銀河鉄道拾遺

SF、かふぇ及びギター

ちがう、そうじゃないっ

2024-10-04 06:04:20 | 日記
弁天百暇堂 分室 no.3 四絃翔楽   2024年9月29日(日) サロン・ド・サングリエ
 -モーツァルト : 弦楽四重奏曲 第16番 変ホ長調 KV428
 -シューベルト : 弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調 D87



前者が1783年、後者は1813年と作曲に30年の隔たりがある。だから時代背景や作曲家の意図は全然違うんだけど、しかし同じ調性。これをプログラムに盛り込んだら面白かろうと考えたものがこれ迄にも居た筈。私も其の一人で、だが既に時は遅しメンバーはバラバラ、楽器は冬眠。だから首謀者から企画を聞かされた瞬間、譜面およびスコアの譲渡を申し出た。まあ聞く権利は貰ったねと、私設クワルテットの試演をどれどれと聞きに行くエステルハージ伯になった積りで、壱岐坂を登っていった。

モーツァルトは想い出深い。SEと教員と院生で構成されたウチのクワルテットは1年余り、この曲を弾いていた。挙句’90年に日立シビックセンターで催された室内楽セミナーに参加、古楽器系のアプローチをやらかして故数住岸子教授に大目玉を食らったのだ。なにしろ初っ端のユニゾン、ミ♭~ミ♭とアップで弾いた次のラ♮を、四人で開放絃弾いたからな...

で、ここからは弁天チームの話、名だたる他の大作曲家と同様、モーツァルトのクワルテットにも確かな色と云うものがあって、そこらもう少し意識してほしかった。(Bの付く作家連より其処は難しい)それからホールの残響を計算に入れるまでもなく、フレーズの終わりはきちんと伸ばして収めてください。
例えば次の譜はどう弾く?

こういう ❛こんがらがった❜ リズムをすっきり弾けるには、ちょいと引いた地点からの澄んだ目線が必要なんだろな。アインザッツもちょっと乱れてた。まあ兎に角、最前列に群がった私を含む年寄り連が悪いんだけど、ホーム(まさに家の意)で気楽に気ままにやってる感が出ればこの手のライヴは成功なんで(メヌエットはよかった)その辺りを目指して呉たまえ、と言い残し伯はお茶の水方向に去っていった。(シューベルトには言及せなんだが、あれはいちにも二にもグルーヴなんで)

然しひさびさに聞く四重奏にむかしのたぎる血を思い出し、帰りの道すがら「やっかんだりやきもきしたりせず、ただ素直に音に聞き入る、そんな四重奏愛好者にわたしはなりたい。」などTwitterに書き付けてる辺り、弁天チームのしてやったり顔が浮かんでいよいよ悔しかったので、ここ10年くらいずっと欲しかったhaydnの盤を土産にとぼとぼ引き上げて参りました。77点

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