落武者の里は終点雪螢 日野紀恵子
勝敗を分ける戦乱の世にあって、敗者として生きる方法などなかったに違いない。しかし、山間部などで人知れず生き延びていった武士たちは、時代から完全に取り残された落武者であった。今では、「落武者の里」として、歴史とともに偲ばれる存在となっているのは、日本人の無常観とも通じるものだろうか?さて、配された季語は、雪螢。「雪螢」が落武者の魂のようで、戦国の世の儚いロマンが感じられた。「滝」1月号〈滝集〉より抄出。(Midori)
勝敗を分ける戦乱の世にあって、敗者として生きる方法などなかったに違いない。しかし、山間部などで人知れず生き延びていった武士たちは、時代から完全に取り残された落武者であった。今では、「落武者の里」として、歴史とともに偲ばれる存在となっているのは、日本人の無常観とも通じるものだろうか?さて、配された季語は、雪螢。「雪螢」が落武者の魂のようで、戦国の世の儚いロマンが感じられた。「滝」1月号〈滝集〉より抄出。(Midori)