JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

時代錯誤のコンコンチキ?

2009年04月30日 | d-f

「バブさん、香水はどんな臭いが好きですか?」
先日、れいの中国人留学生Yさんがこんな事を訊いてきました。
香水嫌いの私に訊ねても意味はないのですけど
「なんでまた突然?」

Yさんには半年ほど前からお付き合いを始めた日本人の彼氏がおりまして、彼への誕生日プレゼントに男性用のオーデコロンかなにかを贈ろうと考えたようです。
「やめな、他のものにしな、あのね、化粧品とネクタイ、とくにこれは贈らない方が無難だよ。かりにそれでも贈りたかったら、二人で探しに行くべきだね。・・・・いっそのこと下着でも贈れば」
ほら、私に訊いても意味がないでしょ。(笑)

ところで、化粧品類が定番の贈り物とは言いませんが、ネクタイが定番なのは何故なんでしょ?いただいた方は、あれほど苦慮する贈り物は無いと思うんですけどねぇ???
これは私だけなのかもしれませんけど、ネクタイって思う以上にこだわりがあったりしません?
普段着るスーツそのものに個性が無いからでしょうか「ネクタイだけは」といった気持ちがあるんですよねぇ、それが贈り物でネクタイなんかもらうと、「着けないのも悪いし、でも気に入らないし」みたいな、そうじゃなくとも何十本も持ちながらけっきょく着けるのはほんの一部だったりしますもん。まっ悪く言えば「ありがた迷惑」ってヤツですか。

おっとイケン、今日は男の化粧品の話をしようと思ったんでした。
私は香水どころか頭髪用の化粧品すら持っていない男ですから、今日の朝日新聞の記事にちょっと驚いたのであります。
その記事とは『男性も美肌に熱中』というもので
「まったくまぁ、若いヤツらは、つまんねぇものに金かけやがって」
と思って内容を読むと、なんとあ~た『若いヤツら』の話ではなく『30代、40代男性』の話だと書いてあるじゃありませんか。

東京・日本橋の高島屋にある資生堂の男性化粧品専用カウンターでは、5分程度で肌の健康度を調べるカウンセリングを受ける30~40代の男性が増えている。「肌のたるみや乾燥など加齢による変化を気にする人が多い」と担当者。

ってあ~た、よく恥ずかしげもなく『男性化粧品専用カウンター』の前に5分も居られるもんだと思いますし、加齢によるシワやたるみなんてぇもんは、ある意味男の生きざま、勲章みたいなもんで、それこそ、それに惚れ込む女性だっているんだよって・・・・・
あれ~~?????私って、ひょっとして、時代錯誤のコンコンチキ?????

2008年、化粧品全体の売り上げは前年比で0.2%減だったのが、男性皮膚用(スキンケア)化粧品は同比で16.9%増えているんだそうで・・・・・
え~い、時代錯誤のコンコンチキでもなんでいい、私はそんな輩にはけしてならないぞう!身体だって顔だって同じ固形石鹸でザバザバ洗って、スキンケアは風呂あがりのビール。髪を乾かすのにイオンだかなんだかが出てくるドライヤー?ふざけちゃいけませんよ、タオルでバサバサっと拭いたら後は自然乾燥ですよ、自然乾燥。ビールの後で吸ったタバコの臭いが髪に付こうがなにしようが、それが俺の臭いだ~~~い!!!!

「う~~~ん、それじゃやっぱり、今の女の子にはウケないはなぁ、へたすりゃ嫁さんにまで嫌われて・・・・考えてみな、男の究極の生きる目的は種を残す事よ。そのためには努力が必要なんだって」

エ~~~ン、確かにそうかもしれません。でも、やっぱり私は極楽鳥の雄にはなれないなぁ。(笑)

さて、今日の一枚は、ハリー・スイーツ・エディソンという、まぁ私にしては渋いところを持ってまいりました。残念ながらLPでは持っていない一枚なので、同じルーレットの「SWEETENINGS」とカップリング発売されたCDでの紹介です。

何故にLPを持っていないのか?つまりそれはエディソンにあまり興味を持っていなかったということに他なりません。
どうしても一世代前のプレーヤーというイメージが強すぎたのでしょうか。

ではなぜあらためてCDを購入したのか?
山口克巳氏の「LPレコード再発見」という著書をご存じでしょうか?その中の「タイトル遊びはほどほどに」という項で、このアルバムが紹介されておりました。

特許出願用紙を真似て、トランペットをばらばらに分解した写真に各部品番号が書き込まれ、右上に小さく完成したトランペットが白黒で印刷されている。このイラストの上部に、「The Trumpet」と書かれ、下には特許出願者の名前が記されている。『Patented by Edison / Harry Edison』(Roulette R 52041)。これは笑いました。タイトルに合わせ、写真もレイアウトも、いわゆる広告の手法を取り入れたデザインになっている。いうまでもかいが、エジソンは発明王のトーマス・エジソンにひっかけてある。

という内容。これを読んでからどうにもこうにも気になってしまって(笑)
けっきょくLPでは買えず、CDで入手したというわけです。(ある意味ジャケ買いなのにCDとは寂しいのですけどね。)

詳しく調べてみれば、この分解されたトランペットは、エディソンはもとより、ルイ・アームストロングやハリー・ジェームズも使用していたというセルマーのトランペットなんだそうで(私なんかはセルマーと聞くと、サックスを連想しますが)、しかも知る人ぞ知る名器K-MODIFIEDというトランペットなんだそうです。
そんなことを調べつつ、このジャケットを見ているとまた格別に面白いわけですよ。(笑)

肝心の中身ですが、前半12曲目までがオリジナル「PATENTED BY EDISON」、それ以降が「SWEETENINGS」という構成になっています。
面子を見てみるとトミー・フラナガンのお付き合いは「まぁ有りなん」と思えても、「エルビン・ジョーンズって・・・」と思うのは私だけでは無いと思います。
じっさい聴いてみると、フラナガンもエルビンも個性ビンビンという感じではありません。完全にスポットがエディソンにあてられたアルバムだと思ってください。

それがね、これも歳のせいなんでしょうか、エディソンのシンプルでありながらなんともお洒落な色気のあるトランペットが、今日みたいに暖かくてポヤ~~ンとしたような日に、BGMとしてじつに心地よいのであります。
ただ、24曲連続は私には少々きついところがありますけどね。(後半部はケニー・ドリューのピアノを楽しもうなんて甘いもんじゃありません。笑)

いずれにしてもエディソンの良さがほんのちょっと分かってきたのも、時代錯誤のコンコンチキであればこそと信じるバブ君でありました。お終い。

PATENTED BY EDISON / HARRY EDISON
1960年2月12日[1~12], 1958年11月[13~24]録音
HARRY EDISON(tp) JIMMY FORREST(ts) TOMMY FLANAGAN, JIMMY JONES, KENNY DREW(p) TOMMY POTTER, JOE BENJAMIN, JOHN SIMMONS(b) ELVIN JONES, CHARLIE PERSIP(ds)

1.WITCHCRAFT
2.BLUE SLIES
3.I'M CONFESSIN' THAT I LOVE YOU
4.AIN'T MISBEHAVIN'
5.CANDIED SWEETS
6.THEY CAN'T TAKE THAT AWAY FROM ME
7.TEA FOR TWO
8.THERE IS NO GREATER LOVE
9.TWENTY-FORTY
10.IT'S EASY TO REMEMBER
11.SWEETCAKES
12.ANGEL EYES
13.CENTERPIECE
14.CANDY
15.JIVE AT FIVE
16.IMAGINATION
17.LOUISIANA
18.HARRIET
19.IY HAPPENED IN MONTEREY
20.IF I HAD YOU
21.PARADISE
22.INDIANA
23.PUSSY WILLOW
24.SWEETENNINGS