JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

ハッピーバーボン?

2007年09月18日 | y-その他

空の雲が、何を急いでいるのか次々と形を変え流れていきます。遠く沖縄を襲う大型台風のせいなのか?はたまた東北北部に被害をもたらしている秋雨前線のせいなのか?ともかく風の強い一日でした。

本日のランチ(そんなカッコイイもんでもないですがね)のこと
「えーと、何んだっけ、ほら、この前ドラマでやった、ほら、漫画の、あれ、あれだよ。」
秋のテレビ番組改訂の話から、Iさんが何かを必至に思い出そうとしています。
出てきそうで出てこない、同年代としてはその悔しさがよ~~く分かりますが、同席していた私も、K君もそれだけじゃ見当も付きません。
「だから、ほら、広島の、原爆の、ハゲ頭。」
「あっ!『はだしのゲン』!」私とK君が同時に答えました。
「おっ!ハッピーアイスクリーム!」とK君が私の肩をポン。
「・・・・・・・・・・!?」

さぁ、皆さんの中で「ハッピーアイスクリーム」なる行為をご存じの方、覚えている方はいらっしゃいますでしょうか?

「あらら、K君も古いねぇ、今どきそんなことやるヤツいねぇだろ?」

私は、しっかり覚えてましたよ。
「二人同時に同じ言葉を言っちゃったとき、先にハッピーアイスクリームと言って体に触れると、言われた方はアイスをおごらなくちゃいけない」という子供の遊びみたいなものです。

「はて?でもいつから何処でこんなんが流行りだしたんだろう?」
気になるじゃござんせんか。(分かったところで何の意味もないんですけどね...笑)
ネットで調べてみましたよ。
すると「この「ハッピーアイスクリーム」について記した本が出ているというのです。11月26日の日経新聞朝刊書評欄「しぐさの民俗学」です。見落としていました。」とのブログ記事を発見。
「ん?『しぐさの民俗学』???????あれ?そういえば」

常光徹著『しぐさの民俗学』を私は読んでいるじゃありませんか。(笑)
そうでした、この本の第十章「「同時に同じ」現象をめぐる感覚と理論」の中で取り上げられていたのです。これを思い出さない私は、いかに適当に本を読んでいるか分かってしまうわけですが・・・・・

以下は、『しぐさの民俗学』からの抜粋です。

野村典彦によれば、昭和50年(1975年)当時、人気のあった岩館真理子のマンガの影響もあったのではないかという。・・・・・
雑誌『プチマーガレット』に掲載されていた「初恋時代」の中で、「ハッピーアイスクリーム」が使われているそうで
また、水沢めぐみ作「チャイムがきこえる前に」(『りぼんオリジナル』)にも同様の一場面が描かれていて、・・・・・・
少女マンガがきっかけだとすれば、女子を中心に流行りだしたのでしょうね。
ただし、同時に同じことを行った直後に何らかの言葉を発して相手に触れたりすること自体は、マンガ雑誌で取り上げられるよりももっと前から行われていた。・・・・
言い方は違っていても、
二者の関係が混然となったどっちつかずの状態は、先に行動を起こしたほうの意志に支配される。 -中略- 能力はさわった方に移動し、両者の間に優劣(勝ち負け)が発生するのである。「ハッピーアイスクリーム」と先に言って、相手をたたくとアイスクリームをおごってもらえるという遊びは、こうした論理の延長上の発想といえるだろう。

なんだか、難しいでしょ。でも、こういった一つの遊びや行為を、根掘り葉掘りひっくり返し調べていく、私は嫌いじゃありません。(笑)
興味のある方は『しぐさの民俗学』を一読あれ。

ところで、今度二人同時に同じ言葉を言っちゃったときは「ハッピーバーボン」とか言って、ウイスキー一杯おごってもらう、なんてぇのはどうでしょうかね。

さて、今日の一枚は、秋吉敏子です。

希望 それはこころ  
あふれやまぬ ひとのいのち
よみがえる草木 朝日とともに
明日へとこころはかがやいて
忘れられぬ 日々も
子どもたちの 未来のため
こころよ飛べ 夢見る世界へ
希望あふれて
       ~ 谷川俊太郎 『希望』~

話を戻すようですが、Iさんが『はだしのゲン』を必至に思い出そうとしていたのは、ここ何日間かにまた起こった「命を軽視するような事件」を受けて、「テレビドラマも常日頃から命の尊さを教えるようなドラマが、週に一本ぐらいあってもいい」という事を言いたかったがためで、
「昔やってた『1リットルの涙』とかさ、『火垂るの墓』とかさ、ああいう何て言うのかなぁ、命は何ものにも妨げられるべきものでは無いってことを、教えてくれるようなドラマが必要なんだよ。」
と力説しておりました。

そんな話から、ふとこの秋吉敏子の「HIROSHIMA RISING FROM THE ABYSS (Futility Tragedy~Survivor Tales~Hope)」の「HOPE(希望)」に寄せた谷川俊太郎の詩を思い出しました。

幾多の苦難や悲劇を乗り越え受け継がれた命。希望あふれる未来に、子供たちがさらに受け継いでいってくれることを願います。

このCDは、2001年8月6日に広島で行われたコンサートのライブ盤です(ジョージ川口がゲスト出演したコンサート)。
以前、広島の原爆について記事にしたときに、紹介すれば良かったのですが、じつは、つい先日まで私はこのアルバムを持っていなかったのです。それをありがたや友人より拝領いたしました。
ビッグ・バンドがそれほど得意でない私ですけど、そこに込められたメッセージをしっかりと受け止めたいと思います。

HIROSHIMA RISING FROM THE ABYSSH / 秋吉敏子
2001年8月6日録音
TOSHIKO AKIYOSHI JAZZ ORCHESTRA Featuring LEW TABACKIN

1.LONG TELLOW ROAD
2.HIROSHIMA RISING FROM THE ABYSS (Futility Tragedy~Survivor Tales~Hope)
3.WISHING PEACE



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2 コメント

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知ってる!知ってる! (るな)
2007-09-19 09:25:22
うら若き女子高生の頃、流行ましたよぉ。
同時に同じことを言うと、
われ先にと相手の体に触って『ハッピーアイスクリーム』って叫んでましたよぉ。

今の子供(娘達)は、そんなこと知らないっていいます。
亭主も4つ上ですが、知らないっていいます。

あの頃は楽しかったなぁ~~。
今度、学校の時の仲間と呑む時には、必ずやってみよっと!
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るなさん (バブ)
2007-09-20 19:05:38
るなさんはご存じでしたか。
やっぱり女子中心の流行だったのでしょうかね。
知っているか知らないかで、年齢が分かっちゃったりして。(笑)

若い頃は、くだらないことでも楽しかったんですよね。それが若さかな。
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