ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

焦ってもタイ、腐ったら倍

2007年08月10日 | 通信-社会・生活

 このところ二ヶ月以上も現場仕事が続いている。炎天下の肉体労働は激しく疲れる。あまりにも疲れるので、家に帰って、ビール飲んで、酒飲んだら、他には何もできないほどである。日頃、筋力トレーニングをしているので、私の筋力はさほど落ちているとは思えない。沖縄の夏の太陽に照らされるダメージに、耐え切れなくなっているのだ。
 じつは私は、パソコンを使っての内勤が主になったのは10年前位からで、それ以前は
現場仕事が主であった。その頃も、夏の炎天下で働いた後は激しく疲れたのであるが、ビール飲む以外に何もできないということは無かった。体力は確実に衰えている。
 先週木曜日、炎天下での肉体労働が1時間半の残業付きとなった。定時ですっかり疲れていた私は、さらなる1時間半を青息吐息で何とか乗り切った。その夜は買い物に行く元気も無く、ガジ丸記事の1行さえ書くこともできず、絵のアイデアも何ら浮かばず、調べものも何一つできず、ストックしてある缶詰を肴に酒を飲んで、寝た。

 その日の現場監督は若いT、真面目な好青年であるが、時間にルーズなのが玉に瑕。彼の現場に出ると、定時に帰れるのは稀となる。ほぼ決まって残業となる。「仕事だから、できるだけのことをしたい」と真面目な彼は思っているようで、定時に帰るなんて最初から考えていないような段取りを組む。私は腹を立てて、文句を言う。
 時間にルーズな彼は初動が遅いのである。職場に遅刻してくることも多いが、現場についてからの動きも遅い。着いたら一服するのが彼の癖となっている。一服と言えば、咥え煙草で作業をするのも彼の癖である。それも私は気に入らない。昼食後の作業開始時間、こっちは準備OKとなっているのに、その時もまた、彼は一服する。そういった無駄な時間を省いて、その分早く帰ったらいいじゃないかと、私は思うのだが・・・。

 家に帰ってからもやりたいことがたくさんある私は、サービス残業をやっている時間が勿体無いと思う。たとえ残業代を支払われたとしてもカネよりは時間が惜しい。
 焦っているわけでは無い。焦ってミスをして、そのミスを修復するのに費やす時間を考えれば、焦っても焦らなくても仕事の量はほとんどタイ(tie:競技などで、相手の得点や過去の記録と同等なこと:広辞苑)であることを私は認識している。淡々と、着実に、今やりたいことをやっていれば結果は残る。やりたいことの全てをやって満足を得ることも私は一応望んではいるが、”どうしても”とまでは思っていない。できる範囲で良いと思っている。やりたいことをやっている時間そのものが楽しいのである。サービス残業は、サービスでなくても、やっていて楽しいとは思っていない。
  だからといって、残業の間、ブーブー文句は垂れても、仕事に手抜きはできない。いつも以上に頑張るなんてこともしないが、与えられた仕事はきちんとこなさなければならない。「何だよ、また残業かよ」なんて腐ってしまったら、作業を終えるのに倍の時間を費やし、倍の疲れが付加することも私はまた、認識しているからである。
 時間にルーズな現場監督のTに、「咥え煙草で仕事をするな!」とか、「現場に着いて一服する時間があったら、仕事内容を皆に説明しろ!」などと意見する私であるが、Tのことは好きである。何しろ、彼ときたら、腐るってことが全く無い男だからである。「焦ってもタイ」はともかく、「腐ったら倍」は認識しているようである。
          

 記:2007.8.10 島乃ガジ丸