「『ドラえもん』のオープニングが変わる!! 5月11日(金)から新テーマ曲登場&のび太たちが“イメチェン”だ!」(テレ朝公式サイトより)
上のリンク先にあるとおり、5月11日放映分より「ドラえもん」のOP主題歌&OPアニメ、そしてのび太達登場人物のファッションが変更される。放映2周年を迎えた「わさドラ」の、新たな展開だ。
この変化が作品に及ぼす影響は、実際の放映を観てみないと何とも言い難いが、とりあえず現時点でこのニュースから受けた印象と、私の考えを書いておく。
まず、OP主題歌の変更だが、新曲のタイトルは「夢をかなえてドラえもん」であり、間違いなく「ドラえもん」のために作られた曲なので、これは歓迎したい。
現OP曲「ハグしちゃお」も悪いとは思わないし、むしろ曲単体としては好きな部類に入るが、「ドラえもん」の主題歌としては、どうもしっくり来ないと感じていたので、いっその事はっきり「ドラえもん」の主題歌だと誰でも分かる曲に変えてくれた方が、すっきりする。
製作側に、今後も長く放映を続けていく気があるのならば、「ドラえもんのうた」に続く主題歌の決定版を作るべきであり、それは本来なら2年前のリニューアル時に行う事だったと思う。その意味では、遅すぎた判断と言える。
次に、のび太達のファッション変更の件。
これも、現在公式サイトで公開されている新ファッションを見る限りでは、各人のイメージを壊すような服ではなく、少なくとも悪くはないと思う。そもそも、原作も20年間の連載で、服装は決していつも同じではなく、変化はあった。もっとも、柄はともかく形状はシンプルな服が多かったので、その意味では少し原作のイメージから外れると言われても仕方がない面もあるだろう。
また、大山時代のアニメについても同様の事は言えて、帯番組の時はともかく、金曜に移ってからは着たきりスズメではない。まあ、のび太やジャイアンは服の色程度の違いがほとんどだが、しずかの服は作画監督の中村英一氏も力を入れていたようで、雑誌「アニメージュ」に服の設定がいくつも紹介された事もある(現在、実家に置いているため何年何月号かは確認できなかった)。
個人的には、ファッションよりも「スネ夫が携帯電話を使っていたりなど、現代の生活を反映した変更も織りこまれていく予定」の方が気になる。
これまで明確な時代描写を避けてきた「わさドラ」で、はっきり現代的なアイテムを登場させるとなると、間違いなく話の展開にも影響が出てくる。大山ドラ時代にもアニメオリジナルで時代を反映して「ポケベル」(※1)や「携帯電話」(※2)が登場した事はあったし、スネ夫がインターネットを活用するエピソード(※3)も作られたが、いずれも1話限りの設定で、他のエピソードや世界観には影響はなかった。スネ夫が日常的に携帯を持つようになるのとは、また訳が違う。
それに、「現代の生活を反映した変更」が、原作をアレンジした形で織り込まれるのか、アニメオリジナルの話を作るのかで、また事情は変わってくる。前者であれば、いかに自然な形で作中に現代のアイテムを織り込むかがポイントになるし、後者であれば、そもそもアニメオリジナルで面白い話を作れるかどうかが問題だ。
いずれにしても、スタッフの力量が問われる変更である事は間違いない。私は、「地底の国探検」を観て、現スタッフの作るオリジナルエピソードには疑問を感じたので、できれば原作をアレンジする方向で頑張っていただきたい。
以上、現時点では新設定をどのように「ドラえもん」に取り込むか、アニメスタッフのお手並みを拝見したいと言う気持ちが大きい。不安も少なからずあるのだが、「わさドラ」がスタートして2年が経ち、その間に色々と本編以外でのテコ入れを続けたあげくに、とうとう本編にまで手を入れるのだから、スタッフは背水の陣で挑む物と信じたい。正直なところ、これで作品内容として失敗したら、「わさドラ」の未来は暗いと思う。
ところで、今回のニュースを聞いた時に、「OP曲変更」は確かに大々的に取り上げるべき事だと思うが、ファッション変更などは紹介するほどの事なのかと、疑問に感じてしまった。むしろ、わざわざ告知せずに徐々に作中で変化を見せていった方が、視聴者としては変に意識せずに、自然に新設定に馴染む事が出来ると思う。
色々と話題を作って視聴者の目を向けたいのはわかるが、昨年以来目に付く「テレ朝の必死さ」が、また出てしまったようだ。
ともかく、5月以降の「ドラえもん」が、どう変わるのかを、できるだけ冷静に見守りたい。
※1:「伝言花火」(1994年12月2日放映)
※2:「カードテレビ電話」(1996年11月1日放映)
※3:「耳寄りネット」(1999年5月7日放映)
上のリンク先にあるとおり、5月11日放映分より「ドラえもん」のOP主題歌&OPアニメ、そしてのび太達登場人物のファッションが変更される。放映2周年を迎えた「わさドラ」の、新たな展開だ。
この変化が作品に及ぼす影響は、実際の放映を観てみないと何とも言い難いが、とりあえず現時点でこのニュースから受けた印象と、私の考えを書いておく。
まず、OP主題歌の変更だが、新曲のタイトルは「夢をかなえてドラえもん」であり、間違いなく「ドラえもん」のために作られた曲なので、これは歓迎したい。
現OP曲「ハグしちゃお」も悪いとは思わないし、むしろ曲単体としては好きな部類に入るが、「ドラえもん」の主題歌としては、どうもしっくり来ないと感じていたので、いっその事はっきり「ドラえもん」の主題歌だと誰でも分かる曲に変えてくれた方が、すっきりする。
製作側に、今後も長く放映を続けていく気があるのならば、「ドラえもんのうた」に続く主題歌の決定版を作るべきであり、それは本来なら2年前のリニューアル時に行う事だったと思う。その意味では、遅すぎた判断と言える。
次に、のび太達のファッション変更の件。
これも、現在公式サイトで公開されている新ファッションを見る限りでは、各人のイメージを壊すような服ではなく、少なくとも悪くはないと思う。そもそも、原作も20年間の連載で、服装は決していつも同じではなく、変化はあった。もっとも、柄はともかく形状はシンプルな服が多かったので、その意味では少し原作のイメージから外れると言われても仕方がない面もあるだろう。
また、大山時代のアニメについても同様の事は言えて、帯番組の時はともかく、金曜に移ってからは着たきりスズメではない。まあ、のび太やジャイアンは服の色程度の違いがほとんどだが、しずかの服は作画監督の中村英一氏も力を入れていたようで、雑誌「アニメージュ」に服の設定がいくつも紹介された事もある(現在、実家に置いているため何年何月号かは確認できなかった)。
個人的には、ファッションよりも「スネ夫が携帯電話を使っていたりなど、現代の生活を反映した変更も織りこまれていく予定」の方が気になる。
これまで明確な時代描写を避けてきた「わさドラ」で、はっきり現代的なアイテムを登場させるとなると、間違いなく話の展開にも影響が出てくる。大山ドラ時代にもアニメオリジナルで時代を反映して「ポケベル」(※1)や「携帯電話」(※2)が登場した事はあったし、スネ夫がインターネットを活用するエピソード(※3)も作られたが、いずれも1話限りの設定で、他のエピソードや世界観には影響はなかった。スネ夫が日常的に携帯を持つようになるのとは、また訳が違う。
それに、「現代の生活を反映した変更」が、原作をアレンジした形で織り込まれるのか、アニメオリジナルの話を作るのかで、また事情は変わってくる。前者であれば、いかに自然な形で作中に現代のアイテムを織り込むかがポイントになるし、後者であれば、そもそもアニメオリジナルで面白い話を作れるかどうかが問題だ。
いずれにしても、スタッフの力量が問われる変更である事は間違いない。私は、「地底の国探検」を観て、現スタッフの作るオリジナルエピソードには疑問を感じたので、できれば原作をアレンジする方向で頑張っていただきたい。
以上、現時点では新設定をどのように「ドラえもん」に取り込むか、アニメスタッフのお手並みを拝見したいと言う気持ちが大きい。不安も少なからずあるのだが、「わさドラ」がスタートして2年が経ち、その間に色々と本編以外でのテコ入れを続けたあげくに、とうとう本編にまで手を入れるのだから、スタッフは背水の陣で挑む物と信じたい。正直なところ、これで作品内容として失敗したら、「わさドラ」の未来は暗いと思う。
ところで、今回のニュースを聞いた時に、「OP曲変更」は確かに大々的に取り上げるべき事だと思うが、ファッション変更などは紹介するほどの事なのかと、疑問に感じてしまった。むしろ、わざわざ告知せずに徐々に作中で変化を見せていった方が、視聴者としては変に意識せずに、自然に新設定に馴染む事が出来ると思う。
色々と話題を作って視聴者の目を向けたいのはわかるが、昨年以来目に付く「テレ朝の必死さ」が、また出てしまったようだ。
ともかく、5月以降の「ドラえもん」が、どう変わるのかを、できるだけ冷静に見守りたい。
※1:「伝言花火」(1994年12月2日放映)
※2:「カードテレビ電話」(1996年11月1日放映)
※3:「耳寄りネット」(1999年5月7日放映)