銀河鉄道拾遺

SF、かふぇ及びギター

Heads or Tails?

2022-05-27 19:23:25 | 日記


Bob James / Heads(1977 CBS)

 事の発端はBob James編曲のfarandoleに対する第一皇子の質問、こりゃ良い機会だと早速オフブックで調達して来た。
 学生の頃、下北沢にあった友人の家は目覚ましが此れか若しくはTouchdownで、耳タコと云えばそれはそうだが、40余年が経過する今、聞き直すのも悪くない。
 まずタイトルか。ブックレットでは所謂A面B面をHeadsとTailsと称している、つまり硬貨の表と裏って事。レコードを5セントに見立ててるのだな。
 当時はジャケットを余り見てない。友人のだから遠慮したのかも。やっぱり自身のモノとしてから、ためつすがめつしゃぶるのがレコードファンってもんですよ。
 そしてドラマー、HeadsとWe're All AloneのGaddに気を取られ過ぎていたが、他のナンバーは(主に)Andy Newmarkだったのだ。管や絃もあちこちで見知った名前が散見され、ワシも70年代後半の豊饒な音楽シーンがようやく見渡せる様になったなかな?w
 選曲もすばらしい、Bobの書下ろし2曲にBoz Scaggs、Peter Frampton、Billy Preston、そして英国バロックの雄Henry Purcell。そこにCTI時代を通じて磨かれたアレンジとプロデュースが加わって、最初のピークを示している感じである。
 個人的には、いちばん好きな Bob James4(1977 CTI)のピアノタッチの延長線上に此のアルバムがあるのがうれしい。Bobのピアノはアコースティックもエレクトリックも相当なプリペアとエフェクトが施されてるそうだが(それでナチュラルメイクなのだ)、それはGlenn Gouldに通じるのではないだろうか?

2022のGW

2022-05-08 21:06:27 | 日記


Michael Brecker / Nearness of You(2001 verve)
北野勇作 / 人面町四丁目(2004 角川ホラー文庫)
津原泰水 / ブラバン(2009 新潮文庫)

 GWを信じてるフシがあって、何か収穫があるよな気がしてる。今年も最終日になって逆転劇。まさか「人面町四丁目」を入手できる日が来ようとは。先々週だかのNHK-Eテレの如くである。
 Michael Brecker の盤、世評ではゲストの James Taylor がとりわけクローズアップされてるが(いや全く、其の通りなんですけど)、此処はECM盤『80/81』の20年後としての意味も大きいと思う。自分個人として Bill Evans Trio が'74年のヴァンガード・ライブで採り上げたザビヌルの midnight mood 再演がじーんと来る。
 北野勇作さんの「人面町四丁目」はその後にリリースされた「大怪獣記」の前日譚と云う設定があって、其れって後付けなんじゃあっ!て思ったが後の祭り、大怪獣記読後はやっきになってあちこちの古本屋を探し回っておった。書棚の背表紙に其の名を確認した時はウソか!と思ったよ。
 津原泰水さんの「ブラバン」は既に一定の評価を確立したにも拘らず絶版の話があり、一度入手した本を人に上げてしまった経緯から、今度見つけたら手許に置くぞ!の決意で探した一冊、まあ音楽ファンなら持っててトーゼンの一冊。
 ちょっとこの頃、と云うか昨年からの此処まで、どうもいまいち、ラクができなかったフシがあって、でもこれで何とか、すこしはラクに行けそうか?と云う気分である。皆様のGWにも幸いあれ。

ともだちなんて、そんなもん

2022-05-03 20:31:05 | 日記
 先週からライブラリ内を探してたシモン・ゴルトベルクのブラームス盤がようやく見つかったw 薫風薫る此の季節に聞く「雨の歌」、正に悦楽。
 ヴァイオリン・ソナタ第2番 作品100の話をしよう。友達(だと思ってた)故S、或る日奴の家を訪ねていくと、飯田橋辺りで仕入れたと云ってた(と思う)譜面を嬉そうに見せて呉れる。現在では余り使われなくなったPeters版(だったと思う)。前所有者の書き込みがあちこちにあって、其処から漂う作品愛に我々は逆上せたのだった。
 歌曲からの引用でつとに有名な1番、情熱的な調性の3番に挟まれて地味な存在であるが、好き者はそれこそ好きなのだ、ブラームスのイ長調。西日差す奴の部屋であれこれ譜面を弄り回して曲想に想い巡らしたが、いつか奴のプレイを聞かせてくれるものだとは思っておった。
 多少のクセこそあるものの、此奴は腕と指の延長にヴァイオリンがある様な男だったので、それは楽しみにしておったのだが。。結局、あとに空白が残った。奴はバッハの無伴奏が好きだったので、それは自分が引き継いだ。エライ目に遭った。。
 其れにしてもヴァイオリニストは何故、ソナタを余り弾きたがらないのだろう?ピアニストが居れば済むだろうに。ピアノ・パートが遮二無二難しいことは勘案してないがw ピアニストがアンサンブル好きかどうかも考慮してないがw 何故もっとも手近なところに、幸せを置いておこうとしないのだろう?
 で、余談。彼奴は430hzの音叉を返して呉れてません。あげるとは確かに云ったが、そりゃ以後に渡って有意義に使って呉れるって前提だからね(アンサンブルとか)。それから、或る日持ってった、買ったばかりのドビュッシーのヴァイオリン・ソナタの譜面も返して呉れてません。え、どうすんだ!(往年のサントリのCM調で)