ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

アシナガキアリ

2011年06月25日 | 動物:昆虫-膜翅目(ハチ他)

 人に迷惑をかけない働き者

 私は、日本国民の中では間違いなく貧乏人(世界的に見れば金持ち)であるが、多趣味である。・・・貧乏人だが多趣味という言い方が正しいかどうか、今ふと考えた。
 趣味の多くはお金を必要とする。そして、趣味にはそれを行う時間が必要である。一般的には「貧乏暇無し」なので、貧乏人は趣味を持ちにくい。よって、「貧乏人”だが”多趣味である」の”だが”は正しい。むろん、その趣味の種類は限られているが。
 絵を描く、文章を書く、写真を撮る、畑で野菜を作る、散歩する、などが数年前、または十年前位からの私の趣味で、今も続いている。それらのいずれも暇は必要だが、お金はあまりかからない。貧乏人の全ては金がかかる趣味は持てない。向上心(金持ちになりたいという)のある貧乏人は暇も無いので趣味を持てない。私は貧乏人だが多趣味である。つまり私は、向上心が無くて、暇のある貧乏人なのである。

  貧乏暇無しという言葉がアリにもあてはまるのかどうか不明だが、アシナガキアリが貧乏なのかどうかも不明なのだが、彼らはよく働く。種族繁栄のために働いて、その目的が果たされているのであれば、彼らは、気分的には裕福なのかもしれない。
 アシナガキアリに趣味があるのかどうかも不明だが、少なくとも、今週別項で紹介しているイエヒメアリのように、人の皮膚を噛むなんて迷惑な趣味は持っていない。

 現場仕事の日は、道端で昼飯を食う機会が多い。地べたに座って弁当箱を広げる。ちょいと気をつけて地べたを見ると、アシナガキアリを発見する。「やあ、君たちも頑張ってるね。」と私は思い、ご飯粒を少々落としたりしている。

 
 アシナガキアリ(脚長き蟻):膜翅目の昆虫
 アリ科 琉球列島、台湾、東南アジア、ニューギニアに分布 方言名:アイ、アイコー
 脚が長いのでアシナガキアリ(脚長き蟻)という名前。アメイロハヤアリという別名もある。これは、体が飴色をしていて歩く速さが速いことから。
 体長は働きアリ3ミリ内外。名前の通り脚の長いのが特徴であるが、もう一つ、触角も長い。後脚は体長の1.5倍あり、触角は体長とほぼ同じ長さとなっている。
 家の中で見ることもたまにあるが、ほとんどは屋外で見る。草地、畑地、林地などどこにでもいて、屋外では最も多く見かけるアリとなっている。
 人を噛むことは無い。いつも早足で働いている。ということで、私はこのアリに愛情さえ覚える。けして殺したりはしない。餌をあげたくなるくらいである。
 
 アシナガキアリ女王
 
 アシナガキアリ比較
 
 アシナガキアリの巣

 記:ガジ丸 2007.7.27 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行