クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

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09-05 No.31

2009年05月27日 13時26分38秒 | Weblog
<Chandos>
CHAN 10518 \2180
スメタナ:管弦楽作品集Vol.2 ――
歌劇《売られた花嫁》より 序曲、ポルカ、フリアント、道化師の踊り
歌劇《秘密》序曲/歌劇《リブシェ》序曲/歌劇《悪魔の壁》より 序曲、
悪魔の踊り/歌劇《ボヘミアのブランデンブルク人》より 序曲、
第1幕のバレエ音楽/歌劇《口づけ》序曲/歌劇《ダリボル》より 間奏曲/
歌劇《2人のやもめ》より 序曲、第2幕への前奏曲、第2幕のポルカ
ジャナンドレア・ノセダ(指揮)、BBCフィルハーモニック
ヴォルフ=フェラーリの管弦楽作品集(CHAN 10511)、リストのダンテ交響曲
(CHAN 10524)を続々と発表するなど、快進撃を続ける"知られざる名曲秘曲の伝
道師"ジャナンドレア・ノセダ&BBCフィルハーモニック。
連作交響詩「我が祖国」"以外"の作品にスポットライトを当てて大絶賛を博し
たスメタナの管弦楽作品集に早くも第2集が登場!
3つの"交響詩"など9つの管弦楽作品を収録した第1集(CHAN 10413)に続く第2集
では、"歌劇"からの管弦楽作品がテーマ。
意外にも(!?)代表作「売られた花嫁」の序曲で幕を開けたと思いきや、「秘
密」、「リブシェ」「悪魔の壁」、そしてスメタナ最初のオペラ「ボヘミアの
ブランデンブルク人」などからの管弦楽作品が次々と取り上げられるなど、ノ
セダ&BBCフィルの凄まじい広さのレパートリーに改めて驚かされること間違
い無し!

CHAN 10529 3枚組 \4360
ヴォーン=ウィリアムズ:映画音楽集-コレクターズ・エディション ――
《南極のスコット》組曲 ―― 完全版による世界初録音(ホッジャー編)/《沿
岸警備隊》組曲/人々の土地(ホッジャー編)/《潜水艦轟沈す(49度線)》組曲
(ホッジャー編)/ディム・リトル・アイランド(ホッジャー編)/《エリザベス
のイングランド》組曲(ホッジャー編)/《あるベルギー農場の物語》組曲/
ジョアナ・ゴディンの恋(ホッジャー編)/大荒原(ホッジャー編)
ラモン・ガンバ(指揮)、
BBCフィルハーモニック、
メリン・ガンバ(ソプラノ)、シェフィールド・フィルハーモニック合唱団、
エミリー・グレイ(ソプラノ)、マーティン・ハインドマーシュ(テノール)、
チータム室内合唱団、マンチェスター女声室内合唱団
クラシックの大作曲家たちが持つ"映画音楽の作曲家"としての姿を紹介するロ
ングセラー、"シャンドス映画音楽シリーズ(Chandos Movies)"。
これまでにリリースされたヴォーン=ウィリアムズの3枚の映画音楽集を、スタ
イリッシュでハイ・クォリティのパッケージに収めたコレクターズ・エディショ
ン(ボックス・セット)が登場!
1940年代に上演された「南極のスコット」や「潜水艦轟沈す」から、日本未公
開作品の音楽、完全版による世界初録音など、ファン垂涎の音源が満載!
演奏はもちろんシリーズの看板コンビであり、安定したパフォーマンスに定評
があるラモン・ガンバ&BBCフィルハーモニック。映画&映画音楽ファン、英国
音楽愛好家など様々なリスナーにオススメです!

CHAN 10527 \2180
タンスマン:ピアノ作品集 ――
マズルカ曲集第1巻/ピアノ・ソナタ第1番《田舎風》/ソナチネ第3番/ブルー
スの形式による3つの前奏曲/4つの夜想曲/友人のアルバム
マーガレット・フィンガーハット(ピアノ)
カエターニ&メルボルン響の"交響曲集Vol.1-3"が大きな支持を得ているシャン
ドスのタンスマン・シリーズに加わるのはピアノ作品集。
ポーランドのウッチ市で生まれフランスに渡り、ナチスの迫害から逃れるため
にアメリカへ亡命するなど、時代に翻弄されたタンスマンのピアノ作品を、シャ
ンドス初期から活躍を続ける女流ピアニスト、マーガレット・フィンガーハッ
トが弾く!
約20年前にリリースされた「ルーセルへのオマージュ」(CHAN 8578/廃盤)で
弾いたタンスマンの「子守歌」に魅せられてしまったというフィンガーハット。
ラヴェル、プーランク、ミヨーとストラヴィンスキーの音楽、そして祖国ポー
ランドやユダヤの民族音楽など、様々な音楽からの影響を放つタンスマンのピ
アノ作品集のレコーディングは、フィンガーハットにとっても20年越しの悲願
だったのである!
また、自身の曽祖父母とタンスマンの出身地が偶然に同じだったという事実も、
フィンガーハットの探究心を駆り立てる大きな要素になったのだという。
タンスマンのレコーディングに力を注いできたシャンドスが贈る「ピアノ作品
集」。

CHAN 10526 \2180
ロシアのヴァイオリン作品集 ――
カバレフスキー:即興曲Op.21
ヴォルコンスキー:ヴィオラ・ソナタ(世界初録音)
ハンドシキン:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ト短調
プロコフィエフ:バレエ音楽《シンデレラ》からの5つの小品
ストラヴィンスキー:ロシアの歌、ロシアの踊り
リディア・モルドコヴィチ(ヴァイオリン&ヴィオラ)、
ニコラス・ウォーカー(ピアノ)、ジュリアン・ミルフォード(ピアノ)
父ヤルヴィとのタネーエフ&リムスキー=コルサコフ(CHAN 10491)、バツェヴィ
チ&エネスコ(CHAN 10476)での壮絶な演奏で健在振りをアピールしてくれた露
西亜の百戦錬磨リディア・モルドコヴィチ。
この「ロシアのヴァイオリン作品集」では、カバレフスキー、プロコフィエフ、
ストラヴィンスキーから、アンドレイ・ヴォルコンスキー(1933-2008)、イワン
・ハンドシキン(1747-1804)など、文字通り祖国ロシアの音楽のみを取り上げ、
しかもヴァイオリンとヴィオラを持ち替えるなど大車輪の如き活躍を展開!
英国王立音楽院から貸与されている"ストラディヴァリウ1699(Kustendyke)"の
ヴァイオリンと、"ランドルフィ1760"のヴィオラを自由自在に操る女帝モルド
コヴィチの濃厚なロシア音楽の世界。ちなみにシャンドスの録音でヴィオラを
弾くのは今回が初となる。

CHAN 10546 \2180
ロータ:交響曲第1番ト長調/同第2番ヘ長調
マウリツィオ・コンティ(指揮)、フィラルモニカ‘900
「ゴッドファーザー」の音楽の作曲者にして、イタリアが全世界に誇る20世紀
映画音楽界の巨匠ニーノ・ロータ(1911-1979)。映画音楽の作曲家としての功績
があまりにも大きすぎるため、その影に隠れがちなロータのクラシック作品。
しかしながらロータ本人が「自身の本業はクラシックの作曲家である」と公言
していただけに、祖国イタリアのオーケストラによる録音の登場が、"クラシッ
ク音楽の作曲家"としてのロータの評価とイメージを高める重要な機会となるこ
とは間違いないだろう。
1993年に創設されたトリノ・テアトロ・レッジョのオーケストラ、フィラルモ
ニカ‘900と、ロータのスペシャリスト、マウリツィオ・コンティのタッグによ
る「交響曲集」は、クラシック&映画音楽ファン共に聴き逃すべからず!

CHAN 10528 \2180
L・バークリー:歌曲集 ――
ツグミ/コクトーのトンボー/ハウ・ラヴ・カム・イン/コルドバの鐘/オー
デンの5つの詩Op.53/5つのヘリックの詩Op.89/秋の伝説Op.58/秋Op.60-3/
5月1日のオード/ソネットOp.102/5つの中国の歌Op.78
ジェイムズ・ギルクリスト(テノール)、アンア・ティルブルック(ピアノ)、
アリソン・ニコルズ(ハープ)
医療と音楽の道を両立させながらキャリアを積み重ね、1996年に音楽への専念
を決意するという異色の経歴を持つイギリスのテノール歌手ジェイムズ・ギル
クリスト。
ソリストとしての登場が多かったギルクリストのシャンドス初となるソロ・ア
ルバムは、ブーランジェへの師事、カトリック改宗など、20世紀のイギリスで
異彩を放ったレノックス・バークリー(1903-1989)の歌曲集。
ブーランジェに師事するためにパリに渡った最初の年の作品「コクトーのトン
ボー」など、イギリス的であり、時にはフランス的でもある"サー"バークリー
の歌曲を、レコーディングを切望してきたギルクリストが歌う ――。

CHAN 0760 \2180
かくも甘い苦悩 -
モンテヴェルディ:このすばらしい合奏/あなたを愛しています、私の生命よ
/ああ、美しいその顔/西風が帰り、甘美な息吹で/西風が帰り、美しい季節
を運ぶ/ああ、恋人はどこに/かくも甘い苦悩/天と地と風が沈黙し/今や天
も地も/情け知らずの女たちのバッロ
ロバート・ホリングワース(ディレクター)、
イ・ファジョリーニ、バロック・ソロイスツ
イ・ファジョリーニは、オックスフォード大学の学生たちによって1986年に結
成され、2006年5月にはロイヤル・フィルーハーモニック協会から"アンサンブ
ル・アウォード"を授与されたイギリスのバロック・アンサンブル。
曲集ごとにまとめた録音を行わず、マドリガーレ集第5巻、第6巻、第8巻などか
らチョイスされた"マドリガーレ"で構成される画期的なプログラム、シャンド
スでは珍しいジャケット・デザインはシリーズ第3弾でも健在。
16世紀-21世紀間の様々な要素を取り入れたモンテヴェルディで、イ・ファジョ
リーニがイタリアのグループ優位という世評に立ち向かう!



<Tmpani>
2C 2114 2枚組 \4600
ブッソッティ:ソリストと合唱、管弦楽のための《カタログの歌》
マルクス・ブレンニマン(フルート)、オリヴィエ・ラルエット(バリトン)、
フィリップ・カーン(バス)、フィリップ・コッホ(ヴァイオリン)、
イラン・シュナイダー(アルト)、
アルトゥーロ・タマヨ(指揮)、
ルクセンブルク・フィルハーモニック管弦楽団
作曲家であると同時に、ピアニスト、画家、イラストレーター、舞台監督、学
者など様々な顔を持つイタリアの奇才、シルヴァーノ・ブッソッティ(1931-)の
野心作がタマヨ&ルクセンブルク・フィルの演奏でティンパニからリリース。
通常の記譜法とは全く違う、絵画にも通ずる大胆な図形楽譜の考案者としても
知られるブッソッティ。
この「カタログの歌」の録音は、"音楽"という枠を超越しているブッソッティ
の発想力、難解で壮絶な作品を一糸乱れぬアンサンブルで繰り広げてゆくタマ
ヨ&ルクセンブルク・フィルの機動力が実現させた現代イタリアを代表する巨
星の記念碑である。2006年9月の録音。

1C 1164 \2300
クセナキス:管弦楽作品全集Vol.1 ――
アイス-バリトン、打楽器独奏と管弦楽のための/描かれたもの/痕跡/
ノーメナ/ロアイ
アルトゥーロ・タマヨ(指揮)、
ルクセンブルク・フィルハーモニック管弦楽団、
スピロス・サッカス(バリトン)、ベアトリス・ドーダン(打楽器)
先にリニューアルされた管弦楽作品集第2巻(1C 1158/M1C 1062)を追う形で
"第1集"が新装リリース。
10段楽譜に記された16声部の演奏を要求される超難曲「シナファイ」、第2ピア
ノ協奏曲「エリフソン」へと続くタマヨ&ルクセンブルク・フィルによるクセ
ナキス・レガシーの原点です。
(今回の移行再発売に伴い旧盤の「1C 1057」は廃盤となります)

1C 1171 \2300
マニャール:管弦楽作品集 ――
正義の賛歌Op.14/古典風の様式による管弦楽組曲Op.2/挽歌Op.9/序曲Op.10
/ヴィーナスの賛歌Op.17
マーク・ストリンガー(指揮)、ルクセンブルク・フィルハーモニック
ハイペリオンからリリースされた交響曲全集(CDD 22068)が好評を博している近
代フランスの作曲家アルベリク・マニャール(1865-1914)。
マニャールは生涯21作しか遺しておらず、クセナキスの作品集でお馴染みの超
人集団、ルクセンブルク・フィルの演奏による管弦楽集も非常に貴重な音源と
して重宝されたもの。
(今回の移行再発売に伴い旧盤の「1C 1067」は廃盤となります)

1C 1168 \2300
サクル:歌曲集 ――
ジョルジュ・シェアデの5つの詩/アポリネールの5つの詩/扇のための7つの句
/黒い心/「語彙集」の6つの詩/演奏/6つの新しい扇/ヴェルレーヌの3つの
詩/ロベール・デノの3つの詩/「生活必需品」からの4つの例/ジョルジュ・
シェアデの3つの詩
フローランス・カス(メゾ・ソプラノ)、
ジャン=フランソワ・ガルデイユ(バリトン)、ビリー・エイディ(ピアノ)
現代フランスの作曲家ギイ・サクル(1948-)の歌曲集も他のレーベルではなかな
かお目にかかれない珍しい逸品。
サクルの名を広める役割を果たしているティンパニからは、この歌曲集の他に
ビリー・エイディの弾くピアノ作品集(1C 1026)がリリースされている。
(今回の移行再発売に伴い旧盤の「1C 1051」は廃盤となります)

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09-05 No.30-1

2009年05月27日 13時26分18秒 | Weblog
<NAXOS> 各1枚 \1000
8.572048
1-7.ツェムリンスキー:抒情交響曲Op.18
8-10.ベルク:抒情組曲より3つの小品(弦楽合奏版)第2曲アンダンテ・アモロー
ソ/第3曲アレグロ・ミステリオーソ/第4曲アダージョ・アパッショナート
演奏:ローマン・トレーケル(Br)…1.3.5.7/トワイラ・ロビンソン(S)…2.4.6
/ヒューストン交響楽団/ハンス・グラーフ(指揮)
愛しい人を奪われたマーラーに対して、終生尊敬と恨みの思いを抱き続けたで
あろうツェムリンスキー(1871-1942)の代表作であるこの曲は、テキストこそイ
ンドの詩を用いてはいるものの、明らかに「大地の歌」の影の中にあるのは周
知の事実です。2人の独唱者によって歌われる狂おしい愛の世界を彩る管弦楽の
響きは、爛れた果物の甘さと香りそのもの。爛熟した時代を克明に映し出した
「大人のための童話」です。そして、この曲から生まれたベルク(1885-1935)の
抒情組曲の頃、世界は暗黒の時代を迎えていくことになります。牛肉も果物も
腐る前が一番美味しいとは良く言ったものですね。名バリトン、トレーケルの
名唱が光ります。

8.570988
ハチャトゥリアン(1903-1978):
1.ヴァイオリンと管弦楽のためのコンチェルト・ラプソディ変ロ短調
2-4.ヴァイオリン協奏曲ニ短調
演奏:ニコラス・ケッケルト(vn)/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
ホセ・セレブリエール(指揮)
最近大流行のハチャトゥリアン(1903-1978)は、アルメニアで生まれモスクワ音
楽院で学び、アルメニアやコーカサス地方の民謡を積極的に取り入れた、色彩
豊かで躍動的な音楽を多数作り、ロシアの作曲家たちとは一線を画す特異な地
位を築きあげた人です。代表作の一つである「ヴァイオリン協奏曲」は名手オ
イストラフに献呈されたもので、フルートなどでも演奏される機会が多いので
すが、やはり上手いヴァイオリンで聴くのは一味違います。NAXOSの期待のヴァ
イオリニスト、ケッケルトは文句なしの演奏を聴かせます。その20年後に書か
れた「コンチェルト・ラプソディ」はレオニード・コーガンに捧げられた曲。
こちらは更に濃厚な民族色を放つ狂おしい作品です。

8.570329
シューベルト:序曲全集第2集
1.序曲ニ長調D.556/2.イタリア風序曲ニ長調D.590/3.イタリア風序曲ハ長調
D.591/4.劇音楽「魔法の竪琴」D.644より序曲「ロザムンデ」/5.歌劇「双子
の兄弟」D.647より序曲/6.序曲ホ短調D.648/7.歌劇「アルフォンソとエスト
レッラ」D.732より序曲「ロザムンデ」/8.歌劇「謀反人たち(家庭戦争)」
D.787より序曲/9.歌劇「フィエラブラス」D.796より序曲
演奏:プラハ・シンフォニア/クリスティアン・ベンダ(指揮)
第1集が大好評だった「歌曲王」シューベルト(1797-1828)のオペラ序曲を聴く
シリーズの第2集です。今作は中期の作品を収録しています。現在では、彼のオ
ペラはほとんど聴く機会もないほどに忘れられてしまいましたが、彼自身はオ
ペラの作曲に対して大いなる自信と野望を抱いていたようです。それは作品を
聴いてみても明らか。具体的な題名は付されていないD.556の序曲から、何か
が始まる予感に満ちた冒頭部分と、朗らかで軽快な主題が見事な連なりを見せ
ています。比較的耳にする機会のある「フィエラブラス」や「アルフォンソと
エストレッラ」もこの機会に再度聴いてみてください。シューベルトの目指し
た世界に到達できるのではないでしょうか?

8.572111
偉大なる映画音楽集2
1.D.エルフマン:「バットマン」メインテーマ/2.H.マンシーニ:「ピンク.パン
サー」メインテーマ/3.L.シフリン:ミッション・インポシッブル組曲/4.F.レ
イ:「ある愛の詩」よりテーマ/5.J.ウィリアムス:「ジュラシック・パーク」
よりテーマ/6.N.ロータ:「ロメオとジュリエット」メインテーマ/7.J.ウィリ
アムス:「スーパーマン」よりマーチ/8.G.ヤレド:イングリッシュ・ペイシェ
ント/9.N.ロータ:ゴッド・ファーザー/10.J.ウィリアムス:「スーパーマン」
より愛のテーマ/11.K.バデルト:「カリブの海賊」メインテーマ/12.S.マイヤ
ーズ:「ディアハンター」よりイントロダクションとカバティーナ/13.C.デイ
ヴィス:「フランス軍中尉の女」メインタイトルテーマ/14.S.ワーベック:
「シェイクスピアの愛」メインテーマ
演奏:ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団/カール・デイヴィ
ス(指揮)
これは文句なしに楽しめる1枚です。どの曲もほんの2秒聴いただけで映画の名
場面が目の前に浮かびます。どきどきするような「バットマン」や「スーパー
マン」のテーマ、弦のすすり泣きで、ついつい涙ぐんでしまいそうな「ある愛
の詩」や「ゴッドファーザー」。どこから聴いても驚きと感動が押し寄せてき
ます。「ジュラシック・パーク」もあの有名なメロディが出てくると背中がぞ
くぞくすること請け合いです。カール・デイヴィスの編曲は原曲の持ち味を一
切壊すことなく、その上にゴージャス感を付けくわえています。
第1集(8.570505)も好評発売中。

8.570931
マルトゥッチ:管弦楽作品全集第3集
1-3.ピアノ協奏曲第1番ニ短調Op.40
4-10.追憶の歌(管弦楽伴奏版)第1曲「いいえ、色の褪せてしまった夢」/第2曲
「小川が歌う大地の歌」/第3曲「エニシダの花」/第4曲「海上に小舟が」/第5曲
「漠然とした私のつぶやき」/第6曲「深い森に」/第7曲「いいえ、色の褪せて
しまった夢」
演奏:ジュズアルド・コッジ(ピアノ)…1-3/シルヴィア・パジーニ(メゾ・ソプ
ラノ)…4-10/ローマ交響楽団/フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
その生涯に1曲もオペラを書くことがなく、初期に書いたミサ曲なども長らく上
演されなかったマルトゥッチ(1856-1909)の唯一愛されている声楽曲が、この
「追憶の歌」です。当時のイタリアでは管弦楽伴奏の連作歌曲というものの存
在が知られておらず(彼は恐らくベルリオーズの「夏の夜」は知っていたと思わ
れますが)その面でもきわめて珍しい作品として評価されることでしょう。曲の
雰囲気は「四つの最後の歌」にも似た甘やかでデリケートなもの。幽かに胸が
締め付けられるような黄昏の美しさを存分に湛えています。ピアノ協奏曲は23
歳の若き時期の作品です。

8.570879
マリピエロ:交響曲集第2集
1-3.静寂と死の交響曲
4-7.交響曲第1番「四季の如く4つのテンポで」
8-11.交響曲第2番「悲歌」
演奏:モスクワ交響楽団/アントニオ・デ・アルメイダ(指揮)
同時代に活躍したレスピーギに比べると、どうしても知名度の点で劣ってしま
うのですが、独自の作品を書いたという面では、このマリピエロ(1883-1973)の
存在価値はとても高いものだと思われます。ここに収録された3つの作品のうち
第1曲目は初期のもの。30歳のころに新古典派に目覚めた彼はそれまでに書いた
作品を全て自己否定してしまった中の一つです。実はとても素晴らしいのです
が・・・。それから20年を経て、番号付きの作品を書き始めた彼の作風の変化
もお楽しみいただけます。
MARCOPOLO8.223603より移行盤

8.570597
F.X.リヒター:6つの大交響曲集
1-3.交響曲第4番ハ長調/4-6.交響曲第59番変ロ長調/7-9.交響曲第69番イ長調
/10-13.交響曲第82番ホ短調/14-16.交響曲第27番ト短調/
17-20.交響曲第5番ハ長調
演奏:ヘルシンキ・バロック・オーケストラ/アーポ・ハッキネン(指揮)
マンハイムの作曲家F.X.リヒター(1709-1789)の最も脂の乗った時期の大交響曲
を6曲収録しました(第1集8.557818も好評発売中)。1744年に発表されたこれら
の作品は、極めて整ったゆったりした楽章と、見事な対位法の粋を極めた早い
楽章から出来ています。少しだけ遅く生まれたワーゲンザイル(1715-77)が当時
の先端を行くスタイルを模索したのに比べ、リヒターはバロックの伝統を熟成
させることに力を注ぎ、確固たる作品を作り上げて行きました。ハッキネンと
ヘルシンキ・バロックは作品の美質をこの上ないほど素晴らしく再現すること
に成功したのです。

8.572138
ショスタコーヴィチ:女友だち他
1-23.映画音楽「女友だち」完全版Op.41(フィッツ=ジェラルドによる復元版)
/24-29.劇音楽「ブリタニアを支配せよ!」Op.28/30-38.劇音楽「スペインに
敬礼」Op.44/39.交響的断章(交響曲第9番の第1楽章)(1945年未完)
演奏:セリア・シーン(テルミン)…1-23/カミル・バルチェウスキ(バス)…
30-38/カメラータ・シレシア…1-38
ポーランド国立放送カトヴィツェ交響楽団
マーク・フィッツ=ジェラルド(指揮)
昨年リリースの女ひとり(8.570316)も大好評ですが、こちらはもっと珍しいショ
スタコーヴィチ(1906-1975)の映画音楽「女友だち」です。この映画は3人の少
女が成長し、南北戦争で看護婦として活躍する物語。社会主義の体制の中での
女性の社会進出を描いた興味深い内容でもあります。いつものようにF=ジェラ
ルドによる復元版を使用したこの演奏は、いつものように絢爛豪華なオーケス
トレーションで聴き手を魅了します。この盤は他にも世界初録音となる3つの作
品が含まれています。交響的断章は、交響曲第9番のスケッチと考えられ、こち
らもまことに興味深い内容です。

8.559365
フット:フランチェスカ・ダ・リミニ他
1.フランチェスカ・ダ・リミニOp.24/2-3.セレナーデOp.25より抜粋<エア
(1889)/ガヴォット(1866)>/4-7.オマル・ハイヤームの「ルバイヤート」によ
る4つの性格的小品Op.48(1900)/8-10.組曲ホ長調Op.63(1907)
演奏:シアトル交響楽団/ジェラード・シュワルツ(指揮)
多くの人は「アメリカ近代音楽の歴史はコープランド、もしくはガーシュウイ
ン、コール・ポーターから始まった」と考えているはずです。しかし、それ以
前に多くのすぐれた作曲家が存在したことも忘れてはなりません。このフット
(1853-1937)もそんな才能溢れる作曲家の一人です。1853年にマサチューセッツ
のサレムに生まれ、主にボストンで生活していましたが、彼の作風はこのアル
バムをお聴きいただいてもわかる通り、同世代の作曲家たちとは一線を画した
ものでまさにヨーロッパ風。それもブラームスの流れを汲むロマン派の音楽そ
のものです。劇的で重厚な「フランチェスカ・ダ・リミニ」。とりわけ弦の扱
いには細心の注意が払われ、エルガーやチャイコフスキーの面影を感じさせる
「セレナーデ」、他、小さな作品など、まさに隠れた名品ばかりが並びます。

8.572108
隠された空き地他
1-3.G.ジェイコブ(1895-1984):
組曲変ロ長調(シンフォニック・ウィンド・バンド版)(1979)
4.J.スタンプ(1954-):隠された空き地に-イン・ザ・ヒド・クリアリング(2001)
5.コープランド(1900-1990):
リンカーンの肖像(管楽アンサンブル版・・・ビーラー編)(1942)
6.グレインジャー(1882-1961):
楽しい鐘の音(J.S.バッハ:カンタータ「わが楽しみは、元気な狩のみ」BWV208
による編曲)
7.グレインジャー:カントリー・ガーデンズ(スーザ編)
8-16.ガーシュウイン(1898-1937):
キャットフィッシュ・ロウ(D.ハンスバーガー編)
演奏:アルヴィン・チアー(ナレーター)…5/ジョー・エッラ・トッド(ソプラノ)
…8-16/デリック・フォックス(バリトン)…8-16/ミズーリ大学シンフォニッ
ク・ウィンド・アンサンブル/トーマス・オニール(指揮)
最近のNAXOSが力を入れている「吹奏楽」のジャンルにまた新たな名盤が登場い
たしました。今作もマニアにはたまらない選曲となっています。ジェイコブの
「組曲」は最初ブラスのために書かれましたが、後にもう少し大きな編成へと
書き直されたもので、何とも親しみやすい作品です。「隠された空き地に」は、
このバンドの指揮者オニールのために書かれた作品。作曲家と指揮者の友情を
描いたということです。他の編曲集はまさに妙技の一言。グレインジャー、ス
ーザ、バッハ、ガーシュウインらの才能が混然一体となったスゴイ音が楽しめ
ます。

8.570412
スクリャービン:ピアノ作品集
1.ワルツ変ニ長調Op.posth./2.ワルツへ短調Op.1/3.ポロネーズ変ロ短調
Op.21/4.幻想曲ロ短調Op.28/5-6.2つの詩曲Op.32<第1番嬰へ短調/第2番ニ長
調>/7.悲劇的詩曲Op.34/8.悪魔的詩曲Op.36/9.ワルツ変イ長調Op.38/10.
詩曲変ニ長調Op.41/11-13.3つの小品Op.52詩曲/なぞ/やつれの詩曲/14.アル
バムの綴りOp.58/15.詩曲「炎に向かって」Op.72/16-17.2つの舞曲Op.73<花
踊り/暗い炎>
演奏:シャイン・ワン(ピアノ)
スクリャービン(1872-1915)の珍しい初期作品から悪魔的様相を見せる晩年の作
品まで全てを楽々と弾きこなすのは中国生まれのシャイン・ワン。確かなテク
ニックは勿論のこと色彩的な音楽を壮大に表現できる現代でも稀有の才能です。
スクリャービン14歳の作品である2つのワルツからして油断して聴いている訳に
はいきません。まっすぐな道を歩いていたのに、いつの間にか別の世界へ行っ
てしまうような不安感が漂う作品です。作品番号順に収録されているので聴き
進むうちに聴き手の心は一層混迷の度合いを増していくことでしょう。そんな
ミステリアスな世界を安心して彷徨える素晴らしい演奏です。

8.570894
スウェーリンク:ハープシコード作品集
1.前奏曲(幻想曲)SwWV265/2.「戦いの神マルス」による変奏曲SwWV321/
3.ドリア旋法による半音階的幻想曲SwWV258/4.フィリッピのパヴァーヌSwWV
329(フィリップス作、スウェーリンク編)/5.「わが青春の日は既に過ぎたり」
による変奏曲SwWV324/6.ドリア旋法によるトッカータSwWV286/7.「いと高き
ところにいます神にのみ栄光あれ」による変奏曲SwWV299/8.イオニア旋法に
よるエコー・ファンタジーSwWV253/9.「もしも運命の女神に愛されるなら」
による変奏曲/10.パッサメッツォ・モデルノSwWV326/11.涙のパヴァーヌ
SwWV328(ダウランド作、スウェーリンク編)/12.いざ来れ、異教徒の救い主よ
(ルター作コラール、オジアンダーによる和声付け)/13.第1旋法による4声の
演奏:グレン・ウィルソン(ハープシコード)
ネーデルランドのオルガニストであったスウェーリンク(1562-1621)は、様々
な素晴らしいオルガンとハープシコードの作品を残しました。変奏曲の形式の
発展に力を尽くしたことで知られ、対位法の扱いはもちろんのこと、フーガの
発展性などには、バッハを先取りする斬新な作風が見てとれます。3曲目に置
かれた「半音階的幻想曲」の冒頭などを聴いていると、とても16-17世紀に書
かれた音楽とは思えないくらいです。多くの変奏曲も収録されていますが、そ
のどれもが美しい唐草模様に彩られたメロディの宝庫と言えましょう。最後に
置かれた2曲の作品は、スウェーリンクの作ではありませんが、当時編纂され
た曲集に彼の作品とともに収録されているもので、恐らくスウェーリンクの創
造心にも影響を与えているものと思われます。

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09-05 No.30-2

2009年05月27日 13時24分45秒 | Weblog
8.572185
ニュージーランドのギター音楽集夢見るプロスペロウ他
リルバーン:1-17.17のギターのための小品…全集として初録音/18-19.ギター
のための出版されなかった小品集…初録音/20-23.4つのカンツォーナ…初録音
/フォーカー:24-28.組曲/29.夢見るプロスペロウ
演奏:グンター・ヘルビッヒ(ギター)
ニュージーランドで最初にクラシック・ギターへの関心が高まったのは1950年
代の終わり頃。画家でもありギタリストでもあったR.バーン(1928-2007)が英国
から移住しウェリントンでギターを教え始めた頃から人々はギターに対する大
いなる憧憬を抱いたのです。バーンの影響はものすごかったのでリルバーン
(1915-2001)やフォーカー(1928-2007)をはじめとする数人のニュージーランド
の作曲家は彼に自作を捧げました。1960年代にE.ビボービ(国際的名手、教師)
もオークランドに定住。さらにこの国のギター界に活気がもたらされました。
以降J.ブリームやこのアルバムの奏者G.ヘルビッヒもニュージーランドをとり
わけ大切にしています。

8.572306
期待の新進演奏家シリーズガブリエル・ビアンコギター・リサイタル
1.シューベルト:涙の賛美D.711(メルツ編曲)/2-3.メルツ(1806-1856):吟遊詩
人の調べOp.13よりカプリッチョ/タランテラ/4.悲歌/5.ハンガリー風幻想曲
Op.65-1/6-9.J.S.バッハ(1685-1750):無伴奏ヴァイオリンのためのソナタハ長
調BWV1005(ギター編曲)アダージョ/フーガ/ラルゴ/アレグロ・アッサイ/
10-12.コシュキン(1956-):ギターのためのソナタ(1997)
演奏:ガブリエル・ビアンコ(ギター)
各界で熱き視線を一身に浴びる「NAXOS期待の新進演奏家シリーズ」に、フラン
ス生まれの若きギタリストの登場です。彼の名前はガブリエル・ビアンコ。
2008年GFA国際コンクールの第1位を獲得した俊英です。5歳からギターをはじ
め、20歳の時にパリのコンセルヴァトワールで一等賞を得て卒業。15歳から世
界各地でコンサートを行い高い評価を受けています。繊細な音色と良く回る指、
そして旋律の歌わせ方は絶品。このアルバムに収録されたメルツの作品でのす
すり泣くような表現には思わず絶句するほどの才能の煌めきを感じます。

8.570748
ベリオ:2台のヴァイオリンのための作品集
1-3.二重協奏曲第1番ト短調Op.57No.1/4-6.二重協奏曲第2番ホ短調Op.57No.2
/7-9.二重協奏曲第3番ニ長調Op.57No.3/10-15.バレエ「スペインの王子」の
モティーフによる6つの性格的小品第1番ト長調アダージョ/第2番ハ長調モデラ
ート、行進曲のテンポで/第3番変ホ長調アンダンテ・カンタービレ/第4番ハ
短調ファンダンゴのテンポで/第5番イ短調アンダンティーノ/第6番ニ長調
ボレロのテンポで
演奏:クリスティーネ・ゾーン&ジョン・マルクス(ヴァイオリン)
その作品を聴かれることよりも、どちらかと言うと演奏される機会の多いC-A.
デ・ベリオ(1802-1870)ですが、こうして色々な曲を聴いてみると、改めてその
多彩な作曲技法と音楽性に拝復する他ありません。このアルバムに収録された
「」は2台のヴァイオリンが追いかけ合い、絡み合う魅力的な作品。ピアノなど
の他の楽器の助けを借りず、ひたすらヴァイオリンのみで華やかな世界を見せ
てくれます。「6つの性格的小品」はスペインの様々なリズムを用いた興味深い
曲。セレナード調であったり激しい踊りであったりと一時も耳を飽きさせるこ
とがありません。ゾーンとマルクスの緊迫感溢れる演奏で。

8.572019
サン・リュバン:ヴァイオリン超絶技巧作品集第1集
1-4.協奏的大ニ重奏曲Op.49/5.「ランメルモールのルチア」の主題による幻想
曲Op.46/6.創作主題とタールベルクの練習曲Op.45a/7.アダージョ・レリジオ
ーゾOp.44/8.オベールの歌劇「許婚」の主題によるポプリOp.35/9-10.2つの
サロン風小品Op.47-1<夜想曲/ロンディーノ>/11-12.2つのサロン風小品
Op.47-2夜想曲/ポロネーズ
演奏:アナスタシア・ヒトルーク(ヴァイオリン)
エリザベータ・コペルマン(ピアノ)
このヴァイオリンにおける独自の才能を示した作曲家サン・リュバン(1805-
1850)は、フランス革命の後に、語学教師としてイタリアに移住した士官の息子
として1805年にトリノで生まれました。幼い頃の彼については何もわかってい
ません(もちろん音楽辞書にも載っていませんし、彼を研究している音楽学者も
いません)が、成長してからは、ベートーヴェンとも会ったことがあり、ヴァイ
オリン協奏曲の小さなカデンツァを献呈したという記録が残っています。1827
年頃パガニーニの完璧な技巧に魅了された彼はウィーンで生活することを決意
しました。リスト、シュポア、メンデルスゾーンらとも交流のあったという、
そんな彼の忘れられた作品集が、若きアメリカの名手ヒトルークの手によって
21世紀に甦りました。

8.553378
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲集第8集
1-4.弦楽四重奏曲第3番ニ長調B.18
演奏:プラハ・ヴラフ弦楽四重奏団/ヤナ・ヴラコーヴァ(第1ヴァイオリン)
/カレル・スタッドゼール(第2ヴァイオリン)/ペトル・ヴァマー(ヴィオラ)
/ミカエル・エリクソン(チェロ)
30歳を目前に控えた若きドヴォルザーク(1841-1904)の大作、弦楽四重奏曲第3
番です。あまりにも長すぎるという理由で、ほとんど演奏されることのない作
品で、実際の演奏会のプログラムに載せるにはかなり大胆なカットが必要かも
しれないとされていますが、作品の冒頭から溢れ出る若々しい情熱の滾りは、
そのような欠点を補って余りあるものではないでしょうか。第3楽章で使われる
勇ましいメロディは当時流行ったチェコの愛国歌をモティーフとしています。

8.570998
ベートーヴェン:ピアノ四重奏曲集WoO36
1-3.ピアノ四重奏曲ハ長調WoO36-3/4-6.ピアノ四重奏曲変ホ長調WoO36-1/
7-9.ピアノ四重奏曲ニ長調WoO36-2
演奏:ニュージーランド・ピアノ四重奏団
リチャード・マップ(ピアノ)/ユーリ・ゲゼンツヴェイ(ヴァイオリン)/ドナ
ルド・モーリス(ヴィオラ)/ダヴィッド・チッケリング(チェロ)
神童というと、どうしてもモーツァルトを思い浮かべてしまいますが、15歳に
してこんなに見事なピアノ四重奏曲を書いたベートーヴェン(1770-1827)だっ
て、紛れもない神童に違いありません。例えばハ長調の曲の第1楽章。冒頭こ
そハイドンや、モーツァルトの面影を感じさせますが、展開部で劇的に短調に
転ずるところなどは、まさしくベートーヴェンそのもの。(ちなみにあの名ピア
ニスト、アルゲリッチも愛奏している作品です)。またアダージョで始まる変
ホ長調の第1楽章は瞬間的にですが、ピアノ協奏曲第3番の第2楽章を思わせて
もくれるほどの悩ましい音楽です。第3楽章で各々の楽器が自由に歌い交わす
ところなども、抱きしめたくなるほど魅力的です。

8.570402
トゥリーナ:ヴァイオリンとピアノのための音楽集
1-3.ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.51/4-6.ヴァイオリン・ソナタ第2番「スペ
イン風」Op.82/7.アンダルシアのムーサたちOp.93より第2番「エウテルペ」
/8-11.サンルケーニャの娘の詩Op.28/12.古風な変奏曲Op.72
演奏:エヴァ・レオン(ヴァイオリン)/ホルディ・マソ(ピアノ)
トゥリーナ(1882-1949)の作品には、なぜかこう聴き手を幸せにする成分が含ま
れているように感じます。それは、ほんの微かなスペインの香りであったり、
洒落たメロディであったり、またエキゾチックな和声であったり。と感じる人
によって捉え方は様々でしょう。NAXOSレーベルの中でも重要な位置を占めるピ
アノ作品集に加え、このヴァイオリン作品集もそんな魅力に満ち溢れた素敵な
アルバムです。往年の名女性ヴァイオリニスト、ジャンヌ・ゴーティエに捧げ
られた「ヴァイオリン・ソナタ第1番」は彼が47歳の時の作品。第1楽章と第2楽
章の気だるい美しさは初夏の午後の日差しを思わせる眩しい美しさに溢れてい
ます。他の曲からも熟れた空気と熱い吐息が流れてくるかのようです。

8.570507
アイアランド:ピアノ三重奏曲集
1.幻想的三重奏曲イ短調/2.ピアノ三重奏曲第2番ホ調/3-6.ピアノ三重奏曲
第3番ホ調/7.ヴァイオリンとピアノのための子守歌/8.ヴァイオリンとピアノ
のためのカヴァティーナ/9.ヴァイオリンとピアノのためのバガテル/10.
「聖なる少年」(ヴァイオリンとピアノ編)
演奏:グールド・ピアノ三重奏団
ルーシー・グールド(ヴァイオリン)/アリス・ニアリー(チェロ)…1-6のみ
/ベンジャミン・フリス(ピアノ)
イギリスの裕福な実業家、W.コベットは「若きイギリスの作曲家の才能を発掘
する」目的で室内楽コンクールを主催することを考えました。第1回の1905年の
コンクールには67の作品が集まり、見事第1位を射止めたのはW.ハールストー
ン。第2位はアイアランド(1879-1962)と同じ年のF.ブリッジの作品が選ばれま
した。で、1907年の同コンクールで第1位の座に輝いたのが、このアイアランド
の幻想的三重奏曲でした。彼はそれからも創作の翼を広げ続け、独自の作品を
多く生み出すこととなったのです。1938年に初演された第3番の三重奏曲はウォ
ルトンに捧げられたものですが、雄大かつ幽玄な作風がきわめて魅力的と言え
るでしょう。そうそう、アイアランドと言えば、必ず付いてくる「聖なる少年」
も収録されています。今回はヴァイオリンとピアノ版です。

8.660272-73 2枚組
ストラヴィンスキー:歌劇「放蕩者のなりゆき」1951年版
演奏:アン・トゥルーラヴ…ジェニー・ウェスト(ソプラノ)/トム・レイクウェ
ル…ジョン・ガッリソン(テノール)/トゥルーラヴの父…アルトゥール・ウッ
ドレイ(バリトン)/ニック・シャドウ…ジョン・チーク(バス・バリトン)/マ
ザー・グース…シャーリー・ラヴ(メゾ・ソプラノ)/トルコ女ババ…ウェンディ
・ホワイト(メゾ・ソプラノ)/競売人セレム…メルヴィン・ロウリー(テノール)
/病院管理人…ジェフリー・ジョンソン(バス)/グレッグ・スミス・シンガー
ズ/セント・ルークス管弦楽団/ロバート・クラフト(指揮)
ストラヴィンスキー(1882-1971)の新古典主義を代表する作品「放蕩息子のなり
ゆき」は、かなり理不尽で夢見心地な内容なのですが、多くの演奏家たちを魅
了してきたことでも知られ、最近では、あの大物指揮者アーノンクールでさえ
が振ってしまったことで話題となりました。このクラフトのものは様々な演奏
の中でもきわめてオーソドックスな解釈として知られるものです。各々の登場
人物のキャラの立ち具合、チェンバロまでを含んだ妙に整った音楽。作曲家と
実際に親交のあったクラフトならではの説得力ある音作りは、まさに「安心し
て聴ける」アブナイ音楽と言えるでしょう。

8.559624
シエッラ:ラテンのミサ曲「プロ・パーチェ」
演奏:ハイディ・グラント・マーフィ(ソプラノ)…1-7/ナタニエル・ウェブス
ター(バリトン)…2-7/ミルウォーキー交響楽団&合唱団/
アンドレアス・デルフス(指揮)
18世紀から19世紀にかけて、カトリックのミサから多くの素晴らしい作品が生
み出されました。その流れを汲み、新たに創造を凝らした作品を書いてみたい
と作曲家シエッラ(1953-)が試みたのがこのミサ曲「プロ・パーチェ」です。
シエッラが幼いころに過ごしたプエルトリコのカトリックの教会での体験が基
になっているというもので、その力強い祈りの歌声は多感な彼の心に大きな衝
撃を与えたというのです。荘厳で深淵なテキストを歌う背後に流れる情熱的な
ラテンのリズムが、聴き手に不思議な感動を呼び起こします。ワールドミュー
ジック好きにも歓迎されそうな音使いが新鮮です。

●ナクソス・ヒストリカル
8.111336
グレート・ヴァイオリニスト
バルトーク(1881-1945):
1-3.ヴァイオリン協奏曲第2番(1938)
4-6.ヴァイオリン・ソナタ第1番(1921)
演奏:フィルハーモニア管弦楽団
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)…1-3
アドルフ・ベイラー(ピアノ)…4-6
ユーディ・メニューイン(ヴァイオリン)
録音:1953年9月12-13日ロンドンEMIアビーロード第1スタジオ…1-3/1947年12
月29日ニューヨークRCA第2スタジオ…4-6マーク・オーバート=ソーン復刻
メニューインにおける「4つのB」とはバッハ、ベートーヴェン、ブラームス、
そしてこのバルトークでした。彼は1943年にソナタの第1番を演奏する際、バル
トークの元を訪れ助言を乞いました。しかし演奏会を聴いたバルトークは「素
晴らしい!私の助言など必要ない」と大賛辞を贈り、以降、病魔と闘いながら
もメニューインのために幾つかの作品を書きました。ここに収録されたヴァイ
オリン協奏曲は、そんなバルトークの熱意に触発されたかのような演奏で、現
在でもこれを超えるものはないほどの名演。20世紀を代表する演奏と言っても
過言ではありません。

8.111340
グレート・シンガーズ/ディ・ステファノナポリの歌
1.ディ・カプア:オー・ソレ・ミオ/2.トスティ:マレキアーレ/3.ファルヴォ:
彼女に告げて/4.デ・クルティス:泣かないおまえ/5.ディ・カプア:あなたの
口づけを/6.カルディッロ:カタリ・カタリ/7.デ・クルティス:帰れ、ソレン
トへ/8.ラマ:静けさに歌う/9.ナルデッラ:キオーヴェ/10.ダンニバーレ:太
陽の土地/11.マリオ:遥かなるサンタ・ルチア/12.ディ・カプア:マリア・マ
リ/13.ペルシコ:鳩/14.作者不詳(ベルリーニ編):光さす窓辺/15.チオフィ:
五月の一夜/16.デ・クルティス:夜の声/17.デ・クルティス:秋/18.テオドー
ロ:サンタ・ルチア/19.ヴァレンテ:情熱/20.デ・クルティス:孤独/21.タリ
アフェッリ:プジレコの漁夫
演奏:ジュゼッペ・ディ・ステファノ(テノール)/スタジオ・オーケストラ/
ディノ・オリヴィエリ(指揮)
録音:1953年4月-1957年5月マーク・オーバート=ソーン復刻
シチリア島の貧しい家庭に生まれたディ・ステファノは、合唱団で声楽の才能
を認められるも、なかなかオペラの舞台に立つ機が持てず第二次世界大戦中は
流行歌の歌手として糊口をしのぐ他ありませんでした。戦局悪化に伴いスイス
に逃亡、難民キャンプで暮らしたこともあります。しかしその本来の美声は常
に称賛の的となり、1945年にイタリアに戻ってからは少しずつオペラ歌手とし
ての活動の場を広げました。そんなキャリアのおかげで何を歌っても素晴らし
く、オペラから引退しても人気が衰えることはありませんでした。そんな彼が
得意としたナポリ民謡をたっぷりとお楽しみください。



<MarcoPolo>
8.225334 \1780
J.シュトラウス1世:作品集第14集
1.アデライーデ・ワルツOp.129/2.レーサーのワルツOp.131/3.新人デビュー
のワルツOp.132/4.エーガー川のワルツOp.134/5.ダンスの名人ワルツOp.135
/6.都会と田舎の生活ワルツOp.136/7.有名なアンナのポルカOp.137/8.幻想
的な人のワルツOp.139/9.ワルツ「音楽協会のダンス」Op.140
演奏:スロヴァキア・シンフォニエッタ/クリスティアン・ポラック(指揮)
J.シュトラウスの音楽をまとめて聴くシリーズの第14集です。今回も珍しい作
品で溢れています。なかでも面白いのは第2曲の「レーサーのワルツ」です。
当時流行の題材を何でもワルツにしてしまうシュトラウスの作風について、当
時の評論家たちは決して良い評価を与えていたわけではないようです。しかし
今ではこんなに興味深いものはありません。この「レーサーのワルツ」もそん
な1曲。1841年5月24日に実際に行われた競技が題材です。当時はおよそ9キロを
走るのに40分かけていたとか。だからこんなにゆったりとした曲調なのでしょ
う。ちなみに現在は10000メートル走の世界記録はおよそ26分です。これを音
で表せば、すごくせわしない曲になるでしょうね。

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