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ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ユウマダラエダシャク

2011年11月03日 | 動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 目立つ糞

 近所の野良猫どもには困ったものである、ということについては別項「近所の猫たち」に詳しく書いている。それを書いてから2年余りが経ったが、彼らは今でも変わらず「困ったもの」である。私が今のアパートに住んで11年半近くが過ぎているが、その間に、「困ったもの」のメンバーは少しずつ変わってはいるのだが、メンバーが変わっても、彼らが「困ったもの」であることにはなんら変わりが無い。
 彼らの非道についてはもう半ば諦めて、今では腹を立てることも少なくなったのだが、先日、ベッドの傍の、窓の少し横、ベランダの上に非道がなされた。もう夏のような暑さの沖縄、窓を開けずして寝ることはできない。が、開けると臭い。チクショーめ!
 ベランダになされた糞は、目立つのでうっかり踏んでしまうということは無いが、アパートの駐車場は土面である。土に雑草が生えていて、時々刈ってはいるが、たいていは数センチから数十センチの高さに草が蔓延っている。そこに糞をされると、気付かずに踏んでしまうことがある。土の上、草に紛れては、猫の糞は目立たないのである。

 ユウマダラエダシャクは(鳥の)糞に擬態しているそうである。文献にそう書いてあった。緑の葉の上で目立つ糞は、気付かずに触れてしまうことは無いのだが、じつは、私には糞には見えない。色は似ているのかもしれないが、翅を広げて止まっているので何しろ大きい。こんな大きな糞をする奴は、でっかいワシか、あるいはダチョウか、いる場所が限られたものであろう。少なくともこの辺りにはいない。

 ユウマダラエダシャク(夕斑枝尺):鱗翅目の昆虫
 シャクガ科 北海道~沖縄、中国に分布 方言名:ハベル(蝶蛾の総称)
 シャクガはシャクガ科の蛾の総称。シャクは尺でシャクトリムシ(尺取虫)のシャク。シャクトリムシはエダシャクの俗称で、エダシャク(枝尺)はシャクガ科の蛾の「幼虫」の総称。歩く姿が指で尺をとる(長さを計る)のに似ているところからその名がある。
 本種は翅に斑(まだら)模様があるのでマダラとつくのだと思われる。マダラエダシャクという名の種は、文献に無く、ネットで調べてみたが、そこにも無かった。マダラエダシャクの前にクロとかチャとかつくものはあった。それらはそれなりの名前だろうと想像できるが、本種のユウが解らない。夕方に出現するから夕であろうと推測はしたが、でも実際には、私が見たものは、4回見たが、その4回とも真っ昼間であった。
 私が経験したことは正しいようで、文献にも本種は「昼間、葉の表に止まっている」とあった。翅の模様は鳥の糞に擬態しているとのこと。前翅長18~25ミリ。成虫の出現は3~12月。幼虫の食草はオキンワシキミ、マサキ、ハリツルマサキなど。
 
 成虫   

 記:ガジ丸 2006.5.27  →沖縄の動物目次 →蝶蛾アルバム

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行