十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

霜夜

2009-11-19 | Weblog
      川の字に寝て乾電池めく霜夜    守屋明俊

霜は、寒い朝の視覚的イメージとして認識されているが、実際はよく晴れた風のない寒い夜に降りる気象現象だ。霜夜は、寒夜とは違ってどこか研ぎ澄まされたような静寂が感じられるが、「乾電池めく」の比喩がその微妙な感覚を伝えている。体内に熱を充電しているのか、それとも放電しているのか分からないが、「乾電池めく」という意外性のある比喩がすばらしい。「未来図」編集長。「平成秀句選集」より抄出。(Midori)