ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

中村家住宅

2018年08月17日 | 沖縄05観光・飲み食い遊び

 前回紹介したヒスイカズラで若かりし頃を思い出してノスタルジーに浸ったが、その写真を撮るために訪れた国指定重要文化財中村家住宅でもまた、「あー懐かしい」と思い出しノスタルジーに浸ることになった、まったく、脳廃る爺である、情無い。
 中村家住宅から家に戻って日記を調べると、前に中村家住宅を訪れたのは2002年9月15日のこと。それ以前からその存在は知っていたがその時が初訪問。沖縄へ遊びに来ていた静岡の美女と一緒だった。彼女とはその数年前に知り合っている。彼女はダイビングが趣味で数年前の来沖もその時も主目的はそれで、その時の滞在のほとんどは慶良間諸島。沖縄島には1泊で、その日一日私が沖縄島の観光案内をし、彼女のリクエストで中村家住宅を訪ねたと記憶している。「そうか、もう16年も経ったのか」と脳廃る爺。

 中村家住宅は国の重要文化財に指定されている。個人の住宅、それも農家の住宅が何で国指定重要文化財かについては下に詳述するが、「沖縄の住居建築の特色をすべて備えている・・・云々」とのこと。その中に「畜舎の豚小屋兼便所のフールがある」という記述を読んで、またも脳廃る爺。私が子供の頃、約50年前にはもうフールなる便所はなかったが、「用を足している(実際は、もっと直接的表現)時、豚に尻の穴を舐められて気持ち悪かった」と父から聞いて、それを想像して「気持ち悪い」と思った。

 そんなことはさておき中村家住宅、その空間を私は気持ち良いと感じた。このような形の屋敷は後年、八重山諸島や宮古諸島を旅した時にも見ている。沖縄島から近い伊平屋島でも見ている。いずれもウチナーンチュ(沖縄人)の肌に合う住まいと感じた。台風対策でもある防風生垣に囲まれ、夏もそう暑くは無くクーラーは要らない。ただしかし、虫は入り放題となる。私が子供の頃も寝る時は蚊帳が必需であった。あ~懐かし。

 中村家住宅を紹介しているパンフによると、
 中村家住宅は戦前の沖縄の住居建築の特色をすべて備えている建物です。沖縄本島内でこのように屋敷構えがそっくり残っている例はきわめて珍しく、当時の上層農家の生活を知る上にも、貴重な遺構であるということで、昭和31年に琉球政府から、昭和47年に日本政府によって国の重要文化財に指定されました。・・・とのこと。
 『沖縄大百科事典』によると、
 ・・・19世紀初頭の建築と考えられる。屋敷は南面する傾斜地削って建てられ、背面側に土留石垣を積み、正面・側面は石垣囲い・・・正門を入るとヒンプンがある。・・・畜舎の豚小屋兼便所のフールがある。・・・とのこと。
 説明文の多くを省略したが、説明文の中にはさらに説明を要する単語がいくつも出てきたのでそうなった。全部説明するとなるとおそらく、この頁の5倍位になるはず。
 出してしまった説明を要する単語を簡単に説明すると、
 フールとは「豚の飼育小屋を兼ねた便所・・・豚を数頭飼い・・・用を足すと豚が人糞を処理した」(沖縄大百科事典)のこと。「処理した」とは「食べた」ということ。
 ヒンプンは「屋敷の正面の門と母屋とのあいだに設けられた屏風状の塀・・・目隠しの機能・・・悪霊を防ぐという信仰上の役割」のこと。
     
     
     
     
     
     

 記:2018.8.16 ガジ丸 →沖縄の生活目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行