団栗のぬくみに昭和恋ひにけり 酒井恍山
木の実は、樫、椎、胡桃といろいろあるが、団栗ほど親しみのある木の実はないように思う。昭和は、その人が生れた年代によってさまざまだが、私は幸いにも、戦争も餓えも知らない経済高度成長期の真っ只中に育った。目まぐるしく変化していった時代でもあった。陽光に暖められた団栗、あるいは手のひらの温もりが伝わる団栗だろうか。恍山さんにとって「昭和」は、団栗のなかの幼き日のぬくもりなのかもしれない。「滝」11月号〈渓流集〉より抄出。(Midori)
木の実は、樫、椎、胡桃といろいろあるが、団栗ほど親しみのある木の実はないように思う。昭和は、その人が生れた年代によってさまざまだが、私は幸いにも、戦争も餓えも知らない経済高度成長期の真っ只中に育った。目まぐるしく変化していった時代でもあった。陽光に暖められた団栗、あるいは手のひらの温もりが伝わる団栗だろうか。恍山さんにとって「昭和」は、団栗のなかの幼き日のぬくもりなのかもしれない。「滝」11月号〈渓流集〉より抄出。(Midori)