昨年公開された映画『赤い季節』に登場。その劇中で異彩を放った架空のバンド“THE GOLDEN WET FINGERS”。メンバーはチバユウスケ、イマイアキノブ、中村達也というロック・マイスターにして禁断の組み合せによる3ピースバンド。昨年夏に映画公開イベントの一環としてRSRFES2012に出演。その後もたったの2回という期間限定の活動で走り去った3人の轟音が、この春に奇跡の再始動を果たす!
「赤い季節」はThe Birthdayのチバユウスケ初のソロプロジェクト"SNAKE ON THE BEACH"にインスパイアされた映画で劇中に登場する架空のバンドが「THE GOLDEN WET FINGERS」。映画を観ていないので詳細はわからないがチバの所属事務所代表の能野哲彦の初監督作品、音楽:SNAKE ON THE BEACH(チバユウスケ)、中村が俳優として出演、チバとイマイもどこかに出演しているという。身内で固めたな~という印象。SNAKE ON THE BEACH(チバユウスケ)のアルバム「DEAR ROCKERS」は昨年10月にリリースされたがその直前にチバ+イマイ+中村=THE GOLDEN WET FINGERSが映画の宣伝で何度かライヴを行った。このトリオとチバのソロの関係は?映画音楽はソロ?トリオ?そもそもこのトリオは映画絡みの企画モノなの?---後に考察するようにブランキー・ジェット・シティとミッシェル・ガン・エレファントの攪乱工作に頭を悩ませたファンも多いに違いない。一方でThe Birthdayは2012年7月にニューアルバムをリリースし9月から年末の武道館まで全国ツアー。その上に鞭打つようにブランキーのドキュメンタリー映画「VANISHING POINT」の公開が発表になり浅井健一は2012年8月にシャーベッツの新作、2013年1月に新作ソロと立て続けにリリース。映画とソロとバンドと両バンドのメンバーが複雑に入り組んだくんずほぐれつのロケンローカオスが渦巻いた。
再始動THE GOLDEN WET FINGERS(以下GWF)の全国13公演ツアーは「KILL AFTER KISS」というタイトルで内容違いの会場限定CD「KISS盤」+全国流通CD「KILL盤」の2作リリースという凡人の理解を超えた混沌に彩られた。ツアーファイナルのリキッドルーム公演は早々にSold Out。性別年齢入り乱れた乱○パーティーの様相を呈した。メンバーを見れば最高のロケンローショーを魅せることは想像できるが音源はYouTubeで視聴出来るだけなのでどんなレパートリーをどんな演奏で聴かせるのか??? まずギター2人のベースレス編成というのが気になった。公開された1曲半を聴く限りでは骨太のベースが鳴っているようだがライヴで再現できるのか?…。楽曲は全曲オリジナルか?セルフカバーやR&Rカバーがあるのか?さまざまな疑問と期待が渦巻く。
ヒップホップを広く一般に知らしめたのは渋谷系と歩調を合わせて1990年代に大ヒットしたスチャラダパーだろう。フリッパーズ・ギターを解散しソロになった小沢健二とのコラボ「今夜はブギー・バック」の影響力は絶大だった。2000年以降RIP SLYME、KICK THE CAN CREW、KREAVA、SOUL’d OUT、HOME MADE家族などが大ヒットしお茶の間でもお馴染みになった。ヒップホップ以外でもJ-POPやアイドルやアニソンにラップが使われるのは当たり前の時代。考えてみれば現在30代以下の世代は生まれた時からラップ/ヒップホップが存在していた訳だ。オヤジ世代にとって水と油のロックとヒップホップは彼らにとっては自然に共存するのである。子供時代メロコアとラップを聴いて過ごした世代が現在のユースカルチャーの中心になっているのは間違いない。
それにも関わらず今までロックとヒップホップが別世界に隔てられてきたことは送り手=メディア/イベンター/レコード会社などの偏見と怠慢故だと言える。情報の受け手であるリスナーのほうが送り手よりも遥かに先を行っていることは事実であり一度でも現場を体験すればジャンルの壁などとっくに崩壊していることが判る筈。カオスフェスもHERE AND THEREも少し遅すぎた感もある。しかし誰かが勇気と決断を持って実行しなければ為し得ないことは確か。福アニーの現場感覚が正しかったことは満員の観客がどの出演者に対しても等しく大きな熱意と共感を持って迎えたことに明らかであった。
ピットインで最初のJAZZ非常階段のライヴが開催されたのが昨年4月9日だから丁度丸1年。恐らくJOJO広重やメンバーと一部スタッフ以外にこんなに続くと予想した人はいなかったに違いない。元々は2011年末の大友良英企画に広重が出演したのがきっかけで実現したプロジェクト。30年前のジャズコンプレックスに決着をつけるため坂田明をダシにしてジャズの聖地ピットインに殴り込んだ復讐劇的意味合いがあったとJAZZ非常階段ライヴCD「Made In Japan」のライナーに野間易通が書いている。広重にそんな気持ちがあったのは確かだろうがライヴ前にdoubtmusicにJAZZ非常階段のアルバム制作の打診をしていたという事実には単なるリベンジではなく新たな挑戦でありそれを見事にモノにする自信があったことを物語っている。
昨年から騒いでいる新世代ガールズバンド「サイサイ」の1stフルアルバム「Start→」4/10リリース。すぅ(vo,g)ひなんちゅ(ds)あいにゃん(b)ゆかるん(key)の4人のエレクトロギターポップが炸裂する。初の全国ホールツアーSilent Siren Live Tour 2013を控えて東京体育館にはぴるんワールドが出現する。