藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)
はなバルーンblog
2024年の終わりに
現在、12月31日の21時。今年もあと残すところ3時間だ。毎年恒例の、今年のまとめを書いておく。
それにしても、今年の後半はすっかりこのブログをさぼってしまった。実に申し訳ない。
ネタとしては色々とあったものの、時機を逸してしまったものもたくさんあった。全て、私の個人的事情によるものだ。来年はどうなるかわからないが、せめて隔月くらいのペースにはしたい。
さて、今年は多くの方々が亡くなられた年と言う印象が非常に強い。
特に声優では、大山のぶ代さん、小原乃梨子さん、三輪勝恵さん、増山江威子さん、堀絢子さんと、藤子アニメで活躍された方々が立て続けに亡くなられた。小さい頃から耳に親しんできた声であり、ショックだと一言で片付けられないほどに精神的ダメージは大きい。
思えば、私が最初に耳にした藤子アニメの主人公の声は、はたして大山さんのドラえもんだったか、それとも堀さんのQ太郎だったか。シンエイ版『ドラえもん』が始まった頃は、『新 オバケのQ太郎』も普通に再放送していたので、どちらを先に観たかは今となってはわからない。もう一作品『ジャングル黒べえ』も幼児期からよく再放送されており、どの作品を最初に観たのか、私としても気になるところだ。
いずれにせよ、そんな小さい頃から親しんできたお声の持ち主であり、非常に喪失感は大きい。
小原乃梨子さんはドラえもんと名コンビののび太役。こののび太とタイムボカンシリーズの女ボスを並行して担当されていて、声優の演じ分けはすごいなと幼いながらに思ったのも懐かしい。
三輪勝恵さんについては、もうこれだけ長くミツ夫を演じて下さってありがとうございますとしか言えない。1967年のテレビアニメ第1作から、今年公開されたFシアターの「ゆめの町、Fランド」まで、57年にわたって須羽ミツ夫=パーマン1号を演じてこられたのだから、本当にすごいの一言しかない。
そして、増山江威子さんはシンエイ版『パーマン』でミツ夫と名カップル(?)だったパー子=星野スミレを演じられた。少女アイドル歌手という役どころから、星野スミレとして「ご機嫌伺いLOVE」「雨のSweet Magic」の2曲を歌われているが、こうしたオリジナル曲があるのに本編では「パーマン・マーチ」や「ぼくたちパーマン」ばかり歌っていた印象がある。スミレちゃんと言えば「からすがびっくり、ガギグゲゴー」だもんな。増山さんは藤子アニメではシンエイ版『オバケのQ太郎』のU子も担当。こちらはパー子とはまた違う意味でのヒロインだが、存在感は大きかった。
堀絢子さんは『新 オバケのQ太郎』のQ太郎、『忍者ハットリくん』のハットリくん、『チンプイ』のチンプイと、藤子アニメで3作品も主演されている。しかも、A先生原作、F先生原作、合作原作と制覇している(アニメの『新オバQ』は旧作の原作も使っているので)。言うまでもなく、それぞれのキャラは聴いたらちゃんと誰かわかるように演じ分けられており、これぞベテランの技だろう。
これらの藤子アニメに出演された方々だけではなく、今年は声優の訃報が相次いだ印象がある。私自身、年を取ってきたので別れがあるのは当たり前と言えばそうなのだが、長年アニメなどで親しんできた声の持ち主が亡くなられるのは、本当に寂しい気持ちだ。
声優以外では、漫画家の訃報も多く届いた。特に衝撃が大きかったのは、楳図かずお先生だ。
私は楳図かずお作品の熱心な読者とは言えないが、『漂流教室』『おろち』『猫目小僧』と言った作品は特に好きで何度も読み返したし、間違いなく日本漫画界の中で天才と呼ばれるにふさわしい人の一人だった。音楽の分野でも才能を発揮されていて、『猫目小僧』のテレビアニメ版(と言っていいのか。ゲキメーション版と言うべきか)『妖怪伝 猫目小僧』では、ご自身で主題歌を作詞作曲されている。
ここまで、書くのもつらいような内容になってしまった。それだけ、今年はショックな訃報が多かったのだ。
気分を変えて、藤子不二雄先生関係で印象に残る出来事でも書いておこう。出版物では『藤子・F・不二雄 SF短編コンプリートワークス』が完結したことが大きい。B6判の方は、今後のSF短編の入門用として広く読まれて欲しい。限定版の方は、付録冊子が初版限定であるし、やはりコレクターズアイテムなんだろうな。
このあと、『T・Pぼん』『未来の想い出』と出版が続いたのは、『SF短編コンプリートワークス』が思ったより売れて小学館が調子に乗ったのだろうか。『未来の想い出』はネタがないからなのかフィギュア付になってしまったし。
年末に出た『藤子・F・不二雄がいた風景』はハードカバーの豪華な本となっており、これまでのF先生関連の本の集大成としての意味がある。逆に言えば、目新しい話題はあまりないのだが。とにかく、ファン必携の本ではあるだろう。
アニメ関係では『T・Pぼん』が待望のシリーズアニメ化をされた。シーズン1・2を合わせて全24話で、最後の2話はアニメオリジナルなので原作からは22話がアニメ化されている。惜しくも漏れたエピソードはどちらかというと後半の原作が多いが、まだまだ観たいエピソードはあるので、シーズン3が製作されたらいいのだが。アニメオリジナルで結末を付けたことは賛否両論かもしれないが、私としてはしっかり結末を付けようという心意気を評価したい。内容としても、まあまあ受け入れられるものだった。
こうやって振り返ってみると、話題はF先生関連ばかりで、A先生関連の話題を思いつかないのはちょっと寂しい。元旦の地震で光禅寺も被害を受けるなどの、どちらかというとネガティブな話題はあったが。
藤子関連の今後で期待したいのは、やはりアニメ版オバQのソフト化と未刊行合作作品の単行本化だ。両方とも色々と事情はあるのだろうが、ここはぜひ藤子プロさんと藤子スタジオさんに手を取っていただいて、実現していただきたい。
と、言ったところで終わりにしよう。皆さま、よいお年をお迎え下さい。
それにしても、今年の後半はすっかりこのブログをさぼってしまった。実に申し訳ない。
ネタとしては色々とあったものの、時機を逸してしまったものもたくさんあった。全て、私の個人的事情によるものだ。来年はどうなるかわからないが、せめて隔月くらいのペースにはしたい。
さて、今年は多くの方々が亡くなられた年と言う印象が非常に強い。
特に声優では、大山のぶ代さん、小原乃梨子さん、三輪勝恵さん、増山江威子さん、堀絢子さんと、藤子アニメで活躍された方々が立て続けに亡くなられた。小さい頃から耳に親しんできた声であり、ショックだと一言で片付けられないほどに精神的ダメージは大きい。
思えば、私が最初に耳にした藤子アニメの主人公の声は、はたして大山さんのドラえもんだったか、それとも堀さんのQ太郎だったか。シンエイ版『ドラえもん』が始まった頃は、『新 オバケのQ太郎』も普通に再放送していたので、どちらを先に観たかは今となってはわからない。もう一作品『ジャングル黒べえ』も幼児期からよく再放送されており、どの作品を最初に観たのか、私としても気になるところだ。
いずれにせよ、そんな小さい頃から親しんできたお声の持ち主であり、非常に喪失感は大きい。
小原乃梨子さんはドラえもんと名コンビののび太役。こののび太とタイムボカンシリーズの女ボスを並行して担当されていて、声優の演じ分けはすごいなと幼いながらに思ったのも懐かしい。
三輪勝恵さんについては、もうこれだけ長くミツ夫を演じて下さってありがとうございますとしか言えない。1967年のテレビアニメ第1作から、今年公開されたFシアターの「ゆめの町、Fランド」まで、57年にわたって須羽ミツ夫=パーマン1号を演じてこられたのだから、本当にすごいの一言しかない。
そして、増山江威子さんはシンエイ版『パーマン』でミツ夫と名カップル(?)だったパー子=星野スミレを演じられた。少女アイドル歌手という役どころから、星野スミレとして「ご機嫌伺いLOVE」「雨のSweet Magic」の2曲を歌われているが、こうしたオリジナル曲があるのに本編では「パーマン・マーチ」や「ぼくたちパーマン」ばかり歌っていた印象がある。スミレちゃんと言えば「からすがびっくり、ガギグゲゴー」だもんな。増山さんは藤子アニメではシンエイ版『オバケのQ太郎』のU子も担当。こちらはパー子とはまた違う意味でのヒロインだが、存在感は大きかった。
堀絢子さんは『新 オバケのQ太郎』のQ太郎、『忍者ハットリくん』のハットリくん、『チンプイ』のチンプイと、藤子アニメで3作品も主演されている。しかも、A先生原作、F先生原作、合作原作と制覇している(アニメの『新オバQ』は旧作の原作も使っているので)。言うまでもなく、それぞれのキャラは聴いたらちゃんと誰かわかるように演じ分けられており、これぞベテランの技だろう。
これらの藤子アニメに出演された方々だけではなく、今年は声優の訃報が相次いだ印象がある。私自身、年を取ってきたので別れがあるのは当たり前と言えばそうなのだが、長年アニメなどで親しんできた声の持ち主が亡くなられるのは、本当に寂しい気持ちだ。
声優以外では、漫画家の訃報も多く届いた。特に衝撃が大きかったのは、楳図かずお先生だ。
私は楳図かずお作品の熱心な読者とは言えないが、『漂流教室』『おろち』『猫目小僧』と言った作品は特に好きで何度も読み返したし、間違いなく日本漫画界の中で天才と呼ばれるにふさわしい人の一人だった。音楽の分野でも才能を発揮されていて、『猫目小僧』のテレビアニメ版(と言っていいのか。ゲキメーション版と言うべきか)『妖怪伝 猫目小僧』では、ご自身で主題歌を作詞作曲されている。
ここまで、書くのもつらいような内容になってしまった。それだけ、今年はショックな訃報が多かったのだ。
気分を変えて、藤子不二雄先生関係で印象に残る出来事でも書いておこう。出版物では『藤子・F・不二雄 SF短編コンプリートワークス』が完結したことが大きい。B6判の方は、今後のSF短編の入門用として広く読まれて欲しい。限定版の方は、付録冊子が初版限定であるし、やはりコレクターズアイテムなんだろうな。
このあと、『T・Pぼん』『未来の想い出』と出版が続いたのは、『SF短編コンプリートワークス』が思ったより売れて小学館が調子に乗ったのだろうか。『未来の想い出』はネタがないからなのかフィギュア付になってしまったし。
年末に出た『藤子・F・不二雄がいた風景』はハードカバーの豪華な本となっており、これまでのF先生関連の本の集大成としての意味がある。逆に言えば、目新しい話題はあまりないのだが。とにかく、ファン必携の本ではあるだろう。
アニメ関係では『T・Pぼん』が待望のシリーズアニメ化をされた。シーズン1・2を合わせて全24話で、最後の2話はアニメオリジナルなので原作からは22話がアニメ化されている。惜しくも漏れたエピソードはどちらかというと後半の原作が多いが、まだまだ観たいエピソードはあるので、シーズン3が製作されたらいいのだが。アニメオリジナルで結末を付けたことは賛否両論かもしれないが、私としてはしっかり結末を付けようという心意気を評価したい。内容としても、まあまあ受け入れられるものだった。
こうやって振り返ってみると、話題はF先生関連ばかりで、A先生関連の話題を思いつかないのはちょっと寂しい。元旦の地震で光禅寺も被害を受けるなどの、どちらかというとネガティブな話題はあったが。
藤子関連の今後で期待したいのは、やはりアニメ版オバQのソフト化と未刊行合作作品の単行本化だ。両方とも色々と事情はあるのだろうが、ここはぜひ藤子プロさんと藤子スタジオさんに手を取っていただいて、実現していただきたい。
と、言ったところで終わりにしよう。皆さま、よいお年をお迎え下さい。
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藤子ファン仲間とリトルワールドへ
6月22日に、愛知県犬山市にある野外民族博物館 リトルワールドへ行ってきた。
ここで開催されている「世界ふしぎ発見!展」を目当てにして、藤子ファン仲間の皆さんと総勢6人で訪れたのだ。

なぜ藤子ファンが「世界ふしぎ発見!展」なのだと思われるかもしれないが、藤子不二雄両先生がふしぎなことがお好きで、作品に色々な世界の不思議を登場させているからと言うことで、ある意味こじつけではある。要は、みんなで集まって楽しく遊ぶための動機付けというわけだ。
しかし、この「世界ふしぎ発見!展」では、番組で訪れた世界の不思議が色々と展示されており、その中には藤子作品にも登場したピラミッドやエアーズロックなどもあったので、実際に無関係というわけではないと言える。
私は、子供の頃からのべ30年ほど名古屋に住んでいたが、なぜかこれまでリトルワールドには行ったことがなく、今回が初めてだった。同じ犬山市の明治村なら学校の遠足など何度も行ったことがあるのだが。
想像するに、リトルワールドは犬山市の中でも岐阜県との県境に位置しており、あまり気軽に行ける場所でなかったせいではなかろうか。広大な敷地を得るためには、仕方がないことだが。
実際、行ってみると思っていたよりは規模が大きく、のんびり廻っていては一日では全部は廻りきれないほどだった。今回は、屋内で開催されている「世界ふしぎ発見!展」をメインに観覧して、その後に屋外の各施設をざっと一通り廻ることとなった。前日より悪天候が心配されていたが、なんとか夕方まで雨が降らずに天気がもってくれたのは幸いだった。


さて、その「世界ふしぎ発見!展」だが、さすがに38年にもわたる長寿番組だけあって世界中のさまざまな不思議が展示されており、なかなか見応えがあった。
特に印象に残ったのは、順路の最初の方に設置されていた38年間の放送全内容が記載されたパネルで、特番を含めてどの回は何を取り上げたのかが全てわかるようになっていた。
その後の順路は世界を地域ごとに分けてそれぞれの地域ごとの不思議を展示してあり、前述のように『T・Pぼん』でおなじみのピラミッドや、『帰ッテキタせぇるすまん』や『ワールド漂流記』で取り上げられたエアーズロックもあった。
また、藤子作品とは関係ないが、ギアナ高地は『機動武闘伝Gガンダム』でおなじみの土地だ。ちょうどサンテレビで放送中なので、これがギアナ高地かと反応してしまった。
展示内容は基本的に写真NGなので、ここでお見せできないのが残念だが、色々と珍しい品が展示されていた。
写真OKだったのは順路最後にあったスタジオセットの再現コーナーで、ここでは実際に席に座ってボッシュートを体験することが出来た。おなじみのあの音もちゃんと鳴っていたのだ。

こんな感じで、結局「世界ふしぎ発見!展」だけで2時間近くの時間がかかってしまった。
その後は本館の常設展示を一通り見たあとに、野外の展示へと向かった。名前が「野外民族博物館」であるだけに、本来はこちらの施設がメインの展示物なのだ。
順路は沖縄からはじまり、その後は北海道やアラスカ、インドネシアやドイツを経てアフリカへ。ここで昼食を摂ったが、ここでは「ワニバーガー」を食べた。
ワニを食べると言えば、藤子ファン的には『黒ベエ』の「ワニ料理」を思いださずにはいられない。『笑ゥせぇるすまん』で「ワニオの怪奇料理」としてアニメ化もされておるので、こちらをご覧になった方もおられるのではなかろうか。
とにかく、「ついにワニを食べた…」と感激するところなのだろうが、案外特徴のない味だったので「これがワニか」という感じで、やや拍子抜けだった。
そして、インドやトルコ、韓国を回り、施設内を一周した。
トルコではトルコアイスが売られていたのだが、このアイス店の兄ちゃんが愉快な人で、何度もわざとアイスを落としそうにしたりしてこちらをドキドキさせてくれた。外見は本物のトルコ人のようだったが、はたして本当にそうなのかは聞いていないのでわからない。


一通り全体を廻った時にはすでに夕方になっていた。前述したが、ざっと廻ってもこれくらいの時間はかかる。もし、一つ一つの施設をじっくりと観ていたら、とても一日では廻りきれなかっただろう。
歩き回って少々疲れたが、楽しい一日だった。はたしてふたたびここを訪れることがあるかどうかはわからないが、少なくとも私は今回来てよかったと思った。
ここで開催されている「世界ふしぎ発見!展」を目当てにして、藤子ファン仲間の皆さんと総勢6人で訪れたのだ。

なぜ藤子ファンが「世界ふしぎ発見!展」なのだと思われるかもしれないが、藤子不二雄両先生がふしぎなことがお好きで、作品に色々な世界の不思議を登場させているからと言うことで、ある意味こじつけではある。要は、みんなで集まって楽しく遊ぶための動機付けというわけだ。
しかし、この「世界ふしぎ発見!展」では、番組で訪れた世界の不思議が色々と展示されており、その中には藤子作品にも登場したピラミッドやエアーズロックなどもあったので、実際に無関係というわけではないと言える。
私は、子供の頃からのべ30年ほど名古屋に住んでいたが、なぜかこれまでリトルワールドには行ったことがなく、今回が初めてだった。同じ犬山市の明治村なら学校の遠足など何度も行ったことがあるのだが。
想像するに、リトルワールドは犬山市の中でも岐阜県との県境に位置しており、あまり気軽に行ける場所でなかったせいではなかろうか。広大な敷地を得るためには、仕方がないことだが。
実際、行ってみると思っていたよりは規模が大きく、のんびり廻っていては一日では全部は廻りきれないほどだった。今回は、屋内で開催されている「世界ふしぎ発見!展」をメインに観覧して、その後に屋外の各施設をざっと一通り廻ることとなった。前日より悪天候が心配されていたが、なんとか夕方まで雨が降らずに天気がもってくれたのは幸いだった。


さて、その「世界ふしぎ発見!展」だが、さすがに38年にもわたる長寿番組だけあって世界中のさまざまな不思議が展示されており、なかなか見応えがあった。
特に印象に残ったのは、順路の最初の方に設置されていた38年間の放送全内容が記載されたパネルで、特番を含めてどの回は何を取り上げたのかが全てわかるようになっていた。
その後の順路は世界を地域ごとに分けてそれぞれの地域ごとの不思議を展示してあり、前述のように『T・Pぼん』でおなじみのピラミッドや、『帰ッテキタせぇるすまん』や『ワールド漂流記』で取り上げられたエアーズロックもあった。
また、藤子作品とは関係ないが、ギアナ高地は『機動武闘伝Gガンダム』でおなじみの土地だ。ちょうどサンテレビで放送中なので、これがギアナ高地かと反応してしまった。
展示内容は基本的に写真NGなので、ここでお見せできないのが残念だが、色々と珍しい品が展示されていた。
写真OKだったのは順路最後にあったスタジオセットの再現コーナーで、ここでは実際に席に座ってボッシュートを体験することが出来た。おなじみのあの音もちゃんと鳴っていたのだ。

こんな感じで、結局「世界ふしぎ発見!展」だけで2時間近くの時間がかかってしまった。
その後は本館の常設展示を一通り見たあとに、野外の展示へと向かった。名前が「野外民族博物館」であるだけに、本来はこちらの施設がメインの展示物なのだ。
順路は沖縄からはじまり、その後は北海道やアラスカ、インドネシアやドイツを経てアフリカへ。ここで昼食を摂ったが、ここでは「ワニバーガー」を食べた。
ワニを食べると言えば、藤子ファン的には『黒ベエ』の「ワニ料理」を思いださずにはいられない。『笑ゥせぇるすまん』で「ワニオの怪奇料理」としてアニメ化もされておるので、こちらをご覧になった方もおられるのではなかろうか。
とにかく、「ついにワニを食べた…」と感激するところなのだろうが、案外特徴のない味だったので「これがワニか」という感じで、やや拍子抜けだった。
そして、インドやトルコ、韓国を回り、施設内を一周した。
トルコではトルコアイスが売られていたのだが、このアイス店の兄ちゃんが愉快な人で、何度もわざとアイスを落としそうにしたりしてこちらをドキドキさせてくれた。外見は本物のトルコ人のようだったが、はたして本当にそうなのかは聞いていないのでわからない。


一通り全体を廻った時にはすでに夕方になっていた。前述したが、ざっと廻ってもこれくらいの時間はかかる。もし、一つ一つの施設をじっくりと観ていたら、とても一日では廻りきれなかっただろう。
歩き回って少々疲れたが、楽しい一日だった。はたしてふたたびここを訪れることがあるかどうかはわからないが、少なくとも私は今回来てよかったと思った。
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「映画ドラえもん のび太の 地球交響楽(シンフォニー)」感想
3月2日、名古屋のミッドランドスクエアシネマで藤子不二雄ファンが集まって、例年通りドラえもん映画鑑賞会を行った。
今年の映画、「のび太の地球交響楽」についても、感想を書いておきたい。なお、例によって内容におもいっきり触れるので、未見の方はとくにご注意を。
今回の映画だが、監督が今井一暁氏と言うことで身構えていた。なにしろ、今井氏の監督した「のび太の宝島」「のび太の新恐竜」の2作が、ことごとく私には合わなかったからだ。
しかし、ネガティブな予想に反して、今回の映画はかなり楽しめた。作品傾向はまるで異なるが、過去の作品で言えば「のび太のひみつ道具博物館」と同じくらいには楽しめたと言っていい。
今井監督の過去2作は脚本が川村元気氏によるものだったが、今回は今井監督の脚本原案を元に内海照子氏が脚本を書いている(他に「脚本協力」として佐藤大氏もクレジット)。と、なると今井監督の過去2作が私に合わなかったのは、川村脚本によるところが大だったのではないか。
今回の映画は「音楽」をテーマにしており、作中で何度も音楽=ファーレの演奏シーンが流れる点が、ドラえもん映画としては異色だ。
ファーレの演奏にかなり尺を割いているので、その分ストーリー自体はシンプルだ。要するに、謎の宇宙生命体・ノイズが地球を襲うので、ファーレで撃退すると言うだけなのだから。音楽で敵を撃退するという点では、ちょっと「マクロス」シリーズを想起させられた。
今回の物語の鍵となるひみつ道具は、「あらかじめ日記」と「時空間チェンジャー」の二つ。後者は、原作短編にある「時空間とりかえ機」に機能が似てはいるが、微妙に異なるアニメオリジナル道具だ。このうち、「あらかじめ日記」が話の発端になるらしいことは予告編でも明かされていたが、予告を観た限りでは、地球から音楽が一切合切消え去ってしまうのかと思っていた。実際の映画では、ごく一時的に音楽が演奏できなくなるだけだったので、「これがどう危機につながるのだろう?」と思ってしまったが、そこでノイズが「一瞬でもファーレの消えた星には襲いかかる」という性質にされていたのは、伏線の張り方としてはなかなか巧みだった。
伏線と言えば、クライマックスにおける「時空間チェンジャー」の使い方も、はっきり言って無茶ではあるがなかなか面白かった。「あらかじめ日記」の「みんなでおふろに入った」と絡めての展開だったので、二つの道具を重ねて使うことで無茶さを何とか消そうという狙いだったのだろう。
ひみつ道具は前述の二つ以外にもたくさん出てきたが、「音楽イモ」や「ネムケスイトール」「かべがみハウス」など、特に説明もなく使われていた道具が複数あって、制作者の「ドラえもんのこの道具ならもうみんな知っているよね」というメッセージが聞こえるかのようだった。実際、音楽イモなんて出たのも一瞬で、油断していると見落としそうではあった。
今回のゲストキャラを演じるキャスト陣は、普段は声優をやっていない人が多く配役されていたのでどうなるか不安だったのだが、特に演技に問題はなかったと思う。歌姫ミーナ(声:芳根京子)に、マエストロヴァントー(声:吉川晃司)やワークナー(声:石丸幹二)の演技も悪くなかった。しかし、歌姫ミーナは大々的に宣伝されていた割には出番は多くなかったな。
驚いたのはミッカ(声:平野莉亜菜)の演技で、キャラの年齢相応と言えばそうなのだが、なかなかよかった。うそ泣きの場面などの演技も巧みだったし、ファーレを奏でる歌声もきれいだった。
声優と言えば、今井監督は悠木碧さんが好きなんだなとあらためて思った。「のび太の宝島」のクイズ、「のび太の新恐竜」のたまご探検隊に続いて、今回も起用するとは。前2作が動物系の役だったのに対して、今回は音楽の先生役でようやく普通の人間女性だ。ただし、犬(らしき生物)のパロパロも演じていたが。
そして、作品で重要な位置を占める「音楽」についても触れておこう。
ノイズを撃退するために演奏する曲が、チャペックの作った「地球交響楽(シンフォニー)」と言うことで、タイトルをきれいに回収していたのには唸らされた。しかも、時空間チェンジャーが作動した後のクライマックスでは、「夢をかなえてドラえもん」の冒頭のメロディーまで織り込まれていたのには感動させられた。個人的に、こういった音楽の演出には弱いのだ。「夢をかなえてドラえもん」は、最近のテレビアニメではキャラクターソング・バージョンが時々流れる程度だが、映画を観に来た子供たちが「あっ、この曲は」と思ったのなら、この歌を好きな者としては嬉しい。
前作の「のび太と空の理想郷」では、話に突っ込みどころがいくつかあると挙げたが、今回はそういうところがほとんどなかったので、素直に音楽やストーリーを楽しむことができた。あえて言うなら、ミーナがやけに物わかりがよかったくらいか。
「のび太の努力と成長」についても、無理のない範囲で描かれていたと思う。ファーレの殿堂完全復活のために足りない一音が「のび太の『の』の音」と言うことで、「ありのままでもいいんだ」となる展開は、前作「空の理想郷」から引き継いでいる要素なのかもしれない。
前作からの要素と言えば、しずかの演奏する楽器の一つとして「マリンバ」が出てきたのは、ちょっと嬉しかった。マリンバ、いいキャラだったな。
とにかく、音楽シーンが楽しくて、115分という長い上映時間もさほど気にはならなかった。
ただ、来年行われるであろうテレビ放映に際しては、相当な部分がカットされるのだろうが。その意味でも、映画館で観た方がいい作品だと思う。音響のいい劇場なら、なおさらだ。
今年の映画、「のび太の地球交響楽」についても、感想を書いておきたい。なお、例によって内容におもいっきり触れるので、未見の方はとくにご注意を。
今回の映画だが、監督が今井一暁氏と言うことで身構えていた。なにしろ、今井氏の監督した「のび太の宝島」「のび太の新恐竜」の2作が、ことごとく私には合わなかったからだ。
しかし、ネガティブな予想に反して、今回の映画はかなり楽しめた。作品傾向はまるで異なるが、過去の作品で言えば「のび太のひみつ道具博物館」と同じくらいには楽しめたと言っていい。
今井監督の過去2作は脚本が川村元気氏によるものだったが、今回は今井監督の脚本原案を元に内海照子氏が脚本を書いている(他に「脚本協力」として佐藤大氏もクレジット)。と、なると今井監督の過去2作が私に合わなかったのは、川村脚本によるところが大だったのではないか。
今回の映画は「音楽」をテーマにしており、作中で何度も音楽=ファーレの演奏シーンが流れる点が、ドラえもん映画としては異色だ。
ファーレの演奏にかなり尺を割いているので、その分ストーリー自体はシンプルだ。要するに、謎の宇宙生命体・ノイズが地球を襲うので、ファーレで撃退すると言うだけなのだから。音楽で敵を撃退するという点では、ちょっと「マクロス」シリーズを想起させられた。
今回の物語の鍵となるひみつ道具は、「あらかじめ日記」と「時空間チェンジャー」の二つ。後者は、原作短編にある「時空間とりかえ機」に機能が似てはいるが、微妙に異なるアニメオリジナル道具だ。このうち、「あらかじめ日記」が話の発端になるらしいことは予告編でも明かされていたが、予告を観た限りでは、地球から音楽が一切合切消え去ってしまうのかと思っていた。実際の映画では、ごく一時的に音楽が演奏できなくなるだけだったので、「これがどう危機につながるのだろう?」と思ってしまったが、そこでノイズが「一瞬でもファーレの消えた星には襲いかかる」という性質にされていたのは、伏線の張り方としてはなかなか巧みだった。
伏線と言えば、クライマックスにおける「時空間チェンジャー」の使い方も、はっきり言って無茶ではあるがなかなか面白かった。「あらかじめ日記」の「みんなでおふろに入った」と絡めての展開だったので、二つの道具を重ねて使うことで無茶さを何とか消そうという狙いだったのだろう。
ひみつ道具は前述の二つ以外にもたくさん出てきたが、「音楽イモ」や「ネムケスイトール」「かべがみハウス」など、特に説明もなく使われていた道具が複数あって、制作者の「ドラえもんのこの道具ならもうみんな知っているよね」というメッセージが聞こえるかのようだった。実際、音楽イモなんて出たのも一瞬で、油断していると見落としそうではあった。
今回のゲストキャラを演じるキャスト陣は、普段は声優をやっていない人が多く配役されていたのでどうなるか不安だったのだが、特に演技に問題はなかったと思う。歌姫ミーナ(声:芳根京子)に、マエストロヴァントー(声:吉川晃司)やワークナー(声:石丸幹二)の演技も悪くなかった。しかし、歌姫ミーナは大々的に宣伝されていた割には出番は多くなかったな。
驚いたのはミッカ(声:平野莉亜菜)の演技で、キャラの年齢相応と言えばそうなのだが、なかなかよかった。うそ泣きの場面などの演技も巧みだったし、ファーレを奏でる歌声もきれいだった。
声優と言えば、今井監督は悠木碧さんが好きなんだなとあらためて思った。「のび太の宝島」のクイズ、「のび太の新恐竜」のたまご探検隊に続いて、今回も起用するとは。前2作が動物系の役だったのに対して、今回は音楽の先生役でようやく普通の人間女性だ。ただし、犬(らしき生物)のパロパロも演じていたが。
そして、作品で重要な位置を占める「音楽」についても触れておこう。
ノイズを撃退するために演奏する曲が、チャペックの作った「地球交響楽(シンフォニー)」と言うことで、タイトルをきれいに回収していたのには唸らされた。しかも、時空間チェンジャーが作動した後のクライマックスでは、「夢をかなえてドラえもん」の冒頭のメロディーまで織り込まれていたのには感動させられた。個人的に、こういった音楽の演出には弱いのだ。「夢をかなえてドラえもん」は、最近のテレビアニメではキャラクターソング・バージョンが時々流れる程度だが、映画を観に来た子供たちが「あっ、この曲は」と思ったのなら、この歌を好きな者としては嬉しい。
前作の「のび太と空の理想郷」では、話に突っ込みどころがいくつかあると挙げたが、今回はそういうところがほとんどなかったので、素直に音楽やストーリーを楽しむことができた。あえて言うなら、ミーナがやけに物わかりがよかったくらいか。
「のび太の努力と成長」についても、無理のない範囲で描かれていたと思う。ファーレの殿堂完全復活のために足りない一音が「のび太の『の』の音」と言うことで、「ありのままでもいいんだ」となる展開は、前作「空の理想郷」から引き継いでいる要素なのかもしれない。
前作からの要素と言えば、しずかの演奏する楽器の一つとして「マリンバ」が出てきたのは、ちょっと嬉しかった。マリンバ、いいキャラだったな。
とにかく、音楽シーンが楽しくて、115分という長い上映時間もさほど気にはならなかった。
ただ、来年行われるであろうテレビ放映に際しては、相当な部分がカットされるのだろうが。その意味でも、映画館で観た方がいい作品だと思う。音響のいい劇場なら、なおさらだ。
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名古屋で辻真先先生のトークショー
2月17日、名古屋市東区にある「文化のみち二葉館」(旧川上貞奴邸)に行ってきた。

ここで、現在「辻真先ワンダーランド」と題して、ミステリやアニメ脚本などで知られる辻真先先生の著作や原稿、脚本などが多数展示されているのだが、この日はそれに合わせて辻先生のトークイベントが開催されたのだ。
このイベントは13時からだったので、余裕を見たつもりで現地には11時30分頃に着いたのだが、なんとすでに整理券の配布が始まっており、私のもらった整理券は32番だった。しかも、もしかしたら椅子には座れないかもしれないと言われて、ちょっとこのイベントを甘く見ていたなと思ってしまった。
その後は、トークイベント開始まで「辻真先ワンダーランド」の展示を見て過ごしたが、とにかく辻真先先生の著作の多さには圧倒させられた。私も辻先生の本はいくらか読んではいたが、それらは全体から見ればごく一部なのだと痛感させられるボリュームだった。
12時30分になって、トークイベント会場である1階大広間への入場が開始された。
座れないかもと言われていたので心配していたが、なんと私が椅子に座れた最後の一人だった。合計32席+関係者席だったのだ。33番以降の人は当然立ち見だが、その後も整理券番号が呼ばれ続けて、記憶にある限りでは77番までは呼ばれていた。大広間は人でぎっしり、大混雑だった。おそらく、最終的には100人くらいにはなったのではないだろうか。あらためて、幅広い年齢層に愛されている辻真先先生のすごさを実感させられた。
13時になって、トークイベントの第1部がスタート。この第1部は1時間15分の予定だったが、ずっと辻先生が一人でしゃべるというのではなく、用意された辻先生を描いた映像を、辻先生の前説と後説付きで鑑賞するという趣向だった。
その映像は、2006年にNHKが制作したものだったが、テレビで観た記憶はないので、はたしてテレビ放送されたのかどうかははっきりしない。しかし、辻先生のアニメ脚本家・小説家としての歩みが1時間程でよくまとめられた内容だった。
驚いたのは、アニメ(実写との合成)で登場したキャラクター・サブタン(手塚治虫『ふしぎな少年』の主人公)の声を、清水マリさんが演じていたことだ。2006年と言えば、清水さんがアトムの声を演じなかった『ASTRO BOY 鉄腕アトム』よりさらに後だ。この時期の清水さんにこういうお仕事があったとは、全然知らなかった。
なお、この映像では辻先生が関わったアニメが多数紹介されたのだが、中でもいちばん大きく取り上げられたのは、『サイボーグ009 [第1作]』第16話「太平洋の亡霊」だった。昔から名作と名高いエピソードだが、辻先生によるとコミカライズが予定されているのだそうで、これは楽しみだ。
そして、15分の休憩を挟んで第2部が開始された。こちらは、名古屋在住の作家・太田忠司先生との対談形式。主に、最近の名古屋について詳しく知らない辻先生からの質問に対して、太田先生が解説するという形で進んだ。
第2部のタイトルは「辻真先×ミステリ×名古屋」だったので、辻作品の名古屋絡みの部分の話題がメインになるかと思っていたのだが、実際には、これまででの名古屋と、これから名古屋がどうなっていくか、名古屋人はどうあるべきかといった話が多くなっていた。もちろん、『たかが殺人じゃないか』など、辻先生のミステリの話題もあったのだが。
個人的にも、名古屋には長く住んでいただけに、頷けることも多くて興味深い内容ではあった。
最後に、質疑応答があったのだが、「今、アニメは何を観ていますか」との問いに、辻先生は「(葬送の)フリーレン!」と即答。他にも、その後の話の流れで『戦国妖狐』『ダンジョン飯』『薬屋のひとりごと』『僕の心のヤバイやつ』などのタイトルがあげられた。
『戦国妖狐』について触れた時には、「水上(悟志)さんの作品はアニメ化が難しいのだけど、前にやった『惑星のさみだれ』はひどかった」と、手厳しい一言もあった。『ダンジョン飯』については、「自分が書いたら、もっと面白くなる」とのこと。
ここまででトークショーは終わったが、その後は当日販売していた辻先生の同人誌を対象としたサイン会が行われた。
ただし、この同人誌が早々と完売してしまったせいか、それ以外でも辻先生の著作ならOKと言うことになったので、私も図々しくも持参していた『戯作・誕生殺人事件』の単行本にサインをしていただいた。
辻先生のサインは、以前にコミックマーケット会場で一度同人誌にしていただいたことがあるので、今回で2冊目と言うことになった。
といった感じで、非常に濃密なイベントだった。あらためて、辻真先先生、ありがとうございました。

ここで、現在「辻真先ワンダーランド」と題して、ミステリやアニメ脚本などで知られる辻真先先生の著作や原稿、脚本などが多数展示されているのだが、この日はそれに合わせて辻先生のトークイベントが開催されたのだ。
このイベントは13時からだったので、余裕を見たつもりで現地には11時30分頃に着いたのだが、なんとすでに整理券の配布が始まっており、私のもらった整理券は32番だった。しかも、もしかしたら椅子には座れないかもしれないと言われて、ちょっとこのイベントを甘く見ていたなと思ってしまった。
その後は、トークイベント開始まで「辻真先ワンダーランド」の展示を見て過ごしたが、とにかく辻真先先生の著作の多さには圧倒させられた。私も辻先生の本はいくらか読んではいたが、それらは全体から見ればごく一部なのだと痛感させられるボリュームだった。
12時30分になって、トークイベント会場である1階大広間への入場が開始された。
座れないかもと言われていたので心配していたが、なんと私が椅子に座れた最後の一人だった。合計32席+関係者席だったのだ。33番以降の人は当然立ち見だが、その後も整理券番号が呼ばれ続けて、記憶にある限りでは77番までは呼ばれていた。大広間は人でぎっしり、大混雑だった。おそらく、最終的には100人くらいにはなったのではないだろうか。あらためて、幅広い年齢層に愛されている辻真先先生のすごさを実感させられた。
13時になって、トークイベントの第1部がスタート。この第1部は1時間15分の予定だったが、ずっと辻先生が一人でしゃべるというのではなく、用意された辻先生を描いた映像を、辻先生の前説と後説付きで鑑賞するという趣向だった。
その映像は、2006年にNHKが制作したものだったが、テレビで観た記憶はないので、はたしてテレビ放送されたのかどうかははっきりしない。しかし、辻先生のアニメ脚本家・小説家としての歩みが1時間程でよくまとめられた内容だった。
驚いたのは、アニメ(実写との合成)で登場したキャラクター・サブタン(手塚治虫『ふしぎな少年』の主人公)の声を、清水マリさんが演じていたことだ。2006年と言えば、清水さんがアトムの声を演じなかった『ASTRO BOY 鉄腕アトム』よりさらに後だ。この時期の清水さんにこういうお仕事があったとは、全然知らなかった。
なお、この映像では辻先生が関わったアニメが多数紹介されたのだが、中でもいちばん大きく取り上げられたのは、『サイボーグ009 [第1作]』第16話「太平洋の亡霊」だった。昔から名作と名高いエピソードだが、辻先生によるとコミカライズが予定されているのだそうで、これは楽しみだ。
そして、15分の休憩を挟んで第2部が開始された。こちらは、名古屋在住の作家・太田忠司先生との対談形式。主に、最近の名古屋について詳しく知らない辻先生からの質問に対して、太田先生が解説するという形で進んだ。
第2部のタイトルは「辻真先×ミステリ×名古屋」だったので、辻作品の名古屋絡みの部分の話題がメインになるかと思っていたのだが、実際には、これまででの名古屋と、これから名古屋がどうなっていくか、名古屋人はどうあるべきかといった話が多くなっていた。もちろん、『たかが殺人じゃないか』など、辻先生のミステリの話題もあったのだが。
個人的にも、名古屋には長く住んでいただけに、頷けることも多くて興味深い内容ではあった。
最後に、質疑応答があったのだが、「今、アニメは何を観ていますか」との問いに、辻先生は「(葬送の)フリーレン!」と即答。他にも、その後の話の流れで『戦国妖狐』『ダンジョン飯』『薬屋のひとりごと』『僕の心のヤバイやつ』などのタイトルがあげられた。
『戦国妖狐』について触れた時には、「水上(悟志)さんの作品はアニメ化が難しいのだけど、前にやった『惑星のさみだれ』はひどかった」と、手厳しい一言もあった。『ダンジョン飯』については、「自分が書いたら、もっと面白くなる」とのこと。
ここまででトークショーは終わったが、その後は当日販売していた辻先生の同人誌を対象としたサイン会が行われた。
ただし、この同人誌が早々と完売してしまったせいか、それ以外でも辻先生の著作ならOKと言うことになったので、私も図々しくも持参していた『戯作・誕生殺人事件』の単行本にサインをしていただいた。
辻先生のサインは、以前にコミックマーケット会場で一度同人誌にしていただいたことがあるので、今回で2冊目と言うことになった。
といった感じで、非常に濃密なイベントだった。あらためて、辻真先先生、ありがとうございました。
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2023年の終わりに
とうとう、2023年が終わるまであと2時間ほどとなった。毎年恒例の一年のまとめを、今年も書いておきたい。
今年は、ごく個人的な事情で、かなり色々とあった一年だった。
とくに秋から年末にわたって色々な病院に通うことが増えたのは、自分でもちょっとどうかと思っている。それだけ、私も歳を取ったと言うことだろう。体にも、かなりガタが来ているなあ。
趣味の方では、やはり色々とあった一年だった。
藤子・F・不二雄先生が今年の12月1日で生誕90周年となったこともあって、今年も藤子・F・不二雄作品は出版ラッシュだった。なかでも、『藤子・F・不二雄 SF短編コンプリート・ワークス』普及版と限定版のダブル刊行は、正直言って「そこまでやるか」と感じてしまった。とくに、限定版の「コデックス装」は誰のこだわりなのかは知らないが、本当に必要だったのだろうか。他に、コデックス装を採用したマンガの単行本となると、『手塚治虫アーリー・ワークス』くらいしか知らないぞ。
とは言っても、限定版に初版限定の小冊子(SF短編の初出版などを収録)を付けると言われてしまうと、買わざるを得ない。なんだか、小学館に藤子作品を人質にとられているみたいだ。
そして、藤子不二雄A先生は亡くなられて一年が経ち、年末にようやく『藤子不二雄AメモリアルBOX』が刊行された。傑作集と未収録作品集の2冊組みだ。傑作集の方は『怪物くん』の最終話や『ブラック商会変奇郎』の第1話などで初出時のカラーを再現しているし、未収録作品集ではコミックエッセイとして名高い『パーマンの日々』が33話(全64話中)収録されているなど、見どころは多い。
その一方で、既に中央公論社の愛蔵版ブラックユーモア短篇集に収録済みの『魔太郎が翔ぶ』を「初収録」と言ってしまうのはどうかと思った。まあ、この『魔太郎が翔ぶ』も、扉絵をカラー収録してくれたのはよかったが。
ともかく、このメモリアルBOXが『藤子不二雄A大全集』につながってくれれば、こんなに嬉しいことはない。そうなるように、BOXが売れればいいなあ。
藤子作品以外のマンガや小説などに関して言うと、単純に「本」というくくりだと雑誌込みで今年一年で550冊ほど購入しており、これはここ数年で最大の量となった。
どうしてこうなったのか考えてみると、新刊も古書も「本は一期一会」という気持ちが強くなったためじゃないか。つまり「今買わないと、次にいつ出会えるかわからない」といったある種の脅迫観念じみた考え方だ。そのため、これまでよりも本を買う時に財布のひもが緩みやすくなったのではなかろうか。
テレビアニメについては、色々と日々の仕事や雑事をこなしていると、どうしても視聴できるのは1クールに10本程度に限られる。
と、言うことは1年に40本だ。アニメファンの視聴量としては、それほど多くない方か。前も言った気はするが、これに加えて気になる過去作品も観ていっているので、なかなか時間のやりくりが大変だ。
そんな中、今年は劇場用アニメ映画もけっこう観た年だった。年末に観たせいもあるが、とくに「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」や「映画 窓ぎわのトットちゃん」の印象が今は強い。年末以外だと、『青春ブタ野郎』シリーズの2本もよかった。
「けっこう観た」と言いつつ、振り返るとベスト10を作れるほどには観ていないな。それでも、私にとっては多い方だったのだ。
と言ったところで、そろそろ締めるか。
来年は、どんな年になるだろう。とりあえず、年明け早々には『ウメ星デンカ』DVD-BOXの再発版が届くはずだ。この『ウメ星デンカ』と『ジャングル黒べえ』のDVD-BOX再発も、藤子・F・不二雄先生ご生誕90年の恩恵のひとつだな。
来年こそは、この波に乗って『新オバケのQ太郎』のソフト化を望みたいところだが、はたしてどうなるだろう。
それでは、皆さま良いお年をお迎え下さい。
今年は、ごく個人的な事情で、かなり色々とあった一年だった。
とくに秋から年末にわたって色々な病院に通うことが増えたのは、自分でもちょっとどうかと思っている。それだけ、私も歳を取ったと言うことだろう。体にも、かなりガタが来ているなあ。
趣味の方では、やはり色々とあった一年だった。
藤子・F・不二雄先生が今年の12月1日で生誕90周年となったこともあって、今年も藤子・F・不二雄作品は出版ラッシュだった。なかでも、『藤子・F・不二雄 SF短編コンプリート・ワークス』普及版と限定版のダブル刊行は、正直言って「そこまでやるか」と感じてしまった。とくに、限定版の「コデックス装」は誰のこだわりなのかは知らないが、本当に必要だったのだろうか。他に、コデックス装を採用したマンガの単行本となると、『手塚治虫アーリー・ワークス』くらいしか知らないぞ。
とは言っても、限定版に初版限定の小冊子(SF短編の初出版などを収録)を付けると言われてしまうと、買わざるを得ない。なんだか、小学館に藤子作品を人質にとられているみたいだ。
そして、藤子不二雄A先生は亡くなられて一年が経ち、年末にようやく『藤子不二雄AメモリアルBOX』が刊行された。傑作集と未収録作品集の2冊組みだ。傑作集の方は『怪物くん』の最終話や『ブラック商会変奇郎』の第1話などで初出時のカラーを再現しているし、未収録作品集ではコミックエッセイとして名高い『パーマンの日々』が33話(全64話中)収録されているなど、見どころは多い。
その一方で、既に中央公論社の愛蔵版ブラックユーモア短篇集に収録済みの『魔太郎が翔ぶ』を「初収録」と言ってしまうのはどうかと思った。まあ、この『魔太郎が翔ぶ』も、扉絵をカラー収録してくれたのはよかったが。
ともかく、このメモリアルBOXが『藤子不二雄A大全集』につながってくれれば、こんなに嬉しいことはない。そうなるように、BOXが売れればいいなあ。
藤子作品以外のマンガや小説などに関して言うと、単純に「本」というくくりだと雑誌込みで今年一年で550冊ほど購入しており、これはここ数年で最大の量となった。
どうしてこうなったのか考えてみると、新刊も古書も「本は一期一会」という気持ちが強くなったためじゃないか。つまり「今買わないと、次にいつ出会えるかわからない」といったある種の脅迫観念じみた考え方だ。そのため、これまでよりも本を買う時に財布のひもが緩みやすくなったのではなかろうか。
テレビアニメについては、色々と日々の仕事や雑事をこなしていると、どうしても視聴できるのは1クールに10本程度に限られる。
と、言うことは1年に40本だ。アニメファンの視聴量としては、それほど多くない方か。前も言った気はするが、これに加えて気になる過去作品も観ていっているので、なかなか時間のやりくりが大変だ。
そんな中、今年は劇場用アニメ映画もけっこう観た年だった。年末に観たせいもあるが、とくに「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」や「映画 窓ぎわのトットちゃん」の印象が今は強い。年末以外だと、『青春ブタ野郎』シリーズの2本もよかった。
「けっこう観た」と言いつつ、振り返るとベスト10を作れるほどには観ていないな。それでも、私にとっては多い方だったのだ。
と言ったところで、そろそろ締めるか。
来年は、どんな年になるだろう。とりあえず、年明け早々には『ウメ星デンカ』DVD-BOXの再発版が届くはずだ。この『ウメ星デンカ』と『ジャングル黒べえ』のDVD-BOX再発も、藤子・F・不二雄先生ご生誕90年の恩恵のひとつだな。
来年こそは、この波に乗って『新オバケのQ太郎』のソフト化を望みたいところだが、はたしてどうなるだろう。
それでは、皆さま良いお年をお迎え下さい。
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