A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

異形人/直江実樹etc.@吉祥寺 Fourth Floor 2012.6.15 (fri)

2012年06月17日 02時06分29秒 | 素晴らしき変態音楽


「OTONOMI」というイベント。

Facebookに元Nordの伊藤まくさん主催の「JAPANOISE ジャパノイズ」というグループがあり、ノイズ・アーティスト/ファンの交流の場になっている。そのウォールの投稿で、異形人が吉祥寺でライヴをすることを知った。よく投稿/コメントなさる直江実樹氏も出演するので、地元でもあるし一度挨拶をと思って行くことにした。

異形人のギターのにら氏はドローン・ノイズ・バンド、ゴイゾンで昨年6月に、舞踏のRenka嬢は鳥を見たのナカオチサト氏等とのバンド、死の棘で昨年10月にそれぞれ観ているが、異形人としてのデュオ・パフォーマンスを観るのは2010年12月末のヘアスタ等との江古田フライングティーポットでのイベント以来だから1年半ぶりになる。Fourth Floorは2006年1月に灰野さん、故・金子寿徳さんを観て以来だから何と6年5ヶ月ぶりである。同じビルに入っていたレコード店Warszawaは下北沢へ移転したが、その系列のライヴスペースは吉祥寺に残った。普段はDJイベント中心に営業しているらしい。

この日のイベントは余り宣伝されておらずお客さんは少ない。ほとんど出演者の知り合いで、JAPANOISEグループで名前を知っている方にも会った。私も昔バンドをやっていたから、各地のライヴハウスで夜な夜な行われているライヴの大半がこうした身内中心のイベントなのが実情であることは理解している。

1番目は滝口敦士氏のギターソロ。当初はデュオでノイズをやる予定だったが相方の欠席によりギターソロになったとのこと。正直言って公開練習のようなとりとめのない演奏に眠気が襲う。



2番目はオカムラアキノリ氏のやはりギターソロ。こちらはかなり流れを作り込んでいて、ディレイやサンプラーを多用して反復するサウンドはマニュエル・ゲッチングを彷彿させなかなかいい感じ。



3番目は直江実樹氏。1976年SONY製の短波ラジオを使ってラジオ放送とエフェクター・ノイズによる演奏。当時中学生でBCL(短波放送受信)に凝っていた私が憧れていたラジオである。1980年代日本に滞在していたジョン・ダンカン氏がよくライヴで使っていたのを思い出す。この日は短波の受信状態が良かったと直江氏。東京には他にも短波ラジオ奏者がおり、近々短波ラジオ6人の共演を予定しているという。



最後が異形人。真っ暗な中にRenka嬢の姿が浮かび上がる。にら氏の音響系アンビエントと呼ぶには余りに表情豊かなギターの即興とドロドロした情念を昇華したRenka嬢の舞踏はこのふたりならではの個性的な世界を形成する。時にスローモーションのようにゆっくりと、時に嵐のように激しく、柔らかい肉体をフルに使ったRenka嬢の踊りはいわゆるジャンルとしての"Butoh"には収まりきれない現代的な感覚がある。にら氏とのコンビネーションが絶妙。それぞれ他にプロジェクトを持っているふたりだが、やはり異形人としてのデュオが一番しっくり来る。最後はたわわな胸を露にして踊るRenka嬢は神々しく光り輝いていた。



名は体を
表すという
異形人

異能と異形、似ているようでちと違う。

コメント
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