ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

サツマイモトリバ

2018年04月06日 | 動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 知られざる敵2

 去年2017年8月、ナカジロシタバという名の蛾の1種を紹介した時、参考文献のその項目の文章を読んでいたら、「幼虫の食草はサツマイモ」とあり、「サツマイモの敵ということは、自給自足芋生活を目指している私にとっても不倶戴天の敵である」と私は書いている。その後間もなく、サツマイモトリバを調べていたら「サツマイモの害虫でサツマイモの葉肉部を摂食する」と文献にあった。ナカジロシタバのブログ記事のサブタイトルは『知られざる敵』で、「ならば」とサツマイモトリバのサブタイトルは『知られざる敵2』しようと決めて、記事を書こうとしたのだが、すっかり忘れていた。

 サツマイモトリバの写真は2017年5月18日午後2時17分の日付時刻、日記を見ると、その日その時私は畑にいた。その頃は腰痛もほとんどなく元気だった。
 サツマイモトリバのサブタイトルは『知られざる敵2』しようと決め、記事を書こうとしてから、その夏、前代未聞の酷暑が襲い、かつて経験の無い腰痛を患い、生まれて初めての挫折感を味わい、その後、引っ越しをして・・・などいろんなことがあった約8ヶ月間が過ぎて、やっと落ち着いて、やっと『知られざる敵2』を書くことになった。

 サツマイモトリバの幼虫が「サツマイモの葉肉部を摂食する」とのことでサツマイモの害虫となっているようだが、「葉肉部」であり、芋そのもので無いならば、彼はさほどの害虫では無い。知られざる敵でなく、「知らなくてもいい敵」となるであろう。何せ、強敵が他にいたということに私は気付いてしまった。それは腰痛であった。

 
 サツマイモトリバ(薩摩芋鳥羽):鱗翅目の昆虫
 トリバガ科 徳之島以南の南西諸島、台湾などに分布 方言名:ハベル(ガの総称)
 名前の由来は資料がなく不明、漢字表記の薩摩芋鳥羽は私の勝手な想像だが、根拠がない訳ではない。本種の食草がサツマイモなので薩摩芋、鳥羽は本種(他のトリバガ科のエゾギクトリバなども)の翅が鳥の翼のような見た目をしているから。
 成虫は前翅長6ミリ内外。『沖縄昆虫野外観察図鑑』によると成虫の出現は周年で「4~5月と10~11月に発生が多い」とあり、私の写真も5月のもの。
 幼虫は体長12ミリほどで全体に棘があるとのこと、私は未だお目にかかっていないが小さな毛虫のようである。サツマイモの害虫でサツマイモの葉肉部を摂食するとのこと。芋を食害されたら困るが、葉なら、大量発生したら要注意の虫となるかもしれない。
 
 斜めから

 記:ガジ丸 2018.4.2 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田晴夫他著、株式会社南方新社発行