8.572185
ニュージーランドのギター音楽集夢見るプロスペロウ他
リルバーン:1-17.17のギターのための小品…全集として初録音/18-19.ギター
のための出版されなかった小品集…初録音/20-23.4つのカンツォーナ…初録音
/フォーカー:24-28.組曲/29.夢見るプロスペロウ
演奏:グンター・ヘルビッヒ(ギター)
ニュージーランドで最初にクラシック・ギターへの関心が高まったのは1950年
代の終わり頃。画家でもありギタリストでもあったR.バーン(1928-2007)が英国
から移住しウェリントンでギターを教え始めた頃から人々はギターに対する大
いなる憧憬を抱いたのです。バーンの影響はものすごかったのでリルバーン
(1915-2001)やフォーカー(1928-2007)をはじめとする数人のニュージーランド
の作曲家は彼に自作を捧げました。1960年代にE.ビボービ(国際的名手、教師)
もオークランドに定住。さらにこの国のギター界に活気がもたらされました。
以降J.ブリームやこのアルバムの奏者G.ヘルビッヒもニュージーランドをとり
わけ大切にしています。
8.572306
期待の新進演奏家シリーズガブリエル・ビアンコギター・リサイタル
1.シューベルト:涙の賛美D.711(メルツ編曲)/2-3.メルツ(1806-1856):吟遊詩
人の調べOp.13よりカプリッチョ/タランテラ/4.悲歌/5.ハンガリー風幻想曲
Op.65-1/6-9.J.S.バッハ(1685-1750):無伴奏ヴァイオリンのためのソナタハ長
調BWV1005(ギター編曲)アダージョ/フーガ/ラルゴ/アレグロ・アッサイ/
10-12.コシュキン(1956-):ギターのためのソナタ(1997)
演奏:ガブリエル・ビアンコ(ギター)
各界で熱き視線を一身に浴びる「NAXOS期待の新進演奏家シリーズ」に、フラン
ス生まれの若きギタリストの登場です。彼の名前はガブリエル・ビアンコ。
2008年GFA国際コンクールの第1位を獲得した俊英です。5歳からギターをはじ
め、20歳の時にパリのコンセルヴァトワールで一等賞を得て卒業。15歳から世
界各地でコンサートを行い高い評価を受けています。繊細な音色と良く回る指、
そして旋律の歌わせ方は絶品。このアルバムに収録されたメルツの作品でのす
すり泣くような表現には思わず絶句するほどの才能の煌めきを感じます。
8.570748
ベリオ:2台のヴァイオリンのための作品集
1-3.二重協奏曲第1番ト短調Op.57No.1/4-6.二重協奏曲第2番ホ短調Op.57No.2
/7-9.二重協奏曲第3番ニ長調Op.57No.3/10-15.バレエ「スペインの王子」の
モティーフによる6つの性格的小品第1番ト長調アダージョ/第2番ハ長調モデラ
ート、行進曲のテンポで/第3番変ホ長調アンダンテ・カンタービレ/第4番ハ
短調ファンダンゴのテンポで/第5番イ短調アンダンティーノ/第6番ニ長調
ボレロのテンポで
演奏:クリスティーネ・ゾーン&ジョン・マルクス(ヴァイオリン)
その作品を聴かれることよりも、どちらかと言うと演奏される機会の多いC-A.
デ・ベリオ(1802-1870)ですが、こうして色々な曲を聴いてみると、改めてその
多彩な作曲技法と音楽性に拝復する他ありません。このアルバムに収録された
「」は2台のヴァイオリンが追いかけ合い、絡み合う魅力的な作品。ピアノなど
の他の楽器の助けを借りず、ひたすらヴァイオリンのみで華やかな世界を見せ
てくれます。「6つの性格的小品」はスペインの様々なリズムを用いた興味深い
曲。セレナード調であったり激しい踊りであったりと一時も耳を飽きさせるこ
とがありません。ゾーンとマルクスの緊迫感溢れる演奏で。
8.572019
サン・リュバン:ヴァイオリン超絶技巧作品集第1集
1-4.協奏的大ニ重奏曲Op.49/5.「ランメルモールのルチア」の主題による幻想
曲Op.46/6.創作主題とタールベルクの練習曲Op.45a/7.アダージョ・レリジオ
ーゾOp.44/8.オベールの歌劇「許婚」の主題によるポプリOp.35/9-10.2つの
サロン風小品Op.47-1<夜想曲/ロンディーノ>/11-12.2つのサロン風小品
Op.47-2夜想曲/ポロネーズ
演奏:アナスタシア・ヒトルーク(ヴァイオリン)
エリザベータ・コペルマン(ピアノ)
このヴァイオリンにおける独自の才能を示した作曲家サン・リュバン(1805-
1850)は、フランス革命の後に、語学教師としてイタリアに移住した士官の息子
として1805年にトリノで生まれました。幼い頃の彼については何もわかってい
ません(もちろん音楽辞書にも載っていませんし、彼を研究している音楽学者も
いません)が、成長してからは、ベートーヴェンとも会ったことがあり、ヴァイ
オリン協奏曲の小さなカデンツァを献呈したという記録が残っています。1827
年頃パガニーニの完璧な技巧に魅了された彼はウィーンで生活することを決意
しました。リスト、シュポア、メンデルスゾーンらとも交流のあったという、
そんな彼の忘れられた作品集が、若きアメリカの名手ヒトルークの手によって
21世紀に甦りました。
8.553378
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲集第8集
1-4.弦楽四重奏曲第3番ニ長調B.18
演奏:プラハ・ヴラフ弦楽四重奏団/ヤナ・ヴラコーヴァ(第1ヴァイオリン)
/カレル・スタッドゼール(第2ヴァイオリン)/ペトル・ヴァマー(ヴィオラ)
/ミカエル・エリクソン(チェロ)
30歳を目前に控えた若きドヴォルザーク(1841-1904)の大作、弦楽四重奏曲第3
番です。あまりにも長すぎるという理由で、ほとんど演奏されることのない作
品で、実際の演奏会のプログラムに載せるにはかなり大胆なカットが必要かも
しれないとされていますが、作品の冒頭から溢れ出る若々しい情熱の滾りは、
そのような欠点を補って余りあるものではないでしょうか。第3楽章で使われる
勇ましいメロディは当時流行ったチェコの愛国歌をモティーフとしています。
8.570998
ベートーヴェン:ピアノ四重奏曲集WoO36
1-3.ピアノ四重奏曲ハ長調WoO36-3/4-6.ピアノ四重奏曲変ホ長調WoO36-1/
7-9.ピアノ四重奏曲ニ長調WoO36-2
演奏:ニュージーランド・ピアノ四重奏団
リチャード・マップ(ピアノ)/ユーリ・ゲゼンツヴェイ(ヴァイオリン)/ドナ
ルド・モーリス(ヴィオラ)/ダヴィッド・チッケリング(チェロ)
神童というと、どうしてもモーツァルトを思い浮かべてしまいますが、15歳に
してこんなに見事なピアノ四重奏曲を書いたベートーヴェン(1770-1827)だっ
て、紛れもない神童に違いありません。例えばハ長調の曲の第1楽章。冒頭こ
そハイドンや、モーツァルトの面影を感じさせますが、展開部で劇的に短調に
転ずるところなどは、まさしくベートーヴェンそのもの。(ちなみにあの名ピア
ニスト、アルゲリッチも愛奏している作品です)。またアダージョで始まる変
ホ長調の第1楽章は瞬間的にですが、ピアノ協奏曲第3番の第2楽章を思わせて
もくれるほどの悩ましい音楽です。第3楽章で各々の楽器が自由に歌い交わす
ところなども、抱きしめたくなるほど魅力的です。
8.570402
トゥリーナ:ヴァイオリンとピアノのための音楽集
1-3.ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.51/4-6.ヴァイオリン・ソナタ第2番「スペ
イン風」Op.82/7.アンダルシアのムーサたちOp.93より第2番「エウテルペ」
/8-11.サンルケーニャの娘の詩Op.28/12.古風な変奏曲Op.72
演奏:エヴァ・レオン(ヴァイオリン)/ホルディ・マソ(ピアノ)
トゥリーナ(1882-1949)の作品には、なぜかこう聴き手を幸せにする成分が含ま
れているように感じます。それは、ほんの微かなスペインの香りであったり、
洒落たメロディであったり、またエキゾチックな和声であったり。と感じる人
によって捉え方は様々でしょう。NAXOSレーベルの中でも重要な位置を占めるピ
アノ作品集に加え、このヴァイオリン作品集もそんな魅力に満ち溢れた素敵な
アルバムです。往年の名女性ヴァイオリニスト、ジャンヌ・ゴーティエに捧げ
られた「ヴァイオリン・ソナタ第1番」は彼が47歳の時の作品。第1楽章と第2楽
章の気だるい美しさは初夏の午後の日差しを思わせる眩しい美しさに溢れてい
ます。他の曲からも熟れた空気と熱い吐息が流れてくるかのようです。
8.570507
アイアランド:ピアノ三重奏曲集
1.幻想的三重奏曲イ短調/2.ピアノ三重奏曲第2番ホ調/3-6.ピアノ三重奏曲
第3番ホ調/7.ヴァイオリンとピアノのための子守歌/8.ヴァイオリンとピアノ
のためのカヴァティーナ/9.ヴァイオリンとピアノのためのバガテル/10.
「聖なる少年」(ヴァイオリンとピアノ編)
演奏:グールド・ピアノ三重奏団
ルーシー・グールド(ヴァイオリン)/アリス・ニアリー(チェロ)…1-6のみ
/ベンジャミン・フリス(ピアノ)
イギリスの裕福な実業家、W.コベットは「若きイギリスの作曲家の才能を発掘
する」目的で室内楽コンクールを主催することを考えました。第1回の1905年の
コンクールには67の作品が集まり、見事第1位を射止めたのはW.ハールストー
ン。第2位はアイアランド(1879-1962)と同じ年のF.ブリッジの作品が選ばれま
した。で、1907年の同コンクールで第1位の座に輝いたのが、このアイアランド
の幻想的三重奏曲でした。彼はそれからも創作の翼を広げ続け、独自の作品を
多く生み出すこととなったのです。1938年に初演された第3番の三重奏曲はウォ
ルトンに捧げられたものですが、雄大かつ幽玄な作風がきわめて魅力的と言え
るでしょう。そうそう、アイアランドと言えば、必ず付いてくる「聖なる少年」
も収録されています。今回はヴァイオリンとピアノ版です。
8.660272-73 2枚組
ストラヴィンスキー:歌劇「放蕩者のなりゆき」1951年版
演奏:アン・トゥルーラヴ…ジェニー・ウェスト(ソプラノ)/トム・レイクウェ
ル…ジョン・ガッリソン(テノール)/トゥルーラヴの父…アルトゥール・ウッ
ドレイ(バリトン)/ニック・シャドウ…ジョン・チーク(バス・バリトン)/マ
ザー・グース…シャーリー・ラヴ(メゾ・ソプラノ)/トルコ女ババ…ウェンディ
・ホワイト(メゾ・ソプラノ)/競売人セレム…メルヴィン・ロウリー(テノール)
/病院管理人…ジェフリー・ジョンソン(バス)/グレッグ・スミス・シンガー
ズ/セント・ルークス管弦楽団/ロバート・クラフト(指揮)
ストラヴィンスキー(1882-1971)の新古典主義を代表する作品「放蕩息子のなり
ゆき」は、かなり理不尽で夢見心地な内容なのですが、多くの演奏家たちを魅
了してきたことでも知られ、最近では、あの大物指揮者アーノンクールでさえ
が振ってしまったことで話題となりました。このクラフトのものは様々な演奏
の中でもきわめてオーソドックスな解釈として知られるものです。各々の登場
人物のキャラの立ち具合、チェンバロまでを含んだ妙に整った音楽。作曲家と
実際に親交のあったクラフトならではの説得力ある音作りは、まさに「安心し
て聴ける」アブナイ音楽と言えるでしょう。
8.559624
シエッラ:ラテンのミサ曲「プロ・パーチェ」
演奏:ハイディ・グラント・マーフィ(ソプラノ)…1-7/ナタニエル・ウェブス
ター(バリトン)…2-7/ミルウォーキー交響楽団&合唱団/
アンドレアス・デルフス(指揮)
18世紀から19世紀にかけて、カトリックのミサから多くの素晴らしい作品が生
み出されました。その流れを汲み、新たに創造を凝らした作品を書いてみたい
と作曲家シエッラ(1953-)が試みたのがこのミサ曲「プロ・パーチェ」です。
シエッラが幼いころに過ごしたプエルトリコのカトリックの教会での体験が基
になっているというもので、その力強い祈りの歌声は多感な彼の心に大きな衝
撃を与えたというのです。荘厳で深淵なテキストを歌う背後に流れる情熱的な
ラテンのリズムが、聴き手に不思議な感動を呼び起こします。ワールドミュー
ジック好きにも歓迎されそうな音使いが新鮮です。
●ナクソス・ヒストリカル
8.111336
グレート・ヴァイオリニスト
バルトーク(1881-1945):
1-3.ヴァイオリン協奏曲第2番(1938)
4-6.ヴァイオリン・ソナタ第1番(1921)
演奏:フィルハーモニア管弦楽団
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)…1-3
アドルフ・ベイラー(ピアノ)…4-6
ユーディ・メニューイン(ヴァイオリン)
録音:1953年9月12-13日ロンドンEMIアビーロード第1スタジオ…1-3/1947年12
月29日ニューヨークRCA第2スタジオ…4-6マーク・オーバート=ソーン復刻
メニューインにおける「4つのB」とはバッハ、ベートーヴェン、ブラームス、
そしてこのバルトークでした。彼は1943年にソナタの第1番を演奏する際、バル
トークの元を訪れ助言を乞いました。しかし演奏会を聴いたバルトークは「素
晴らしい!私の助言など必要ない」と大賛辞を贈り、以降、病魔と闘いながら
もメニューインのために幾つかの作品を書きました。ここに収録されたヴァイ
オリン協奏曲は、そんなバルトークの熱意に触発されたかのような演奏で、現
在でもこれを超えるものはないほどの名演。20世紀を代表する演奏と言っても
過言ではありません。
8.111340
グレート・シンガーズ/ディ・ステファノナポリの歌
1.ディ・カプア:オー・ソレ・ミオ/2.トスティ:マレキアーレ/3.ファルヴォ:
彼女に告げて/4.デ・クルティス:泣かないおまえ/5.ディ・カプア:あなたの
口づけを/6.カルディッロ:カタリ・カタリ/7.デ・クルティス:帰れ、ソレン
トへ/8.ラマ:静けさに歌う/9.ナルデッラ:キオーヴェ/10.ダンニバーレ:太
陽の土地/11.マリオ:遥かなるサンタ・ルチア/12.ディ・カプア:マリア・マ
リ/13.ペルシコ:鳩/14.作者不詳(ベルリーニ編):光さす窓辺/15.チオフィ:
五月の一夜/16.デ・クルティス:夜の声/17.デ・クルティス:秋/18.テオドー
ロ:サンタ・ルチア/19.ヴァレンテ:情熱/20.デ・クルティス:孤独/21.タリ
アフェッリ:プジレコの漁夫
演奏:ジュゼッペ・ディ・ステファノ(テノール)/スタジオ・オーケストラ/
ディノ・オリヴィエリ(指揮)
録音:1953年4月-1957年5月マーク・オーバート=ソーン復刻
シチリア島の貧しい家庭に生まれたディ・ステファノは、合唱団で声楽の才能
を認められるも、なかなかオペラの舞台に立つ機が持てず第二次世界大戦中は
流行歌の歌手として糊口をしのぐ他ありませんでした。戦局悪化に伴いスイス
に逃亡、難民キャンプで暮らしたこともあります。しかしその本来の美声は常
に称賛の的となり、1945年にイタリアに戻ってからは少しずつオペラ歌手とし
ての活動の場を広げました。そんなキャリアのおかげで何を歌っても素晴らし
く、オペラから引退しても人気が衰えることはありませんでした。そんな彼が
得意としたナポリ民謡をたっぷりとお楽しみください。
<MarcoPolo>
8.225334 \1780
J.シュトラウス1世:作品集第14集
1.アデライーデ・ワルツOp.129/2.レーサーのワルツOp.131/3.新人デビュー
のワルツOp.132/4.エーガー川のワルツOp.134/5.ダンスの名人ワルツOp.135
/6.都会と田舎の生活ワルツOp.136/7.有名なアンナのポルカOp.137/8.幻想
的な人のワルツOp.139/9.ワルツ「音楽協会のダンス」Op.140
演奏:スロヴァキア・シンフォニエッタ/クリスティアン・ポラック(指揮)
J.シュトラウスの音楽をまとめて聴くシリーズの第14集です。今回も珍しい作
品で溢れています。なかでも面白いのは第2曲の「レーサーのワルツ」です。
当時流行の題材を何でもワルツにしてしまうシュトラウスの作風について、当
時の評論家たちは決して良い評価を与えていたわけではないようです。しかし
今ではこんなに興味深いものはありません。この「レーサーのワルツ」もそん
な1曲。1841年5月24日に実際に行われた競技が題材です。当時はおよそ9キロを
走るのに40分かけていたとか。だからこんなにゆったりとした曲調なのでしょ
う。ちなみに現在は10000メートル走の世界記録はおよそ26分です。これを音
で表せば、すごくせわしない曲になるでしょうね。
ニュージーランドのギター音楽集夢見るプロスペロウ他
リルバーン:1-17.17のギターのための小品…全集として初録音/18-19.ギター
のための出版されなかった小品集…初録音/20-23.4つのカンツォーナ…初録音
/フォーカー:24-28.組曲/29.夢見るプロスペロウ
演奏:グンター・ヘルビッヒ(ギター)
ニュージーランドで最初にクラシック・ギターへの関心が高まったのは1950年
代の終わり頃。画家でもありギタリストでもあったR.バーン(1928-2007)が英国
から移住しウェリントンでギターを教え始めた頃から人々はギターに対する大
いなる憧憬を抱いたのです。バーンの影響はものすごかったのでリルバーン
(1915-2001)やフォーカー(1928-2007)をはじめとする数人のニュージーランド
の作曲家は彼に自作を捧げました。1960年代にE.ビボービ(国際的名手、教師)
もオークランドに定住。さらにこの国のギター界に活気がもたらされました。
以降J.ブリームやこのアルバムの奏者G.ヘルビッヒもニュージーランドをとり
わけ大切にしています。
8.572306
期待の新進演奏家シリーズガブリエル・ビアンコギター・リサイタル
1.シューベルト:涙の賛美D.711(メルツ編曲)/2-3.メルツ(1806-1856):吟遊詩
人の調べOp.13よりカプリッチョ/タランテラ/4.悲歌/5.ハンガリー風幻想曲
Op.65-1/6-9.J.S.バッハ(1685-1750):無伴奏ヴァイオリンのためのソナタハ長
調BWV1005(ギター編曲)アダージョ/フーガ/ラルゴ/アレグロ・アッサイ/
10-12.コシュキン(1956-):ギターのためのソナタ(1997)
演奏:ガブリエル・ビアンコ(ギター)
各界で熱き視線を一身に浴びる「NAXOS期待の新進演奏家シリーズ」に、フラン
ス生まれの若きギタリストの登場です。彼の名前はガブリエル・ビアンコ。
2008年GFA国際コンクールの第1位を獲得した俊英です。5歳からギターをはじ
め、20歳の時にパリのコンセルヴァトワールで一等賞を得て卒業。15歳から世
界各地でコンサートを行い高い評価を受けています。繊細な音色と良く回る指、
そして旋律の歌わせ方は絶品。このアルバムに収録されたメルツの作品でのす
すり泣くような表現には思わず絶句するほどの才能の煌めきを感じます。
8.570748
ベリオ:2台のヴァイオリンのための作品集
1-3.二重協奏曲第1番ト短調Op.57No.1/4-6.二重協奏曲第2番ホ短調Op.57No.2
/7-9.二重協奏曲第3番ニ長調Op.57No.3/10-15.バレエ「スペインの王子」の
モティーフによる6つの性格的小品第1番ト長調アダージョ/第2番ハ長調モデラ
ート、行進曲のテンポで/第3番変ホ長調アンダンテ・カンタービレ/第4番ハ
短調ファンダンゴのテンポで/第5番イ短調アンダンティーノ/第6番ニ長調
ボレロのテンポで
演奏:クリスティーネ・ゾーン&ジョン・マルクス(ヴァイオリン)
その作品を聴かれることよりも、どちらかと言うと演奏される機会の多いC-A.
デ・ベリオ(1802-1870)ですが、こうして色々な曲を聴いてみると、改めてその
多彩な作曲技法と音楽性に拝復する他ありません。このアルバムに収録された
「」は2台のヴァイオリンが追いかけ合い、絡み合う魅力的な作品。ピアノなど
の他の楽器の助けを借りず、ひたすらヴァイオリンのみで華やかな世界を見せ
てくれます。「6つの性格的小品」はスペインの様々なリズムを用いた興味深い
曲。セレナード調であったり激しい踊りであったりと一時も耳を飽きさせるこ
とがありません。ゾーンとマルクスの緊迫感溢れる演奏で。
8.572019
サン・リュバン:ヴァイオリン超絶技巧作品集第1集
1-4.協奏的大ニ重奏曲Op.49/5.「ランメルモールのルチア」の主題による幻想
曲Op.46/6.創作主題とタールベルクの練習曲Op.45a/7.アダージョ・レリジオ
ーゾOp.44/8.オベールの歌劇「許婚」の主題によるポプリOp.35/9-10.2つの
サロン風小品Op.47-1<夜想曲/ロンディーノ>/11-12.2つのサロン風小品
Op.47-2夜想曲/ポロネーズ
演奏:アナスタシア・ヒトルーク(ヴァイオリン)
エリザベータ・コペルマン(ピアノ)
このヴァイオリンにおける独自の才能を示した作曲家サン・リュバン(1805-
1850)は、フランス革命の後に、語学教師としてイタリアに移住した士官の息子
として1805年にトリノで生まれました。幼い頃の彼については何もわかってい
ません(もちろん音楽辞書にも載っていませんし、彼を研究している音楽学者も
いません)が、成長してからは、ベートーヴェンとも会ったことがあり、ヴァイ
オリン協奏曲の小さなカデンツァを献呈したという記録が残っています。1827
年頃パガニーニの完璧な技巧に魅了された彼はウィーンで生活することを決意
しました。リスト、シュポア、メンデルスゾーンらとも交流のあったという、
そんな彼の忘れられた作品集が、若きアメリカの名手ヒトルークの手によって
21世紀に甦りました。
8.553378
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲集第8集
1-4.弦楽四重奏曲第3番ニ長調B.18
演奏:プラハ・ヴラフ弦楽四重奏団/ヤナ・ヴラコーヴァ(第1ヴァイオリン)
/カレル・スタッドゼール(第2ヴァイオリン)/ペトル・ヴァマー(ヴィオラ)
/ミカエル・エリクソン(チェロ)
30歳を目前に控えた若きドヴォルザーク(1841-1904)の大作、弦楽四重奏曲第3
番です。あまりにも長すぎるという理由で、ほとんど演奏されることのない作
品で、実際の演奏会のプログラムに載せるにはかなり大胆なカットが必要かも
しれないとされていますが、作品の冒頭から溢れ出る若々しい情熱の滾りは、
そのような欠点を補って余りあるものではないでしょうか。第3楽章で使われる
勇ましいメロディは当時流行ったチェコの愛国歌をモティーフとしています。
8.570998
ベートーヴェン:ピアノ四重奏曲集WoO36
1-3.ピアノ四重奏曲ハ長調WoO36-3/4-6.ピアノ四重奏曲変ホ長調WoO36-1/
7-9.ピアノ四重奏曲ニ長調WoO36-2
演奏:ニュージーランド・ピアノ四重奏団
リチャード・マップ(ピアノ)/ユーリ・ゲゼンツヴェイ(ヴァイオリン)/ドナ
ルド・モーリス(ヴィオラ)/ダヴィッド・チッケリング(チェロ)
神童というと、どうしてもモーツァルトを思い浮かべてしまいますが、15歳に
してこんなに見事なピアノ四重奏曲を書いたベートーヴェン(1770-1827)だっ
て、紛れもない神童に違いありません。例えばハ長調の曲の第1楽章。冒頭こ
そハイドンや、モーツァルトの面影を感じさせますが、展開部で劇的に短調に
転ずるところなどは、まさしくベートーヴェンそのもの。(ちなみにあの名ピア
ニスト、アルゲリッチも愛奏している作品です)。またアダージョで始まる変
ホ長調の第1楽章は瞬間的にですが、ピアノ協奏曲第3番の第2楽章を思わせて
もくれるほどの悩ましい音楽です。第3楽章で各々の楽器が自由に歌い交わす
ところなども、抱きしめたくなるほど魅力的です。
8.570402
トゥリーナ:ヴァイオリンとピアノのための音楽集
1-3.ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.51/4-6.ヴァイオリン・ソナタ第2番「スペ
イン風」Op.82/7.アンダルシアのムーサたちOp.93より第2番「エウテルペ」
/8-11.サンルケーニャの娘の詩Op.28/12.古風な変奏曲Op.72
演奏:エヴァ・レオン(ヴァイオリン)/ホルディ・マソ(ピアノ)
トゥリーナ(1882-1949)の作品には、なぜかこう聴き手を幸せにする成分が含ま
れているように感じます。それは、ほんの微かなスペインの香りであったり、
洒落たメロディであったり、またエキゾチックな和声であったり。と感じる人
によって捉え方は様々でしょう。NAXOSレーベルの中でも重要な位置を占めるピ
アノ作品集に加え、このヴァイオリン作品集もそんな魅力に満ち溢れた素敵な
アルバムです。往年の名女性ヴァイオリニスト、ジャンヌ・ゴーティエに捧げ
られた「ヴァイオリン・ソナタ第1番」は彼が47歳の時の作品。第1楽章と第2楽
章の気だるい美しさは初夏の午後の日差しを思わせる眩しい美しさに溢れてい
ます。他の曲からも熟れた空気と熱い吐息が流れてくるかのようです。
8.570507
アイアランド:ピアノ三重奏曲集
1.幻想的三重奏曲イ短調/2.ピアノ三重奏曲第2番ホ調/3-6.ピアノ三重奏曲
第3番ホ調/7.ヴァイオリンとピアノのための子守歌/8.ヴァイオリンとピアノ
のためのカヴァティーナ/9.ヴァイオリンとピアノのためのバガテル/10.
「聖なる少年」(ヴァイオリンとピアノ編)
演奏:グールド・ピアノ三重奏団
ルーシー・グールド(ヴァイオリン)/アリス・ニアリー(チェロ)…1-6のみ
/ベンジャミン・フリス(ピアノ)
イギリスの裕福な実業家、W.コベットは「若きイギリスの作曲家の才能を発掘
する」目的で室内楽コンクールを主催することを考えました。第1回の1905年の
コンクールには67の作品が集まり、見事第1位を射止めたのはW.ハールストー
ン。第2位はアイアランド(1879-1962)と同じ年のF.ブリッジの作品が選ばれま
した。で、1907年の同コンクールで第1位の座に輝いたのが、このアイアランド
の幻想的三重奏曲でした。彼はそれからも創作の翼を広げ続け、独自の作品を
多く生み出すこととなったのです。1938年に初演された第3番の三重奏曲はウォ
ルトンに捧げられたものですが、雄大かつ幽玄な作風がきわめて魅力的と言え
るでしょう。そうそう、アイアランドと言えば、必ず付いてくる「聖なる少年」
も収録されています。今回はヴァイオリンとピアノ版です。
8.660272-73 2枚組
ストラヴィンスキー:歌劇「放蕩者のなりゆき」1951年版
演奏:アン・トゥルーラヴ…ジェニー・ウェスト(ソプラノ)/トム・レイクウェ
ル…ジョン・ガッリソン(テノール)/トゥルーラヴの父…アルトゥール・ウッ
ドレイ(バリトン)/ニック・シャドウ…ジョン・チーク(バス・バリトン)/マ
ザー・グース…シャーリー・ラヴ(メゾ・ソプラノ)/トルコ女ババ…ウェンディ
・ホワイト(メゾ・ソプラノ)/競売人セレム…メルヴィン・ロウリー(テノール)
/病院管理人…ジェフリー・ジョンソン(バス)/グレッグ・スミス・シンガー
ズ/セント・ルークス管弦楽団/ロバート・クラフト(指揮)
ストラヴィンスキー(1882-1971)の新古典主義を代表する作品「放蕩息子のなり
ゆき」は、かなり理不尽で夢見心地な内容なのですが、多くの演奏家たちを魅
了してきたことでも知られ、最近では、あの大物指揮者アーノンクールでさえ
が振ってしまったことで話題となりました。このクラフトのものは様々な演奏
の中でもきわめてオーソドックスな解釈として知られるものです。各々の登場
人物のキャラの立ち具合、チェンバロまでを含んだ妙に整った音楽。作曲家と
実際に親交のあったクラフトならではの説得力ある音作りは、まさに「安心し
て聴ける」アブナイ音楽と言えるでしょう。
8.559624
シエッラ:ラテンのミサ曲「プロ・パーチェ」
演奏:ハイディ・グラント・マーフィ(ソプラノ)…1-7/ナタニエル・ウェブス
ター(バリトン)…2-7/ミルウォーキー交響楽団&合唱団/
アンドレアス・デルフス(指揮)
18世紀から19世紀にかけて、カトリックのミサから多くの素晴らしい作品が生
み出されました。その流れを汲み、新たに創造を凝らした作品を書いてみたい
と作曲家シエッラ(1953-)が試みたのがこのミサ曲「プロ・パーチェ」です。
シエッラが幼いころに過ごしたプエルトリコのカトリックの教会での体験が基
になっているというもので、その力強い祈りの歌声は多感な彼の心に大きな衝
撃を与えたというのです。荘厳で深淵なテキストを歌う背後に流れる情熱的な
ラテンのリズムが、聴き手に不思議な感動を呼び起こします。ワールドミュー
ジック好きにも歓迎されそうな音使いが新鮮です。
●ナクソス・ヒストリカル
8.111336
グレート・ヴァイオリニスト
バルトーク(1881-1945):
1-3.ヴァイオリン協奏曲第2番(1938)
4-6.ヴァイオリン・ソナタ第1番(1921)
演奏:フィルハーモニア管弦楽団
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)…1-3
アドルフ・ベイラー(ピアノ)…4-6
ユーディ・メニューイン(ヴァイオリン)
録音:1953年9月12-13日ロンドンEMIアビーロード第1スタジオ…1-3/1947年12
月29日ニューヨークRCA第2スタジオ…4-6マーク・オーバート=ソーン復刻
メニューインにおける「4つのB」とはバッハ、ベートーヴェン、ブラームス、
そしてこのバルトークでした。彼は1943年にソナタの第1番を演奏する際、バル
トークの元を訪れ助言を乞いました。しかし演奏会を聴いたバルトークは「素
晴らしい!私の助言など必要ない」と大賛辞を贈り、以降、病魔と闘いながら
もメニューインのために幾つかの作品を書きました。ここに収録されたヴァイ
オリン協奏曲は、そんなバルトークの熱意に触発されたかのような演奏で、現
在でもこれを超えるものはないほどの名演。20世紀を代表する演奏と言っても
過言ではありません。
8.111340
グレート・シンガーズ/ディ・ステファノナポリの歌
1.ディ・カプア:オー・ソレ・ミオ/2.トスティ:マレキアーレ/3.ファルヴォ:
彼女に告げて/4.デ・クルティス:泣かないおまえ/5.ディ・カプア:あなたの
口づけを/6.カルディッロ:カタリ・カタリ/7.デ・クルティス:帰れ、ソレン
トへ/8.ラマ:静けさに歌う/9.ナルデッラ:キオーヴェ/10.ダンニバーレ:太
陽の土地/11.マリオ:遥かなるサンタ・ルチア/12.ディ・カプア:マリア・マ
リ/13.ペルシコ:鳩/14.作者不詳(ベルリーニ編):光さす窓辺/15.チオフィ:
五月の一夜/16.デ・クルティス:夜の声/17.デ・クルティス:秋/18.テオドー
ロ:サンタ・ルチア/19.ヴァレンテ:情熱/20.デ・クルティス:孤独/21.タリ
アフェッリ:プジレコの漁夫
演奏:ジュゼッペ・ディ・ステファノ(テノール)/スタジオ・オーケストラ/
ディノ・オリヴィエリ(指揮)
録音:1953年4月-1957年5月マーク・オーバート=ソーン復刻
シチリア島の貧しい家庭に生まれたディ・ステファノは、合唱団で声楽の才能
を認められるも、なかなかオペラの舞台に立つ機が持てず第二次世界大戦中は
流行歌の歌手として糊口をしのぐ他ありませんでした。戦局悪化に伴いスイス
に逃亡、難民キャンプで暮らしたこともあります。しかしその本来の美声は常
に称賛の的となり、1945年にイタリアに戻ってからは少しずつオペラ歌手とし
ての活動の場を広げました。そんなキャリアのおかげで何を歌っても素晴らし
く、オペラから引退しても人気が衰えることはありませんでした。そんな彼が
得意としたナポリ民謡をたっぷりとお楽しみください。
<MarcoPolo>
8.225334 \1780
J.シュトラウス1世:作品集第14集
1.アデライーデ・ワルツOp.129/2.レーサーのワルツOp.131/3.新人デビュー
のワルツOp.132/4.エーガー川のワルツOp.134/5.ダンスの名人ワルツOp.135
/6.都会と田舎の生活ワルツOp.136/7.有名なアンナのポルカOp.137/8.幻想
的な人のワルツOp.139/9.ワルツ「音楽協会のダンス」Op.140
演奏:スロヴァキア・シンフォニエッタ/クリスティアン・ポラック(指揮)
J.シュトラウスの音楽をまとめて聴くシリーズの第14集です。今回も珍しい作
品で溢れています。なかでも面白いのは第2曲の「レーサーのワルツ」です。
当時流行の題材を何でもワルツにしてしまうシュトラウスの作風について、当
時の評論家たちは決して良い評価を与えていたわけではないようです。しかし
今ではこんなに興味深いものはありません。この「レーサーのワルツ」もそん
な1曲。1841年5月24日に実際に行われた競技が題材です。当時はおよそ9キロを
走るのに40分かけていたとか。だからこんなにゆったりとした曲調なのでしょ
う。ちなみに現在は10000メートル走の世界記録はおよそ26分です。これを音
で表せば、すごくせわしない曲になるでしょうね。