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銀河鉄道拾遺

SF、かふぇ及びギター

フォーレ頌

2024-11-10 20:15:30 | ライヴ見物


弁天百暇堂 別館 no.10 諧調精妙   2024年11月4日(月) サローネ・フォンタナ
 -フォーレ : ピアノ三重奏曲 ニ短調 op.120
 -フォーレ : 優しき歌 op.61より
 -フォーレ : ピアノ五重奏曲第2番 ハ短調 op.115

お気に入りと云えばハイドン、モーツァルトそれにフォーレだ。ルプーとカントロフのデュオを録れて貰ったテープはくたくたになった。漠とした抽象性の高い造形と増音程を駆使した和声。唯一無二の作曲家が亡くなってこの11/4でまる百年、折しも行楽シーズンの祭日と重なって各地でライヴが催されたようだ。

フォーレの室内楽に詳らかなコメントを寄せるウェブサイト「まりんきょ学問所」の主と板で話したのはもうだいぶ前。ヴァイオリンとチェロのソナタを二曲づつ書き乍ら、なぜフォーレはヴィオラソナタを残してくれなんだ?と云う嘆きの行き着いた先は、絃楽四重奏とピアノ五重奏2番で十分では?と云う慰めの結論だった。

此度のライヴを聞くに当たりどうしても基準に置いてしまうのが、2011年2月に荻窪で聞いたピアノ四重奏曲第1番 ハ短調 op.15である。あれは四半世紀に及ぶ首謀者の室内楽シリーズでいちばんよかった(と私が評価する)プレイだった。(ログが残っていたので再掲する。)

https://blog.goo.ne.jp/halcyon1772/e/0f1e199f221074358f8509f335e1a3ba

成城学園前から辿り着いた会場は一見、洋風二階建ての居宅にしか見えなかったが、入ってちょっとびっくりした。まるまる吹抜けで湾曲した梁が剥き出しのホールは、高い天井にも拘らず残響がきわめて少ない。これだと各パートの音は明快に分離して聞こえてきそうだ、室内楽にはお誂え向きかもと期待が高まる。



演奏が始まった後は自問自答の連続だった。ライヴを目にして初めて判るユニゾンや内声の動き。絃の奏者たちを見てると「自由か!」と叫ばずには居れぬ、それは勿論ピアノの堅実なプレイあればこそなのだが。こんなの、ありか?と散々悩んだが、長調に転じた和音の奔流に押し流されるかたちで肯定せざるを得なかった。風がざあっと森を抜けるときフォーレの音楽は聞こえる、私がこの演奏を忘れることはないだろう。
コメント (2)
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