ガリバー通信

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「ガリスマ」&「セレブ」

2009年06月03日 | テレビマスコミ
 ここ数年、テレビマスコミを中心に、やたらと「カリスマ」や「セレブ」と称する人たちが登場したり、番組タイトルやキャッチフレーズに使われている。

 果たして、この「カリスマ」とか「セレブ」と呼ばれる実態、もしくは中身とはなんだろうか。

 「カリスマ」とは、一般大衆を魅了するような資質や技能を持った人気者をいう俗語だそうだが、もともとギリシャ語で「恵み」「恩恵」を意味する言葉である。

 また「セレブ」は、名士、有名人、すなわち女性誌などでは、美しく優雅で知的な女性を意味することが多いそうだが、英語の「セレブリティ」の略であり、著名人、有名人のことである。

 アメリカでは、ヒルトンホテルを経営する大財閥の娘、パリス・ヒルトンやライオネル・リッチーの養女、二コール・リッチーなどを「カリスマ・セレブ」と称したり、日本ではなぜか「叶姉妹」などを称したりもしている。

 しかし、「カリスマ」、その語源は、ギリシャ語の「カリス」から派生した言葉で、新約聖書で「神からの贈り物」「神の賜物」を意味する宗教用語であった。

 ドイツの社会学者「マックス・ウェーバー」が社会学の用語として用いて、20世紀以降に、「特異性」「神秘性」「非人間性」のある政治家ゃ宗教指導者を称して使われて広まった言葉である。

 日本では90年代後半から、「カリスマ美容師」「カリスマ店員」「カリスマ教師」などと多く芸能的マスコミが使うようになって、「カリスマ主婦」などと、全く特別な資質や才能を持たない者をも指す「人気者」、「憧れの人」的な表象として用いられるようになっている。

 「セレブ」についても同様で、著名人、有名人、お金持ちなどを称して、「セレブご用達」とか「セレブな人たち」と90年代末頃から使い出し、海外のスーパーモデルや有名女優などの身に着けるアイテムなどを「セレブご用達」などと称するようになった。

 ただお金持ちになることやブランド品を身につけることなどを「セレブになる」と曖昧な表現で総称し、意味解釈は益々増大拡大し、個々の抽象的イメージ概念として、ほとんど意味や定義のない言葉として用いられている。

 果たして、カリスマやセレブと言われる人間のトップパフォーマンスや資質が、日本語で言うと、「垢抜けている」「お洒落な」「イケてる」「贅沢な」「成金」「キザ」「大御所」「一目置く」「貫禄」「寵児」「タレント」と称される内容にリンクしているかは甚だ怪しいのではないだろうか。

 ともかく、安っぽい芸能、テレビマスコミが好んで使う「カリスマ」や「セレブ」と言われる表現が、とにかくやたら多くてうんざりだし、さらに嘘っぽい煽てや詐欺に近い響きを感じる言葉と化していると思うのは、言いすぎだろうか。
コメント (1)
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