ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ホシスジオニグモ

2018年09月17日 | 動物:クモ・その他

 よく見る鬼

 殺虫剤を使っていないということもあると思うが、畑(もう手放しているが)には多くの生き物が住んでいる。植物も多いが、種類としてはおそらく動物の類が多いと思う。動物の中には怖いものもいる。先ずは、まだ出会ってはいないがハブ、畑にはネズミやカエルがたくさんいて、それを好物とするハブはきっといる。彼らは日向が嫌いみたいなので遭遇していないだけのことだと思われる。同じヘビ類のアカマタには出会っている。
 怖いものは他にハチの類、特にスズメバチの類は刺されると激しく痛いらしいが、私はまだ彼らに刺された経験は無い。チビアシナガバチというハチには数回刺されている。刺された瞬間はチクっと針で刺されたような痛みはあるが、痛みは長く続かないので我慢できる痛さ。毒を持つ毛虫もいる。特にタイワンキドクガがたくさんいる。その毛に触れると触れた箇所が腫れて激しく痛痒くなる。これも何度か経験がある。
 あと、刺された、あるいは噛まれた経験は無いが毒を持つムカデの類もいる。クモの類にも毒を持つ、かの有名なタランチュラほど強い毒では無いだろうが、いるらしい。

 毒は持たないが、怖い名前のクモの類もいる。今回紹介するホシスジオニグモ、これは畑でよく見る。写真を撮って、図鑑と見比べてホシスジオニグモであると知ったのだが、何でオニ(鬼)と名がつくのか見た目からは想像つかない。「ならば、毒を持っているのだろうか?」と思ったが、そうでもない。私から見ればクモの中でも可愛い方。見た目でオニ(鬼)にふさわしいクモは他にいる。それはチブサトゲグモ。
     
 チブサトゲグモは個体変異が多く、中には鬼の面のような見た目をしているのもいる。本種ホシスジオニグモも個体変異が多いとのこと。私はまだ出会っていないが、鬼のような見た目をしたホシスジオニグモがいるかもしれない。

 
 ホシスジオニグモ(星筋鬼蜘蛛):クモ目の節足動物
 コガネグモ科 静岡県以南の本州~九州、南西諸島に分布 方言名:クブ
 名前の由来は資料が無く詳細は不明。オニグモが広辞苑にあり「コガネグモ科のクモ・・・全体強剛で暗褐色、歩脚は太く長い」のこと。鬼蜘蛛という漢字表記は広辞苑からであるが、「強剛」から鬼とついたのだと思われる。ホシスジ(星筋)は体の模様からだと推測する。背に3~5対のギザギザ模様の縦筋がある。
 全体の形とその筋の形から本種であると判断するのだが、「色彩、斑紋の変異が多く、黒色型、茶色型、黄条型など様々なものが見られる」と文献にある通り、私も色の薄いの濃いのなど色彩変異の個体を見ている。私の写真の古いものは2006年3月のもので、以来何度も出会っていて、パソコンに残っている写真だけでも7枚ある。
 「草間、低木間に垂直の正常円網を張り中心に止まる」と文献にあるが、そういう状態にある本種を私は見ていない。「昼間は網の一端の葉裏に潜んでいる」とも文献にあり、そういう状態にあるものは見ている。ウロチョロ動き回っているのも見ている。
 「海岸地域に生息する」と文献にあったが、私は、海から離れている以前勤めていた職場(那覇市首里)やその近辺で見ており、西原町の畑でも何度か見ている。
 体長は雌9ミリ内外、雄6ミリ内外。琉球列島のほぼ全てに分布している。出現時期は6~9月と文献にあったが、それはたぶん、倭国での話で、私の写真は2月のもの、3月のものもあるので、おそらく沖縄での出現期間はもっと長いのであろう。
 
 成体2 全体の色が薄めの個体。

 記:2018.9.16 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』湊和雄著、実業之日本社発行
 『西表島フィールド図鑑』横塚真己人著、実業之日本社発行
 『ネイチャーガイド 日本のクモ』新海栄一著、株式会社文一総合出版発行
 『沖縄クモ図鑑』谷川明男著、有限会社文葉社発行