JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

やっぱニューオーリンズから?

2019年05月31日 | y-その他

今日は「ジャズ話」の続きをと思っております。がその前に今日の一枚のお話しを 本当は他のアルバムを考えていたんですけどね。知り合いからこんな一枚をいただきまして、せっかくなので

市原ひかり嬢の「SINGS & PLAYS」というアルバムです。 トランペッターがボーカルてぇとおそらくはサッチモかチェット・ベーカーに影響を受けててぇのが定番のように思います。

例えばスペイン出身のトランペッター兼ボーカリスト、アンドレア・モティスなんか
「サッチモとチェットが私のアイドル」
てなこと言っているようですしね。
「ただ方向性的にはチェット方向だな」
なんて私は思ってるわけで
さても市原さんですがじつにチャーミングなお声をなさっとります。私の評価はあてになりませんので(特に外国語歌詞のボーカルものはね。笑)控えさせていただくとして、夕べのバブはこれを子守唄におねむしたことだけはお伝えしましょう。(笑)

そうそう本題でしたねぇ

前回までルーツ的音楽のお話をしてまいりました。 これを起源にジャズがどうして生まれていったのか?

「JAZZは1900年前後、アメリカのルイジアナ州ニューオーリンズで起こった」

これが世界の定説なんですかね。 ただ、「はい、私がニューオーリンズでJAZZを始めました。」なんてぇお方は誰もおりません。間違いないのは前回まで話したように多くの要素が各地で混ざり合いJAZZの形態が作り上げられてきたということです。
では何故ニューオーリンズなのか?それはお金ですよお金。(だと、私は思っています。)
自然発生的に生まれてきた音楽で飯を食えます?鼻歌で金が取れます?(まっそれでお金を得た方もおりますけど)
つまり、歌が上手くても演奏ができても需要がなければ飯の種にはならないのであります。

16世紀初頭にスペインによって占拠されたその地は、その後フランスへ委譲されます。
1803年ヨーロッパで帝国を築く野望に燃えていたナポレオンは戦費に充てようとミシシッピー・ヴァレー一帯のこの植民地を売りに出しました。それを買ったのが第三代アメリカ大統領ジェファーソン、1500万ドルだったそうです。

メキシコ湾を眼前に望むニューオーリンズは、交通の要所、港町として発展を遂げます。

  ♪・・・俺が旅した若い頃は よく聞け若いの
   酒と女とロマン求め 七つの海を旅したものさ
   母さんは言うけど 船乗りはやさぐれ
   海に抱かれて年とり あとは淋しく死ぬだけ ・・・♪

「アフリカの月」って前回に逆戻りかぁ~~い!

ともかく『港町』そこに付きものなのが「飲む、打つ、買う」という男のロマン?

「何が男のロマンじゃい!!」

との反感はごもっともでありますが、世界中の発展した港にそれは存在するわけで 長い航海の中、欲求を抑え込みながら昼夜仕事を続ける船員にとって港で欲求を満たす事が、次の航海への英気につながったのは間違いありません。
つまり、彼らが港で落とす金はある意味「必要経費」であったと・・・・・ ともかく、ニューオリンズも「飲む、打つ、買う」に集まる金は多かったのであります。

ニューオリンズにはアメリカ唯一の公婦街、つまり公が認めた売春街が存在しました。
1857年にニューオリンズ市役所は場所を指定した上で売春を認め、1897年それらの売春宿を一地区に集める条例を制定、かの「ストーリーヴィル」の誕生です。

さても「ストーリーヴィル」には売春宿しかなかったのか? んなこたぁありません。表通りにはキャバレーやナイトクラブが建ち並び、メインの売春宿は表通りではなく静かな場所に存在するてぇのがまさに「ストーリーヴィル」であったのでありました。
これぞ歓楽街のお手本?

そんではJAZZっぽい演奏はそのどこで生まれてきたのか?
そりゃあんたねぇ、いくらソレ目的たって、一夜限りの夢だとしてもですよ、「うるさい中での方が燃える。」とか「自然と体がダンスしちゃうような元気有る音楽の中でのそりぁたまらん。」てなお方は変態?いやいや仮にいたとしても少数派ですわ。娼館は弦楽四重奏てなメンツが奏でるムード音楽がピッタリであったのは容易に想像がつきます。
ということは、JAZZっぽい演奏を求めていたのは、客引き(ほら今朝ドラでお兄ちゃんがやってるサンドイッチマンやちんどん屋みたいな)や表通りのキャバレー、ナイトクラブということになります。

さてニューオリンズにはもう一つ要因が、それはフランス領であったがための「クリオール」という存在で・・・・続きは次回へ

てなことで、今日の一枚は、市原ひかりです。
面白いのはドラム・レス・トリオ、けっこう頑張っとります。って偉そうに。

SINGS & PLAYS / 市原ひかり
2018年9月7~9日録音
市原ひかり(vo,tp,flh) JOSH NELSON(p) ROB THORSEN(b)

1.My Funny Valentine
2.My Shining Hour
3.How My Heart Sings
4.Be Bop Lives
5.Bein' Green
6.It's A Sin To Tell A Lie
7.But Beautiful
8.I'm Old Fashioned
9.Like Someone In Love
10.We'll Be Together Again



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