十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

狐火

2013-01-22 | Weblog
狐火に眼あづけて飢きざす    石母田星人

闇夜に出現する正体不明の青白い炎、狐火。たまたま出遭ったのか、狐火から目が離せないでいる。「眼あづけて」とはそんな状況だろうか。一方、「飢え」は、生体の一次的欲求の一つであり、生命の根源に関わるもの。幻想的な季語、「狐火」に対照的に配された「飢きざす」であるが、狐火が作者に宿ったかのような錯覚を起こさせる「飢きざす」でもある。「滝」1月号〈渓流集〉
より抄出。(Midori