ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

カワムラトガリバ

2019年05月08日 | 動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 嫌ではないけど

 無職の私も3月はまあまあ忙しかった。薬草冊子の件で依頼主のHさんと2度の会合があり、車の保険契約があり、車検があり、倭国からの友人が別々の日に2組訪ねて来て、楽しい時間を過ごし、地元の友人が酒持って訪ねて来てくれたのも別々のメンバーで別々の日に2度あった。友人が訪ねて来てくれる、年取るとそれがとても幸せに感じる。
 そういった楽しい嬉しいことが時々あったとしても、それでも無職の私は、働いている人に比べれば自由に使える時間はたっぷりある。そんな自由時間を何に使っているかというと、炊事洗濯掃除買い物など家事の他、天気が良ければ散歩、後は概ねパソコン作業。ブログの記事書きしたり、写真整理したり、薬草冊子作りしたりなどなど、そして、散歩しながら撮った草木や昆虫などの動物が何者であるか調べる作業。

 あれこれ用事の多かった3月が過ぎて、4月になると「何者であるか調べる」がだいぶ進んで、いくつか判明した。といっても、「これはこれである」と認識できているのはきっと図鑑を見ている間だけの事である。老化した私の脳は、明日になればその名も姿もさっぱり忘れているはず。もっと脳が元気だった若い頃から昆虫に興味持って調べ、記事書きなどしていたら「俺は昆虫博士になれたかもしれない」と、今更ながら残念に思う。
 今回紹介するカワムラトガリバも特に印象深いものではない。明日にはきっと忘れているであろう。記事を見てくれる方にも悪いが、カワムラトガリバにも申し訳ない気分。嫌なことは忘れるに限るのだが、カワムラトガリバ君、君はちっとも嫌じゃないよ。
 
 カワムラトガリバ(かわむらとがり羽):鱗翅目の昆虫
 トガリバ科 四国、九州~奄美大島、沖縄島に分布 方言名:ハベル(蝶蛾の総称)
 名前の由来は資料がなく不明。名前だけから判断するとトガリバは「尖り羽」と想像できるが、写真を見る限りでは翅が尖っているようには見えない。カワムラについては、川村さんという学者が最初に学術的発見をしたからその名が付いたと思うが、詳細不明。
 翅の文様に特徴がある。前翅の地色は黒~黒褐色で、そこに「白色で橙色を帯びた丸い紋が翅前半と外縁、後縁に並び、紋は、橙色の強弱があり、円形から楕円形まである」(沖縄昆虫野外観察図鑑)とある。その特徴から私の写真も本種であると判断。
 前翅長18ミリ内外。食草は不明とのこと。
 成虫の出現は3~4月と『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』にあり、『沖縄昆虫野外観察図鑑』には3月とあったが、私が見たのは2012年1月28日の夜、ヤンバル(山原:沖縄島北部の通称)のNさん宅の縁側であった。生きていた。

 記:ガジ丸 2019.5.5 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
 『原色昆虫大図鑑』井上寛・岡野磨瑳郎・白木隆他著、株式会社北隆館発行