ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

温暖化の症状2

2007年09月21日 | 通信-環境・自然

 8月31日(金曜日)、部屋で朝飯食っていたら、ジーワッ、ジーーーーワッと鳴くクロイワツクツクの声が聞こえた。夏の終わりを告げるセミである。これからしばらくはこのセミの季節である。・・・のだが、去年もそうだったと記憶しているが、今年もまた、私の住む近所のクロイワツクツクはその日一日だけの出現だった。
 思い返せば、7月12日から13日にかけて沖縄島を襲い猛威を振るった台風4号が過ぎ去ってから、セミの声が小さくなったような気がする。8月の後半からはほとんど聞こえなかったように覚えている。去年も確か、セミの消えるのが早かった。セミたちが何を考えているのか知らないが、環境の何がどのように影響しているのか知らないが、これも地球温暖化による症状の一つなのかと思われる。

  子供の頃、しばしば遭遇した夕立が、ここしばらく(10年か、あるいは20年)はずいぶん減ったように感じている。だが、今年の夏はスコールが多かった。朝立、昼立、夕立、晩立などと時間に関係なく降った。それも、にわか雨という言葉の響きから感じられるような雨でなく、熱帯地方のスコールのような激しい雨であった。今までに無いことである。これも地球温暖化による症状の一つなのかと思われる。
          

 地球温暖化は、北極の氷が溶けつつある、ヒマラヤの万年雪が溶けつつある、海水温が上昇しつつあるなどと、着実に進んでいるようであるが、気温そのものの上昇は場所によっていくらか違いがあるようで、ただ一目散に右肩上がりでは無いようだ。
 今年の夏、前半は非常に暑く、後半はそうでもなかった。本当にそうか、気象庁のサイトを見る。夏は梅雨明けから始まるので、6月下旬からの那覇の平均気温。
     6月下 7月上 中   下   8月上 中   下   9月上
 2005年 27.9  29.0  29.1  29.5  29.4  28.9  28.8  28.3
 2006年 29.3  29.5  28.4  29.3  28.8  29.2  29.4  28.9
 2007年 28.9  29.7  28.9  30.2  29.5  28.4  28.4  27.9
 ということであった。非常に暑かった去年と比べても8月上旬までは今年の方が暑い。しかし、8月後半からは今年の方が1度ほど低くなっている。そして、それはその通り、その頃から私は、夜寝る時、一度も扇風機を使っていない。窓を開けていれば涼しい風が部屋の中に流れ込んできて(それでも30度あったが)、夏の割には快適であった。

 私の感覚で言えば、8月30日に秋風が吹いた。以来、明け方にはタオルケットが必要なほどに涼しい日が、週に一日、週に二日、週に三日と増えてきていた。
 ところが、「やったぜ!暑さも終わりだ。これから快適な夜だ。」と思っていたら、台風11号が過ぎてから暑さがまたぶり返した。今週は扇風機を2回使った。
 これからは、例年がこうだからということが当てはまらない季節変化となるかもしれない。これは間違いなく、地球温暖化による症状の一つだろう。

 記:2007.9.21 島乃ガジ丸


発明020 アリンクリン

2007年09月21日 | 博士の発明

 マナが帰ってきた。約一ヶ月ぶりのことである。マナは元気だった。心のモヤモヤは消えたみたいで、晴れ晴れとした表情をしていた。
 「帰ってきたばかりで疲れてるでしょ、今日は休んでていいよ。客としてそこに座ってなさい。」と優しく言うマミナ先生に、
 「大丈夫だよ、ゆったり、のんびりした旅だったからね、疲れはほとんど無いの。リフレッシュしてさ、すっごい元気なんだよ。」と答え、カウンターに入った。

 ユクレー屋は、昼間は雑貨屋兼喫茶店であり、夕方から飲み屋となる。ケダマンはほぼ毎日、私は週末のみ、飲み屋開店のだいたい1時間前から店に入り、開店前の準備を手伝っている。主に掃除、テーブルのセッティングなどをやっている。マナがやってきたのは我々が掃除をしている最中のことであった。
 我々が掃除をし、テーブルのセッティングをしている間、オバーとマミナとマナは三人で料理とカウンター内の準備をしている。二人でできることを三人でやっているのだ。ずいぶんと余裕があるようで、ずっとユンタク(おしゃべり)している。
 三人のユンタクのほとんどは私の耳にも届く。私に聞こえた限りでは、その内容の多くは、一ヶ月もの間マナがどこで何をしていたかということのようであった。
 それによると、マナの一ヶ月はそのほとんどを、ガジ丸に紹介してもらったユイ姉のところに厄介になっていた。ユイ姉はナハの街で小さな飲み屋をやっており、そこで働かせて貰い、また、ユイ姉のアパートに寝泊りしていたとのこと。

 開店前の準備が終わる。オバーが暖簾をかけ、外の灯がついて、ケダマンと私はカウンター席につく。さっそくビールを頼み、労働後の旨い一杯を腹に入れ、一息ついた後に、カウンターの向こう、目の前に立っているマナに尋ねた。
 「ユイ姉の店にいたんだってね。どんな店?マナは何していたの?」
 「ユクレー屋よりはずっと洒落た感じの飲み屋さんだよ。ジャズバーっていうのかな、ああいうの。小さい店なんだけどね。そうだなあ、ここの三分の一くらいかなあ。ピアノが置いてあって、静かに時間を楽しむ大人の雰囲気の店って感じ。」
 「そのピアノを弾くのがお前の仕事だったのか?」(ケダ)
 「まさか、いや、1回弾いたんだけどさあ、『あんた、下手ねぇ。2、3年はみっちり練習しないと、ここでは演奏できないよ。』ってユイ姉に言われたさあ。私の仕事は料理やお酒を運ぶウェイトレスよ。それから、あんたたちと同じ、掃除よ。」
 「それじゃあ、そこのピアノもここと同じで、ただの飾りなの?」(私)
 「ううん、そこはちゃんとした弾き語りの店だよ。ユイ姉の他にもう一人、若い女の人が一緒に働いていてね、その若い人が時々ジャズを弾いてるの。ユイ姉もジャズをたまに弾くけど、彼女の場合はポップスとか古い歌謡曲の方が多かったな。」とマナは言って、それから何かを思い出したように、ウフオバーに声をかけた。

 「オバー、そういえばさあ、ユイ姉の店って、他の店に比べたらきれいなんだと思うんだけどさあ、ユクレー屋は段違いにきれいだよね。台所なんて不思議なくらいきれいだよね。何か特別な洗剤とか掃除道具を使ってるの?」と訊く。
 「そういわれたらそうだねぇ、私の家の台所も毎日掃除しているんだけど、こんなにきれいって感じはしないねぇ。なんでかねぇ。」とマミナもオバーの顔を見る。
 「あんたたちも使っているから分ると思うけど、道具も洗剤も普通さあ。」とオバーは答える。そう言う通り、確かに台所にある食器洗剤や換気扇用の洗剤は、日本の有名なメーカーである葉王の商品である。スポンジも雑巾も普通のもの。
 「あ、でもねぇ、一つだけ他ではあまり見かけない洗剤があるよー。ゑんちゅとケダマンが使っていた床掃除用の洗剤は他所には無いかもねぇ。」(オバー)
  「おー、それってあれか?」と、さっきまで我々が使っていた洗剤の容器を、ケダマンが掃除道具用の倉庫から取ってきた。その容器にはアリンクリンと書いてある。アリンクリン、そういえば今まで気にも留めなかったが、あまり聞かない名前である。
 「うん、それ。シバイサー博士の発明した洗剤さあ。」(オバー)
 「えっ、それは知らなかった。・・・うん、そうか博士の発明か、さすが博士、優れた洗剤を発明してたんだ。」と私が興奮気味に言うと、オバーは首を振って、
 「何でも洗えるからアリンクリンっていうんだけどね、確かに何にでも使えることは使えるんだけどね、まあ、その意味では優れているかも知れないけどさあ、食器洗いや換気扇洗いなんかは、それ専用の洗剤の方がずっと勝っているさあ。アリンクリン(あれもこれも)って駄洒落だけの発明品だと私は思うさあ。」とのこと。
 「ひつこい汚れにアリンクリン」と得意げに歌う博士に、「役に立っていない」とは言えないので、今は床掃除専用として使っているとのこと。
     

 記:ゑんちゅ小僧 2007.9.21


温暖化の症状1

2007年09月21日 | 通信-環境・自然

 9月9日の日曜日にパソコンのモニターが壊れた。それはテレビ兼用だったので、それ以降、テレビを観ることができなくなった。
 12日(水曜日)の午後、「安部総理が辞めた」ということを社長から聞かされて、夕方のニュースを聞く。画像の無い音声だけのテレビニュースである。音声だけを聞きながら安藤優子の顔を想像する。ちゃんと想像できる。画像の無い音声だけのテレビでもそれなりに楽しめるということを知った。で、翌日は朝からテレビをつける。

 その日、朝のニュースに無かったことが夜のニュースにあった。台風11号が沖縄に向かっているというニュースである。「台風?ずいぶん急だな。」と思う。
 翌日金曜日の朝のニュースでは、「夕方には沖縄本島地方が暴風圏に入るかも」ということであった。「えーっ!そんなに急なのかよ。」と思う。画面に映っているであろう天気図を観て確かめることができないので、「入るかも」の「かも」がどの程度の確立なのか自分で判断することができない。「画面は必要だ」と思う。

 母を見舞いに病院へ行き、電気屋さんに寄って液晶ディスプレイを買い、金曜日の職場には12時過ぎの出勤となった。一通りの台風対策を終えて、従姉の亭主に訊く。
 「台風が近付いているみたいだけど、強いの?」
 「いや、たいした勢力では無い、昼のニュースでは975くらいだったよ。」
 975ヘクトパスカルなら、確かにそうたいした強さでは無い。それでも私の住まいでは、ベランダの簾を下ろしたり、外の鉢物を寝かせたり、畑のナスなどに支柱をしなければならない。4時前には帰る。帰る前にネットで天気図を確認する。
  台風11号、14日14時の時点で960ヘクトパスカルに発達していた。台風は海水温が高いと発達する。沖縄近海は海水温が高い。よって、台風が沖縄へ向かいながら発達するのは普通である。沖縄付近で最大勢力となり、沖縄を過ぎると海水温が低くなるので勢力を落としていく。沖縄が台風銀座と呼ばれるゆえんでもある。
 ところが、台風11号、沖縄を過ぎて朝鮮半島へ向かいながら、なお発達していた。15日9時の時点で、940ヘクトパスカルとなっていた。沖縄の近くで発生し、発達しながら北上し、九州辺りで最大勢力となるような台風がこれから増えるかもしれない。台風銀座という称号は九州に譲渡ということになる。これも地球温暖化の影響である。

 気象庁によると、台風11号が発生したのは13日(木曜日)午後とのこと。発生した場所は南大東島の南南東約390キロとのこと。時速20キロで進んでいるので、南大東島までは1日もかからない場所。沖縄近海で発生した台風である。いずれそのうち、沖縄は熱帯地域となり、九州は亜熱帯地域となるに違いない。
          
 
 記:2007.9.21 島乃ガジ丸