スキバからテレビ
火曜水曜の出勤日は、去年の7月まで昼飯は家に帰って食っていた。職場から家が車で5分とかからない距離だったからだが、9月に今のアパートへ引っ越してからはそれができない。昼飯は弁当を作って持って行き、職場の事務所で食っている。
去年の7月まで、家で昼飯を食っている間テレビを点けていた。『笑っていいとも』を見て(観てというほどでは無い)いた。家で昼飯を食うことは8月まで続いたが、テレビを見ながらというのは無くなった。地デジになって以来家からテレビが消えた。
スキバというと「透き歯」を連想する、「歯と歯の間のすいていること」(広辞苑)の意だ。「すきっぱ」と発音する人も多いようだが、広辞苑に「すきっぱ」という言葉は無い。「すきっぱ」は俗語で正式には「すきば」なのであろう。
スキバドクガのスキバは「透き歯」という意味では無い。ガの顔を拡大して、その口を開けて、そこに並ぶ歯を見たら「透き歯」だった、とうことは無い。元より、ガに歯など無い。スキバドクガのスキバは「透き翅」という意。翅が透き通っているらしい。
私はしかし、スキバというと「透き歯」を連想し、タモリを思い出し、『笑っていいとも』を思い出し、テレビを思い出した。テレビねぇ、懐かしいねぇ。
スキバドクガ(透翅毒蛾):鱗翅目の昆虫
ドクガ科 沖縄島~台湾、マレーシア~インドなどに分布 方言名:ハベル
名前の由来、『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「雄の・・・前翅の大部分と後翅の翅頂部が透明で、和名のスキバはそれに由来する」とあった。ドクガはチョウ目ドクガ科のガの総称で、毒毛を持つものがいてその名がある。本種の幼虫も毒毛を持つ。
幼虫はいわゆる毛虫で、食樹はガジュマル。『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「時折大発生してガジュマルを丸坊主にすることがある」とあったが、そういえばそのようなガジュマルを見た記憶がある。そうか、あれはこの幼虫のせいだったのか。
同書にはまた、「雌は灯火に飛来し、雄は昼間に飛翔し・・・」ともある。日中活動性の私であるが、雄の姿をまだ見ていない。写真の雌は、午前10時頃に発見した。前翅長は雄17ミリ内外、雌22ミリ内外。成虫の出現は4~11月。
成虫
幼虫
記:ガジ丸 2012.3.9 →沖縄の動物目次 →蝶蛾アルバム
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
『いちむし』アクアコーラル企画発行