映画『STAND BY ME ドラえもん』感想

 今日は、9月23日。藤子・F・不二雄こと藤本弘先生のご命日だ。
 その、大切な日にこのブログでは、今年8月から公開されている「夏のドラえもん映画」こと、『STAND BY ME ドラえもん』について書こうと思う。

 公開からすでに一ヶ月半が経った今頃になって、なぜこの映画を取り上げるのかと思う方もおられるだろう。私自身も、ちょっと今更感があるとは思っている。
 実のところ、この映画についてはもっと早く感想を書くつもりだったのだが、どのように書こうかと迷っているうちに、一ヶ月半が経過してしまったのだ。正直言って、今となっては映画の細かいところはかなり忘れてしまった。それでも、この映画については自分の思うところを少しでも文字にしておきたいという思いが強く、藤本先生のご命日はある意味でいいタイミングでもあるので、こうして記事を立ち上げた。


 ではまず、率直な感想を述べておこう。この映画は、私にとって「外れ」だった。観ていて、胸にせまってくる物があまりなかったのだ。
 この映画、「大長編」と呼ばれる長い原作を使う春のドラえもん映画とは違って、いくつかの短編エピソードを組み合わせて再構成しているが、私は短編一本一本をそれぞれ別の話として観てしまっていたので、次はこれか、そしてその次がこの話ね、ああ、これで最後かという感じで、一本の映画を観ている気になれず、また落ち着いて観ていられなかった。
 さらに、映画にのめり込むことが出来なかった理由としては、今回の3Dを前提とした独自のキャラクターデザインが挙げられる。あの顔が全く受け付けられなかったのだ。3Dの映像とも相まって、何か『ドラえもん』のキャラを使った人形劇を観ている気になってしまった。特に、のび太は違和感が大きかった。全然違う顔を無理にのび太に近づけた結果、ああなってしまったような気がする。
 また、売りの一つであったはずの3D映像も、少なくとも私にはたいした物には思えなかった。もっとど迫力の映像を期待していたのだが、実際の物はニンテンドー3DSの立体視と大して変わらなく感じてしまった。

 以上、自分の感想として書いておかなければと思った点については、一通り書いた。
 しかし、この映画にもよかった点がないわけではない。たとえば、「さようなら、ドラえもん」パートでは、ジャイアンと対決したのび太がちゃんとズタボロになっていた。これは1998年の映画では避けていた部分だけに、大いに評価したい。

 ネットに上がっているこの映画の感想を読むと、どちらかというと賛否の賛の方が多いように思う。
 そんななかで、このような感想を公開するのは、ちょっと怖くあるのだが、感想で嘘をついても仕方がないので、これを公開させていただく。


 さて、冒頭でも触れたように、今日は藤本先生のご命日だ。楽しく祝うような日ではないのは言うまでもない。
 何か、F作品を読み返すとするか。秋の夜長にじっくり読めるのは、何かな。
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