十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

冬天

2013-01-24 | Weblog
     冬天へ下駄を放りしまま逝けり     遠藤玲子

「あした天気にな~れ」と言いながら、履き物を放って占った明日の天気。表が出れば晴れ、裏になれば雨、どちらでもなければ曇りだった。でも結果はどうでも良くて、ただそうやっていつまでも遊んでいたいだけだったような気がする。3.11の大震災の直後、年の離れた妹さんを亡くされている作者。幼き日々の思い出が、走馬燈のように蘇り、冬天へ下駄を放る幼い妹の姿が、昨日のように思い出されたのだろうか・・・。「滝」1月号〈滝集〉より抄出。(
Midori)