされれば、迷わずBDを選べるので、ありがたい。私はBD再生環境をまだ持っていないので、余程惹かれるタイトル以外は、BDもひとまず様子見になるだろうが。

 旧作アニメはDVD画質でも特に気にならないので、今後も欲しいものがあれば買いたい。LD→DVDへの移行時のように、「まさかこれが」と驚くようなマイナー作品が発売されたら面白いのだが。
 今年は、12月発売の「キン肉マン」DVD-BOXまでは旧作の購入はないはずだったが、「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」のBOXが再発売される事になったので、こちらも買う気になってきた。Amazon価格は26%引きで21,756円だろうか。DVD-BOX 2も同額だとすれば、最初のBOXと比べてかなり安い。
 ただ、BOXデザインが従来のものから変わってしまうと、既に持っている「タイムパトロール隊 オタスケマン」「ヤットデタマン」と並べた時に統一感がなくなるので、気になるところだ。安くなっているので、映像特典とブックレットは無くても我慢しよう。

 「ヤッターマン」と言えば、この前の1時間スペシャルは、三船剛とガッチャマンの登場シーンだけは観た。ちゃんとオリジナルの森功至氏を呼んできた点は評価できるし、マッハ号の戦闘力の高さは観ていて笑えた。「タイムボカン王道復古」では三船剛はセリフ無しだっただけに、今回の趣向は嬉しい。せっかくだから「王道復古」のようにテッカマンも出せばよかったのに。
 ちなみに、本編全体に関しては、みのもんたと久本雅美が嫌いなので、観る気になりません。


 と、だらだらと書いていて、話が「新番組」から離れてしまったので、この辺で終わり。
 明日は月曜日。新作アニメはないが「闘将!!拉麺男」の日。こちらも、毎週非常に楽しんで観ている。「キン肉マン」の後あたりに、DVDが出ないだろうか。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

ゲゲゲの鬼太郎[第5作] #56「禁じられた岬! 磯女」感想

・ゲゲゲの鬼太郎[第5作] 第56話「禁じられた岬! 磯女」
(脚本/吉村元希、演出/勝間田具治、作画監督/出口としお)


 放映2年目に突入してから、「鬼太郎」の感想が1話おきになっている。
 別にこれには意図がある訳ではなく、特に感想を書いておきたいと思う回を取り上げたら、このようになってしまった。


 さて、今回は「磯女」の回だが、このエピソードについては「空気ポンプの術」の描写がどうなるかが楽しみだった。先週流れた予告ですでに「空気ポンプの術をくらえ!」と言ってしまっているだけに、特に気になっていた。

 わざわざ予告で強調するくらいだから、さぞ盛大に赤ん坊を破裂させてくれるのだろうと期待していたのだが、結局膨らませるだけで終わってしまい、少々拍子抜けだった。「もっと膨らむ事も出来るぞ」と磯女を脅す場面は、一気に膨らんで破裂させるよりも意地が悪い感じで、ここを上手く描けば緊迫感のある場面になったかもしれない。
 だが、赤ん坊の体が徐々に膨らんでいくところで、間に別の場面を挟むものだから、前後でどの程度大きさが変わったか、わかりにくかった。そのため、赤ん坊の苦しみ方の変化が見て取れず、イマイチな印象だ。ちょっと残念な回だったと言わざるを得ない。


 ところで、今回はアニメ化における「リメイク」をどのように行うか、過去の「磯女」エピソードと比較すると、なかなか興味深い。
 今回を含めて、これまでに「磯女」は4回アニメ化されており、それぞれに独自のアレンジがある。相違点を簡単にまとめると、


 ・第1作「磯女」:磯女と赤ん坊は親子、空気ポンプの破裂描写はなし
 ・第3作「子連れ妖怪 磯女」:磯女と赤ん坊は親子、空気ポンプの破裂描写あり
 ・第4作「荒海の伝説! 磯女」:赤ん坊が磯女の本体、空気ポンプの破裂描写あり


 と、言ったところか。
 意外にも、第4作でなってようやく、ほぼ原作に忠実な内容でのアニメ化が行われている。

 ここにあげた以外にも、第3作では磯女との闘いは中盤で終わってしまい、後半はリゾート開発を行おうとする人間&ねずみ男を懲らしめているし、第4作では一度破裂した赤ん坊が復活してしぶといところを見せてバトルが続くなど、各シリーズでそれぞれの特徴が出た展開となっている。

 第4作以外では、あえて原作での「赤ん坊が磯女の本体」設定をカットしているわけだが、それだけ磯女と赤ん坊の親子愛を取り上げると話が作りやすいのだろう。
 今回の第5作では、親子愛に加えて、原作にもあった「昔からの言い伝えはバカにするな」と言うメッセージも入っており、全体的に過去作を混ぜ合わせたような印象を受けた。本作ならではの特徴があまり見つからず、それだけに空気ポンプの術の描写不足が残念だ。


 同じ原作を4回もアニメ化しているのだから、原作と共通する部分は当然としても、アレンジで過去作とかぶる部分が出てきても、ある程度は仕方がないとは思う。
 「鬼太郎」は第4作からアニメオリジナルエピソードがかなり増えてきているが、同じ原作を何度も使っては、やりにくいせいなのだろう。
 完全なオリジナルではなく、妖怪のキャラクターのみ原作から拾ってきて、話はオリジナル展開というケースも多いが、こちらは妖怪をどう動かすかでスタッフの力量が問われる。第5作なら、白山坊は「妖怪との契約」の基本設定は活かして、キャラクターを面白い方向に変えた成功例だと思う。

 原作を使うにせよ、オリジナル話を作るにせよ、せっかく何度もアニメ化しているのだから、そのシリーズならではの味付け、面白さが出ているかどうかが一番肝心な部分だと思う。「鬼太郎」に関して言えば、今のところどのシリーズでもそれぞれ特色を出す事には、ほぼ成功していると言っていいだろう。
 第5作は、過去シリーズと比べて妖怪横丁の設定などオリジナル要素は特に多いし、かわうそをはじめとしてレギュラーの仲間妖怪も増えているだけに、原作のエピソードをどのように絡めるか、どの妖怪を登場させるかは、これからも注目して観ていきたい。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

「ライオンブックス」復刻版と手塚作品の描き直し

 手塚治虫「ライオンブックス」おもしろブック掲載分の完全復刻版第2巻が発売されたので、本日買ってきた。
 3月末発売の第1巻と合わせて、旧「ライオンブックス」シリーズ全話が初めて初出通りの内容で復刻された。膨大な手塚短編の中でも特に好きなシリーズなので、非常に嬉しい。





 小学館クリエイティブの復刻シリーズは以前から気になっていたのだが、今までは読みたいと思う作家・作品がなく、実物を手にとる機会がなかった。手塚作品か藤子作品の復刻単行本が出たら買いたいと思っていたところに、「ライオンブックス」が出たと言う訳だ。

 しかし、膨大な数の手塚作品から最初に選ばれたのが「ライオンブックス」とは、ちょっと意外だった。雑誌付録という性質上、原本に忠実な復刻は難しいと思ったからだ。この疑問については、実物を手にとって納得した。一冊ずつバラバラに復刻して6冊セットで箱に入れるとは、大変なこだわりだ。別冊付録一冊丸々の復刻なので、巻末にうしおそうじの連載などが載っているのも面白い。


 ちなみに、「ライオンブックス」シリーズは、手塚ファンクラブ京都の同人誌「ヒョウタンツギタイムス」No.6~18号までで復刻されているので、今回は商業出版として初の完全復刻と言う事になる。私も「ライオンブックス」初出版読みたさに古書店で「ヒョウタンツギタイムス」を少しずつ集めていたのだが、全集未収録の「双生児殺人事件」の復刻された13号は特に入手困難だったので、今回の復刻はありがたい。
 以前にも書いたのだが、「双生児殺人事件」の作品そのものは、出来はあまりよくない。ストーリーにも難があるし、代筆絵はやっぱり下手で、全集から外されたのも納得せざるを得ない作品だ。
 それでも、シリーズ中で一作だけ外されているのは気持ちが悪いので、今回は「双生児殺人事件」を含めた全作復刻となって、よかったと思う。


 さて、今回初出版で「ライオンブックス」シリーズを通して読んで、あらためて手塚作品の描き直しの多さを実感させられた。
 私は小学生の時に手塚治虫漫画全集で初めてこのシリーズを読んだのだが、全集版は子供の目にも明らかな描き直し絵が多くて、気になったものだった。たとえば、第6巻収録の「来るべき人類」は、冒頭10ページ分が丸々描き直しだ。
 初出版と比べると、元の絵を忠実に引き写したコマも結構多いのだが、それでも全集版の出た1983年当時の手塚絵になってしまっており、線の運びは全く違う。これが長年気になっており、「ライオンブックス」は特に初出版を読みたいと思っていた作品だった。
 他に、全集の描き直しと言えば「おれは猿飛だ!」も気になる。終盤を大幅に描き直した事はいいとして、初出当時にはあり得ない「忍法スターウォーズ!」なんてネタまで入っているのはやりすぎだ。これも、初出版で読んでみたい。

 ただ、描き直してよくなった部分も、もちろんある。
 「ライオンブックス」シリーズでは、「宇宙空港」(後編の「オリオン137星」)のラストは、ランプが良心を得る場面が丁寧に描かれている全集版の方が好きだ。初出版はセリフでの説明だけで、あっさりしすぎている。他の作品も、毎回32ページの制限があったせいか、初出版はラストがあっけないものが多い。「複眼魔人」は、全集版を読みなれていたせいもあって、初出版は「え、ここでもう終わり?」と驚いてしまった。
 作者の納得のいく形の結末になったという点では、全集での描き直しには意義があったと思う。


 ご存じの方には「何を今更」と言われそうな話題だが、手塚作品の描き直しは、単に初出と一回の単行本化だけで終わるものではなく、何度も単行本化された作品は、その度に何らかの変更がある場合が多い。
 現在では、ほとんどの作品で「手塚治虫漫画全集」版が底本になっているが、「火の鳥」は全集の後に刊行された角川書店のハードカバー版で「乱世編」や「望郷編」にかなり変更が加えられており、「決定版」が2種類存在する変な状態になってしまった。「乱世編」は構成そのものが変わっているが、「望郷編」は全集版のページ数を減らしたダイジェストであり、なぜわざわざこんな事をしたのかよくわからない。
 現状では、「火の鳥」の角川文庫やコンビニ本は角川ハードカバー版を引き継ぎ、朝日ソノラマ版は全集版を踏襲しており、おそらく今後も2種類の「火の鳥」が出され続けるのだろう。

 この「火の鳥」は、ほんの一例であり、全集刊行以前の各作品の単行本について触れていくときりがないし、私が把握していないバージョンも多数存在するはずだ。それらを全部集めて読もうとすると、間違いなく行く先は底なしの泥沼だ。
 だから、私は手塚作品は全集をメインにして、気になった作品に限って全集以外の単行本も集める方針にしている。「気になった作品に限って」と軽く言っても、少年チャンピオンコミックス版「ブラック・ジャック」全25巻とサンコミックス版「鉄腕アトム」全21巻+別巻を揃えただけで50冊近くになってしまうのだが。

 さらに、今回の「ライオンブックス」を含めて、最近増えてきた初出版の復刻は可能な限り買っているし、ぴっかぴかコミックスもカラー収録なので見逃せない。サンデーコミックス版の「W3」や「海のトリトン」は、無理矢理にページを削ったダイジェスト的な編集が今となっては味わい深く、これも押さえておきたい。
 と、このように「気になった作品」はどんどん増えていくので、結局泥沼に足がはまりかけている気がする。初出そのままの復刻は非常にありがたいのだが、買わざるを得ない作品が増えすぎるのも少々困りものだ。まあ、収集のメインだった全集は残り10冊ほどで全400巻が揃うので、今後は本棚の手塚作品がそれほど増える事はないだろうが。


 そう言えば、全集も初期に刊行された作品は、増刷時にセリフが手直しされた場合がある(例:「罪と罰」で「きちがい」を削除)し、「雑巾と宝石」に至っては第2刷以降で短編が一本丸々カットされている。だから全集といえども刊行開始から現在までの約30年でいくらか変化があるのだが、これについて書くとまた長くなるので、今回はこのくらいにしておこう。


 なお、「ライオンブックス」復刻版2巻に入っていたチラシによると、6月には「花とあらくれ -手塚治虫劇画作品集-」が刊行予定になっている。「花とあらくれ」自体は全集でも読めるが、やはり初出版での復刻に期待したい。「劇画作品集」と言うからには、「花とあらくれ」と同じく「X」に掲載された「刹那」や「落盤」あたりも入るのだろうか。今から収録内容が楽しみだ。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )