私の新しい畑(借地、ナッピバルと命名)は半年以上放置されていたため、草ボーボーであった。チガヤが蔓延り、ハイアワユキセンダングサがあちらこちらで地面に幅広くのさばり、タチアワユキセンダングサがあちらこちらに群落を作り、メヒシバが地面が見えなくなるほど這い、オオアレチノギクやヒメムカシヨモギが林立し、ヤブカラシがそれらに絡みつき、その他カタバミ、ススキなど多くの雑草が生えている。
それらを鎌を使い手で刈っている。便所座りしながらやっている。途中から腰が痛くなり、時々立ち上がって腰を伸ばす。早朝の3時間、腰の忍耐もそれが限度。
最初の頃は刈りながら「これはマツバゼリ、これはエノコログサ」などと雑草の名前を確認しながらやっていたが、腰の痛さにそんな余裕は早々と無くし、前に植えられてまだ残っているニラや甘藷に注意しながら、一心不乱に作業している。
知らない雑草もいくつかある。1種だけ写真を撮ったが、後はもう無視。心身ともにそんな余裕は無い。それに、雑草の類の写真は私のパソコンにたくさん溜まっている。それらも紹介しない内に雑草の写真が増えても、今はそれが何者であるか調べる時間的余裕も無い。除草はまだ残っているし、畑小屋製作もある。
「雑草の類の写真は私のパソコンにたくさん溜まっている」ということで、これからしばらくは雑草の類を紹介していく。それは先週のスズメノエンドウから始まっている。カラスノエンドウもスズメノエンドウも春の草だ、その他、冬から春にかけての雑草、ツメクサとかハハコグサとかがその後に続く予定。10種以上はたぶんある。
カラスノエンドウ(烏野豌豆):野草
マメ科の越年草 ヨーロッパ原産 方言名:ガラサマミ
名前の由来は「これに似てもっと小形のスズメノエンドウに対する名」と広辞苑にあった。スズメノエンドウは「エンドウに似た小形の莢を生ずる」(広辞苑)ことからエンドウ、「小さい」を比喩したスズメが付いてその名がある。本種はスズメより大きい喩えにカラスとしたもの。方言名のガラサマミもカラス豆という意味。別名にヤハズエンドウとあるが、これは、葉が矢筈の形をしているからとのこと。
草丈は50センチ内外と、スズメノエンドウと変わらないが、莢はずっと大きい、花もいくぶん大き目。葉脇から花柄を出しその先に花を1個(文献に記載は無く、私の観察の限りにおいて)つける。花色は紫で、開花期は春。
葉の先端が巻ひげとなり、他の物に絡みつく。莢は黒熟し10個内外の種を含む。スズメノエンドウは2個、カスマグサは概ね4個。草全体が飼料、緑肥となる。
学名はスズメノエンドウ Vicia hirsuta
カラスノエンドウ Vicia sativa subsp. nigra
カスマグサ Vicia tetrasperma
実
記:島乃ガジ丸 2012.8.5 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行