A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

カオスフェス2013~不失者/でんぱ組.inc/BiS etc.@日比谷野音 2013.4.7 (sun)

2013年04月09日 00時14分44秒 | 灰野敬二さんのこと


カオスフェス2013
出演者:BiS / cinema staff / group_inou / でんぱ組.inc / 不失者 / 旺福(Wonfu) from 台湾
OPENING ACT : mckj | OPENING & ENDING DJ : D-YAMA(MOGRA)

「カオス(chaos)」の訳は混沌・無秩序だが同じ意味合いの「コンフュージョン(confusion)」が70年代の墓碑銘の中に葬られたのに対しネットやゲームや動画サイトなどに使われ「やばい」「なにがなんだか分からない」「理解不能」「シュール」という意味の現代語として生き残っている。3月半ばに突然ネットで発表になった「カオスフェス2013」は即座に「カオス過ぎる!」とSNSを賑わせたがこんな無謀な試みが開催まで1ヶ月を切ったギリギリの時点で発表されたこと自体カオスであった。

cinema staff



でんぱ組.incのプロデューサーのもふくちゃんこと福嶋麻衣子が旗を振り企画したとのこと。ファンの間では有名だが彼女は学生の頃ノイズファンだったという。ノイズ/アングラ好きの芸大生が何故アイドル界の仕掛人になったかはこのインタビューを参照されたい。アキバカルチャーの重要人物のルーツが地下音楽にあるとはドーナツからBiS階段に辿り着いたJOJO広重もビックリだろう。もしかしたら現代日本の主流文化はことごとく何処かで地下世界と繋がっているのかも知れない。

BiS



もふくちゃんのトンでも企画に真っ先に反応したのはアイドルヲタだった。聖地アキバの象徴でんぱ組に加えNo.1サブカルアイドルBiSが出演するヲタ度&カルト度が異常に高いイベントである。さらにオルタナ、ヒップホップ、アジアンロック、お笑い芸人という組み合わせは夏フェスのエッセンスを凝縮したようなもので今の若い音楽ファンにとって決して理解不能なイベントではない。

旺福(Wonfu)



このイベントをカオス化したのはひとえに不失者=灰野敬二の存在と言える。昨年のメディア露出で灰野の知名度はこれまでになく高まった。しかし実際に映画を観たり単行本を読んだのは少数の熱心なファンだけだと言っていい。ルックスやキャッチコピーのイメージから「普通じゃない」「謎」「暗黒」「孤高」といった印象が広まったことは事実だろう。その灰野が自分たちのアイドルと同じステージに立つ。それは文字通り想像のつかないシュールな状況である。普通なら恐れを成す「カオス」を楽しもう!というのがこのイベントの肝である。アイドル自身のブログやツイッターでの呼びかけにヲタファン中心に局地的な盛り上がりを見せた。

group_inou



告知がネットのみ、チケット発売がイベントの2週間前という緊急スケジュールだったので余り売れず野音の後方は空いていたがそれを逆に楽しんじゃおうという観客のノリに感心する。黒地にIDOLのBiS Tシャツが異様に多いが輪をかけてヤヴァいのはマジックペンでIDOLと手書きした海賊版(?)Tシャツが目立つことである。研究員を名乗るBiSファンはぶち切れアイドル=BiSのイメージを先鋭化している訳だ。DJのアニソンやアイドルソングにジ歓声を上げて踊るのは当たり前、席に立ってヲタ芸を繰り広げたり通路を駆け回ったりなんでもありの無法地帯は出演者以上にカオスだがこれこそライヴの正しい楽しみ方と言える。単に盛り上がればいいという訳ではないがアイドルもロックもノイズも人前で演奏される限りはあくまでエンターテインメントである。楽しんだモノ勝ちといっていい。

でんぱ組.inc



この日野音に集まったファンが単なるお祭り好きのお調子者ではなかったことはトリに登場した不失者をそれまでの狂乱が嘘のように真剣に(思考停止状態で?)受け止めた態度に明らかだった。不失者はいつもと全く変わりはない。アイドルファンの前でも一切の手抜きなし。お祭りムードに水を挿す無意味な気負いもゼロ。「最近の祭りには祈りが足りない」とMCして演奏した2011年フェスティバルFUKUSHIMA!での静寂のステージと同様に不偏不党の灰野ワールドを展開した。灰野が「嵐が....」と歌った途端強風が吹き譜面を吹き飛ばし灰野の髪がなびく印象的な自然の演出があったが、不失者のステージにカオス=混沌とは真逆のコスモス=秩序・調和を感じたのは私だけではあるまい。

不失者



出演者は勿論観客・天候も含めて素晴らしくバランスと調和の取れた理想的なイベントだったと思う。続編があるかどうかは微妙だがカオスを受け入れ楽しむスタイルがもっと広まれば面白くなるのではなかろうか。




★まともなライヴレポートはコチラ

★出演者・スタッフのブログ→夢眠ねむ藤咲彩音古川未鈴最上もが(以上でんぱ組.inc)、プー・ルイテラシマユフヒラノノゾミミチバヤシリオ(以上BiS)、米原康正 123(フォトグラファー)

もふくちゃん
萌えキュンソングで
世界にカオスを発信♪

<カオスを楽しむライヴ情報>
2013.4.20 sat/21 sun 東京体育館 KAWAii!! MATSURi

4.20:T.M.Revolution / 中川翔子 / May'n / 藍井エイル / アップアップガールズ(仮) / A応P / 7!! / でんぱ組.inc / Negicco / 春奈るな / BiS / PPP! PiXiON / Yun*chi / Love La Doll / LinQ / and more
4.21:きゃりーぱみゅぱみゅ / SCANDAL / SEKAI NO OWARI / Silent Siren / AMIAYA / 近藤夏子 / J☆Dee'Z / Daichi / TEMPURA KIDZ / 南波志帆 / パスピエ / ハナエ / RAM RIDER / and more


2013.5.3 fri 高円寺ShowBoat 灰野敬二 生誕記念公演



2013.9.14 sat 青森 夜越山スキー場 AOMORI ROCK FESTIVAL'13 夏の魔物

出演:非常階段、初音階段、ZAZEN BOYS、TOTALFAT、group_inou、でんぱ組.inc、BiS、アップアップガールズ(仮)、人間椅子、ROLLYwith人間椅子、曽我部恵一、ひとりTOMOVSKY、ザ50回転ズ、Wienners、三上寛、GOMA&The Jungle Rhythm Section、桃井はるこ、milktub、DJ.ダイノジ、大仁田厚、DDTプロレスリング、MC.アントーニオ本多、and more...
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« JAZZ非常階段 featuring 山本... | トップ | 5万年におよぶ音楽の歴史を7... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

灰野敬二さんのこと」カテゴリの最新記事