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JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

膝枕で桜の雲

2007年03月15日 | v-x

昨晩はMさんのお付き合いで、またしてもお酒をいただいてまいりました。
一軒目の焼鳥屋で、片隅にあるTVから「開花予想、データ入力ミスで修正、各方面に影響有り」とのニュースが、
「影響たって、自然のものだもんなぁ、気象庁に文句言ってもしょうがないし、そんなんで右往左往する人がいるとすれば、日本もまだまだ平和だねぇ」とMさん
「いや、そうとも言えないかもしれないですよ。桜がもたらす経済効果は、桜の名所にとってはかなりのもんでしょ」

日本人は桜の花が大好き、まして有名な桜には大挙して押し寄せるのが常であります。近くの道路はもとより、一本の桜のせいで高速道路まで渋滞、てなこともままあるではないですか。これを整理する人員の確保だけ考えても、開花予想のズレは大きな問題なのでしょう。

「花見に出かけるぞ」と言って、桃の花を連想する人はほとんどいませんよね。桜以外の花を見に行くときは「○○の花を見に行く」と表現するものです。どうして桜だけは例外なのでしょうか????
小さな時から桜の花は別ものだと思わされている???
これは完全な『すり込み』か????
まっ、そんなことはどうでもいいわけで、つまりは一気に咲き誇る桜を愛でながら、花見酒を楽しむ、これぞ日本人の日本人たらんを自覚できる数少ない機会なのであります。


これは三春の滝桜です。もちろんまだ咲いてませんよ。

大山桜に山桜、彼岸桜に里桜、霞桜に豆桜、深山桜に大島桜、緋寒桜に染井吉野、桜にはじつに300種を超える品種があるそうで、私にはどれがなにやらとんとわかりません。へたすりゃ全部が染井吉野だと思ったりして(笑)今年は桜の種類でも勉強してみましょうか。

開花の目安となる桜はほとんど染井吉野ですが、染井吉野は彼岸桜と大島桜の交配でできた比較的新しい品種なのだそうですね。吉野の山桜に似ていて、今は東京都になってしまっている染井村で誕生した桜なので染井吉野という名がついたのだそうですよ。
全国に染井吉野が広がったのは、成長が早い、葉より先に花が咲くので見栄えがよい、などの特徴にあるのだとか、ただ、いっせいに咲いて、華々しく散ることが軍人精神と合致するということで、旧日本軍の駐屯地にはこぞって植えられた事なども一因ではあるそうです。

 春は嬉しや 二人でうて花見の酒
 庭の桜におぼろ月 それを邪魔する雨と風
 ちょいと散らして又咲かす

やっぱり桜には色気が良く合いますよね、だけど今年もせいぜい『むさい男とうて』になるのは必定、それでも酒が飲めれば良しとしますか・・・・いやいや夢はあきらめちゃいけない。

 杯重ね、桜の雲を眺むれば
 酒に酔ったか、花に酔ったか
 膝を枕に一眠り・・・・・・
 あぁぁ、そんな花見をしてみたい。
                (バーーカ!!)

さて、今日の一枚はベン・ウェブスターです。
春らしいジャケットとか、春らしい曲というのも考えてみましたが、最後が美女の膝枕で終わった話ですので、こんどはこちらが耳元で囁くような・・・・ちょっとエッチっぽい感じというか・・・・・(ベンのサックスってそんな感じじゃありません?)それで膝枕の彼女にせまってみようかなんてね。(笑)
優しくも男らしいサックス、いかにレーベルがインパルスでも、それは変わらぬベンのスタイルです。

SEE YOU AT THE FAIR / BEN WEBSTER
1964年3月11,12録音
BEN WEBSTER(ts) HANK JONES, ROGER KELLAWAY(p) RICHARD DAVIS(b) OSIE JOHNSON(ds)

1.SEE YOU AT THE FAIR
2.OVER THE RAINBOW
3.OUR LOVE IS HERE TO STAY
4.IN A MELLOW TONE
5.LULLABY OF JAZZLAND
6.STARDUST
7.FALL OF LOVE
8.WHILE WE'RE DANCING
9.SOMEONE TO WATCH OVER ME


中年の冷や水

2007年03月07日 | v-x

昨日は『啓蟄』いよいよ春本番ということでありますが、日本列島全体が寒気に包まれ、気温はあまり上がらずじまい。それでもこのあたりでは宇宙の果てまで青く染まっているんじゃないかってくらいの青空で爽やかなお天気でした。・・・午後3時ぐらいまでは。(笑)

今朝の朝日新聞に「地デジ完全移行で最大6400万台ゴミ」という記事が載っておりました。
「電子情報技術産業協会(JEITA)」の予測として、現在、各家庭で私用しているアナログTVが、地デジ完全移行によって最大で6400万台ものゴミと化すのだとか。これに伴い「家電リサイクル法」の規定によって、各家電メーカーは再生利用設備の増強などを迫られるというのです。

いまさら決まったことですので、とやかく言ってもしかたがありませんが、前々から地上波デジタル化におおいに疑問を抱いていた私としては、なんとも腹立たしい記事に思えました。(昨日のブログ内容からすると、私が歳をとったせいかもしれませんけど)
リサイクルするとはいえ、わざわざ壊れてもいないものを回収して破棄し、そのために莫大なお金を使う・・・・・どうにも納得いかないのです。
「だったら、お前んとこは、テレビを買い換えないでチューナーでも買って、今のテレビが壊れるまで使ったらいいジャン」
その通り!出来ればそうしたい・・・・・・
ところがね、現実はチューナーを各テレビ用に買うくらいだったら、台数減らしてでも対応テレビに買い換えようかっていうのが本音。
結局は私もこのTVゴミ化拡大計画に便乗してしまうわけで、
つまりは、色々文句を言いながらも、大量のゴミを出しつつ便利(??)な生活に走るわけですよ。

今朝の『朝ズバ』(普段はあまり見ないんだけど)で、高速道路へのゴミ不法投棄について取り上げておりましたけど、地上デジタル完全移行時には、大量の不法投棄だって心配されますよね。
その場合、何処がどう責任をとってどう対応していくのか?
もちろん、消費者のモラルが最大の問題であって、全員が『良識ある人』であるべきですが、過去を振り返れば『良識の無い人』が多数現れることも目に見えているわけです。
もし、「今からそんな心配はしないで、そうなった時に考えればいいや」的に進んでいたとしたら・・・・・・おいおい、誰かは考えてんだろうね。

ともかく、便利(????)を得るためには、それなりのリスクを一人一人が背負わなければいけないし、それに伴う義務も果たさなくちゃいけないということ、また面倒な世の中になりそうであります。

いやいや、柄にもない社会派を気取ってしまいました。まぁたまには『中年の冷や水』もいいでしょう。

さて、今日の一枚ですが、レム・ウィンチェスター&ラムゼイ・ルイスであります。
ウィンチェスターは「ウィンチェスターって何やってる人だつたっけ?」
と言われてもしかたのないほどマイナーなヴァイブ奏者ですし、
ラムゼイ・ルイスも、「THE IN CROWD」のイメージが強すぎて、「あ~あジャズ・ロックの」みたいな感じかもしれません。
でも、バカにしちゃいけませんよ。あんがいこれは隠れた名盤かもしれません。
編成は「もう一つのMJQ」みたいな感じですけど、「本家よりこのアルバムに関してはいいかも」なんて感じてしまう私です。

クリフォード・ブラウンのトリビュートアルバムということで、ブラウニーのお得ナンバーが取り上げられています。ブラウニーと比較するのはいかにも酷ですが、じゅうぶんに期待を裏切らない演奏だと思いますよ。

私が持っているのはステレオ盤ですが、たしか、昨年だったかブログ仲間の67camperさんが、同アルバムのモノラル盤を紹介されていたと思います。モノラル盤を聴いていない私には比較のしようもありませんが、おおむねこういった場合は、モノラル盤に軍配が上がるのが常、67camperさん、今度聴かせていただけませんか?(笑)

THE RAMSEY LEWIS TRIO PERFRM A TRIBUTE TO CLIFFORD BROWN
1958年10月録音
LEM WINCHESTER(vib) RAMSEY LEWIS(p) ELDEE YOUNG(b) RED HOLT(dr)

1.JOY SPRING
2.WHERE IT IS
3.SANDU
4.ONCE IN A WHILE
5.JORDU
6.IT COULD HAPPEN TO YOU
7.EASY TO LOVE
8.A MESSAGE FROM BOYSIE


梅を咥えたワニ

2007年02月21日 | v-x

啓蟄にはまだ日があるというのに、我が家のカメ太君は早くも朝から餌待ち状態、毎年この時期はまだまだ餌食いが悪いはずなのに、こんなところにも暖冬の影響が出ているのですね。(笑)

かくいう私も今日のような陽気になると、ついつい昼食を野外でと考えてしまうわけで、
「よし、今日はお寺の駐車場だ!」と、爽やかな外気を浴びながらコンビニ弁当を食べました。

 

「クシュン、クシュン、ヘックション!」
バカですよねぇ、ここ数年はちょっとした民間療法のおかげで収まりつつある花粉症ですが、完治しているわけもなく、杉山を背負った寺を参れば症状が出るのは必至、しばらくくしゃみが止まりませんでした。



  梅は匂いよ木立はいらぬ
てな小唄の文句もありましたけど、私の場合は
  梅は観るだけ花粉はいらぬ、窓を閉めれば加齢臭
てなところですね。

そもそも、花を愛でるではなく、『賞(め)でる』というのは、眼鼻一体の楽しみ方だそうですが、小学生の時から花粉症とお付き合いのある私としては、かなわぬ春の楽しみ方です。
せいぜい、眼を使って愛でましょう。

ついで話のようなものですが
  梅柳さぞ若衆かな女かな -芭蕉-
という句を御存じでしょうか?
梅はいなせな美男子、柳はあだな女のたとえと昔から決まっていたわけです。

ジャズの世界では、ミュージシャンを猫(キャット)、スイング・ファンをワニ(アリゲーター)なんて言いますので、さしずめ私は『梅を咥えたワニ』ってとこですかね。
「バーカ、梅はいなせな美男子、ワニはスイング・ジャズのファン、どっちもあんたにゃあてはまんないよ~~だ!」ってですか?
何をおっしゃいます。スイング・ジャズだって聴くし、古木の梅だってあるじゃありませんか。
『梅を咥えたワニ』は、密かに柳の下を狙ってまーーす!
「やっばりあんたは大バカ者だねぇ、柳の下にいるのはせいぜい蛙だよ~~だ。」
 ・・・・・・・・・・・・・・しくしく

さて、今日の一枚は、昨日のコールマンから「えらい飛んだなぁ」と言われそうですけど、ジョー・ワイルダーを選んでみました。
じつに地味なアルバムではありますが、暖かみを感じる一枚だと思います。いわゆるハード・バップというより、スイング味(ほらほら、ここここ、・・・ワニ、ワニ)のバップみたいな。

暖かみというのは、サヴォイをイメージする最大の特徴で、同時期のブルーノート、ブレスティッジとは、明らかに路線が違うように思います。この一枚はその代表格的アルバムかもしれません。ちなみに、アルバム名からイメージするワイルドさは、みじんも感じられませんのでご注意を。(笑)
ハンク・ジョーンズ、ケニー・クラーク、手堅いバックに支えられ、じつに心地よい一枚に仕上がっていると思います。お勧めです。


SOFTLY WITH FEELING

なお、このアルバムですが、私はサヴォイ盤ではなく、SJ レコード盤「SOFTLY WITH FEELING」という再版レコードで所有しております。
その後、CDにて再購入しましたので、今日はCD盤での紹介になります。
内容的には「SOFTLY WITH FEELING」というアルバム名のほうが、あっているようにも思えますけどね。

WILDER'N'WILDER / JOE WILDER
1956年1月19日録音
JOE WILDER(tp) HANK JONE(p) WENDELL MARSHALL(b) KENNY CLARKE(ds)
1.CHEROKEE
2.PRELUDE TO A KISS
3.MY HERT STOOD STILL
4.SIX BIT BLUES
5.MAD ABOUT THE BOY
6.DARN THAT DREAM


ウォーキング

2007年01月31日 | v-x

いよいよ今年もあと11ヶ月になってしまいました。正月料理を考えなくちゃ(笑)
それにしても、毎日のように言っていますけど、暖かいですねぇ。週末は少々冷え込むそうですので風邪をひかないよう気をつけましょう。

今日の昼食は陽気にも誘われ、おもてでコンビニ弁当を食べることにしました。同僚と二人でのランチタイムでしたが、食べ終わるとなんだかポカポカと気持ちがよくて、
「まずい、俺、寝ちゃいそう、そのへん一回り歩いてくんから、○△君は車の中で食休みでもしてて。」
と、「昨夜1時過ぎまで飲んでいたので、眠気がひどくて」とは言えずに、ミニ・ウォーキングを行いました。

国宝のお堂近くの駐車場だったので、お堂に隣接する池の周りを一回り、小さな子供が鴨に餌など与えていました。するとそこへ、一羽の白鷺が
「くちばしが黄色ということは、コサギではなく、ダイサギか?」



鳥類研究家でもないのでそのあたりは全くわかりません。
ただ、一羽で岩の上にたたずむ姿は、じつに優美に思えます。しばらく見入ってしまいました。
そのせいで、車に戻ると
「バブさん、遅いっすよ。もうとっくに昼休み時間超えてますから!」
「わりいわりい、まっいいじゃん、天気が良すぎたということで、勘弁して」(なんじゃそりゃ)

さて、今日の一枚は、ウォーキングにあわせて、ウォーキング・ベース、リロイ・ヴィネガーであります。(けしてリロイ酢ではありませんので)
私はこのアルバムを友人から譲り受けましたが、ご覧の通りジャケト・デザインがちょっと違うと思いませんか?ライナーノーツも全てアチャラ語でありますから、コンテンポラリーC3542とS7003、S7542が、どういったものなのか、コンテンポラリーの資料を余り持ち合わせない私には、よくわかりません。(笑)
おっと、一つだけ確かなのは私が持っているC3542は、モノラル盤だということだけです。

このアルバムは、ウォーキング・ベースで、すべて「WALK」に関連する曲をやっているという、じつに安易な選曲とも思えるのですが、内容はなかなかご機嫌なものになっています。
今日の私の「ウォーキング」の気分は、白鷺を眺めているときは「WOULD YOU LIKE TO TAKE A WALK ?」、テクテク歩いているときは「ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET」「WALKIN' MY BABY BACK HOME」みたいな感じだったかな。できるなら夜の街を「WALK ON」のように、もしくは颯爽と「WALKING BY THE RIVER」のように歩くっていうのがいいかな。
ともかく、聴くととても気分が良くなる一枚だと思います。

LEROY WALKS ! / LEROY VINNEGAR
1957年7月15日録音
LEROY VINNEGAR(b) VICTOR FELDMAN(vib) GERALD WILSON(tp) TEDDY EDWARDS(ts) CARL PERKINS(p) TONY BAZLEY(ds)
1.WALK ON
2.WOULD YOU LIKE TO TAKE A WALK ?
3.ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET
4.WALKIN'
5.WALKIN' MY BABY BACK HOME
6.I'LL WALK ALONE
7.WALKING BY THE RIVER

おまけ、
1月最終日にお正月みたいな写真が撮れましたので、載せておきます。

「梅に松、めでてえなぁ」
みたいでしょ。


冬の風物詩

2006年12月25日 | v-x

みなさんはクリスマス・イブをどのようにお過ごしになったのでしょうか?
私は、コンビニ経営をしているMさんのクリスマス商品配達を手伝ってきました。
終わったのは10時過ぎ、
「バブさん、悪かったね、軽ーくメシでも食っていこう」
『メシを食う』つまりこれは、我々の間では『飲みに行くぞ』ということでありまして
そこまでは、良しとして・・・・なんで「軽ーく」が、3件梯子ということになってしまうのでしょうか?しかも10時過ぎからでしょ、帰りの時間は推して知るべしであります。
聖夜をこんなふうに過ごしてしまって、本当にいいのかいバブ君・・・・

ということで、今朝は眠くて眠くて、かといって間もなく仕事納めなのに休むわけにもいかず、気合いを入れ直して仕事へ行ってまいりました。

こういう日は、昼飯を食べたあとが辛いですね。スーっと眠気が襲ってきます。
ふと、昼食をとったところが、白鳥が飛来する河原の近くだったのを思い出し、
「良し、眠気覚ましに河原の空気でも吸ってこよう!」



いやぁ、いっぱいの白鳥ちゃん、これだけ居ると優雅とはちょっと言いにくい感じもありましたが、これもまた冬の風物詩、しばし眺めてまいりました。

お母さんと二人の兄弟が、パンの耳でしょうか楽しそうに餌をあげていました。
それにしても、白鳥というのは妙になれなれしいもんなんですね、子供達が少し怖がるほど迫っておりました。

「なんだよ、おめえは餌も持ってねぇのかよ!」と、若い白鳥君が私にまで突っかかってきました。(笑)

ともかく、白鳥ちゃん達のおかげで、午後も無事仕事をすることが出来ました。
今晩は酒も飲まずに・・・一杯だけにして、早く寝ようっと。

さて、今日の一枚は、私の大好きな白人ピアニスト、ジョージ・ウォーリントンです。
以前紹介したプレスティッジの「LIVE! AT CAFE BOHEMIA 」や「JAZZ FOR THE CARRIAGE TRADE」と並ぶ、イースト・ウエストに残る私好みのアルバムです。
彼の指さばきは、まさにタイトルどおりの「手品師」、ホーン陣とのみごとな掛け合いは聴きものですよ。

THE PRESTIDIGITATOR / GEORGE WALLINGTON
1957年3月4,5日録音
GEORGE WALLINGTON(p) JERRY LLOYD(b,tb) J.R. MONTEROSE(ts) TEDDY KOTICK(b) NICK STABULAS(ds)
1. IN SALAH
2. COMPOSIN' AT THE COMPOSER
3. JOUONS
4. RURAL ROUTE
5. PROMISED LAND
6. AUGUST MOON
7.THE PRESTIDIGITATOR


三脱の教え

2006年12月24日 | v-x

今日は、年賀状も書き終えたことだし、大掃除は正月休みに持ち越しということで、伸びきった頭髪をサッパリしてこようと床屋へ出かけました。
ところが、誰もが考えることは似ているのかいつもの床屋の駐車場が満杯状態です。
「う~む、システマチック理容室(短時間で低料金のかの床屋を私はかってにそう呼んでおります)にでも行くしかないかなぁ~~」
髪型になんのこだわりも持っていない私ですから、ようは何処の床屋でも髪さえ刈ってもらえれば用は足りるわけで
あきらめ半分でシステマチック理容室に向かう途中、最近出来たのか新しい床屋を発見いたしました。駐車場にもまだ余裕がありそうでしたので
「よし、新規開拓だ!」

いくつぐらいでしょ、まだ、いかにも独立間もないイケメンの理容師さんが、お姉様(確かめたわけじゃありませんから、定かではありません。ただ、奥様にしてはかなり年上に思えましたし、お顔もよく似ておられたので)と二人で切り盛りされておりました。
雑誌を見ながら順番を待っていると、ほどなく私の番に
「今日はどういたしましょ?」
「え~と、適当にサッパリしてもらえれば、土台が土台だから贅沢は言いませんから」
「お客様、お住まいはお近くなんですか?」

私は、床屋で髪をいじってもらったり、顔をあたってもらうのが大好きで、その間はできればあまり話しかけてもらいたくないタイプです。
それでも、初めての客となれば、あちらさんも話しかけないわけにも行かないのでしょう。「今日は気温は高いみたいですけど、風は冷たく感じますよね。」とか
「インフルエンザがなんたらかんたら・・・」
「スキー場も雪が無くて困ってるらしい・・・・」などなど、なんとか私の興味を探ろうと一生懸命です。
そのうち、「あー」とか「ええ」とかしか答えない私に、さすがの彼も「こりゃ話したくないな」と気づいたらしく、黙々と作業に徹しておりました。

とかく客商売をするのに、初めての客だと何を話題にしてよいのかわからないときが間々あるものです。
「政治、宗教の話は御法度、天気や三面記事的話をしてれば無難」
なんて人もいますが、
江戸の教えに『三脱の教え』というのがあるのを御存じでしょうか?
『三脱』の三とは、『年齢』『職業』『地位』。初対面の相手にはこの三つを尋ねちゃいけないという教えです。
「この三つの先入観が入ると、いらぬフィルター越しにその人を見てしまうことになる、これは人間を見る観察力、洞察力を鈍らす最大の原因になるからだ。」という事。
じつに的確な教えであります。
客商売において『観察力』『洞察力』は、最大の武器にして、絶対のテクニックなのでしょう。

逆に言えばこれは、私たちがお店を選ぶ一つの基準になる教えでもあるわけで、
たしかに、始めて行った飲み屋のお姉ちゃんが
「バブさん、お勤めは何処なの?お歳は?お名刺頂けます?」
なんて、ブイブイやられたら、考えちゃいますもんね。しかも名刺をわたして、社名と肩書きを見た瞬間に別のテーブルに行かれちゃったりしたひにゃあ~た、二度とそんな店には行かないでしょう。(笑)

ともかく、イケメン理容師は一生懸命さが伝わってきたし、『三脱の教え』も守れていましたから、また利用することにしましょう。
「頭もサッパリしたし、今年もあと一週間、忘年会はあと何回あるかなぁ~、そうそう新年会もあるジャン」って、お前の頭の中にあんのはそれだけかい、こんどは中身もサッパリしてこい!

さて、今日の一枚は、フランス屈指のテナーマン、バルネ・ウィランです。
ケニー・ドーハム、デューク・ジョーダンを迎えてのライブ盤ですが、22才のウィランが二人に負けずと頑張っちゃっている、乗りの良いアルバムです。
この当時のフランスは、ジャズがいかに盛んだったか、彼の演奏を聴くと納得いきますよねぇ。
そんでもって、とうぜんドーハムもジョーダンも気持ちよく演奏してます。「LADY BIRD」あたりのジョーダンのソロなんてノリノリですよ。
以前、アート・ペッパーの「BESAME MUCHO」も紹介しましたが、この「BESAME MUCHO」も一聴の価値はあると思います。なかなかの名盤です。

BARNY / BARNY WILEN
1956年4月録音
BARNEY WILEN(ts) KENNY DORHAM(tp) DUKE JORDAN(p) PAUL ROVERE(b) DANIEL HUMAIR(ds)
1.JORDU
2.LADY BIRD
3.BESAME MUCHO
4.STABLEMATES


教えてくんなませぇい!

2006年12月15日 | v-x

毎月のことかも知れませんが、あっという間に今月も中日を迎えてしまいました。
12月中日といえども、年末、新年を迎える、あの何とも言えない高揚感は、年々薄れていくように思います。これもまた、加齢のせいでありましょうか? ただ、知らぬ間に出ていく『諭吉』や『英世』が、年の瀬を伝えてくれるのみです。

「○○スーパーのポイントを商品券に替えられるの今月だよね?」
(知るか、そんなこと)
「その商品券で、正月の準備するんだから、今年は餅どうする? つくんだったら、餅米たんないよ。・・・・既製品は高いから、やっぱ餅米買ってくるか」
(すべて、自己完結なら、ひとに訊く必要はないでしょう)
「神棚の御札、いつもどおりでいいんでしょ? もう頼んじゃったけど」
(頼んだ後で訊かれても意味もないし、まして、その手の関心が全くない私に問われても)
「ああ、いいよいいよ、なんでも好きにやって」

私が関心あるといえば、せいぜいが御神酒を何にするかの話で・・・でもこれは結局私の『諭吉』を使いに出すしかないわけで・・・
「えへへへへ、スーパーの商品券、御神酒代にも回してもらえないかなぁ・・なんちゃって」
「却下!」

「あっ、そうそう、今年も自分で食べたいものがあったら、自分でつくるんだからね。」
(何をいまさら、毎年、年越しの夕餉と新年の朝飯は、私が担当ではありませんか。)
「まったく、つまみまで考えなくちゃいけないから、大変なんだから」
(うるせぇ!つくるのは、私だって)

あっ?こんな会話が出てくるということは、やっぱり年の瀬なんですね。

ところで、料理担当も私なのですが、大掃除の神棚担当も私。
それがね、神棚を掃除するたびに気になる『生きもの』(?)がいるんですよ。

これなんですけど、母に訊いても、何処のなんという民芸品だかわからない、何をかたどったものかすらわからないのです。
「う~ん、猿っぽい顔だけど、猿にひげはおかしいし・・わかった虎だ虎・・虎かぁ?」
なんの核心もないまま、今日に至っております。
どなたか、この『生きもの』の、いわれ、名前、ets. がわかる方がいらっしゃいましたら、教えていただけませんでしょうか?
我が家の神棚に鎮座まします謎の『生きもの』、私のお気に入りなんですよ。
ぜひとも教えてくんなませぇい!

さて、今日の一枚は、プレスティッジが売り出しを試みたピアニスト、ジョン・ライトです。(はっきりいって、売り出しが成功したとは言い難いですけど)
プレスティッジ(ニュージャズを含め)に残る彼のアルバムは5枚、そしてこれが最後の録音、なんでもない曲を、とても魅力的に聴かせてくれるピアニストとして私は評価しています。「WHAT'S NEW」なんて、なんとも味があって良いですよ。
レッド・ガーランドっぽいけどちょと違う、黒っぽいけど臭くない、そんな感じでしょうか。とても耳になじむ良いアルバムだと思います。
この人もまた、もっと評価が高くて良いピアニストではないかと思うのですが。

MR. SOUL / JOHN WRIGHT
1962年4月10日録音
JOHN WRIGHT(p) WENDELL MARSHALL(b) WALTER PERKINS Jr.(ds)
1.OUR WALTZ
2.BLUE PRELUD
3.WHAT'S NEW
4.EVERYTHING'S GONNA WORK OUT FINE
5.MR. SOUL
6.SHAKE
7.STRUT
8.NOW HANG IN THERE

おまけ、
「酒話」更新しました。よかったら見てくださいね。


多重苦に乾杯!

2006年11月03日 | v-x

昨晩はMさんから電話をもらい、O君の第一子誕生を祝う飲み会をやろうというので、のこのこ出かけてまいりました。
お祝いの飲み会といっても、私を含め3人でバカ飲みをしてきただけですけどね。(笑)

それでも、よく行くEさんのお店では、「お祝いに」とシャンパンを出していただき、「おめでとう、乾杯!」男3人という侘びしさもしばし忘れさせていただいたのであります。

Eさんのお店は、カウンターのみ、10人も入れば満杯になってしまう小さなお店です。真っ白なお皿で出されるプレート形式の料理は絶品で、こちらの腹ぐわいを見ながらお任せで提供してくれるので、つまみを考える煩わしさもなく、ジャズボーカルのBGMを聴きながら、ちょっとお洒落な時間を過ごすことが出来ます。
できれば、素敵な女性とでも利用したい店ではあるのですが、私はいつも男連れ、それでもEさんの気さくな人柄もあり、とても気に入ってるお店なんです。
「Eさん、このソースはどうやって作んの?」
美味しくて気になる料理など出ると、作り方まで教えてもらっちゃったりして

「ところで、O君、娘さんだったの?息子さんだったの?」とEさん
「それがね、女だったんですよぉ ほら」
およよ、すでに携帯のメモリーは彼女の写真でいっぱい
「今から二人の時間っていうのを作ってね、僕がだっこしながら、嫁もシャットアウトしてCD聴くんですよ」
O君は無類のクラシック好き、そのせいで音楽の先生になったという男ですから、わからなくもないのですが
「なにが、二人の時間よ、子供なんてあっという間に大きくなって、臭いだのうざいだの言い出すんだから、ははははは」とからかわれると
「やな事言わないでくださいよ、僕はね、彼女がやりたいということは、進んでやらせる、理解ある父になるんですから」
「あっちゃぁ、こりゃダメだ。完全にのぼせ上がってるわ。現実に打ちのめされる君の姿が、今から完全に見えてるね。」とMさん
「まあまあ、今だけは夢を見させてあげないと・・・、ともかく、Mさんとか私を反面教師に、娘に嫌われないおやじになんないとな」

あ~ここにまた、恋しい娘に翻弄するかわいそうな男が生まれたのであります。嫁への想いは日に日に下降する代わりに、娘への叶わぬ恋はふくれあがり、「お父さん、○○が欲しいなぁ」なんて言われると、嫌われたくない一心でいうことをきいてしまう。
よくよく考えてみれば、娘のいる親父というものは、嫁だけでなく娘までにも操縦桿を握られるという、まさに多重苦を背負うわけで・・・・O君、頑張ってね。

けっきょく、おおいに飲み過ぎた私たちは、4軒もの飲み屋さんを梯子し、3時近くにご帰宅となったのでありましたとさ。

さて、今日の一枚はフランク・ウエスです。
ブレスティッジおとくいのオールスターズ盤です。
ウエスは、ベイシー楽団に入る前に、ワシントンでみっちりフルートを勉強したそうですけど、たしかにテナーよりフルートのほうが彼の魅力が出やすいという気もしますね。
このアルバムもテナー3本で最後まで押し切られるより、彼がフルートに持ち替えることで、いい意味のブレーク的効果があるように思います。
マル・ウォルドロンのピアノも、いい感じでまとめ役にはなっていますけど
プレスティッジ・オールスターズものでは、好きな一枚です。
別に我が娘を想い、一曲目が「昔はよかったね」だったから選んだわけではありませんのでお間違えなく(笑)

WHEELIN' AND DEALIN'
1957年9月20日録音
FRANK WESS(ts,fl) JOHN COLTRANE, PAUL QUINICHETTE(ts) MAL WALDRON(p) DOUG WATKINS(b) ART TAYLOR(ds)
1.THINGS AIN'T WHAT THEY USED TO BE
2.WHEELIN'
3.ROBBINS' NEST
4.DEALIN'

おまけ、

「昨日はずいぶんお早いお帰りで」
いつもの皮肉は慣れたもの、ところが昨夜遅かっただけでなく、午前中いびきをかいて寝てしまったのです。
「あらら、昼夜逆転だと、お腹もすかないでしょ、お昼食べちゃったからね」
う~ん、せっかくの休みなのにという怒りが、ひしひしと伝わってきます。
そこで、罪滅ぼしというわけでもありませんけど、日曜日でもないのに夕飯を作ってしまいました。
昨晩のEさんの料理をいくぶん真似て、三品一盛りのプレートを作ってみましたが、やはりプロにはかなわないなぁ・・・・。


悪いヤツは私です。

2006年10月22日 | v-x

今日は、午前中ボケーっとレコードを聴いていると、友人のS君から電話が入りました。
「バブ、おまえどうせ暇なんだろ、ちょっと手伝ってくれよ」
なんと、日曜日だというに仕事が詰まっていて大変らしいのです。
「いいよ、暇してんから」

仕事を手伝うといっても、彼の仕事は建築設計、私が図面を書けるわけもなく、現場でのメジャー持ちを手伝ってきただけでした。
「なに?おまえ今日も夜まで仕事すんの?」
「しかたねぇじゃん、終わんねえんだから」
「やっぱりね、仕事には、メリとハリが必要なんだよ。休むときには楽しんで、ね。仕事するときには集中するこれだよ、これ。」

なんてことはありません。私が暇なものだから、彼を悪の道へと誘い込む企みであります。

「ほ~ら、だんだん体を動かしたくなってきたんじゃないの~~~」

ところが、あの『すぐ人の誘惑に落ちてしまう』を絵に描いたような性格のS君が、今日は乗ってきません。
「これは、仕事にかこつけて、自宅にいたくないといった事ではなさそうだね、やっぱり仕事が詰まってるんだぁ・・・・・・・・」
「だからそうだって言ってんだろ!」
「あらま、もうボクちゃんがお手伝いできることは何もないのかなぁ~~~???」

まぁ、これ以上仕事の邪魔をしても悪いので、肩をしばらく揉んでやったあと、
「頑張ってね!」っと帰ってまいりました。

仕事が忙しいことは、じつにけっこうなこと、一段落したらまた飲みにでも行きましょうや

いつも、このブログにも出演していただいているS君、今日は君が真面目に仕事をしている写真を、君の頑張りにこたえて公表してあげよう。
えっ?よけいな事するな?
う~~~ん、それじゃあしょうがない、目に黒線だけは引いてあげるから。



あれ?ところで、この休みに私は何かしなければいけなかったのではなかっただろうか???????
「あっ!そうだ、フラガールを観てこなくちゃいけなかったんじゃん」

今日、私は友人の仕事の邪魔をしたばかりか、M君との約束をも破ってしまったということか・・・・・・・・・・!?
S君ごめん、M君ごめん、ほんとうにごめん
この埋め合わせは必ずするから勘弁して、フラガールも必ず観に行くからね。

今日の私は最低なヤツでしたね。

さて、今日の一枚は、あのキャノンボール・アダレーが生涯一度だけプロデュースしたという、ピアノトリオです。
ルーズベルト・ウォーデルは、R&Bの歌手としてデビュー、ピアノももちろん弾いていました、1953年、フォートフォックスを訪れたキャノンボールに出会い、このアルバムの制作へとつながります。
演奏も、曲も、なかなか気持ちよく聴ける一枚なんですよ。私は好きな一枚です。もちろんリズムセッションもいいし、
なのにどうしてでしょうねぇ、ピアニストとしての大成を夢見たウォーデルの願いは叶わず、彼のリーダー・アルバムは後にも先にもこれ一枚に終わってしまいました。
ひょっとして、キャノンボールもこれが原因で自分がプロデュースにむいていないと悟ったのかもしれません。
何度も言いますが、私はこのアルバム、好きですよ。

THE REVELATION / ROOSEVELT WARDELL
1960年10月5日録音
ROOSEVELT WARDELL(p) SAM JONES(b) LOUIS HAYES(ds)
1.LAZARUS
2.LIKE SOMEONE IN LOVE
3.AUTUMN IN NEW YORK
4.MAX THE MAXIMUM
5.CHEROKEE
6.ELIJAH IS HERE
7.WILLOW WEEP FOR ME
8.THE REVELATION


悲劇は死だけじゃない

2006年10月15日 | v-x

友人から私の大好きな映画「ひまわり」のDVDをいただきました。
以前にも「ひまわり」については、ここでも紹介したことがあったと思います。私がウン十年生きた中で、もっとも好きな映画と言っても、過言ではない一本、久しぶりに堪能しました。

♪タララーラ ターララ タラタラタラター・・・・・・・・・

見終わって尚、ヘンリー・マンシーニ の悲しくも美しい音楽が、一面を埋め尽くすひまわりの花の映像とともに心に残ります。
もっとも近づいて欲しくない戦争の足音が、少しずつ大きくなりつつあるような昨今、戦争の悲劇というものはかくも身近な問題であり、それが人の心をどれほど傷つけるものなのか、そしてどんな戦争にも正義など無く、被害者だけをただ増やすだけの暴挙であることを映画「ひまわり」は教えてくれます。

誰も恨めない、誰を憎める訳もない、ただ最後になんとも悲しいマルチェロ・マストロヤンニの目と、長年耐え続けたソフィア・ローレンの悲しみだけではない重い瞳が、物言わず語りかけるのです、戦争の悲劇は死体の山だけではないということを。

戦争を大なり小なり扱った映画は、何処かにヒーローがいて、何となくどちらかが正しいことをしているように描かれるものが多いと私は思います。でも本当の戦争、戦場では、ただただ人を殺すことに邁進して、正しいも正しくないも考えられなくなっていく、そして、一人他人を傷つけるごとに、悲劇の種をまいていく事になるのでしょう。
ふと、そんなことを感じてしまいました。

ともかく、戦争など起こさぬよう、海岸のボートの裏で若い男女がいちゃつける(マストロヤンニとローレンは、映画の冒頭でこんな風に結ばれます。)そんな、平和が永久であるよう、みんなで頑張ってみましょうよ。

さて、今日の一枚は、私が入手にムチャクチャ苦労した、デイブ・ベイリーのアルバムです。
三管編成のいかにも、「ほれ、ジャズだよ」てな感じがとてもいいんです。ベリー自身、「この作品は余分な講釈を読むよりは、ただ聴いて下さればいいんです。」と言ってます、まさにその通りだと思いますよ
ベイリーの渋いドラムもさることながら、フラナガンが名盤「TOMMY FLANAGAN OVER (オーバーシーズ)」を彷彿とさせる輝きを放っています。
こんなアルバムを楽しく聴けるのも、平和であればこそですよ。

BASH ! / DAVE BAILEY
1961年5月15日録音
KENNY DORHAM(tp) CURTIS FULLER(tb) FRANK HAYNES(ts) TOMMY FLANAGAN(p) BEN TUCKER(b) DAVE BAILEY(ds)
1.0SMOSIS
2.SOUL SUPPORT
3.GRAND STREET
4.LIKE SOMEONE IN LOVE
5.AN OSCAR FOR OSCAR
6.B.M.T. EXPRESS
7.JUST FRIENDS