ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ゴキブリ

2011年07月23日 | 動物:昆虫-カマキリ・他

 ミードゥーサン

 ウチナーグチ(沖縄口)を知らない人には何のことか解らないだろうが、ミードゥーサンは割とポピュラーな言葉で、若いウチナーンチュでも知っている人は多かろう。
 世界最大の蛾として有名なヨナグニサンは、与那国で発見されたから与那国サンという名前だが、サンは漢字で書くと産ではなく蚕。蚕はカイコガの幼虫のこと。カイコガはカイコガ科でヨナグニサンはヤママユガ科で別種だが、同じように繭を作るので蚕(サン)とつけたのだろう。ミードゥーサンはしかし、蛾の種類では無い。生物でさえ無い。

 先日、・・・横綱台風18号の後の金曜日だから9月10日のこと。朝、トイレのドアを開けたら、和式便器の辺りをなにやら黒いものが動いていた。久しく、およそ三ヶ月くらい顔を見せてなかった奴だった。それまでは、月に1回くらいはどこからともなく現れて、私を驚かせていたのに、まさに「ミードゥーサン」である。
  ミードゥーサンとは、「久しぶり」ということ。沖縄口(ウチナーグチ)の専門家では無いので間違っているかもしれないが、解説してみる。ミーは「目」のことだが、後に形容詞が続くと「見る」という意味を持つ。ドゥーサンは「遠い」であるトゥーサンの音便化したもの。「見る」には「会う」という意味もあるので、「会うのが遠い」、つまり、「永いこと会っていない」、「久しぶり」ということになる。
 「ミードゥーサン」だった奴に、私は久しぶりにゴキジャットプロを手にし、たっぷりおみまいして、あの世に送ってやった。

 ゴキブリ
 ゴキブリにはいくつかの科があって、生息場所も山地の樹上、畑、朽木、枯葉の中などいろいろあるが、沖縄で屋内に入ってくるゴキブリは、主にゴキブリ科とチャバネゴキブリ科となっている。方言名:ゴキブリを総称してトービーラーと言う。

 
 ワモンゴキブリ
 ゴキブリ科。体長4cm以上にもなる大型のゴキブリ。家の中でよくお会いする。大きさも嫌だが、見た目でも毒々しい感じがして最も嫌な奴。

 クロゴキブリ
 ゴキブリ科。ワモンゴキブリより一回り小さくて体長3cm余り。先日、あの世に送ってやったのはこれ。見た目は、ワモンゴキブリに比べたらいくぶん許せる気がする。
 ゴキブリは熱帯性のものが多く、暑いのが好き。だから、同種のゴキブリでもヤマトゥ(倭の国)より沖縄にいる方が元気。よく動くし、よく飛ぶし、殺すのも簡単ではない。

 記:ガジ丸 2004.9.26 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行