アパートの畑で、私が管理しているのはたった4坪ほどでしかないが、たった4坪の、その除草作業に週1回、2時間ばかりかけている。週に1回ちゃんとやっていれば、作業は2時間で済むのであるが、1週怠けると次の週に難儀する。
用事が多くあったり、雨が降ったりして畑作業ができない週もある。今年はそういう週が多くあった。おかげで、私の畑は今、朝から夕方までの時間を2日続けてかけても、除草作業が終わらないほどに雑草が蔓延っている。困ったものである。
4坪の畑でさえままならない状況なので、以前は月に1回程度やっていたアパートの共有部分、駐車場などの除草は、もう半年ばかり手をつけていない。2ヶ月ほど前に、見かねた大家さんが駐車場の部分を刈ったが、もう既に刈る前の状態に戻っている。
階段を下りた辺りから畑の縁石に沿って1つの雑草が、私がこのアパートに住んで11年半になるが、それまで無かったほどに蔓延っている。その雑草に花が咲いていた。初めて見た。これまでは花が咲く前に刈られたということである。
花は薄い黄色のカワイイ花であった。その近くをよく見ると、実も生っていた。イチゴのようにブツブツのある赤い実。形はイチゴのようで無く、真ん丸い小さな実であるが、おそらくイチゴの類であろうと推理する。調べる。推理は当たっていた。
ヘビイチゴ(蛇苺):低地雑草
バラ科の多年草 日本の各地に分布する 方言名:不詳
『名前といわれ野の草花図鑑』に「ヘビのでそうな湿地にはえることから蛇苺」といった記述があった。精査はしていないが、まあ、たぶんそんなものだろう。
ということではあるが、ヘビの出そうな湿地では無いアパートの庭にも生えている。毎年冬になると顔を出し、放っておけば、花を咲かせ、実をつけてくれる。ヘビ→毒ヘビという連想からか、本種の果実には毒があると思う人もいるらしい。が、無毒とのこと。が、食っても不味いらしい。私はグルメ(自称)なので、むろん、食っていない。
空地、道端で普通に見られる雑草。塀の傍を這うようにして生えているのをよく見かける。アパートのものも、畑の仕切りに使っているブロックに添って広がっている。
花は薄い黄色。開花期について、広辞苑に「2~3月」とあったが、沖縄では12月頃から咲いて、5月になっても咲いていた。果実は紅色。直径1センチくらいでブツブツがある。見た目は食えそうなのだが・・・。イチゴとは別属。
実
記:島乃ガジ丸 2006.6.5 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行