何処からの手紙
茨城県北に実在する4つの郵便局を対象に、ハガキを送ります。すると、あなたの元に、それぞれの場所から一通づつ、招待状のような「手紙」が届きます。「手紙」が案内してくれるのは、場所の中の、とある風景。過去。現在。これは、4つの手紙で構成された、もうひとつの小さな芸術祭です。一般公開の芸術祭プログラムと併せて、ぜひ体験してみてください。
公式HPから長々と引用したが、私が受け取った手紙の消印には「茨城・大宮玉川 28.11.7 12-18」とある。大宮玉川郵便局のテーマは、『薄くなった神様』。薄くなったカミの者は、どうもここに引き寄せられるらしい。先ほど、秋の土曜日の午後を満喫してきた。同封されていた手書きの地図を頼りにクルマでそろそろと進む。本当はJR水郡線玉川駅に降り立って、レンタサイクルで20分というアクセスプログラムが用意されていたんだけれど。序に云えば、常陸国風土記に玉川の名があったような気がするし、かつての茨城鉄道茨城線もここまでの延伸を予定していた。奥里の小駅と侮ってはならない。実はこの小ツアーの目指す先は、八田雷神山(はったらいじんやま)横穴墓群と呼ばれる7世紀ごろに設営されたお墓の遺跡であり、地元の人でもなかなか知らないそうだ。小さな駐車場に乗り入れると、丘というよりは崖に近い急斜面にかろうじて段々がある。日陰にはユキノシタ、所々に落ちている大型の枯れ葉はホウの木であろう。息を切らせて中腹まで登ると、確かに横方向に穿った穴が見て取れる。並んでみっつ、少し上にもうひとつ。駐車場に自転車が一台停められていたが、右手からひとが降りてきた。こっちはもっとキツいですよと笑う。彼の辿ってきた段々をなんとか登り切ると、そこには確かに朽ちかけたお宮があった。此度の企画で参拝客が急増したのか、キレイなお賽銭が見て取れる。私も型どおり参拝をして(願い事は当然、優に2、30メートルはあろうかという下まで無事下りられること)、なんとか下まで戻ってきた。10月初旬から始まった芸術祭巡り、此処へ来ていよいよ秋の到来を知った。奥久慈は短く急激な秋が過ぎれば、後は厳冬の地域となってしまう。日もだいぶ傾いてきたし、今日はこれで帰ろうと手にしたバッグをみればチャックの金具に取り付けてあるリングが無い。それは小さくて不便だったので、応急に事務用のカードリングを取り付けたものなのだが、何処へ落したのか?案外、神様が面白がって自分のものにしちゃったのかもしれない。私が立ち去ろうとした刹那、遺跡の入り口方向からクルマが進入してくるのが見えた。若いカップルが乗っている。入り口立て札の所には別の自転車訪問客の姿もあったし、神様も束の間の復権を喜んでいることだろう。
https://kenpoku-art.jp/artworks/g01/
茨城県北に実在する4つの郵便局を対象に、ハガキを送ります。すると、あなたの元に、それぞれの場所から一通づつ、招待状のような「手紙」が届きます。「手紙」が案内してくれるのは、場所の中の、とある風景。過去。現在。これは、4つの手紙で構成された、もうひとつの小さな芸術祭です。一般公開の芸術祭プログラムと併せて、ぜひ体験してみてください。
公式HPから長々と引用したが、私が受け取った手紙の消印には「茨城・大宮玉川 28.11.7 12-18」とある。大宮玉川郵便局のテーマは、『薄くなった神様』。薄くなったカミの者は、どうもここに引き寄せられるらしい。先ほど、秋の土曜日の午後を満喫してきた。同封されていた手書きの地図を頼りにクルマでそろそろと進む。本当はJR水郡線玉川駅に降り立って、レンタサイクルで20分というアクセスプログラムが用意されていたんだけれど。序に云えば、常陸国風土記に玉川の名があったような気がするし、かつての茨城鉄道茨城線もここまでの延伸を予定していた。奥里の小駅と侮ってはならない。実はこの小ツアーの目指す先は、八田雷神山(はったらいじんやま)横穴墓群と呼ばれる7世紀ごろに設営されたお墓の遺跡であり、地元の人でもなかなか知らないそうだ。小さな駐車場に乗り入れると、丘というよりは崖に近い急斜面にかろうじて段々がある。日陰にはユキノシタ、所々に落ちている大型の枯れ葉はホウの木であろう。息を切らせて中腹まで登ると、確かに横方向に穿った穴が見て取れる。並んでみっつ、少し上にもうひとつ。駐車場に自転車が一台停められていたが、右手からひとが降りてきた。こっちはもっとキツいですよと笑う。彼の辿ってきた段々をなんとか登り切ると、そこには確かに朽ちかけたお宮があった。此度の企画で参拝客が急増したのか、キレイなお賽銭が見て取れる。私も型どおり参拝をして(願い事は当然、優に2、30メートルはあろうかという下まで無事下りられること)、なんとか下まで戻ってきた。10月初旬から始まった芸術祭巡り、此処へ来ていよいよ秋の到来を知った。奥久慈は短く急激な秋が過ぎれば、後は厳冬の地域となってしまう。日もだいぶ傾いてきたし、今日はこれで帰ろうと手にしたバッグをみればチャックの金具に取り付けてあるリングが無い。それは小さくて不便だったので、応急に事務用のカードリングを取り付けたものなのだが、何処へ落したのか?案外、神様が面白がって自分のものにしちゃったのかもしれない。私が立ち去ろうとした刹那、遺跡の入り口方向からクルマが進入してくるのが見えた。若いカップルが乗っている。入り口立て札の所には別の自転車訪問客の姿もあったし、神様も束の間の復権を喜んでいることだろう。
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