ベランダをよぎる鳥影冬近し 牧野春江
家屋に接していながら、外部とも接しているベランダは、外界を知ることができる最も身近な場所だ。どんな鳥なのかは不明だが、ベランダをただ鳥影がよぎったというだけで、しみじみと感じる情感は、生活空間から捉えた鳥影だったことが、一番の要因だ。作者の身体感覚がとらえた「冬近し」に、微かな緊張感が伝わった。「滝」1月号〈渓流集〉より抄出。(Midori)
家屋に接していながら、外部とも接しているベランダは、外界を知ることができる最も身近な場所だ。どんな鳥なのかは不明だが、ベランダをただ鳥影がよぎったというだけで、しみじみと感じる情感は、生活空間から捉えた鳥影だったことが、一番の要因だ。作者の身体感覚がとらえた「冬近し」に、微かな緊張感が伝わった。「滝」1月号〈渓流集〉より抄出。(Midori)