ハリ天狗の日々奮戦

天狗のごとく山を駆け、野を走る(かな^^;)。 東京は西の端・青梅発、全国行き。日々鍼を打つランニング鍼灸師の奮戦記。

伊豆トレイルジャーニー(後編)

2013年03月12日 | 大会レポート


【風、風、風】

ウォーターポイント・宝蔵院(8.5km )で500mlのペットボトルを受け取り、この後のエイドでの水分補給用ボトルに。右ふくらはぎのことは考えないように。フォアフット着地だと痛みが大きくなるのでひたすらべた足。フォームが変わってしまうのだろうけど仕方ない。
20kmあるという林道に入ってからはリズムは最高。ピッチの合う若い選手と下りは飛ばす。天気は荒れ模様。
 
最初のエイドポイント・黄金橋(25km)は何も不自由していなかったし、止まることでいい感じのリズムを失いたくなかったので思い切ってパス。しばらく上りだしたらバテてきたのでちょっと後悔。いつもロングのレースで絡み合っている稲毛のこっしーが前に見えるのだけど、声が届く位置までは差を詰められず。とうとう今回は最後まで絡めず会話もなし。
乗っているリズムが崩れ出すのは右のふくらはぎ&臀部付近の痛みが強くなってきた時。せっかくだけどペースダウン。何とかならないかなぁ。立ち止まって自分で治療を施さなければならない程でもないという微妙な痛み。
まずい!と思ったのは何年振りかという左膝が痛み出した時。大腿四頭筋が疲れてきている証拠だ。右足をかばっているので明らかに左足に負担をかけているせいだ。皮膚をずらすように動かしてやると軽快することが多いのだけど、なかなかうまくいかない。苦労しながら、少し我慢して復活、また痛み出してペースダウン。と林道が終わり、素敵なトレイルに突入以後もその繰り返しが続く。なかなか辛いものだ。
 
シングルトラックの追い越し禁止ゾーンに入った途端、細い根っこのトラップにひっかかりヘッドスライディング。したら、すっきり治ってしまった。違う緊急の筋緊張が一気に加わったことで、いい方に筋バランスが動いたのだ。自力ではなかなかこう上手くはいかないのだけどラッキーだった。
前後する若い選手を追いかけてリズムがすっかり戻ってきた。しかし、膝の不安は消えたのに、神経痛様の痛みはしつこく襲ってくる。708くんには追いついた。Diet Go Go!!さんにはかわされた。八ヶ岳100マイル総合13位・飛ぶ鳥を落とす勢いの同じ50代アカさんがいつ迫ってくるか。このまま逃げ切れる訳がない。
そのアカさんが嬉しそうに追いついて来たのはスタートから5時間を少し回った頃。あ~あ、というより5時間よく持ちこたえたって感じ。
そして、間もなく視界が開け思い出の地「仁科峠」へ。
 

エイドポイント(42.2km)だ。かおちんが大声で迎えてくれた。イチゴをゴチになる。アゴヒゲさんもカメラを構えながら声援をくれた。アカさんと一緒にうどんを胃袋に放り込み、ドリンクを補充。風がものすごい。
元気に再スタート。少し前にスタートしたアカさんを追うが徐々にその差は開く。強風のため樹木が育ちにくいという地域。低木が思いっきり風に揺られた。横枝が左肩に思いっきり当たる。突然左からのパンチをくらった感じで右にもんどり打ってひっくり返った。左肩激痛。折れたかと一瞬思ったほど。何とか動くことを確認して歩き出す。すごい経験をしてしまった。
コース中最高地点の猫越岳(1035m)を越えてからはさらに風、風、風。



風速15~20mと言われる強風との闘い。富士山以外で飛ばされるような風を経験したのは初めてだ。体重の軽い女子選手なんて飛ばされてしまうのでは。体を完全に倒しても押し戻される。車道に降り立った時などガードレールにしがみつくようだった。いやいや、ホントにすごかった。
 
欲はかけないのでなるべくがっかりしないように淡々としたスピードをキープする。土肥駐車場の最後のエイドポイント(53.6km)ではチョコにポタージュスープにコーヒーをガチンコ投入。足は痛いが元気はある。だいたい同じ選手達との抜きつ抜かれつ。
次々と現れる木段の下りが辛い。どうしても前足部で木段部をとらえなければならないからだ。バネをきかせる形になるとふくらはぎに激痛が走る。そしてその痛みは臀部へビンビン響いてくるのだ。木段部はめちゃんこペースダウン。
しかし、それでも確実にゴールへの距離が縮まっていく。

 

達磨山あたりの絶景トレイルでの気持ちよさも痛みの辛さを重ね合わせてみればトントンになってしまった。もう早く終えてしまいたい。「伊豆の旅」を楽しめなくなっているかもだ。
だるま山高原レストハウスでトイレに寄って顔も洗うと気分一新。最後の調子が戻った。しっかり走ろう。
ただ、ラストの下りが長い。アスファルトの下りはさんざん練習してきているから稼ぎ時なのにだれてしまった。
トレイルシューズではなく、同じくアディゼロ匠RENを履いた若い選手と一緒になり、互いにこのシューズいいですよねぇ。そんなシューズでって色々言われるでしょうと意気投合。彼は信越五岳をハリ天は八ヶ岳100マイルをこのシューズで走り切っているのだ。お気に入りなんだよね。
修善寺の温泉街では大勢の人から声援を受け、姿勢も正してしっかりゴール。
 
9時間19分10秒。総合113位。いつも標準目標にしている上位10%が達成出来たし、走りに関して思い通りではなかったにしても満足度はけっこう高めなのだった。
それにしても久し振りのロングトレイル。月間200kmそこそこの走行距離ではちょっと余裕のなさを露呈してしまったな。

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ハリ天狗マネージャーの笑顔いっぱい!

コメント (15)
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