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JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

ブルースを一曲

2007年11月28日 | v-x

山々の装いも晩秋から初冬へと移り変わり、寒空のもと土に埋もれた幼い姉妹も発見されました。
「大人の事情があったにせよ、なにも子供に手をかけなくとも」
誰しもがそう思わずにはいられない痛ましい事件になってしまいましたね。人間をいったい何が狂気への道へと誘うのでしょうか?

今日は早い帰宅だったのですが、母が『会津みしらず柿』を幾つか知り合いに届けて欲しいと言うので出かけることに。ならばついでにと『ヤナイ珈琲』にまわることにしました。
というのも先日、珈琲を買いに立ち寄ったとき、ジャニス・ジョプリンの話が出まして、
「ヤナイさんはブルースが好きなんですよね。ジャニスの古い録音を聴いたことあります?」
てなことから、
「今度、録音して持ってきますよ」
と約束したので、映画「ジャニス」に合わせて発売になった2枚組のアルバムと、ブルース系のアルバム3枚をCDに焼いておいたからです。

「バブさん、さっそくかけていいかなぁ」とBUDDY GUYを選択
ヤナイさんがいれてくれたプロの珈琲をいただきながら、
「こんなんで乗ってくれる女の子と知り合いたいねぇ」(なんじゃそりゃ...笑)
美味しい珈琲とブルース談義、短時間ではありましたが楽しい時間でした。

「バブさん、これもってって」
たかだか、4つのアルバムを録音して持っていっただけなのに、珈琲を3袋もいただいてしまいました。かえってご迷惑だったかな?

その流れで、帰ってきてもブルースを聴きながら一杯始めてしまいました。
「カ~~~~~旨ぇ」(大笑)

さて、今日の一枚ですが、ボーカルもの、ミリー・ヴァーノンです。
というのも
ソニー・ボーイ・ウイリアムスの「CROSS MY HEATR」を聴いていたら、何故か「ST.JAMES INFIRMARY(セントジェームス医院)が聴きたくなってしまったのであります。

じつを言うと私には、ブルースを聴いていると、いい加減な歌詞でいっしょに歌い出してしまうという悪い癖がありまして、もちろん人前では抑えているのですが、自宅となれば歌い放題。
今日も、
「いい加減にして、風呂はいっちゃってよ!」
と言われるまで乗りまくりでした。

こうしてステージは、エコーの効いた風呂場へ・・・・・・
まだ、頭の中では、
 ♪ ジャッカ ジャッカ ジャッカ ジャッカ ジャジャジー ♪
とリズムが刻まれ、歌い出したのが
 ♪ 近寄らないでよ 私の側に
   だって私は今罪に溺れてるからさ
   おごってよ誰か ジンを一杯さ・・・・ ♪
という、浅川マキの「ジンハウス・ブルース」だったのであります。
そして、同じ浅川マキがらみで
 ♪ 今日はあのこの 亡骸に
   会いに来たのさ セントジェームス医院・・・・ ♪
「セントジェームス医院」へと、バブ・オン・ステージは続いたのでありまして。(笑)

そんでね、「風呂あがりに浅川マキもねえだろう」てんで、今日のアルバムですよ。(いやぁ、ここまで話が長かった)

唯一このアルバムを残し姿を消したミリー・ヴァーノン、『向田邦子の愛聴盤』と新聞でも紹介されたりして、注目を集めたアルバムでもあります。
クールでありながら味のある「ST.JAMES INFIRMARY」は、夜のバーボンに良くあう一曲です。


INTRODUCING / MILI VERNON
1956年2月録音
MILI VERNON(vo) RUDY BRAFF(tp) DAVE McKENNA(p) WYATT REUTHER(b) JIMMY RANEY(g) JO JONES(ds)

1.WEEP FOR THE BOY
2.MOMENT'S LIKE THIS
3.SPRING IS HERE
4.ST.JAMES INFIRMARY
5.MY SHIP
6.THIS YEARS KISSES
7.MOON RAY
8.EVERYTHING BUT YOU
9.EVERY TIME
10.BLUE RAIN
11.I DON'T KNOW WHAT KIND PF BLUES I'VE GOT
12.I GUESS I'LL HAVE TO HANG MY TEARS OUT TO DRY

追伸、
ドラマーでもあるレガートさんより、相互リンクのお申し出をいただき、先ほどブックマークに登録いたしました。
「ジャズ ドラマー ドラムソロ」に、みなさんも遊びにいらして下さいね。


あたしゃ情けが欲しい

2007年11月23日 | v-x

あいかわらず頭痛と少々の下痢に悩まされておりますが、熱も下がり確実に回復へ向かっております。(ほんとか?)今日はレコードの音も軽やかに体内へ入ってきましたので、明日あたりは限りなく床上げ全快に近づくでしょう。

話は変わりますが、昨日11月22日は『いい夫婦の日』だったのですね。私が夫婦に関して偉そうなことを言える立場でないのは充分承知の上で、男の身勝手な言いぶんをちょっとだけ言わせていただこうと・・・・・

 ♪お前を嫁にもらう前に行っておきたい事がある
  かなりきびしい話もするが俺の本音を聴いておけ ・・・・・・♪

よく『男の言いぶん』というと、さだまさしの歌『関白宣言』が取り上げられたりしますが、私が最初に浮かぶのは

 たった一言申し上げやんす
 おらに嫁さま世話してくれるだば
 どうかこういう嫁こをお願い申しやす
 気をもたせたり気をひいたり
 さわらせたりよく見せっぺとしたり
 喋ってばかりでハイカラが好きは御免でやす
 丈夫な体でやや子生める腰をもち
 子供がごっくんごっくんのめるおっぱいをもち
 手首はまあるく目は子供っぽく
 遠いところから おらを見ていて
 おらが目をやると目をふせてしまう
 がんばりできかなくて押しが強くて
 それをしんにひそめて口に出さず
 一俵の米を背負い
 あいさついい声で おじぎつつましく
 ぼろを着て色っぽく
 ・・・・・・・・・

『嫁こ』という東北の方言詩です。
かなり古い『男の言いぶん』ではありますが、未だ日本男児にはこんな『嫁こ』を妄想する傾向は消えていないのではないか、と勝手に思っています。

可愛らしいのにシャイで、そのくせ愛嬌もあって人付き合いもそこそこ上手い
頭がよくて(勉強が出来るの意ではなく)しんが強いのに「隠してこその強さ」を知っている
きらびやかに飾ることを良しとせず、そこに真の美しさを見せる
柔らかさと包容力こそが、女性の女性たらん・・・・・

ほら、何と理想的な女性像ではありませんか。
男たるもの、大なり小なりマザコンなわけで、妻には理想の母親像をも求めるものなのかもしれません。

あららら、今日はなんだか、世の女性全てから反感をかいそうな・・・・・・
いやいや、勘違いしてもらっては困ります。
所詮、男は女性から生まれた半端物。女性にかなう術は基本的に持ち合わせていないわけで、女性の手のひらで踊らされることは、もとより覚悟のことなのです。
だからこそ、せめてもの妄想だけは許していただきたいと・・・・・・

 妻をめとらば才たけて 顔(みめ)うるはしくなさけある

今、私が本当に欲しいのは「な・さ・け」かな(笑)

明けて今日は『小雪』-冷ゆるが故に雨も雪となりてくだるがゆへ也-であります。私だけでなく急激な気候変動で体調を崩していらっしゃる方も多いと聞きます。ちょっと熱でも出せば、私みたいに有りもしない妄想にうなされることになりますよ。みなさまにはくれぐれもお気を付け下さいますようにね。

さて、今日の一枚は、久しぶりのボーカルものダイナ・ワシントンです。
なにしろ得意のボーカルもの(笑)ですから、ありきたりのアルバムしか所有していないわけで・・・・
では、何故あえて得意のボーカルものをここで持ち出したのか?

いみじくも、本日は夫婦の話をしているわけで(完全に一方的なお話ではありますが)、その点から言って、ダイナ・ワシントンという方はけして見習ってはいけない女性であったわけです。(笑)
結婚して離婚して、結婚して離婚して・・なんと、結婚歴7回、離婚歴6回を誇るダイナ。まるで体力勝負のように結婚離婚を繰り返した彼女ですが、彼女が旦那を選んだ基準、そして、旦那達が彼女を選んだ基準は何だったのでしょうか?
結婚などせずに、恋愛をもっと楽しんで人生をおくれば、39才なんて短い生涯でこの世を去ることも無かったかもしれません。
基本的に女性にしても男性にしても、結婚すべき人と、結婚すべきではない人、この二種類がいるのかもしれませんよね。
私なんかどちらかといえば、結婚すべき人では無かったんだ・・・きっと!!!!(大笑)

まぁ、そんなことはともかく、1954年8月14日、ロサンゼルスのスタジオに、ダイナと彼女のレギュラー伴奏、結成間もなかったブラウン=ローチ・クインテット、そして人気トランペッター二人が招集されました。
もちろん、スタジオですから素直に録音すればよいところを、それはリスナーを引っ張り込んでのライブ・ジャム・セッションという異例の形をとり、20時間にも及ぶ長丁場の演奏が始まったのでした。

録音されたのは計12曲、うち6曲が今日のアルバム、4曲が「ALL STARS JAM SESSION / CLIFFORD BROWN」という形で発売になりました。
えっ?あと2曲ですか?
「CRAZY HE CALLS ME」と「I'LL REMEMBER APRIL」は、1983年まで倉庫に眠り続け、その後やっと世に出た2曲です。(追伸を参考)

ともかく、ボーカルが得意な私としては(しつこい!)今日のアルバム4曲目、短い演奏ではありますが「I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN」でのトランペット・バトルをぜひとも注意深くお聴きいただきたいのでありまして、クラーク・テリー(当時33才)、メイナード・ファーガソン(当時26才)を相手に二人を確実に上回る23才のクリフォード・ブラウンがそこにいた事を、おわかりいただけると思います。

DINAH JAMS / DINAH WASHINGTON
1954年8月14日録音
DINAH WASHINGTON(vo) CLIFFORD BROWN, CLARK TERRY, MAYNARD FERGUSON(tp) HERB GELLER(as) HAROLD GELLER(ts) RICHIE POWELL, JUNIOR MANCE(p) KETER BETTS, GEORGE MORROW(b) MAX ROACH(ds)

1.LOVE COME BACK TO ME
2.ALONE TOGETHER ~ SUMMERTIME ~ COME RAIN OR COME SHINE
3.NO MORE
4.I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN
5.THERE IS NO GREATER LOVE
6.YOU GO TO MY HEAD

追伸、
当日の演奏曲と収録アルバムをザッと記しておきます。

アルバム名:DINAH JAMS = ○ ALL STARS JAM SESSION = △ JAMS 2 = ×
△1. What Is This Thing Called Love ? 
○2. I've Got You Under My Skin
○3. No More
△4. Move
△5. Darn That Dream
○6. You Go to My Head
△7.My Funny Valentine - Don't Worry 'Bout Me
  - Bess, You Is My Woman Now - It Might As Well Be Spring

○8. Lover Come Back to Me
○9. Alone Together ~ Summertime ~ Come Rain or Come Shine
×10. Crazy He Calls Me
○11. There Is No Greater Love
×12. I'll Remember April

ちなみに、全曲が収まったこんなんもあります。


あたりめにたたりめ

2007年10月07日 | v-x

昨日公園で少しだけ秋を感じてきたお話をしましたが、今朝方、我が家の臭いだけが取り柄のトイレに入ると、いつになく良い匂いが・・・・
キンモクセイです。トイレの窓の真ん前に生えているキンモクセイがいつのまにやらつぼみをつけ、香りを出し始めたのでした。
わざわざトイレで香りを楽しむこともないのでおもてに出てみると、まだ香り始めたばかりなのでしょう、華美な押しつけがましい香りではなく、ほんのりと漂うそれは甘く心地よい香りでした。

「ちょっと、○○さんが来るから、珈琲いれてくんない。」
「ああ」
「何それ、ひげも剃ってないの?」
休日なのですから、ひげを剃らないくらいで文句も言って欲しくありませんけど、
「バカだねぇ、ひげは朝起きてから約2時間が最も延びやすいんだよ。あと30分位待ってから剃った方が経済的なんだから・・・・・・」
なんちゅう言い訳だ、という話です。(笑)

まぁ、このひげ話も友人からの受け入りですが、それでもたしかな話だそうです。ですから、毎日できれば9時以降にひげを剃った方が良いのだそうで、友人は
「バブさん、だから僕はね、毎朝、家でひげを剃らずに客先に向かう車の中で剃るんですよ。そうすると、僕みたいにひげが濃くても、夜までしっかりもちますから」
と言っておりました。

そういえば、ひげだけでなく、髪も伸びが早い時間帯があるそうですよ。
ものの本によれば、おおむね髪の伸びる長さは、日に0.3~0.5ミリだそうで、一ヶ月で1センチ弱、つまり一年で12センチ程度といいますから、バッサリ切った美女の黒髪とは、まさに重みのあるものなのでありますね。
おっと脱線してしまいました。肝心の伸びる時間ですよね。
これは、ズバリ夜よりも日中、しかも午前10時から午前12時までの2時間が一番伸びて、季節的には5月~6月ごろがもっともよく伸びるそうです。

「あら、うちの旦那なんて、季節関係なくよく伸びちゃうみたいよ」
とおっしゃる奥様。あなた様の旦那様は異常気象の影響を受けているか、もしくはとんでもないスケベ(スケベは髪が伸びるのが早いって言いますから)か、どちらかでしょう。(笑)

冗談はともかく、ということは、休日に床屋へ行こうと思ったら「ひげも剃らずに午後行った方がいい」ということになるんでしょうかね?
「気温が下がってからガソリン入れろ」ってえのと同じかなぁ・・・・(ちょっと違うんじゃないか?)

ところで、「ひげを剃る」ことを「ひげを当たる」って言うじゃありませんか、どうしてだか知ってます?
へへへへへ、「剃る」「擦る」っていうのは減るもんだから縁起が悪いってんでね、使わないようにしようってなったわけで。
だから、あーた、巾着切り、スリのことを「当たり屋」って言うでしょうが。

そこで『料理当番 今日の一品』

材料はスルメイカの一夜干しです。ほらほら、また「する」が出てきたでしょ、これも縁起が悪いので「当たり」に変えて「するめ」が「あたりめ」という訳ですわな。
母の茶飲み友達に酢橘を一笊いただきましたので、炙ったアタリメを酢橘ドレッシングで和えて、サラダ風にしてみました。

こちらは、「漬け山かけ」
醤油と煮きり酒にダシ昆布一切れ、卵の黄身と鮪を漬けます。山芋をおろして、だし汁で伸ばした付け汁を混ぜ合わせます。これを鮪にかけて漬け卵を添え、ゴマをふりました。

これに「春菊のゴマ和え」と「茄子の浅漬け」「野菜汁」以上で料理当番終了です。

「アタリメの説明はどうでもいいけど、今晩、○△さんのところに届け物して欲しいから、飲まないようにしてくれないか」と母。
「え~~~」
「何言ってんの、昨夜お酒全部飲んじゃったくせに、残ってないからちょうどいいでしょ」
「えええええええええ」

これは「剃る」も「擦る」も関係なく、「あたりめにたたりめ」ってヤツでございます。

さて、今日の一枚は、ランディ・ウエストンです。
「LITTLE NILES」以来二枚目の紹介でしょうか。

十数年前、とある仮装パーティーに「アフリカの歌姫」と題した仮装をして出席したことがありましたが(笑)、今思えばあれは歌姫ではなくランディの真似だったのかもしれません。ランディというとどうも頭にいかにもって帽子をかぶり、『アフリカ民族衣装』って感じが先に立つ人もいるかも知れませんよね。それは「LITTLE NILES」より後の彼のイメージが強い方なのでしょう。

では、このアルバムの頃はどうだったのか?
ご覧のようにジャケットからアフリカのアの字も見えてきません。(笑)
赤シャツのスーツ姿でオープンカーの前に立つランディ、なんともはやカッコイイじゃござんせんか。6フィート7インチ、2メートルを超える大男だからこそですよね。(・・・・前記のランディを真似たとの一文は削除してください.......笑)

モンクの影響を受けたとされる演奏も(私はモンクとはまた違った魅力を感じていますが)、「LITTLE NILES」以降とはひと味違う、しかし土臭さがその後を予見させるような、個性あるピアノを聴かせてくれます。

モンクもそうですが、この手の個性的ピアニストは、ソロにその魅力を多く発見できるように思うのは私だけでしょうか?このアルバムもランディのソロに特に魅力を感じます。

TRIO AND SOLO / RANDY WESTON
1955年1月25日[Trio]1956年9月10日[Solo]録音
RANDY WESTON(p) SAM GILL(b) ART BLAKEY(ds)

1.SWEET SUE
2.PAM'S WALTZ
3.SOLEMN MEDITATION
4.AGAIN
5.ZULU
6.LITTLE GIRL BLUE
7.WE'LL BE TOGETHER AGAIN
8.SOFTNESS
9.LOVER
10.IF YOU COULD SEE ME NOW

おまけ、
余談ですが、ランディも大の料理好き、これは父親(ブルックリンでインド料理レストランを経営)の影響もさることながら、ピアニストだけでは食えなくて、飯の種として料理番をしながら腕を磨いたわけで、
必要にせがまれてやっていた料理を、そのまま好きになってしまった・・・・・なんだか、ほら、どっかのだれかさんとの共通点を感じません?


不能野郎は私だ!

2007年09月28日 | v-x

二晩連続のお遊びでしたし、昼間の暑さから一機に寒いくらいまで気温が下がるとの天気予報どおり冷たい風も吹いてきましたので、今晩はおとなしく過ごそうと帰ってまいりました。

一昨日の晩、そう巨人が大逆転をしているころ、私はいつものバーでいつものようにママとくだらない話をしながら一人ターキーやらハーパーやらをあおっておりました。
いやね、最初の焼鳥屋ではS君もいっしょだったんですけど、
「ダメだ、飲めねぇや」と言って帰ってしまったわけで、二週間ほど見ぬ間に変にやせているわ、酒は飲めなくなってるわで
「おい、だいじょぶか?医者に診てもらった方がいいんじゃないの」と言うと
「そう思うんだったら、飲みに誘うな!」
ごもっともであります。本人は夏バテだろうと言ってましたが、飲み仲間に倒れられては私も何かと不便ですので、しばらくは酒の誘いも控えようと思っています。

てなことで、バーのママにこんな物をいただいて帰ってきました。『携帯灰皿』です。
昨今の喫煙者迫害時代にあって、外での喫煙は極力避けている私ですが、ロング散歩でベンチに座ったりするとついつい一服ということがあります。(もちろん吸い殻は持ち帰っておりますよ。)今度はこの『携帯灰皿』を利用させていただくことにしましょう。

煙草といえば、先日DVDを二本借りてきたという話をしましたよね。一本は「デジャブ」(これは紹介しました)もう一本は「サンキュー・スモーキング」というアメリカ煙草業界の宣伝マンを主人公にした物語でした。
前もって評判を聞いてぜひとも観たいという映画でもなかったのでさほど期待もせずに借りてきたのですが、これがなかなか面白い映画でした。
内容はネタバレになってしまいますのでここでは止めるとして、煙草のパッケージにドクロマークのシールを貼る法案を成立させようとする上院議院に、公聴会の場で「誰もが煙草は有毒であると知っているのに、さらに貼る必要性が分からない。」と答える主人公・・・「そうだ!そうだ!」と心で叫ぶ自分が悲しくもありました。(笑)

以前もお話ししましたが、私が高校時代アルバイトをしていたジャズ喫茶のママは、ショートボブのそこそこ魅力的な人、私の一種憧れの女性(ひと)でもあったのだと思います。
そのママのカウンター越しに煙草を吸う姿がとても色っぽくて、思春期まっただ中の私にはかなりの刺激物でもあったわけで
「Aさん(ママです)、どうしてそういう煙草の吸い方するの?」
一度訊いたことがありました。すると
「バブくん、そもそもね、カウンターの中で煙草吸うことはいい事じゃないでしょ。これっぽっちの店だからそれも許されるけど、せめて煙草の煙がカウンターのお客さんにかからないようにしてんのよ。」と上に向かって煙草の煙を吐き出しました。
私が訊きたかったのは、煙草を持った手だったり、煙草を口に持って行く様子だったり、灰を落とす仕草だったり、それだったのですが、そう答えたママがとても大人の女性って感じで、それ以上訊くのは止め「ふう~~ん、そうなんだぁ」で終わっちゃいましたけどね(笑)。

カッコ良く煙草を扱う男性も良いですけど、女性はさらに色っぽかったりします。(煙草を吸う女性が良いと言ってるわけじゃありませんよ)
そういえば昔、吉原の遊女は、煙管(きせる)の長さでランクが分かったそうで、高いランクほど「帯は太し、煙管は長し」だったそうです。
障子越しに煙管の吸い口を出して客を誘うのも、遊女の「吸いつけ煙草」という技であったわけで、昔から男はこういった類の色気に弱いのかも知れません。

ベッドで男が煙草に火を着けると、茶目っ気タップリにそれを奪ったり、逆にそっと煙草に火を着けて咥えさせてくれたり・・・・・・・・・いかん、またも妄想が・・・三流映画の観すぎですね。

話がちょっと下にいったところで、メンソールの煙草を吸うと、あの、その、いわゆる男性機能が上手く作用しなくなるみたいな噂を聞いたことはありませんか?
じつは、メンソールだけでなく煙草そのものに、吸いすぎるとその危険性があるのだそうで、
「しかるになんだ、あそこが元気になるためには、血液が大切なわけだな。つまりニコチンが中枢神経に作用して、末梢の血管を収縮させるために血液循環が悪くなる、これがあっちにも影響を及ぼすと、まっそういうわけだ。」
・・・・・・・なるほど、だからヘビースモーカーの私は淡泊なわけだ。(ば~~か!)
じゃあ何故メンソール煙草がやり玉に挙がったのか?これにはいろいろな説があって、戦後、アメリカから入ってきた安いメンソール煙草の拡販を妨ごうとした国内メーカーが流した噂だとか、アメリカ軍が兵士の性犯罪を防ぐためにメンソール煙草を配ったとか、だけどどれも噂の域を出ないものばかりだそうです。

いずれにしても、私バブは、これからも極力他人に迷惑をかけない、ヘビースモーカーの不能野郎(失礼)で行こうかと思っておりますので、どなた様も迷惑だなと思ったら、気軽に声をおかけ下さい、すぐに改善するようにいたします。

さて、ジャズ界にもヘビースモーカーは数多くいますが、メンソールを好んで吸っていたというと、今日の一枚のマル・ウォルドロンであったそうで、お気に入りの銘柄は「モア」だったとか。

たしかにマルのアルバムには煙草が写っているものも多く、特に後期のものには「モア」らしき煙草が多く写っている気がします。
そんな中、今日のアルバムが極めつけでしょう。写っているのは間違いなく「モア」・・・
えっ?ひょっとしてそれだけの理由で今日の一枚を選んだのかって?

んんんんん、いや、なかなかこのマルのピアノ・トリオも、スタンダードを揃えた良いアルバムなんですよ。
・・・・ごめんなさい。「モア」だけで選んでしまいました。じつはこの頃のマルを私はあまり好みません。何故と訊かれると困るのですが、う~~ん、しいて言えば面白味が無い、お好きな方には大変申し訳ないんですが、迫ってくるものが無いように思えてしまうのです。
それでも、そのアルバムを紹介してしまう、不能野郎バブとは所詮そんな者です。(笑)

YOU AND THE NIGHT AND THE MUSIC / MAL WALDRON
1983年12月9日録音
MAL WALDRON(p) REGGIE WORKMAN(b) ED BLACKWELL(ds)

1.WAY YOU LOOK TONIGHT
2.BAGS' GROOVE
3.'ROUND MIDNIGHT
4.YOU AND THE NIGHT AND THE MUSIC
5.GEORGIA ON MY MIND
6.BILLIE'S BOUNCE
7.WALTZ FOR MY MOTHER


空瓶の戒め

2007年09月09日 | v-x

友人S君とMさん、今日はお住まいの地区の何とか会のコンペだそうで、暑い中大変だったでしょうが、成績はいかがだったのでしょう?まぁ、少なくともS君の成績は訊かない方が良いでしょうね。(笑)

みんなが運動に汗を流している頃、私の方と言えば、趣味部屋の片付けと掃除に専念しておりまして・・・・・・

「こりゃ見つかるとまずいよなぁ~~~~~」
ここ3週間ちょっとで趣味部屋にたまった空瓶です。
そっと物置の瓶用ゴミ箱に捨てようとすると・・・・・・
「ちゃんと中洗ってから捨てなよ!!!」
見つかってしまいました。もう文句を言われるのは必至、こうなれば逃げるが勝ちです。おもての水道でボトルを洗い乾かした後、そっと家を抜け出しました。

公園を歩いていて気づくのは、トンボが群れをなして飛んでいることです。そう、いかに暑くとも季節は秋へと移りつつあるのですね。
とはいうものの、秋茜の体の色はまだまだ夕焼け色には染まっていません。

肩に来て人懐かしや赤蜻蛉(あかとんぼ)

夏目漱石の有名な句です。
娘がまだ小さかった頃、ドライブに行った山の公園でいっしょにトンボを追ったことを思い出しました。
「よう~~し、お父さんはトンボ捕りの名手なんだから、みてろよ。」
と言って、素手でトンボを捕ってやると、
「お父さんすごい、すごい」と喜んでましたっけ・・・・・あ~~あ、あの頃は可愛かったのになぁ。
今じゃ、飲み過ぎを怒られるのを避けて、こうして一人トンボといっしょに散歩をしているんですから、
「可愛いあの娘と歩いて、可愛い我が子と歩いて、最後は一人寂しくトンボを追うか。」
なんて思っちゃって、残暑厳しき初秋というより、すでに我が心は晩秋のごときであります。(笑)

「ただいま」
「何処行ってたの?」
(おぅ~~~~酒瓶の事は忘れてるっぽい)
「いや、ちょっと散歩・・・・・あっ!買い物行かなくちゃね」

いつものように買い物に出かけ、夕食当番をこなしました。
そこで『料理当番、今週の一品』

たまには、飲む雰囲気作りをしてみました。(笑)
メインは戻り鰹のたたき、それに烏賊と里芋の煮物、卯の花、お新香と、ちょっとした居酒屋程度の内容でしょ?



たたきは自分で炙ったので少々色が悪く上がってしまいましたが、味は上々でした。煮物は自身ありますよぉ、お袋の味ならぬ親父の味ですね(笑)。
それでは早速一杯・・・・・・・
「今日はこれだけにしておきなよ。部屋では飲まないように!」
あははははは、やっぱり『空瓶の戒め』を受けてしまいました。

さて、今日の一枚はフィル・ウッズです。とは言っても、別にリーダーがウッズじゃなくても良いような、いわゆるプレスティッジお得意のオールスターもの、しかも、アルトとトランペットのダブル・バトルを狙った風のアルバムです。

狙いが、当たりかハズレかはお聴きになってみて下さい。
私的には、ジャケットのように華々しい打ち上げ花火といった感じは持っていません。どちらかといえば、夏を惜しむ初秋の花火といった感じでしょうか。

いえいえ、悪いアルバムだと言っているのではないですよ。気軽に聴ける良盤だと思います。ただ、オール・スター・バトルに過度な期待をするべきではないと感じるのです。
ともかく、フラナガンが良いまとめ役になって、まとまりはあるアルバムだと思います。

PAIRING OFF / PHIL WOODS
1956年6月15日録音
PHIL WOODS, GENE QUILL(as) DONALD BYRD, KENNY DORHAM(tp) OMMY FLANAGAN(p) DOUG WATKINS(b) PHILLY JOE JONES(ds)

1.STANLEY STUMPER Stanley Stomper
2.COOL AID
3.PAIRING OFF
4.SUDDENLY IT'S SPRING


こんな近くに

2007年08月29日 | v-x

いやまったく、この涼しさを待っていたんですよ。あ~~~このまま、あの私を苦しめた灼熱の日々は、過去のものへとなってくれるのか・・・・今度こそデブのお願いが届きますように。

「ん?バカ者・・失礼、若者はどんなんを聴いているのかなぁ?」
「止めてくださいよぉ、いろんなとこいじるの」
「けけけけけけけ」

今日はたまたま、若者(29歳ですって)の車で移動することになり、助手席で適当にカーオーディオを、車を買ってまだ三ヶ月ぐらいしかたっていない彼をからかおうと、ごちゃごちゃ触ってたわけです。(もちろん操作方法は分かってたんですけどね)

♪・・・・・・・・
「ん?出囃子?それも何処かで聴いたような出囃子・・・・」

え~~人というものは、いろんな性分が、あぁございまして・・

まぎれもなく古今亭志ん生の声じゃありませんか。
「おいおい、若いのに志ん生かい、珍しいねぇ」

・・・・・江戸時代に下谷の山崎町に西念という坊さんがおりまして・・・・

「おう、『黄金餅』だぁ」
『黄金餅』といえば、三遊亭円朝の作といわれ、不気味な内容にもかかわらず、志ん生が磨きに磨きをかけて珠玉の名編に仕上げ、志ん生が生きている間は誰も手を出せなかったという、専売噺であります。

「あれ?バブさんも落語聴くんですか?」

まったく「あれ?」はこっちの台詞ですよねぇ、二十代の若者が車の中で落語を聴いているって、そんなことあんまり無いでしょ?
彼は父親の影響で小さいときから落語を聴いていたのだそうで
「志ん生はいいですよねぇ、何回聴いても飽きませんもん。バブさん、知ってました?2,3年前から、確実に落語ブームが来てるんですよ。」
「おいおい、ほんとかよ」

彼曰く、ちょっと前にテレビドラマや映画で落語が取り上げられ、若い女の子のファンも増えてきてるんだそうで、
「最近の寄席は、年寄りの社交場や閑散とした客席なんていうイメージは全くないんですから」
「ほんと??????」
しばらく寄席にも行っていない私には確かめようもありません。

「この志ん生の『黄金餅』は・・・・・・・」
いやはや、またもビックリ、録音場所まで覚えてるんですよ。私も度々落語の話を持ち出すくらい落語好きではありますが、録音を集めるマニアではありませんから、録音場所までは分かりゃしません。
「バブさんだって、ジャズの演奏聴けば、どのアルバムで、何年ぐらいで、何処での録音かって分かるじゃないですか。それと一緒ですよ。」
「まぁ、全てってわけじゃないけどね・・・・・まさか、落語を聴くオーディオにもこってるとか?」
「あははははは、それは無いですよ。」

私としては、二十代の若者で落語に詳しい男がこんな身近に居たことに、本当に驚きました。
彼が言うように、彼以外にも若い連中で落語好きって奴がけっこう居るのかも知れません。
「よし、今度は落語の話で若い女の子とお友達になっちゃおうかなぁ~~~」
「それは、違う意味でも絶対に無理です!」
「・・・・・・」

「良かったら、これ持って帰ります?」
と、車に積んでいたCDを貸してくれました。
「てめえに比べりゃ、俺なんざぁ古典落語入門で上等かも知れねぇなぁ。」

さて、今日の一枚は、ジョン・ライトです。
プレスティッジに残る彼のアルバム5枚の内、以前、最後の録音「JOHN WRIGHT」を紹介しましたが、今日のこのアルバムも、その5枚の中で、彼らしい「黒っぽいけど臭くない」といった雰囲気が良く出た一枚だと思います。
特に今日の一枚は、取り上げられている曲がいかにも黒っぽいといった曲にもかかわらず、爽快さすら感じるライトが楽しめます。

私は、ゴスペル調の「AMEN CORNER」が好きかなぁ、このアルバムも一杯飲みたくなる一枚なんですよねぇ・・・・
ともかく、あまり知名度を上げることが出来なかったライトですが、とても良いピアニストだと思います。「もっと売れて欲しかったし、もっとアルバムも残して欲しかった。」そう思えるピアニストです。

SOUTH SIDE SOUL / JOHN WRIGHT
1950年8月30日録音
JOHN WRIGHT(p) WENDELL ROBERTS(b) WALTER McCANTS(ds)

1.SOUTH SIDE SOUL
2.47th AND CALUMET
3.LA SALLE St.AFTER HOURS
4.63rd AND COTTAGE GROVE
5.35th ST. BLUES
6.ODD NOTES SUITE
7.AMEN CORNER

おまけ、
『ホタルノヒカリ』はビデオに撮って、桂文楽の『小言幸兵衛』を聴こうと思います。
「おーーーい、日本酒!」
「飲みたいんなら、かってに飲みな!」
「は~~~~~い」


いよいよ『雨乞い』か?

2007年06月16日 | v-x

昨日、「このあたりも関東と同じように梅雨入りさせちゃえば良かったのに」と言いましたが、今日の空を見れば「いい加減なことは言えないな」と反省いたしました。
春の青空とも、秋の青空ともまた違う、夏の青空がいっぱいに広がって、梅雨入りしていたら「何処が梅雨だ!」と怒っていたかも知れません。(笑)

それにしても、梅雨入りした地域でも雨は降っていないんでしょ?やはり今年は『空梅雨』なのでしょうかねぇ・・・・・・・・・・!?
でも待ってくださいよ。ここ数年、毎年そんなこと言ってませんでしたっけ?
そんでもって、最後は集中豪雨が何カ所かを襲って終わるみたいな。また、この集中豪雨ってのが、降って欲しい所に降らなくて、「もういいよ」って所にこれでもかってくらい降るから始末が悪いですよね。今年もまた、『水不足』と『水害』という相反する災害が全国を襲うのではないかと心配です。

まずは各地の『水不足』がなんとかなっていただかないと困りますよね。原油高騰で物価が上がり、バイオ燃料導入で物価が上がり、ユーロ高もある、その上、農作物が不作にでもなれば、全てに響いてきますからね。農林水産大臣もつまらない公務をこなすより『雨乞い』でもしたほうが世のためかもしれません。

雨乞いの幾夜寝ぬ目の星の照り

空を仰ぎながら、ただただ龍神に祈るしか手はないのでしょうか?
いずれにせよ人間の身勝手に、龍神もそうとうへそを曲げているのでしょうから『雨乞い』も大変・・・・・いざとなったら歌舞伎十八番『鳴神』のように、女性の色気にでも頼ってみます?私なら、色気にかかればいっぺんに落ちてしまうんですが、龍神はいかがなものでありましょうか。(笑)

ともかくこの異常気象に対し、早急の改善は望めそうもありませんので、知恵と我慢で乗り越えるしか方法はないのでしょう。『水不足』の懸念される地域の皆様は大変でしょうが頑張って下さい。

さて、今日の一枚は、「ジャズ・ピアノのショパン」とも言われたシダー・ウォルトンの初リーダーアルバムです。22才からの兵役が遅れた一因でもあったのでしょうが、この時すでに33才ですからずいぶんと遅れたリーダー・アルバムとも言えます。

ジジ・クライス、ルー・ドナルドソン、J.J.ジョンソン、そしてジャズ・メッセンジャーズと経歴を重ね、今日のこの一枚となるわけですが、
このジャケットはひどいでしょ。名前が松科の木の総称と同じだからって、これじゃあねぇ・・・・・(笑)

このアルバム、トリオ、カルテット、クィンテットといろんな形のウォルトンを聴かせてくれるのですが、私がへんに好きなのがジュニア・クックのテナーだったりします。この人は完全に過小評価され続けたテナーマンですよね。真面目すぎるのかなぁ?

ともかく、目玉が飛び出るほどの『名盤』ではありませんが、聴き逃すのも少々惜しい、そんな一枚だと思います。ジャケットに惑わされず、お聴きになってみて下さい。

CEDAR ! / CEDAR WALTON
1967年7月10日録音
KENNY DORHAM(tp) JUNIOR COOK(ts) CEDAR WALTON(p) LEROY VINNEGAR(b) BILLY HIGGINS(ds)

1.TURQUISE TWICE
2.TWILIGHT WALTZ
3.MY SHIP
4.SHORT STUFF
5.HEAD AND SHOULDERS
6.COME SUNDAY


鳥籠の中が一番

2007年05月13日 | v-x

日曜日だとゆうのに、なんだか朝から忙しい一日でした。
まずは、前々からせかされていた庭仕事、これが思いの外大変な作業で、結局は買い物、昼食を挟んで半日以上、午後2時過ぎまでかかってしまいました。
まぁ、『母の日』のご奉公と思い、我慢しましょう。

珈琲を飲みながら一息ついていると、こんどは友人S君からの電話。
「エ~ン、パソコンがおかしくなっちゃったよぉ~~~~」
電話口の説明では、何が何だかわけがわからず、
「ちょっと来てみてよ」
それがね、ちっともおかしくなってなかったのでありまして、つまらぬS君の勘違いから呼び出されたという・・・・・・「オイ、S!いいかげんにせぇーよ」
家に帰れば、はや夕食準備の時間、とほほほほほ、せっかくのお休みがぁ~~~~!!

ということで、『料理当番、今日の一品』
今日は、鮭のムニエルを作ってみました。

『簡単手作りトマトソース』で食べるムニエルも、なかなかのものでありましたよ。

ところで、今日は『母の日』でもありますが、『メイストーム・デー』という日であることを御存じでしょうか?
別れ話を切り出すのに絶好の日なのだそうで、さり気なく別れを告げる男女や、涙に暮れる男女が、夜の街にも多くいるのかもしれません。
だめですよ「チャンスはあと数時間だぁ」なんて見つめ合うのは、我々のような年齢のご夫婦ならお互い様というもの。(笑)

結婚は鳥籠のようなものだ。
外にいる鳥たちは、いたずらに中に入ろうとし、
中にいる鳥たちは、いたずらに外に出ようともがく。

であります。鳥籠の中入ってしまえば、そこにとどまるのが正解でありますよ。

いっぽう、
女房は死んだ、おれは自由だ! 
と言ったのはボードレールだったでしょうか・・・・失礼

さて、今日の一枚は、リチャード・ウイリアムスです。
といっても、彼のリーダー・アルバムというのは、このキャンディド盤、一枚ぐらいだと思います。(私の知る範囲では、他を知りません。)

ウイリアムスは、ジジ・グライスのグループ、チャーリー・ミンガスの下、ユセフ・ラティーフのグループと渡り歩いたトランペッター。
サイドメンとしては、そこそこ名前も見たことはあるのですが、さほど強烈な印象があるミュージシャンということもありません。
そういえば、サド・メル楽団が初来日した頃は、同楽団にも籍を置いておりました。

じゃあどうして印象の薄い彼のリーダー盤を取り上げたのか。
私は正直、ウイリアムスを聴く一枚というより、リチャード・ワイアンズのピアノに興味を持ちます。地味ではありますが、なかなか面白いピアノであると私は思います。

NEW HORN IN TOWN / RICHARD WILLIAMS
1960年9月27日録音
RICHARD WILLIAMS(tp) LEO WRIGHT(as,fl) RICHARD WYANDS(p) REGINALD WORKMAN(b) BOBBY THOMAS(ds)
1.I CAN DREAM, CAN'T I
2.I REMEMBER CLIFFORD
3.FERRIS WHEEL
4.RAUCOUS NOTES
5.BLUES IN A QUANDARY
6.OVER THE RAINBOW
7.RENITA'S BOUNCE


中年同級生

2007年03月26日 | v-x

歳をとってきた証拠みたいな話をひとつ。

今日の昼は同い歳の(といっても学年は彼が一つ下なのですが)E君と食事をとりました。
「バブさん、今年のグラミー賞観ました?」
最近どうにもそういった賞レースにあまり興味のない私は、当然観てもおりませんし、結果もわかりません。
「観てない、観てない」
「ディクシー・チックスが独占ですよ。・・・・・・・・」
しばらく話を聞かされました。
それにしてもE君はたいしたものです。最近の海外ミュージシャンのことをじつに良く知っていますし、聴いてもいるのでしょう。
「E君は好きなんだねぇ、たいしたもんだよ。とても同い歳とは思えない。」

午後からはE君の車で仕事先に、どんなにか新しい曲を聴いているのかと思いきや
あらら?ビートルズ?サイモン&ガーファンクル?カーペンターズ?イーグルス???
「なんだなんだ、けっきょく聴いてんのは昔の、しかもベタな曲ばっかじゃねぇーかよ」
「えへへへへ、やっぱりこういうのがいいんですよ。あっ!クラプトンもロッド・スチュアートもありますけど・・・」

つまりは、今の曲を聴きつつも、多感な時期に聴いた曲は忘れられない、というより、その時期の曲をついつい聴いてしまうということなのでしょう。
若いと思っても同い歳は同い歳、
「ムフフフフフ、やっぱりそうだよなぁ~~~~」


HOTEL CALIFORNIA / EAGLES

それにしてもイーグルスの「ホテル・カリファルニア」を久しぶりに聴きました。車の中で大声で歌う二人は、まさに中年同級生であります。(笑)

さて、今日の一枚はイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」が、話題の(たんに二人だけのですけど・・笑)グラミー賞・最優秀レコード賞を取った同じ年、最優秀ジャズ・グループ賞を取った一枚にしてみました。

熱気伝わるライブ盤は数多くありますが、このアルバムも火傷しそうなほど良く伝わってくる一枚だと思います。
「ALIVE AND WELL IN PARIS」以降のフィル・ウッズを、それほど聴き込んでいない私ですが、このライブ盤はよく聴きました。
この当時の彼のアルトは、スピード感があって爽快な感じがする一方で、あっさりした感じにもとれるかもしれません。これを良しととるか、薄っぺらいととるかは、好みの問題でしょう。
私はこのライブをその場で聴いてみたかったと感じた一人です。

ちなみに、もともと2枚組のアルバムだったのですが、CDでは6曲がカットになっているそうで・・・・ふつうは逆なんですけどねぇ????
ともかく、今日は2枚組LPでの紹介です。

THE PHIL WOODS SIX LIVE FROM THE SHOWBOAT
1976年録音
PHIL WOODS(as,ss) MILE MELILLO(pf) HARRY LEAHEY(g) STEVE GILMORE(b) BILL GOODWIN(dr) ALYRIO LIMA(perc.)

1.SLEEPIN' BEE
2.RAIN DANCE
3.BYE YE BABY
4.DJANGO'S CASTLE
5.CHEEK TO CHEEK
6.LADY J
7.LITTLE NILES

1.A LITTLE PEACE
2.BRAZILIAN AFFAIR
3.I'M LATE
4.SUPERWOMAN
5.HIGH CLOUDS
6.HOW'S YOUR MAMA


母の背中に

2007年03月21日 | v-x

今日は予定どおり父の墓参りに行ってきました。
いつも墓に出かけるときはそうなのですけど、母は朝から「何時に行く、何時に行く?」と何度も私に訊き、「珈琲いれるんだったら、とうちゃんのぶんも水筒に入れてくれるか」とか、「箒はもう積んだか」とか、「剪定バサミもいるから」とか、まぁなんやかやと五月蠅くてしかたがありません。

墓につけば、私がやるというのも聞かず、背中を丸くして一生懸命草をむしっています。
そんな母を見ていて、今更ながらではありますが、「母は父の墓を参ることが、嬉しいんだろうか?」てなことを考えてしまいました。

父が埋葬されて最初の頃、母は墓参りによく行きたがった反面、行ったら行ったでとても寂しそうにしていたように思います。その頃の『行きたがり』と、今の『行きたがり』には、間違いなく変化があります。
最初の頃は「とうちゃん、○×○○・・・・・」とハッキリと私にも聴き取れるほど声を出して拝んでいたのに、今は深く手を合わせて何か心の中で話しかけている様子。
時が母の気持ちを落ち着かせたと言ってしまえばそれまでですが、「やっと最近、こうして父に会いに来ることを、心から嬉しく思えるようになったのではないだろうか?」そんなふうに思えてならないのです。

それにしても、こうして未だに自分を想ってくれる妻がいた父は、幸せ者だったのだろうと思ってしまいます。
今年は十三回忌、「かぁちゃん、彼岸明けたら、坊さんと日取り決めてくんからね。」

帰宅後は春探しにでも出かけようかと思っていましたが、何だか疲れてしまい、ゴロゴロとビデオを観ておりました。『キャバレー』です。といってもライザ・ミネリのあれじゃないですよ、邦画、邦画、野村宏伸主演のヤツ、原作は栗本薫だったでしょうか、角川監督の第三作目です。当時の角川映画オールスターズみたいな顔ぶれが揃い、ジャズにのめり込んだお坊ちゃんが、ヤクザの抗争やらなんやらに巻き込まれ、大人へと成長していくといった物語です。
この映画がきっかけで「LEFT ALONE」が、ヘンに有名になったりしましたよね。

ということで、今日の一枚は、流れ的にこれになってしまいました。

 私の心を満たす愛はどこにあるの
 私のそばにずっと居てくれる人はどこにいるの
 あの人達は私を傷つけ、そして去っていく
 I'm left alone, all alone(私は残され、いつもひとりぼっち)
  ・・・・・・・・
 でも、もしかしたら死ぬ前に私たちは会えるかもしれない
 その時まで私は貴方をまっている
 I'm left alone, all alone(私は残され、いつもひとりぼっち)

マクリーンのアルトは、ビリー・ホリデイの書き下ろしの詞を思い浮かばせて余りあるほど哀愁に満ちています。
これだけA面1曲目だけが目立つアルバムも珍しいかもしれませんね。「演奏に際しても歌詞の意味を良く理解することが大切なのよ」とマルに語ったビリーの言葉は、マクリーンにも確実に伝わっていたということなのでしょう。
細かい説明は必要のないアルバムだと思います。

LEFT ALONE / MAL WALDRON
1960年録音
MAL WALDRON(p) JULIAN EUELL(b) AL DREARES(ds)
JACKIE McLEAN(as)[1]

1.LEFT ALONE
2.CAT WALK
3.YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS
4.MINOR PULSATION
5.AIRGIN
(6.Mal Waldron : The Way He Remembers Billie Holiday)

おまけ、
日曜日ではありませんが、時間があったもので、自家製チャーシューを作ってみました。

そこで、『料理当番、本日の一品』

自家製チャーシューのできは上々、半分は冷蔵庫へ、残り半分を刻んでネギ、ごまをかけ、チャーシューの付け汁に砂糖、豆板醤、ごま油を加えた甘辛ダレをかけてみました。ビールに最高!!!