瘤付きの瘤は失礼
コブというと「こぶ取りじいさん」や「目の上のこぶ」の瘤がすぐに思いつくが、他に無いわけでは無い。ウチナーンチュとしてはエイサーの鼓舞、食べる昆布(沖縄は昆布の消費量全国一とのこと)なども思い付く。が、今回紹介するハスオビコブゾウムシのコブは「こぶ取りじいさん」や「目の上のこぶ」と同じ瘤。
瘤というとまた、「瘤付き」という言葉も思い浮かぶ。
オジサンと呼ばれるようになって久しく、ジイサンと呼ばれるようになるのもやがてとなった私は、その歳になってもまだ独身である。この先も結婚する予定は今のところ無いが、望みはまったくのゼロというわけでも無い。そういった流れになれば流れに身を任そうと思っている。もう少し年取ったら「独りが淋しい」と思うようになるかもしれない。もっとも、そう思うようになった時には誰も相手にしてくれないかもしれないが。
でももし、そういう流れになったなら、もう子孫を残す行為もできないので、相手に望むのは「茶飲み友達」のようなものになるに違いない。私の場合は茶では無く酒で、他には、たまに映画を観に、ライブを聴きに行ったりするくらいであろう。
また、もしそういう流れになったら、相手がバツイチだろうがバツサンだろうが、ちっとも構わない。もちろん、相手に子供がいてもちっとも構わない。私は、子供には好かれる方なのできっと仲良くできると思う。子供と一緒に散歩して、道々に見える花の名前、木の名前、虫の名前などを教えてあげ、「オジサンすごい、物知り博士だ」などと褒められて満足しているかもしれない。幸せな老後になるかもしれない。
「瘤付き」という言葉は、「厄介者。特に子供をいう」(広辞苑)のことだが、貧乏人の私は「金が必要」という意味では「厄介者」と思うかもしれないが、結婚する相手に十分の経済力があって、私が金の心配をせずに済むのであれば、子連れの女性を「瘤付き」などとはちっとも思わない。むしろ、「宝付き」と思う。子は宝だ。
ちなみに、ハスオビコブゾウムシの瘤はただの突起物。ちっとも宝では無い。
ハスオビコブゾウムシ(斜帯瘤象虫):甲虫目の昆虫
ゾウムシ科 沖縄諸島、八重山諸島、台湾などに分布 方言名:不詳
名前の由来は資料が無く不明。「斜帯瘤」という字も私の勝手な当て字。瘤についてはたぶん正解で、実際に本種の背にはいくつかの瘤がある。斜帯については自信が無い。文献には4体の写真があり、その内の1体がかろうじて「斜めに筋が走っている」ように見えるが、私の写真も含めて他はみな縦に筋が走っている。
ゾウムシについては広辞苑にあり、「ゾウムシ科の甲虫の総称」で、「象の鼻状に長く突き出した口吻をもち」からゾウムシという名がついている。
寄主はフヨウ、ブッソウゲなどで、成虫、幼虫ともにブッソウゲやフヨウの茎や葉を食べる。野生のフヨウの他、庭木や街路樹のブッソウゲでもよく見られるとのこと。
体長は10~13ミリ。成虫の出現は4月から7月。
横から
記:2013.7.3 ガジ丸 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
『いちむし』アクアコーラル企画発行