ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ハシボソガラス

2014年12月26日 | 動物:鳥

 騒がしい声

 私の畑なっぴばるは西原町にある。西原町は県都那覇市と接している。位置的には那覇の北東方向となる。西原町の北側には宜野湾市や中城村があり、そのさらに北に沖縄市や嘉手納町がある。学術的に確かめてはいないが、私が子供の頃、あるいは20代の頃まで嘉手納町以南にカラスはほとんどいなかったと思う。だけど、今は那覇にもいる。
 西原町にもカラスはいる。なっぴばるの北東側は森になっており、そこにはたいていカラスがいる。数羽群れて頭上を飛び回ったりする。鳴き声は大きいが、数羽なので彼らが鳴いてもそう煩くは感じない。カァ、カァとよく通る声も煩さを感じさせない。
 倭国に行くと、カラスの群れによく出合う。その群れはたいてい数羽という少数ではなく、もっとずっと多い十数羽、あるいは何十羽の群れであったりする。彼らが一斉に鳴き出すとそれはもう煩い。そして、ある時気付いたのだが、鳴き声も沖縄のカラスとは違う群れもあった。彼らの声は濁っていた。濁って大きく騒がしい声であった。 

 
 ハシボソガラス(嘴細鴉):スズメ目の鳥類 
 スズメ目カラス科の迷鳥 ユーラシア大陸北部に分布 方言名:不詳
 名前の由来、カラスについては『動物名の由来』に「カラスという名の由来は”黒し”という言葉の転であるというのが一般に信じられている」とあった。ハシボソは『沖縄の野鳥』に「ハシブトガラスに比べてくちばしが細く・・・」とあり、クチバシが細いことからハシボソ(嘴細)となった、で間違いないかろう。
 ハシブトガラスとの違いはもう一つ記されており、「くちばしと額との角度が緩やかである」とあった。くちばしの細さでは判断できなかったが、「くちばしと額との角度が緩やか」ということで、写真のカラスがハシボソガラスだと判定した。
 両者の違いは広辞苑にも別途書かれてあり、「くちばしが細い」の他、「クチバシが短い」、「全体がやや小形」など。それらについては、素人の私には判別不能。しかし、鳴き声の違いは私にも判るかもしれない。『沖縄の野鳥』には、ハシブトガラスのカァ、カァ、アァ、アァに対し、ハシボソガラスはガアー、ガアーとなっている。
 『沖縄の野鳥』に「生息場所は農耕地」とあったが、広辞苑には「人家付近に普通に見られる」とあった。そもそも、沖縄では迷鳥のようで、滅多に見られないようである。私の写真も沖縄ではなく、旅先の浜松で撮ったもの。食性は雑食性。

 記:2014.12.25 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野鳥』沖縄野鳥研究会編、(株)新報出版発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『検索入門 野鳥の図鑑』中村登流著、株式会社保育社発行
 『野鳥ガイド』唐沢孝一著、株式会社新星出版社発行