ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

シロスジヒトリモドキ

2012年03月02日 | 動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 文献頼りのガジ丸

 ガジ丸HPは2、3週間前からガ(蛾)を紹介しているが、それらの写真、古いものだと7年くらい前に撮っている。そしてこの7年で、名前の判明したものだけで10種以上のガの写真がある。ちなみに、判明していなものは50種以上ある。
 この世にガの類は夥しい数がいるのだということがよーく解った。よーく解ったところで、ガを見ても、小さなものについてはもう写真を撮るのを止めた。判明していない50種以上を判明させるのにもこの先1年以上はかかるであろう。参考文献の『沖縄昆虫野外観察図鑑』に載っていないのも多いので、図書館の大きな図鑑で調べなければならない。大きな図鑑はおそらく、県立中央図書館にしかないだろう。なかなか行けない。

 シロスジヒトリモドキは割と大きなガで、近くにいれば目に付きやすい。私は2度出会って、2度とも写真が撮れた。私の通常の行動範囲である那覇市の公園、宜野湾市の畑の周辺などで見たことはない。1度目は本部町の備瀬フクギ並木、2度目は源河川。目に付きやすいし、個体数も多い方とのことなので、文献にもちゃんと記載があった。

 シロスジヒトリモドキ(白筋灯擬):鱗翅目の昆虫
 ヒトリモドキガ科 琉球列島、台湾、東南アジアなどに分布 方言名:ハベル
 名前の由来、『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「前翅は灰黒色で基部から中央にかけて白色の条紋があり、和名はそれに由来する」とあった。見た目通りということ。ヒトリモドキは、ヒトリガ科という一群があるが、それに似ているからと思われる。そのヒトリは「一人」でも「独り」でも無く「灯」、灯火へも飛来するところから。
 山地、平地の林内に生息し、日中も見られるが夜間に灯火へも飛来する。吸蜜は夜間に行うとのこと。私が見たのは2度ともヤンバルの林内で、1度目は平地、2度目は山地、平地では真夏の真昼間、山地では真夏の夕方にお会いしている。
 前翅長30ミリ内外。成虫の出現時期は5月から11月で、個体数は多い方とのこと。幼虫は典型的な毛虫で、食草はイチジクなど。
 
 成虫  
 
 記:ガジ丸 2012.2.2  →沖縄の動物目次 →蝶蛾アルバム

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行


いつ読書する?

2012年03月02日 | 通信-音楽・映画

 小学校から中学にかけてはよく読書した。夏目漱石、太宰治、芥川龍之介などといった有名どころの文芸作品などを読んでいた。高校から浪人時代になると遠藤周作、北杜夫といった芥川受賞作家から星新一、筒井康隆などSFまで片っ端から読んだ。
 社会人になってからは仕事関連の資料を読むことが多くなったが、それでもたまには文学に浸ることもあった。であったのだが、40歳過ぎて老眼が入ってきた頃から集中して読書するということが面倒になって、文芸作品に限らず、仕事上必要な資料とか、ガジ丸HPに必要な図鑑、辞書以外はほとんど読まなくなった。

 今年はしかし、読んでいる。1月、2月の二ヶ月間で既に友人から借りた6冊、図書館から借りた9冊の計15冊を読んでいる。内容はほぼ「有機農業、自然農法」関連、「食の安全」関連、「心理療法」関連など。「有機農業、自然農法」はこれから私が目指す生き方ということで、「食の安全」は「有機農業、自然農法」を勉強しているうちに派生した関心事、「心理療法」は去年12月に飲み屋で遭遇した気功の達人の技を見て、「気とは何だ?人間の体や心と何か深い繋がりがあるのではないか?」と思って。
 埼玉に住む友人Rは、たびたび沖縄に遊びにやってくるが、彼は出版社に勤めており、自分の会社が出版したもので私が興味を持ちそうな本をお土産として持ってきたり、あるいは郵送で送ってきたりする。Rから贈られた本は今、約20冊が家の本棚にあり、約10冊が実家に置かれている。その30冊のどれ一つとして私はまともに読んでいない。何冊かをパラパラと捲っただけである。せっかくのRの親切だ、いつかは読もうと思っているが、Rの30冊は今の私の関心事ではないため「いつか」がなかなか来ない。

 今年はまた、DVDもよく観ている。テレビを観なくなって7ヶ月が過ぎたが、音楽とラジオで十分満足していた。退屈な時間はちっとも無かった。であったが、本を借りるために通っている宜野湾市立図書館はDVDも貸してくれる。そのコーナーを覗くと、ガジ丸HPに役立つ動植物関連、今関心を持っている食関連があり、それらを借りた。食関連がなかなか面白くてそのシリーズを観ている。第4巻まで観終わっている。
 DVDコーナーには数は少ない(DVDそのものが少ない、ビデオテープはその10倍位ある)が映画も置いてある。邦画もある。ハリウッド映画に興味は無いが、邦画には好みのものが見つかる可能性は高い。2月の初め『夕凪の街、桜の国』を借りた。広島の原爆を題材にした映画、静かに反戦を語っている良い作品だった。 

 先週も邦画を借りた。これは表紙の主演男優らしき男が岸辺一徳だったので、「ほう、あの名バイプレーヤーが主役か?」と興味を引かれたから。岸辺一徳はいろんな空気を出せる名優だと私は感じている。映画のタイトルは『いつか読書する日』。
 『いつか読書する日』は名作だと思った。いろんな事象がそれぞれ独立して起こり、独立して観客の関心を引く。主演の田中裕子は淡々と日常を生きているが、ある事象をきっかけとして昔の恋人岸辺一徳と声を交わし、別の事象をきっかけに二人は結ばれる。
 良い映画で内容も理解しやすかったが、ただ一つ、題名の「いつか読書する日」が何を意味しているのかが解らなかった。田中裕子は何を読書するのか不明のままだった。
          

 記:2012.3.2 島乃ガジ丸